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2013年4月30日火曜日

死と虚偽こそがユートピア、それこそが理想郷

 
 
 ∧∧
( ‥)小説「1984年」は
    3つの超大国が均衡し、
    それを良いことに国内で
    虚偽のユートピアを作った世界
 
  ( ‥)互いに征服できない超国家
    –□ 互いに敵であって
       敵になり得ない相手同士
 
 なれば話は簡単だ。
 
 ∧∧
( ‥)外敵それ自体はいる
    それはつまり、
    これこれは敵のせいだ、
    敵がいるからこれこれは
    しょうがない、
    敵がいるから我々が必要だ
    そう主張できる。
 
  (‥ )だが実際には敵が
      存在しない
      それはつまり
      技術を停止させても、
      社会を固定しても、
      革新をすべてはばんでも
      敵に打倒されない、
      そういうことでもある。

 
 
 まあ、企業が地球に3つしかなく、市場の言語や習慣が違いすぎてしかも巨大すぎるので、互いに併呑できず、ライバル企業が存在するようでいて実は存在しない、そういう会社はどうなってしまうか考えてみればいい。
 
 ∧∧
( ‥)技術を変えず、
    体制を固定し、
    既得権益だけを守り
    現状維持以外の一切を
    しない会社になるだろう
 
  (‥ )悪いのは全部敵のせい
      変革を望む社員は全部
      敵のスパイ、そして粛正
      現状維持が目的化し、
      指導部は絶えず正しい
 
 我々は偉大だ。我々は業績を上げ続けている。我々は絶えず前進している。だが実際には現状維持に汲々として見栄えの良い嘘をついているだけの世界。
 
 失敗のない世界。そこは虚偽の世界になる。
 
 
 ∧∧
( ‥)でも、それこそが
    ユートピアなのだと
 
  ( ‥)ユートピアとは
    –□ 理想状態の固定に
       他ならない。
       だが現実は変動する
 
 現実は変動する。生物はこの宇宙では不安定な存在だ。というか、ほどよく安定的に不安定なままだから生物なのだ。
 
 ∧∧
( ‥)つまり、生物を理想状態に
    固定するとは
    死に他ならない。
 
  (‥ )ユートピアは死の帝国に
      なるか、あるいは
      現状維持に汲々として、
      現実との齟齬で空いた
      隙間に嘘を充填する
      しかないんだ。

 
 
 死の帝国か、虚偽の王国。
 
 ユートピアとはそれだ。
 
 
 ∧∧
(‥ )現実の1984年は2超大国の
\–   冷戦と均衡でしたけども、
     それはガチバトルの
     結果でしたからね。
     だからソ連は
     疲弊して瓦解し、
     勝ち残ったアメリカも、
     しかし、イラクで大失態
 
  (‥ )世界は生きてる。
      そういうことであるね。
      ユートピアを目指した
      マルクス主義国家は
      それを放棄するか、
      あるいは
      死の帝国を作ろうとして、
      必然的に自壊するか、
      あるいは虚偽の王国になる
      しかなかった。そして
      それらも消え去ろうと
      している。示唆的よな。



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