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2022年3月18日金曜日

戦術大隊の2割が機能停止に追い込まれ、進撃停止

  
 3月12日 ゼレンスキー大統領の発表。

 ウクライナ軍の攻撃によりロシア軍はその戦術大隊の31個を失った。
 
 ∧∧
(‥ )SNSに投稿された
\−  損害から推論すると
    少なくともロシアは
    22の戦術大隊を
    失ったはずと
    言われてますな
  
 
  (‥ )破壊や放棄された車両の
      全部が投稿される
      わけもないんで
      ウクライナ発表の
      31という数字は
      多分正しいのだ
 
 ロシアの戦術大隊というのはロシア軍が戦で動かす大きな部隊編成、戦の単位、あるいは駒のようなもので、ロシア語の頭文字をとってBTGと略称されている。

 ロシアの戦術大隊は、戦車を担当する戦車中隊、機械化大隊、自走砲中隊、ロケット砲中隊を組み合わせたものだそうだが、戦車中隊が持っている戦車は10両程度だそうだ。
 
 ∧∧
(‥ )少なくね?
\−  と思ったら
    部隊を小規模にして
    速度を重視
    ミサイルとか火砲を
    強力にして
    ただちに敵地に到着
    ミサイルや砲撃で
    相手をつぶす! という
    やりかたみたいね
 
 
  (‥ )その分、歩兵が少なくて
      携帯火器を持った
      敵兵に攻撃されやすい
      戦車が少ないので
      10両のうちの3両を
      破壊されただけで
      機能が著しく低下して
      敵陣を突破できなくなる
      ここをウクライナに
      突かれてるという
      解釈があるな
 
 
 ついでにいうと、かような部隊編成でミサイルを大量に打ち込むのは効果的には違いないが、しかし、金がかかる。なので今回のような大規模作戦では金欠、ミサイル不足、砲弾不足に苦しんでる、という解釈もある。
 
 *ちなみに米軍の機甲旅団戦闘団(ABCT)だと戦車はずっと多いので、機能停止に追い込むにはロシアの戦術大隊よりも、もっと戦車を破壊する必要がある。言い換えると、もし、今回のような戦闘を米軍が行なった場合、ロシア軍のような侵攻停滞は起きなかったということになる。
      
  
 さてもさても、今回の戦でロシアが投入した戦術大隊は120であったと言う。しかし開戦3週間目にしてそのうちの30を失うとは
 
 ∧∧
( ‥)戦の駒の
    4分の1を喪失か...
    損害がデカすぎるべ
 
  (‥ )まあ
      駒が失われたと言っても
      駒の車両と兵士が
      全員死亡したわけじゃなく
      2割、3割を失って
      組織的に
      機能しなくなったから
      解体、再編成するって
      話ではあるけどね
 
 とはいえ、人員や装備の2割、3割を失えば再編成する必要があり、部隊は壊滅扱い。
 
 そうであれば、自身の駒の4分の1を失った今回の遠征軍全体が、壊滅扱いのような状況だとも言える。
 
 ∧∧
(‥ )とはいえ
\−  2割が機能喪失しただけだ
    増援を呼んで穴を埋め
    部隊を再編成しつつ
    目標を達成すればいい
  
 
  (‥ )南オセチア駐留軍が
      動員されてるという
      話が出てきたし
      15日に津軽海峡を抜けた
      ロシア軍船も輸送車とか
      載せてたから
      ウクライナへの増派と
      輸送みたいね
 
 *南オセチア駐留軍 2008年の北京オリンピックの際に起きたジョージア(グルジア)とロシア連邦の戦争。そしてロシア連邦が奪った南オセチアに駐留するロシア軍のこと。
 
 
 それにしても戦術大隊2割喪失で増派と再編成。機能停止とは言えずとも、これが機能の著しい低下を意味すること確実であった。

 そして事実、ロシア軍の進行は奇妙に止まったまま。

 あと5日のうちにキエフは包囲陥落する! あと数日だ! ロシア軍の車列確認! まもなく総攻撃! 包囲される! 東からロシア軍が来ている! 

 と言われ続けてすでに開戦から4週目に突入した今になっても、包囲攻撃どころか、東から伸びてきたロシア軍がキエフまで辿り着けず、手前数十キロで足踏み状態。
 
 ∧∧
(‥ )どうもロシア軍は
\−  軍勢を150km程度
    移動させるのが
    精一杯なんじゃないか?
    という話が出てるね
 
  (‥ )北部国境からキエフまでは
      150kmぐらい
      この距離なら動けることは
      北と北西に陣取った
      ロシア軍でわかる
      一方で
      キエフに東から迫る軍は
      今、260kmぐらいで
      足踏みしてるからな
      確かにそう解釈できるよな
 
 
 無論、膠着状態とはいえ、ロシア軍とウクライナ軍はあちこちで一進一退しているし、移動距離が短いせいなのだろう。南部のマリウポリ(Mariupol)ではロシア軍優勢で包囲が長引いており、多くの犠牲者が出ているのだった。
 
 ∧∧
(‥ )しかしまあ
\−  これがあのロシア軍ですか...
    いくら部隊編成が
    今回の戦向きでないとはいえ
    進軍すらままならないとはね
 
  (‥ )和平だ交渉だとか
      時間稼ぎして
      物資を蓄えて
      部隊を再編成して
      一気にキエフへ
      攻め込んでくるかも
      しれないけども
      いまだに
      人口200万を擁して
      迎撃する気満々の都市で
      市街戦する余力は
      あるものかね?
 
 事実、補給はずっとたやすいだろう南部のマリウポリ、人口45万ですら落としていない。
 
 ∧∧
(‥ )マリウポリでは病院爆撃
\−  避難民のいる劇場を攻撃
    こうした恐怖戦術を
    使うのみならず
    人質をとって
    病院に立てこもってる
    みたいだけど...
    立てこもりって
    これは軍隊なのかい?
 
  (‥ )ロシア軍が11日に
      メリトポリ市の市長を
      拉致して
      16日に解放したけど
      解放条件が
      ロシア兵捕虜9名と
      交換だったという話だな
 
 ∧∧
( ‥)それはロシア軍上層部の
    指示なのかい?
    とてもそうは思えない
    内容だが
 
  (‥ )...これは本当に
      軍隊なのかい?
 
 
 食糧や燃料の補給がままならないのみならず、無線がダメになって携帯電話みたいなもので通信しているので露軍は内部通信が傍受されっぱなし。当然、司令官の位置も特定されやすい。今回の戦で20名動員された軍隊司令官たる少将が次々と戦死して、15日には4人目を失った。
 
 開戦3週間にして司令官の5分の1を失う! これはあくまで編成中における一時的な現象だろうけども、かくのごとき混乱状態だ。誘拐だの立てこもりだの、今のロシア軍は軍隊としての機能が失われつつあるのかもしれない。
      
      
 
  

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