用事の帰りに仕事の件もあって国立科学博物館を見学。その帰りの電車でぼーっとしていると
「ぶつかったんだからあやまってください!! なんであやまらないんですか!!」
という小さな声が外から聞こえる。
どうも水商売っぽいお姉ちゃんと子供がぶつかったらしく、小学4年生ぐらいの子供が
「ぶつかったんだから、あやまってください。なんであやまららなないんであ・・・・」
∧∧ かみましたね
(‥ )
-( ‥)ああ、かんだな。
ここ一番という時に、かんだな、少年。まあ、気にするな、そういう時もあるさ。世の中ってそんなもんさ。
顔を見ると利発そうで整った顔だが、てんぱっているように見えた。融通が効かなそうに見えたのは気のせいかもしれないし、先入観のせいかもしれない。お姉ちゃんは無言で、そして電車のドアが閉まった。少年を残して電車が動き出した。みんな、どうでもいいって顔だった。
∧∧ あなたはやつれた顔をしてますよ
( ‥)
-( ‥)窓を見て、ぎょっとしたよ。
不摂生の祟りだ。散歩にいかねば。
電車とてんぱっている少年。
もうずいぶん前にこんなことがあった、今頃のことである。朝、アルバイト先にいこうと電車に乗ると、電車が止まった。「なんで止まっているのかしら?」アフリカ系の陽気なお姉ちゃんが3人で話し始めた。
「なんで止まっているの?(英語)」
話かけられた高校生が答えた。「事故があったみたいです(英語)」
「名前はなんていうの?」
「光ですけど?」
「わー、スカリーみたい」(どうも女の子の名前みたいね、ということで大受けしたっぽい(Xファイルの余波がまだ残っていた))。
「?? 良い名前だってことですか??」
端正でハンサムな顔だが、まだ若い高校生が意味を分かりかねて ?? していた。
突然、まったく関係なく、小学生の男の子が泣きだしだ。
「なんで電車が止まっているんだ、なぜ動かないんだ?? これじゃ間に合わないじゃないか、なんて僕は不幸なんだ 僕はどうすればいいんだっ、うえええええええええええええええええええ」
アフリカ系のお姉さん3人は陽気に歌いだした。子供の泣き声と歌声と車内には押し殺した笑いがあふれ、
∧∧ あなたは内心大爆笑でした
( ‥)
-( ‥)そうだけどさ、声を出して笑うわけには、
いかないんだよ。
20分後、アフリカ系のお姉さんたちは陽気に話をしながら降りていき、少年は全力疾走してこちらの視界から消えた。
ドアが閉まった。
みんな笑いを押し殺していた。