原稿を書いていて疑問に思う。
( ‥)オドントグリフスやオルスロザンクルスは
-/ 軟体動物、さらには触手冠動物の原始的な
系譜だということを書いて
それで何がどうだっていうんだろ?
∧∧
( ‥)ああ、もっと地道にテクニカルなことを
書くべきじゃないのか、という疑問ですか?
これに対して有孔虫のページは1ページ・・・
時々、古生物の教官からこんなことを言われる「恐竜やりたいとか、バージェスやりたいとか、そういうことを言う学生ばっかくる」
ついでにいうとこうも言われる
「だからもっとちゃんと基礎的なことを書いてよ」
はい、ごもっともです。新生代の二枚貝とか、有孔虫や珪藻ですよね。
∧∧
( ‥)ばっか、というのは表現上の誇張でしょうけども
恐竜もバージェスも人気ありますからね。
(‥ )でも産地や産出がごく限られていて、さらに
いいサイトはすでに押さえられているような、
派手だがマイナーな生物を「やりたい」と
学生に言われてもなあ。
そりゃあ教官の皆さんは困るわな(論文、どう書くんだよ? 就職はどうするんだ? という素朴な疑問)。
ある意味、それを助長しているのがこういう仕事。
∧∧
( ‥)車の技術史、とか言いながら
人気スポーツカーのスペックしか書いていない本を
”技術書”だと称して作っているようなものかもしれませんね。
( ‥)まあ、みんなが望むのは”それ”なのだと
言えばそうなのだけどもね。
しかし、いや、だからこそ、それでは困る、と言われるのは当然なんだと言える。
オドントグリフスとかハルキエリアとかどうしよう? 抜くか? アノマロカリスも抜いちまうか?
とはいえ、生物の門の進化には集団遺伝学は無力、”大進化が必要だ!!”、というとんちんかんな意見に対して、まあ、あんたはそうは言うけども、これを見たら? と示すためには、これらを紹介することに意義があるかもしれぬ。
(‥ )古生物学者は地学の訓練を受けていて、
ライエルの地質学原理さえも知っているのに
いざ、古生物の進化になったら大進化とか
言い出す連中が一部にいた(過去形)のが
信じられないよ。
∧∧
( ‥)グールドさんとかですかね?
地学は斉一説で理解しているのに、生物になったとたんに斉一説を放棄しちゃうってどういうことね?
∧∧
(‥ )ダーウィンさんは逆なんですよね。斉一説で地学を理解して
\- それを生物学に応用したんですよね。
(‥ )でっ、生物に関してははるかにエキスパートだった
オーウェンを打ち倒すというな。
しかし、ダーウィンの後継者であるはずの古生物学者が平気で大進化とか定向進化とか、かつて言っていたのは正直驚きであるし、理解にくるしむ。
*一応、言っておきますけども、先に上げた教官の皆さんはまともです(こんな評価をするのも失礼なんだけど、念のため)
∧∧
( ‥)化石記録の不完全性を進化のあるがままの姿として
解釈してしまったと。
(‥ )だから断続平衡説とか大進化とか定向進化とか
言い出したのかもしれない。
けども、それも理解しがたい話。
化石記録が不完全である(母集団から平等でないやりかたでサンプルを抜いている)のは明らかであるはずなのに、その不完全性を”実体として見て”しまうとはいかなることなりや?
∧∧
( ‥)そういう意味ではオドントグリフスとかの話を書くのも
書き方次第で有意義なのでは?
( ‥)こんなのを喜ぶ人がいるかは知らないけども
-□ 娯楽にはなるかもね。
別に教科書を書いているわけでなし、門の断絶なんて記録の不完全性と人間の認識でしょ? ということも練り込みつつ
∧∧
( ‥)まっ、あなたがやっているのはある意味では
娯楽産業ですし。
( ‥)楽しめる知識をちりばめて
-゜ 意義はそっと練り込もう。
有孔虫や放散虫やサンゴはどう書こうか? 後、石灰岩に入った腕足類と二枚貝の断面を識別するにはどう説明しようか。ホタテガイはどうしよう。
∧∧
( ‥)やること多いですね。
( ‥)無茶を承知で一点突破する
-/