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2010年2月28日日曜日

萌え萌え擬人化

 
 先日、さる人が萌え萌えの本を買っていたことを知った。

 ∧∧
( ‥)まあ、この場合、萌え萌えと言っても

    (‥ )まあなんだ、萌え萌えの絵で
        科学とか歴史とかを面白おかしく
        学ぼうという形式の本であって

 昔、なつかしの学研漫画シリーズとか、ああいうもののノリというか、文化的には直系の子孫。さもなきゃ萌え萌えが学習漫画に収斂したものなんだろうけども。

 ∧∧
(‥ )その人は生物専門で、なおかつ萌え萌えの
 □-  絵も好きだから買ったみたいですよね。

    (‥ )女性の方だけどね、そりゃあね
        女性の人もかわいい女の子は
        好きだからね。

 さて、とはいえ、その時にこんな話も聞いた。萌え萌え図鑑とか萌え萌え解説書は幾つも出ているけども、昨今でた某萌え萌えなんちゃらは、だめ、これ、と感じたので買わなかったそうな。

 ∧∧
( ‥)まあそのなんだ、、、あれは
  -□ 絵が消化し切れてないですよねえ・・・。

    (‥ )線に迷いがあるっていうか、擬人化しきれず、
        さりとて単純にかわいい娘にもできず
        てところかなあ。

 彼の人が言うにはお題がお題なだけに、さすがに無茶があるだろうというご意見。それはまことにごもっとも。不可能ではないが、困難があることには違いない。
 
 ∧∧
( ‥)そういう場合、もういっそのこと、擬人化をあきらめて
    解説対象物を抱き枕にして、女の子が
    しがみついていたらいいんじゃないですか?

    (‥ )擬人化、萌えというお題の仕事を受けた時に
        それをしろってか? そりゃあ最終手段だよね。

 そういう最終手段は禁じ手かもしれないけども、そうした方がまだしもいいってことがある。しかし、それにはそれで決断が必要だ。そして決断が必要な時、肝心な時間までなかったらどうするか?

 例えば擬人化、萌え萌えの絵を描けと言われて、期日は1ヶ月で10枚、その内容たるや

 ∧∧
(‥ )お茶碗、ビール瓶、複素数、関東ローム層、などなど
\-
    (‥ )という内容だったらおいちゃん、
        頭を抱えちゃうよ。

 仮にこんな仕事を受けたとして(そんな仕事がくるとは思えないが)、平均3日でキャラを考えて、テキストに沿った内容で、特徴を分かりやすく示し、なおかつかわいく描け、などというのは無謀の極み。
 
    ( ‥)お茶碗は、、そうねえ、頭にお茶碗を
      -/ のっけて、両手に大きなお箸を・・・
 ∧∧
( ‥)そりゃあただの酔っぱらいですよ。
    宴会芸でもするんですか?


 お茶碗を可愛く描けって、もしもそんなことを要求されたらどうするね?


 ∧∧
( ‥)まあそれでもお茶碗なら思いつかないこともないでしょ?
    スカートをでっかいお茶碗にするとか。

    (‥ )まだしも日常見て、知っているものだからなあ。

 
 だが複素数とか、高圧電線の碍子とか、前方後円墳だのを擬人化しろって言われて、しかも時間もなかったらどうするね?

 ∧∧
( ‥)困りますねえ。

    (‥ )困るよねえ。

 前方後円墳、普通のカットを描くだけでも出来上がった雑誌を見たら頭を抱えたわけで、もしも擬人化しろって言われたらどうしたもんだか。

 ∧∧
( ‥)もうどうしようもなかったら
    前方後円墳の抱き枕を女の子が
    ぎゅっとね

    (‥ )それやっちゃう? それしちゃう? 
 
 擬人化イラストの仕事をする人たちは大変だなあ、ありゃあ。





Careproctus

 
 Careproctus はて? この学名の意味はなに?

 ∧∧
( ‥)Careproctus、コンニャクウオ属ですね

    (‥ )ギリシャ語で造語する時は接続母音のoで
     □-  つなげるから、carepro-なんちゃらかな?

 と思って辞書を引いても出てこない。色々と調べていたら、どうも接続箇所が違うらしい。

    (‥ )careで切って、後ろの
        proctusはπρωκτοςみたいだなあ、こりゃあ
 ∧∧
( ‥)ギリシャ語が学名になってラテン語化する時に
    末尾のοςがusになったと。

 まあそういうことらしい

 ∧∧
( ‥)careはどうもκαραみたいですね。
\-
    (‥ )まあ少なくともそうだ、と
        主張している論文があるんだよな。

 原記載は1862年、とてもじゃないが追跡はできない感じ。ともあれつまりCareproctusは

 καρα + πρωκτος 

 ようするに、

 頭 + 肛門

 ・・・・・ってなんじゃあこりゃあ?? 頭肛門、頭お尻の穴?って何だ?? としばらく考えて

 ∧∧
( ‥)そういえばこの属はのど元に
    吸盤を持ってましたけども・・・

     (‥ )たぶん、それのことなんだろうな。

 それにしても頭肛門とはあんまりな学名かもしれぬ。

 それはさておき

 ∧∧
( ‥)なんでcare-で接続するんですかね?

     (‥ )分からんねえ、、、なんでだろ?
      □-  なんでcaroproctusとかじゃないのかね?

 

 

2010年2月27日土曜日

世界の知り合いの彼方

 
 ネットでかつてのバイト仲間と申しましょうか、彼の人を発見。

 ∧∧
( ‥)15年あまりも前の知り合いの方と
    ネットで遭遇するとは。

    (‥ )いやはや、時代は移り変わったよなあ
    \-   あの頃、こんな時代がくるとは
         想像もしなかったよ。

 確かに電脳世界で人を探せる時代になりました。

 チャンプ、見えてる?

 ∧∧
( ‥)でもこのblogには
   コメント欄がありませんね。

    (‥ )それでもなお、言葉は伝えられるもんさ。

 発信できるのならば、受け取ることもなおできるだろう。

 

2010年2月26日金曜日

二枚貝

 
 二枚貝でもそろそろ系統をきちんとできるかもねって話。

 ∧∧
( ‥)おおーーー

    (‥ )前なんかは系統解析、分岐解析どころか
        ガチで表形学な話でごめんね、とか
        そんな感じだったもんねえ。

 これまでは分子系統解析もふにゃふにゃっぽかったけども、そろそろ追跡してみましょうかね、二枚貝。

 ∧∧
( ‥)あなたそういうの好きですよね

    ( ‥)形態でも分子でも状況がぐだぐだ
      -□ しかしもしかしたら、、、、
        という状況は端から見ると萌えないかね?

 ただ、やる人たちは大変なんだよね。

 

2010年2月25日木曜日

50年

 
 サイエンスライターはサイエンスを分かりやすく伝えるのが仕事なんだそうだ。

 ∧∧
( ‥)そうなの?

     (‥ )違うよ。

 ライターってのは文字や記事や情報を売って生活している。売れる情報を売ればいいのだから、実のところ情報の内容や質まで要求されているわけではない。

 ∧∧
( ‥)でもあからさまな嘘では売れないし
    そもそも嘘だってばれちゃうでしょ?

     (‥ )だが逆にいうと読者が気がつかない、あるいは望んだ
         嘘や間違いであれば問題ないってことになる。

 だからこう言えばよい。

 ライターは”読者が知って得をした”という満足感を与えればよい。情報の妥当性や確からしさはどうでもよろしい。


     (‥ )これはサイエンスのような質を
         維持できるような状態ではないだろう?
 ∧∧
( ‥)まあ、、、そうですね。

 つまりこう

 読者が”知って得をした”と思い込むような情報を売ればそれでよい。それが呪われたカテゴリー、サイエンスライター。

     ( ‥)そして悲しいかな、
         知って得をした=妥当な情報では
         まったくないのだよね。
 ∧∧
( ‥)そうですね

 つまり、

 知って得をしたという満足感≠妥当な情報

 例えばの話
 
 ダーウィンの生存競争を否定的にとらえる人はいっぱいいる。ようするに、情報自体は正しいのに、それを”知って損をした”と思う人間が山ほどいる。


     (‥ )反対に言えばこうだ 
        ダーウィンの生存競争は間違っている
        このようなあからさまな嘘を販売しても
        世の中にはそれを知って得をした、
        そう思い込むお客が
        たくさんいるってことさね。
 ∧∧
( ‥)まあねえ、そうですねえ。

 
 サイエンスライターは生存競争は間違いだと主張して、それを売ることができるし、事実としてこれまでしてきた。

 これ以上はないというくらいあからさまに、そういうことをしてきた。

 50年前、ダーウィン生誕150周年記念の時、日本ではルイセンコ主義者と集団遺伝学者が喧嘩していた。

 50年後の今、サイエンスライターは今だに生存競争が間違いだとか、中立説でネオダーウィニズムは否定されたとか、今西進化論、ウイルス進化論、断続平衡説やらなにやらを主張する。

 ∧∧
( ‥)サイエンスライターは今こそ科学を伝えるべきだ、
    そういう意見もありますけどもね。

    (‥ )それはたわ言だよ。

 50年間なんにもしてこなかった。

 しかし今日から心を入れ替えてがんばります

 そんな妄言を一体、誰が信じるものか。




    
         

2010年2月24日水曜日

そりゃあ難しい本でいいんですよ

 
 研究者の方が本を書くと難しい本になるという話。

 ∧∧
( ‥)この問いになんと答えます?

    (‥ )まあそりゃあそうでしょう、と。


 分かりやすい本を読まなきゃ分からないやつなんか後継者になれるわけがない。


 ∧∧
( ‥)だから研究者が分かりやすい本を書く必要は
    あまりないと。

    (‥ )皆無ではないが、ほとんどないね。


 山登りチームに必要なのは人跡未踏の尾根だの壁だのを自力で登れる能力者であって、登山道を整備しないと僕ちゃん登れないよ〜〜、とか、オレ様のために道を整備して分かりやすく教えろ!! とかいっている人間はそもそも必要ない。

 というか死ぬからそういう人は登っちゃいかんでしょうよ。

 いやむしろ死ぬどころか他人も殺すから登るな。

 あんたも僕らも皆で下から見てればいいんだよ。オレ様屋さん'S はちゃっちゃとあきらめやがれ。無理だから。


 ∧∧
( ‥)だから研究者は分かりやすい本を
    書く必要はないと。

    (‥ )絶無ではないけども、そんな必要は
        まあほとんどないだろうね。
 
 研究者の人が難しい本を書くのは、これ必定。

 

2010年2月22日月曜日

石を見た

 
 散歩にいったついでに公園の裏手にある赤土の露頭を見てみる。誰かが露頭の一部を上から下まできれいにした跡があった。おかげでそこではなにやら幾つも層があることが見て取れる。

 ∧∧
(‥ )でも、同定の鍵になるスコリアとかは
    なんか見当たりませんね。

    (‥ )そうだね。
 
 なぜスコリアの層がないのか? スコリアは当然、この場所にも積もったものの、丘の上だったかなんだかで流出でもしてしまったんだろうか? 平坦な段丘面の地下にスコリア層があることからすると、スコリアが層として保存される理屈とはそういうことなのかどうなのか(ちなみに公園は段丘面よりもさらに上の丘陵地帯にある)。

 でっ、無いなあ、無いなあ、スコリア無いなあー、と見ていたら気がついた、赤土にある幾つかのぼやっとした層のひとつ、その一カ所にぽつんと1つだけ握りこぶしよりも大きな平らな石がある。

 ∧∧
( ‥)あれですか? 話で聞く、当時の地表面に
    ぽつんと置かれた、自然で移動してきたとは
    思えない石ってやつですか?

    (‥ )そう、、、なのかな?

 確かにみょうちくりんな石である。見た目は普通の河原の石と同じで角が取れてすべすべしていたし、それがどういうわけか赤土(ここでは関東ローム層のこと)のなかにぽつんと孤立して埋まっている。ちょうど赤土の露頭表面に見えている縞、というか線にのっかるようにしてあって、いかにも当時の地表にぽつねんと置かれた感じ。

 ∧∧
( ‥)でも、あの線が当時の地表面だとしたら
    普通に考えて丘っぽい地形のてっぺん近くということに
    なりますよね?

    (‥ )例え、当時は河原がすぐ近くにあったにしてもなあ、
        段丘を降りたところまでしか河原はこなかったのだから
        水平でも600メートル以上、垂直でも30メートルくらい
        動いていることになるよねえ??

 やっぱ人間? でも仮に人間が持ってきたとしても何のために?

 ∧∧
( ‥)想像できませんね。

    (‥ )そうだねえ。なんだろうねえ、あれは

 いつだか誰だかが丘の上まできて、ぽいっと捨てた、あるいは忘れたと考えるのが自然だと思うけども、しかし動機が不明。だけども人為的でない他の理由で石がやってくるとなると現象自体が想像できない。



2010年2月21日日曜日

開発

 
 昼から夕方まで、歩き続けて

 ∧∧
(‥ )結局、遠出した場所の
 □-  赤土の露頭は全部ぺけでしたね

    (‥ )そうだねえ。いやはや残念だ。

 本当に全部ペケ(収穫がなかった)だったのかは、実のところ良く分からない。まだ赤土を観察する力があまりないから(以下で述べるようにスコリアをなかなか見つけられなかったりする)。

 ∧∧
( ‥)とはいえ、古い本に載っていたような
    赤土の露頭(地層の断面が露出している場所)は
    そもそも、そのほとんどがコンクリートの石垣に
    なってましたね。

    (‥ )見落とすもなにもそれ以前の問題だね。
        だけども、開発は世の常であって
        まあ、しょうがないよなあ。

 例えばふと立ち寄った公園では上り坂の小道に赤土が切り通し状に露出していた。とはいえ、ぼろぼろ崩れるから壁下の道には赤土がたまり、それが流れた跡や、掃除した痕跡がある。赤土を露出させたままというのは、管理運営にそれなりにコストがかかるということか。

 ∧∧
( ‥)でっ、ついにはコンクリートの石垣で
    覆われてしまうと。

    ( ‥)赤土の露頭が保存されているのは、
        湿った森の中であまり崩れず、
        そして人通りの少ない小道ぐらいなもんだね。

 ここら近辺では河岸段丘から下の段丘に降りるさい/あるいは登るさい、昔から使われていて、今でも使われてはいるが、ほとんど忘れ去られたような小道においてのみ赤土の露頭が残っている。

 ∧∧
(‥ )googleの地図で見ても段丘と段丘の間、
\-   そこにある斜面は緑の線でくっきりと
     分かりますね。

    (‥ )人間が開発するのは段丘面であって
        斜面はわざわざ開発したりしないからな。

 当然、そういう斜面は新興住宅地の背後のコンクリで覆われた壁になっているか、あるいは手つかずの管理もされていない荒れた林に成り果て見捨てられているか、そのどれか。当然、これが僕らの住んでいる段丘面の構造でございますと絢爛豪華に展示されていたりはしていない。

 ∧∧
( ‥)とはいえ、ようやく確認できました
    相模野第一スコリア。

    ( ‥)これでやっと2カ所目だ。

 片方は小さな公園の登る小道にある切り通し、もう片方は暗い森を抜ける上り坂。当たり前だけども、どっちも下の段丘から上の段丘にあがる場所にある。どこがスコリア?と思っていたら、たっかい場所に厚さ5センチあまり、長さ20センチ程度のスコリアがちょろーんとあった。

    ( ‥)なんか白っぽくて良く分からなかった。
 ∧∧
( ‥)乾くとと白くなるそうですねえ。

 このスコリアが見れる場所は他にも何カ所かあるらしい。たぶん、見落としているものもある模様。

 ∧∧
( ‥)まあ、ともかくこれで僕らの住んでいる段丘面は
    河原の痕跡である礫層の上に
    立川ロームだかなんだかが堆積した
    場所であることが分かると。

     (‥ )ということらしいね。

 まあ、赤土に関する詳しいことはいずれ生田緑地にいって確かめることにしよう。やらねばいけない仕事もあるわけだし、毎日、毎日、赤土を追いかけ回すわけにもいかぬ。ともかく、今日はいささか疲れた。



 

2010年2月20日土曜日

赤土

 
 家の近所と公園周辺の赤土を探る。

 ∧∧
( ‥)よく見てみると、意外と
‐   色々な構造があるんですね。

     (‥ )いやそのなんだ、今まで見落としていて
         ご免なさい。

 明るい層や暗い層。粒の粗さが目立つ層(実際に比較した時でもちゃんと粗いのかどうかは別として)、細かい層が折り重なる様子がよく見える部分や、ほとんどまったく均一にしか見えない層などなどなど。

     ( ‥)きちんと把握して、ちゃんと理解しないと
         いけないよなあ。
 ∧∧
( ‥)そうですねえ。

 例えば、

 丘のような丸みを帯びた明るい色の赤土の上に、色の違った赤土が被さっていた。よく見ると、下の赤土の最上層部分が砕けて崩れたような状態になっている場所がある。いかにも埋められながら、しかし一部は崩落しながらも保存された、そんな感じ。

 ∧∧
( ‥)こういう境界線も
    地層の不整合ってことに?

     (‥ )なるってことかな。

 境界線部分に亀裂が生じていて、下の赤土の最上部数センチが板状になっている場所もあった。

  ∧∧
 (‥ )これが話に聞く、かつての地表面とか
□    化石土壌ってやつですか?
■■ 
□    (‥ )そーかなー、と思えるけども、どーだろうねえ。

 さてもさても知らないことが多すぎる。
 
 ∧∧
( ‥)川崎の生田緑地は同定ずみの関東ローム層が
    よく観察できるそうですよね。

     (‥ )今度、見にいくかあ。


 考えてみれば生田緑地にはこれまでスミレを探しに行っただけだった。



 

2010年2月19日金曜日

別にあんたに期待しているわけではない

 
 先日、学校教育に関してその相手が話されるには、教育や勉強には子供の興味を引き出す必要があるのだそうだ。

 ∧∧
( ‥)そりゃあそうでしょ。

    (‥ )まあそうだろうねえ。

 例えば、と、彼の人が曰く、真剣十代しゃべり場(だかなんだかという番組)では、例えば子供が「こんな勉強が何の役に立つのか??」と熱心に、、、

 ∧∧
( ‥)で、子供に熱心にそういうことを主張されたり
    尋ねられたらあなたはなんて答えますかね?

    (‥ )別にあんたに期待しているわけじゃないのだから
        ”オレ様”にとってこれが何の役に立つのか?みたいな
        質問をするのは無意味だよね、と言う。

 知的伝統の系譜ってのは何のことはない、いつか目の前にいる若い連中の中から誰かすぐれた後継者になってくれる者が出るだろうと期待して教えているのであって、”誰か特定の個人”に対してメッセージを投げかけているわけではない。

    (‥ )個人指導ってのは一般的にはあまりにも
        非現実的だから、とりあえず平均的に
        効果的に成果が出るように
        ざっくりとしたくくりで教えればいいわけさ。
 ∧∧
( ‥)はあ、つまり個人は実在しないものとして
    扱うわけですか?

 そうなんじゃないすかね。ざっくりとしたくくりで何かを扱う。そういうことをする時、実のところ、その構成物、例えばの話、個人の存在は取りあえず脇に置いている。ぶっちゃけた話、個人が実在すると考える必要はない。

 ∧∧
( ‥)そんなもん?

    (‥ )そんなもんなんよ。本を作るのだってそうだぜや。
        個人のお客に本を売るか? 数が売れないよね?
        特定の個人を念頭に置いてその人のために本を
        書くかね? 普通は書かないだろ?

 本を作る時、作る側にとっては個人も顧客も実在するなんてさらさら思っちゃいないのですよ。あるいはこう、個人個人の顔を思い浮かべてあの人が買ってくれればそれでいいや、なんていう販売は非現実的。当たり前。スーパーだってそうに違いない。あの人は辛いのが好みだから、と言ってお惣菜を辛く味付けするやつはいないだろう。

 ∧∧
( ‥)まあねえ、そうですねえ。
 
    (‥ )つまるところ教育だってそうだろ?
       個人個人が実在するということは分かっていても
       個人個人に個人指導なんて教え方は非現実的だべさ。


 だからいくら個人が「これが何の役に立つのか?」と問うてもそれは意味がない。別にその個人に期待しているわけではないし、そもそもその個人が存在すると仮定して教えているわけでもなんでもないんだから。

 ∧∧
( ‥)あんたに期待しているわけではないのだと。

    (‥ )いつか誰かが後継者になって勝ち残り、
        社会に、引いては自分にも富みを還元して
        くれることを願って教えるのでは
        ないのかね?
 
 数学、化学、物理、生物学、農学、地学、なんでもあるけども、この世界で現状を維持したければ走り続けなければいけないわけで、そのためには後継者が必要なのさ。でも誰が後継者になるか分からないのだから、ざっくりと教えるしかないわけよ。

 ∧∧
( ‥)お前に期待しているわけではないのだから
    何を言っているのだと、、、、。

    ( ‥)脱落する自由も
        選択する自由も誰にでもある。

 
 つまるところあれだ、究極的には自分を相手に売りつける時、その適正価格を引き上げるにはどうすればいいのかって話である。勉強どころか何のスキルも身につける気がないとしたら低賃金労働者になるしかなくなるわいな。

    (‥ )まあ、富みの不公平は社会問題だって
        言い立てて他人にたかるって手もあるけどね。
 ∧∧
( ‥)はあ、まあそれはそうですけどもね。

 
 この勉強が何の役に立つのか? それは質問が間違っている。

 あるいはこう

 その文章は主語がおかしい。

 

2010年2月18日木曜日

大人というのは痛い子供ではないのか?

 
 子供でも分かる進化の本を紹介してください。

   ( ‥)・・・・・
     -/
 ∧∧
( ‥)どうするんですか?

 困った、長谷川眞理子さんの本しか思い浮かばないし、相手の人も当然、彼の人の本はすでにリストアップしている。

 一応、「クジャクの雄はなぜ美しい」をリストに追加、提案。

 ∧∧
( ‥)あなたが書いた本もリストに入っていますが?
  -□

   (‥ )仕事に関わっているから入れてくれた
       らしいのだわ。

 もっとも、「ダーウィン「種の起源」を読む」、あの本は小学生には無理かもしれない。でもそれを言ったら眞理子さんの本はもっと難しいので、リストに入っていても問題ないと言えばないか。

 でっ、そんなこんなで思うに。

 
   (‥ )進化論というか進化理論の本って
       簡単でまともな内容のってほぼ皆無じゃね?
 ∧∧
( ‥)たしかにそうかもしれませんね。
  -□

 まあ、なんだ、よくわかんねー医者が書いた訳分からない疑似科学本とか、サイエンスライターがあっちこっちから話を聞きかじって作った有象無象、玉石混淆の学説リスト本とか、さもなきゃグールドの珍説エッセイがはびこっているわけで。

   ( ‥)考えてみたらこれ、頭のおかしな
       状態だよなあ。
 ∧∧
( ‥)まあ、以前から指摘されていることですけどね。


 世の中の「オレ様は頭がいい」と思い込んでいる人々の進化理論ときたら

デタラメと偶然で生物が進化するわけない、環境と生物の相互作用で進化が起きるんだ、とか

よくわかんないけど複雑系で全部説明できると思いまーす、とか

観測したことないけど種社会です、とか

ダーウィンは人種差別主義者だと思うし資本主義者だからアジアで東洋で共存で和の国には合わないのですよナショナリズム日本まんせー、とか

進化は偶然で生存競争なんてないんですから差別はいけないのでダーウィンおかしいのだぴょん、とか


 ∧∧
( ‥)ある意味、地獄絵図ですね。

    (‥ )大の大人が論文も読まずに
        とうとうと以上のようなことを語るわけよ。

 思うに、大人というのは自分はなんでも知っていると思い込んでいる痛いガキんちょなのではなかろうか?

 ∧∧
( ‥)知った気になって本や論文や教科書を
   読みもしない?

    (‥ )子供向きの本すら読まないよ。

 大人はたいして頭が良くないくせにプライドだけは高くて、子供向きの本に書いてあることさえ把握しない。

 ∧∧
( ‥)でっ? どうします??

    ( ‥)現在の仕事を大きく舵を切れ
      -○

 何かが分かったと信じることはそれはそれはとても大胆不敵なことだ。例えばの話、

    (‥ )赤土を見て思うに、
        足下のことすら私には良く分からない。
 ∧∧
( ‥)足下のことすら適切に理解し、説明することは
    容易ではないのだと。

 自分は大人で頭がいいからなんでも分かるって、それは思い込みで致命的だよねえ。

 

 

墓石は西洋風がいいと思う

 
 墓石は西洋風がいい。

 ∧∧
( ‥)ああ、古墳つながりのスレッドですか。

    (‥ )墓掃除のバイトをした経験からするに、
        墓石は西洋風がいい。

 ∧∧
( ‥)なぜに?

    (‥ )和風の墓石は高さがあるだろ?
        かさがあるから後ろに手が届かないんよ。
        掃除しづらいことこの上ない。

 さらに和風は墓石の背後に卒塔婆(日本のお墓の背後にある板っきれのこと)を立てる金具とかがついている。広々としたお墓なら背後に回れるからいいけども(それでもしばしば掃除しにくい)、都会とかスペースに限りがある空間で、分譲地よろしく小さく、しかし効率的に区切って売ったこじんまりとしたスペースのお墓では、、、

 ∧∧
( ‥)なるほど、背後に手が届かないと。

    (‥ )お寺やお墓によっては図書館の書棚のように
        墓石の前面は通路に向いているけども、背後は
        背中合わせって場合もあるからな

 こうなると和風の墓石では構造上、絶望的に手が届かない。

 
    ( ‥)後、自然石は却下、お墓のスペースに
        植物を植える場合もあるが、それも
        却下。
 ∧∧
( ‥)なぜに?

 自然石はごつごつしているのでゴミがたまりやすく、とりにくい。植物を植えるのは森の中の墓石同様、落葉するのでゴミまみれになる。時としてドクガの幼虫がついていたりすると色々な意味で困る。

    (‥ )墓石の基礎は砂利は最悪、土の方がまだまし、
        理想的には石製が推奨。
 ∧∧
( ‥)なぜ?

 砂利は間に落ち葉が入ると、これが取りにくい。掃くと砂利が動くだけ、指でも砂利が動いて隙間に落ち葉とかが落ちていく。墓石の脇にツツジとか細かい葉の植物を植えているケースが時々あるけども、こうなるともう絶望的。それなら土の方がまだまし。芝生はよく管理されていると見た目もきれいでゴミもとりやすい(芝生は根がついているから動かないので)。簡便さだけを追求するのなら石がいい。コンクリートは見た目にやや難があり、風化にも弱い。雨に含まれるわずかな酸でじょじょに溶けるから。
 

    ( ‥)お供え物はビール、日本酒はよくない、
        最低限、これらは開封しないこと。
        開封するのなら飲みなさい。
        タバコは、まあ、あまり問題ない。
 ∧∧
( ‥)ビール、日本酒は腐りますからね。

 開封したら、特に夏場ではひとたまりもない。タバコも雨がふればぐしゃぐしゃになるので1本かそのくらいに火をつけて、残りは持って帰った方が良さげ。


    (‥ )お花をいけるために水をためるカップが
        付属するものもあるが、あれは却下。
 ∧∧
( ‥)なぜに?

 花瓶の水が腐ってしまうように、やっぱり腐る。さもなきゃ、雨が少ない季節には枯れ果ててドライフラワーになっている。見た目も臭いもどん底。あるいはボウフラの巣になってカの発生源。


    ( ‥)お彼岸の時だけ掃除して
       後は腐ってしまう花やビールや日本酒を
       お供えして、はい、さようならはないだろう。
 ∧∧
( ‥)そうですねえ。

 
 墓石は洋風、石か芝生の基礎があって、その前に枯れてもきれいな小さな花束をそっと横にして置くってのが一番いいんじゃないだろうか。

 あと、


    (‥ )和風は特にそうだけど、黒い墓石よりも
        白い墓石がいい。
 ∧∧
( ‥)なぜ?

 夏場、炎天下にさらされた黒い墓石は高温になっているので、冗談抜きで火傷する。


 

そして僕らは落ち葉に埋まる

 
 起きてみれば、おう、外はまた雪が降っている。今日は打ち合わせなんだけども、交通機関は大丈夫かいな。

 ∧∧
( ‥)東京、神奈川は雪に弱いですから

    ( ‥)スムーズに帰りた〜い♪

 さて

 古墳。あれは誰かが掃除するのを怠ったら、建造からさして間を置かないうちに、あっという間に落ち葉に埋まってしまうに違いない。

 ∧∧
( ‥)そういえば、あなたは以前、お墓掃除のアルバイトを
    してましたよね。

    (‥ )実際、森の中にあるお墓って、
       あっという間に埋まっちゃうんだよな。

 人の手が入った雑木林なら晩秋に当然のごとく落ち葉で埋まるし、シラカシなどが生えているのならこの手の常緑樹は春の終わりあたりに葉を落とすのでどえらいことになる。

 ∧∧
( ‥)ほんの数ヶ月で10センチとかそれ以上
    埋まっちゃうんですよね。

    (‥ )もはや掃除ではなくて、掘るに
        近い作業。

 分厚く堆積した落ち葉をがしがしかき集めて掘る、掘る。しかし捨てても捨てても落ち葉が出てくる出てくる。墓石の基礎をむき出すだけでもそれは大変な作業だったりする。

 斜面を削って作った場所に設置された墓石も大変だ、明るい日差しが降り注ぐ一見すると”きれいな墓石”でも、背後は森から流れ込んできた赤土と落ち葉がたまっているし、もろに森の中にある墓石だと流れた土と落ち葉で本当の意味で埋まっている場合さえある。

   ( ‥)横浜に大きな森の中に広大な墓地が広がる
      お寺があったけど、あれは悪夢だったなあ。
 ∧∧
( ‥)いつまでたっても終わりませんでしたよね。
 
 しかしさりとて、無限に落ち葉が堆積するはずもない。落ち葉は色々な動物、植物、菌類の作用でどんどこ分解されているわけで。

 ∧∧
( ‥)埋まっても、その厚さはある時点で
    平衡に達すると。

   (‥ )のはずだけどもね。

 はて? ではそうなった時点で古墳もその表面はある程度保護されるのだろうか?

 ∧∧
( ‥)どうなんでしょうね? 古墳の盛り土の表層なんかは
    生物擾乱を受けて上の落ち葉と一緒になって
    黒土になってしまうのでは?

   (‥ )モグラさんが穴をもっこしと掘って
       土をかき出したりすればどうなるか。

 近所の丘ではモグラのかきだした塚が崩れて、それが斜面をある程度、流れ崩れて芝生に消えていくように見えるけども、あれから考えるに丘はじょじょに低くなっていくことは、まあ確からしい。


 ∧∧
( ‥)じゃあ、もしも古墳を途方も無い長時間の間
    観察したら、古墳がじょじょに融けていくように
    見えるんでしょうか?

   (‥ )? まあそうねえ、ざっくりといって
      位置エネルギーが低い状態、ようするに平面とか
      そういうのに近い状態へ移行するはずだけども。

 ∧∧
( ‥)でも火山灰の堆積もあるわけですよね?

   ( ‥)昨日、コピーした件の古墳の発掘レポートでは
     -□ 宝永の大噴火で噴出、降下した火山灰層が
       あるそうだ。

 というか、そういう火山灰は関東一円にあるはず、というか擾乱されていない限り残っているはず、なんだけども。

 ∧∧
( ‥)でもそういう層が残っているというのは
    不思議といえば不思議ですよね?
    モグラさんがひっかきまわして、消滅させても
    おかしくないように思えますけど。

   (‥ )むう。

 はて? 生物擾乱、絶好調と思われる森の中で、なして層が残るのだぞなもし?

 
 

2010年2月17日水曜日

相模野第一スコリア

 
 朝からでかけて、相模川の段丘面を見て歩き、赤土の斜面をながめて探す。


    ( ‥)ようやく見つけました相模野第一スコリア
 ∧∧
( ‥)これがそうですか

 厚さ5センチあまり、赤土の斜面、そこの地表面から1.5mほど下のところで水平に黒い層状のものが点々と途切れるように見えている。なんでも2万年(文献によっては3万年?)前に富士山が噴火した時に降ってきたものだそうだ。

 ∧∧
( ‥)関東ローム層、つまり赤土も
    火山灰でしたよね?

    (‥ )スコリアは軽石とか、もっと粗いものだっけ?

 まあ三浦半島で見るスコリアは思いっきり火山噴出物ですわいね。赤土と違ってスコリアの色が黒いままで残るのは粒子が粗いからなの? 


 ∧∧
( ‥)なぜに層が途切れ途切れに?

    (‥ )なんでしょうね? 流されたりするのかな?

 いやあ、それにしては妙だよねえ、薄くなったり、流れちゃったーーって感じにはあんまり見えないよなあ。
 
 ∧∧ こんな感じでしたよね
( ‥)□□□□□□□
  - □■■■□□■

    (‥ )そうだったね。なんでだろうねえ?

 ∧∧
( ‥)植物が生えていたり、落ち葉があるところに
   スコリアは降ってくるわけでしょ?

    (‥ )そのはずだと思いますけどもね。


 ∧∧
( ‥)つまり有機物が含まれた黒土にスコリアが
    降って積もることになりません?

    (‥ )そういう風に思えますねえ。
        というか、そうだよね。普通に考えて。

 
 ∧∧
( ‥)その上にさらに異なる時期の噴火で放出された
    火山灰が積もってさらに赤土になると?
    そしてスコリアは埋まっていくわけですかね?

    (‥ )そういう理屈になりそうですけどもね。


 ∧∧
( ‥)じゃあ、あれですか? 火山灰が積もってスコリアを
    含んだ土を埋めて、でもそこに植物が生えて、黒土になって
    そこにさらに火山灰が降ると?

    (‥ )そう、なるのかねえ、、、、、。なると思うけど。

 ∧∧
( ‥)じゃあ、あれ? 黒土はどんどん埋まっていって、
    ついには有機物を失って、それから赤土になるわけ??

    (‥ )?? そう、、なんですかね??

 あっ、やっぱ何にも分かってないわ、おれ。

 
 確かに、黒土から有機物を取り去ると、赤くなる、、、はずだったけども。そうなの? 有機物がなくなって、さらに圧密されてああいうべたっとしたかたまりになるわけか?


 ∧∧
( ‥)調べなさい。

    ( ‥)そうねえ、調べるか
      -□


 

 

2010年2月16日火曜日

前方後円墳

 
 仕事が一段落した昨日の今日。調べて見ると近場に古墳があることが分かったので、
 

 ∧∧ 雨の中、駅から歩いて20分
( ‥)
 -( ‥)やってきました古墳群。


 どこが古墳? この2つの丘が古墳なの? どっちが古墳?? と思いつつ、、、


  ( ‥)ああ、前方後円墳だこれ。
 ∧∧
( ‥)高い丘が後円部分、低いのが前方部分ですね。
 
          / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄        \

 それは2つではなく、1つの古墳でした。

 次ぎに見たのはやや小さめの方墳(ようするに四角い古墳)。でっかい木々が生えていて、今や意味不明なただの丘のように見える。

 残りの3つはこれまた前方後円墳。1つの古墳は四角い形に見えるが、看板の説明によると一部が壊れただけで前方後円墳らしい。この3つはさっきのよりもずっと大きくて高い。長さは50メートルくらいだけど、形はちゃんと見て取れる。

 ∧∧ 見晴らしがいいですねえ
(‥ )
  -( ‥)冬だから葉っぱが落ちていることもあるけど
      四方がほぼすべて見渡せるねえ。

 こんな高台に古墳を作ったその魂胆やいかに?

 それにしても考えてみればこの場所は去年、スミレが咲いていないかと、あっちこっちを探索した時に歩いた場所のすぐ近くだった。見落としていますね、色々なことを。

 ∧∧
( ‥)看板の説明によると建造から
 -   1600〜1700年あまりが
    すぎているようです。

     (‥ )それでも原型をまだ残しているってのは
         当たり前と言えば当たり前かもしれないけど、
         不思議と言えば不思議だな。

 まあ、ここらは(確か)浸食され残ったちょっとした台地であって、山の尾根のような場所。地形からして水田にも畑にもならないし、誰も手を出しそうにない。おまけに樹々が生えていればそう簡単には浸食されないのかもしれない。

 いや、それともこっちが分かっていないだけで、なにか色々あったんだろうか?

 ∧∧ 壊れた前方後円墳の一部を見るに。これは赤土製ですか?
(‥ )
  -( ‥)どうだろう? 赤土を盛ったのか
      それとも尾根の基礎が見えているだけなのか、、、、

 良く分からない。すぐ近くに妙にごっそりくぼんだ半円形の場所があるのだけども、何これ? ここから土を運んだのか、別に関連なんかなにもない地形なのか、こりゃあなんだ?

 そして帰り際

 なんでももう少し離れた場所にも小さな古墳らしきものがあるそうで、探してみたら。

 ∧∧
( ‥)もしかしたらこれ?!!

   ( ‥)これ、、、ですかねえ。

 なんだ、前にスミレ探しに歩いていた時に見た奴じゃありませんか。なんか森の中で一部だけぽこんと盛り上がっていて、その時は、何これ? と思っていた奴なんだけども。

    ∧∧ 高さは1メートルと少しくらい??
   (‥ )
    -( ‥)本当に古墳だろうか?
 
 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
 

 古墳だとしたら、勝手なイメージだけどもちっちゃいなあ。直径は10メートルに届いていないよねえ。それになぜに上がほとんど平らなの? 古墳というよりこれはむしろ土俵っぽい。

 もう少し歩いたところに、もっと高いけど、直径がもっと小さな塚があった。はて? あれはなんだろう??

 ∧∧ 謎ですね
(‥ )
 -( ‥)謎だねえ。

 しかし個人的に最大の謎は、土を盛った代物が1600〜1700年もの間、浸食に(かなりな程度)耐えられるってことであって。

 ∧∧
( ‥)いや、しかし、そもそも本当に耐えているんでしょうか?

    (‥ )そこも含めてね、なんかね、知りたいよねえ。


 もともとの形をとどめているからといって、なんというか、構成物まで元のままってことがあるのかどうか。

 ∧∧
( ‥)ある程度はもとのままでしょ?

    (‥ )そりゃあ、土器も出たり、昔の溝の跡が(地中に)
        残っているわけだから、それなりにそのままな
        はずだけども。

 さりとて、表面では何が起こっているのやら。建造から1600〜1700年。火山灰も降れば落ち葉が堆積して土になり、動物による土壌の擾乱も起きている。何がどんな程度に起きてどうなって今に至ったのか?

 何も知らず、何もわからない。



 

2010年2月15日月曜日

古墳

 
 古墳。偉い人を埋葬するためにつくられたでっかい塚。昔はやった建築物みたいな何か。

 
    ( ‥)仕事で古墳のカットを描いたのだが
      -□
 ∧∧
( ‥)なんか、シュールな絵になりましたね。

 森の中、丘の上にあるできたばかりの新しい前方後円墳。ざっくり描くとなんか異様。

    (‥ )宇宙船か? これは??
     □-
 ∧∧
( ‥)古墳でしょ?

 背景に古墳時代の家を描いてみた。縄文、弥生式の家がちょっと高くなったような、それでいて全体の形は円錐と半球を合体させたようなやつ。

    ( ‥)UFOかこれは?
      -□
 ∧∧
( ‥)竪穴式住居バージョン古墳時代でしょ?

 なんかすごくシュールな世界。

 ∧∧
( ‥)古墳時代の人から見たら
    今の世界もシュールなんでしょうね。

    (‥ )僕らの未来もシュールなんだろうなあ。

 
 

 


2010年2月14日日曜日

どりるびっと

 
 うとうとっとしたら

    ( ‥)夢の中でドリルビットがどのように
        岩石を掘るのか説明していた。

 ∧∧
( ‥)正気に戻ってください、正気に。

 
 よくわからないがでっかい船のような場所だった。あちこちに水。暗い海。
 
 なぜか品種改良されて毛を失ったとおぼしきダックスフントがびしょぬれで歩いていたが、見た目はイヌというよりはヌタウナギ。夢の中でもぎょっとする。

 ちなみにそんな品種は存在しない。

 ∧∧  起きてー!! 起きてー!!
( ‥)
  -( — —)あっ? はいはい、起きてます、起きてますよ。
         うとうとっとしただけですから。ええ。


  
 

 

コーブラ、コブラ

 
 夢を見た。なにやら子供向けのお遊戯で使いそうな、珍妙な歌を即興で作って歌っていた。

 
    ( ‥)コーブラ、コブラ、右手とひーだり手
      - - 二人仲良く喧嘩しな〜♪
 
 ∧∧
( ‥)ああ、いよいよ壊れましたか。
    壊れたんですよね? 〆切りのせいですね。

 一応、検索をかけたけどもこんな歌は実在しない。たぶん。


 そして本日、〆切りの真っ最中。せっかく描いた1枚は、あれ、資料と照らし合わせたらなんか違くね? ということに気がつき、可能であれば22時までに修正の予定。作業中。


    (‥ )コーブラ、コブラ、勝ったのは、右手ー!!
    -
 ∧∧
( ‥)〆切りって怖いですよね、
    脳が浸食されてますよねえ。


 夢の中のリアクションからすると、右手と左手をコブラに見立てて争うという歌らしい。意味は当然不明。勝敗はその時々で臨機応変にチョイスできるらしい。


    (‥ )途中で右手と左手のかけあい
       「頭カチ割るぞ、こら」「呑み込んだるわい、ぼけえ」
        が入っていたのですけどもね。
 ∧∧
(‥ )そういう子供に対して
\-   情緒的に不適切な語りは削除ですね。
 

 
    ( ‥)こんな歌を夢の中で作っていたせいか、
        眠いのですよ。
 ∧∧
( ‥)それはそうでしょう。




 




 
 

2010年2月13日土曜日

イデアと叫んだおっさんは絶望するだろう

 
 プラトン。この世界にはなにか本質が実在すると考えた人。

 この世界には何か本質がある。そういう信念を強烈に持っている集団は、まあそりゃあ現在でも色々といる。

 ∧∧
( ‥)理論物理学者なんかはそうだって
    言う人もいますよね。

     (‥ )対称性がとか、美しいとか言うからな。
         科学者の中ではああいう発言は
         むしろ異例なのかもしれないね。
 
 ただ、まあプラトン自身は、さてはて自分たちの知的系譜の遥か末端にいて、もはやほとんどの点で別物になっている現在の理論物理学者を見たらどう思うのやら。

 ∧∧
( ‥)どう思うんでしょうね?

     (‥ )絶望するんじゃねえーの?

 よくわかんねーけど。
 
 まあ、そうでなくても現在社会を見たら絶望するんじゃないすかねえ。

 ∧∧
( ‥)なぜに?

     (‥ )民主主義だし、ほとんど無神論だし
         神がいてもギリシャの神じゃないし、
 
 確率なんて考え方を取り込んだ理論や数式を見たら彼はどう思うことか。

 
 

投資は0でも抜け駆けしたい猿の物語

 
 朝から空はとらえどころもないくらい四方に渡って白かった。

 ∧∧
(‥ )こういう雲は雪雲ですね。

 
    (‥ )そうねえ、雪を降らす雲は
        雨を降らす雲よりも白くて輪郭が
        ぼやけるからねえ。

 とはいえ、気温がまだ高いらしい。降ってくるのはあられ。小さな白い粒がぱらぱらぱらぱら落ちてくる。

 放射冷却がないのでまだしもましだが、部屋は冷える。あられはまだまだ降ってくる。

 さて

 ふと気がつけばgoogleの表示がちんちくりん。
 
 ∧∧
( ‥)冬季オリンピックですね
\-
    (‥ )なんだ世間ではそんなことになっていたのか。

 テレビがないとそういう情報は入ってこない。

 ∧∧
( ‥)そういえば成功したオリンピックは長期計画で人を
    育てたのに対して、金のかかる冬季オリンピックは
    スポンサーの企業が出資を手控えたので、
     メダルの獲得数ががた落ちしたって話がありましたが。

    (‥ )不振の原因のひとつの説明がそれだって
        ことを言った人がいたよなあ。

 それが事実かどうか、妥当かどうかは知らない。

 ただ、そういう時にこんなことを言った人がいたのは覚えている。曰く、

 メダルが獲れないのならお店の商品(液晶テレビなど)も売れませんよねえ。by 家電屋さんの店員

 ∧∧
( ‥)でもスポンサー企業が金を出し渋って不振なのに
    企業の人が不振だから売れないなあ、と頭を振るのは
    おかしな発言じゃあないですかね?

    (‥ )まあおかしいと言えばおかしいが、
        当たり前と言えば当たり前だな。

 スポンサー企業=便乗商法をしている企業 ではかならずしもないので。同じだったら、腹を斬れ、だけども。

 ∧∧
( ‥)それでも虫がよすぎませんか?
    投資していないのに文句を言うってのは。

    ( ‥)人間はエゴイストだからな。

 投資0でも分け前にはあずかりたいもんさ。

 ∧∧
( ‥)あなたたちお猿さんはそういう
    抜け駆けをする個体を許さないんじゃないんですか?

    (‥ )我々、社会生活をする猿は、自分は抜け駆けをしたいが、
        他人が抜け駆けをするのは許せない。そう
         考えている。

 投資は0でも分け前にはあずかりたい。分かる分かる。

 分け前にあずかれないので投資は0だけども文句だけは言う。分かる分かる。

 ∧∧
( ‥)しかし、そういう人間を見て、
    なにか不愉快に感じるのもあなたたちお猿さんでしょ?

    (‥ )しかり。


 僕らは自分の居場所は分かっているが、しかし自分の座標が分かっていない。

 

2010年2月12日金曜日

図書館で迷子になった

 
 ∧∧
(‥ )冷えますね

    (‥ )曇りと雨が数日続いているからねえ。

 ここは関東は神奈川県。比較的暖かい地域のはずだけども、雨と雲によって日光はさえぎられ、10度以上あった昼間の気温は上がるに上がれず、当然のように降下し続け数度程度。天気予報で可能性が示唆されていた雪にこそなっていないが、いつ雪が降ってもおかしくないような感じ。

 さて

 人間が時間あたりに眼を通し、さらに把握できる文章量や文字数は決して多くない。

 当然、現実に近似な程度に物事を理解するのはもっと大変だ。

 しかし、そして思うに

 ∧∧
( ‥)世の中の人は自分の能力を過大視しているのかも
    しれない、そうあなたは考えると。

    (‥ )そう、私は考える。

 みんな本を読めば理解できると思い込んでいる。

 あるいはこう?

 読めばてっとり早く理解できると、そう楽観的に思い込んでいる人が意外と多い。


 しかし世の中には膨大な書類があって、それがどんな場所でもいつでもどこでもうずたかく積もった状態。

 さながら僕らの立場は書類が積み上がった書籍棚の間をうろうろしている迷子のようなもん。時々、なんとなく本や書類を棚から抜き出して目を通すが、大したことは分からないし、分かるまでには大変な時間がかかる。

 ∧∧
( ‥)メディアはそういう作業を代わってやってくれる
    人たちでしょう?

    ( ‥)違うね、彼らは情報屋。適当にぱらぱらと
        読んだ書類や本から得たちんけな情報を
        売れるようにアレンジして
        そしてそれを売る人たちだ。

 これはこれで大変なスキルだが、それ以上のものではないし、それ以上を要求されたこともない。

 ∧∧
( ‥)政治家は?

    ( ‥)知性を必然としないから
        そういう作業は必要ではない。

 もしも自分で物事をきっちり調べる政治家がいるとしたら、それは大変な物好きか、さもなきゃ馬鹿だ。いろいろな意味で。

 ∧∧
( ‥)僕たちは?

    ( ‥)知った気になって文句ばかり言っている。
        なんちゃってマスコミ。

 まあ、マスコミの人たちが2chとかblogを馬鹿にするのは当然と言えば当然。”自分たちとほとんど同じ力しか持っていない”から。ああ、でもあれだろうか? マスメディアの人々は自分たちはネットのようなアマチュアと違う。我々こそがプロだと思っているのかもしれない。

 ∧∧
( ‥)プロと言えばプロでしょ?

    (‥ )プロと言えばプロですよ。そりゃあ。

 たんに出来ることと出来ないことがあるってだけの話で。

 ∧∧
( ‥)だからネットやブログを馬鹿にする
    わけですか。

    ( ‥)だからネットやブログで馬鹿にされるのさ。

 どっちもベクトルの方向が違うだけで能力はそんな違わないから。馬鹿にされるのは当然だし、馬鹿にできないのもまた当然。どっちも対して変わりない。ただの普通の、取るに足らない人間だ。

 できることはたかが知れているし、やっていることは結局のところあまり変わらない。どっちもちんけな代物しか作れない。無惨なことだがやむを得ない。もともとそんな能力を持っていないのだから。

 ∧∧
( ‥)官僚は?

    (‥ )能力はあるのだが、能力を発揮できる
        状態にない。そう言えばいい?

 たぶん、唯一、本と資料と書類を自在に読みこなせる集団なのだけども、彼らが置かれた立場は物理的にそれでどうこうなるような状況ではないっぽい。

 ∧∧
( ‥)つまり?

    ( ‥)僕らは全員、図書館で迷子になった。


 図書館の有り様も、全体の姿も、自分の座標も分からない。



 

2010年2月9日火曜日

えーい

 
 僕らが読んだこの本を読めば、あなたたちも頭がよくなりますよ、という本があったりする。デブが2人、表紙でにこやかに笑ってた。

 さて

 中国の人は親しい人というかよく知った人の名前を呼ぶ時、その冒頭に、「えーい」とつけるという話を聞いた。

 ∧∧
( ‥)?そうでしたっけ?

    ( ‥)おいちゃんはそういう経験がないからなあ。

 まあ、中国にいって商売をしているわけでなし、経験がないのは当たり前。なんで「えーい」とつけるかというと、リズムがいいからだとかなんとか。言われればそんな気もするし、分からんでもない。

 しかしまあ、これが親しい悪友とかならともかく、目上の人にも(慣れてくると)こういう風に言っちゃうらしく、もっと目上の人を敬いましょうよ、という意見も苦言もあるとかなんとか。


 ∧∧
( ‥)儒教の産まれた国なのに

    (‥ )だから産まれたんじゃないの?


 儒教の開祖な孔子はけっこう血筋はいいのだけど零落した家系じゃなかったっけ? きっと子供の時だって


 ∧∧ ぃえーい、孔子ー、竹簡なんか読んでないで遊ぼうぜー
( ‥)
  -(;— —)やめろよー、やめろよー
    -|||||


 てな具合だったに違いない。


 ∧∧
( ‥)はあ、だから目上を敬うことを
    説いたのだと?

    (‥ )他人に何か教えようとするってのは
        うらみとか欲求不満がないと
         普通はしないもんよ。

 でもどうせこんな結果に終わったんじゃないすかね?


 ∧∧ ぃえーい、孔子ー、さっさと授業始めろよーーー
( ‥)
  -(;— —)やめろよー、やめろよー
    -|||||

 
    (‥ )ほら、なんか親しみのもてる人になった
 ∧∧
( ‥)そうですか?


 オレ様の読んだ本で頭よくなれってのもそうなんだろうけども、他人に何かを教えようとするってのはよくよくな動機がないとしないもんだ。
 
  
 ∧∧
( ‥)はあ、それでつまり、皆さんは
   くやしい思いをしたのだろうと?

     (‥ )そうなんじゃねーの?



2010年2月8日月曜日

まあそれはそうなのだけども

 
 そういえば先日発表されたある種の肉食恐竜(羽毛の痕跡を残した化石種)の色が復元可能だったよー、という論文と、それによってでてきたその姿。

 ∧∧
( ‥)ご感想は?

    (‥ )いや、なんかまずそうだよなー、とね。

 黒と白で、頭に赤い飾り羽みたいなのがついているという、なんとも食欲をそそられそうにない、いやな姿。クマゲラとホシガラスをごちゃまぜにした感じ? 鳥に近縁だけど、鳥ではないので姿形も異様(復元画だとかうんぬん抜かしても)。

 ∧∧
(‥ )頭の赤い羽は性的ディスプレイという解釈?
\-
    (‥ )まあありがちな解釈で、そんな文句は
        でないだろうね。

 実証しろ、と言われると非常に困るってだけで。

 ∧∧
( ‥)例えば?

    (‥ )カラスはなぜ黒いのか?

 あれは性選択のせいだろうか? まあ、別にそれでいいんじゃね? でも論文あったっけ?? なんだけども

 でも、論文があるか研究があるかうんぬん以前にこんな解釈もある。あれは警告色。

 ∧∧
( ‥)なにを警告?

    (‥ )カラスはまずいんだとさ。

 どうまずいのかは食べたという人の書いた文献(あるそうな)を見ていないから知らないのだけども、ともかくなんかいやーな味らしい。

 ∧∧
( ‥)はあ、まあねえ、あんまり食べたくなる
    動物じゃないかもしれませんけどもね。

    (‥ )まあ、論文ではないがそういうことを言った人がいたのは
        事実でね。

 だから、それはそうなんだ。ある動物の持つ目立つ色彩はどんな理由で現状に固定されているのか? というのはこんな感じじゃね? と”説明する”のは楽だけども可能な限り確からしく論証せよ、と言われるとそりゃあ困るわさ。

 ∧∧
( ‥)カラスでさえも分かりかねる
   部分があると。

    (‥ )例えばの話、そうだよね。

 時々、近所で見るカワセミはおっそろしくきれいな鳥だけども、あれが性淘汰の結果なのか、はたまた全然違う理由(カワセミがまずいかどうかは寡聞にして知らないけども)の結果なのか、その理由を論証するのは大変でしょうねえ。

 ∧∧
( ‥)まあ、だからあまりにも軽く性的ディスプレイと
   言うのはいかがなものかと、そうお怒りの方も
   いらっしゃいますけども。

     (‥ )まあ、それは当然なんだけども
         コメントってのはそんなもんだからなあ。

 反対に言えばそれを主題に論文を書けって言われたら、普通の動物でも困るし、絶滅種に関して論じろと言われたらもっと困るんでしょうけどもね。実際、そういう論文は皆無ではないけども多いわけでもない。

 例えば頭に骨質の大きな鶏冠を持つティラノサウルス類、グアンロン。

 ∧∧
( ‥)グアンロンの鶏冠はなんのためにあるの?

     (‥ )性的ディスプレイに使うんじゃねーの?

 ∧∧
( ‥)それを論証せよ。

     (‥ )ニワトリの鶏冠に似てね?

 ∧∧
( ‥)それ以上を要求します

     (‥ )それは困るねえ。


:該当する器官が近縁の仲間でもしばしば発達し、装飾的と”解釈”される構造が見られる
:そして種類によってそれらの器官の形、大きさ、発達の度合いがまちまちだ
:これは力学とかに関わるような自然選択の結果っていうよりは性選択の結果っぽくね?

 ∧∧
( ‥)それで十分ですかね?

     (‥ )そりゃあ、もう一言、二言ぐらい
         いや、もっと論拠も解析も欲しいよねえ。
         逆に以上の論拠に突っ込もうと思えば
         いくらでも突っ込めるしね。

 さらにそれを論文のレベルにしろって言われたら、そりゃあ大変だ。無理かどうかは知らないけども無理かもしれない。

 ∧∧
( ‥)だからざっくり最後にコメントとして
    例えば性的ディスプレイじゃないすかー?
    という文章を添えてみると。

     (‥ )おいちゃんの場合であれば、
        それで性淘汰ってものがあるんだよ、
        ということを進化論に興味のない
         読者に伝えられればいいってことかな。

 とはいえ、フラミンゴのピンク色は夕暮れ時におけるカモフラージュとして進化しました、という”啓蒙教育”みたいになっちゃったとしたら、それはよろしくなさそうである。





 
 

2010年2月7日日曜日

大股開き

 
 ああ、大股開きっていうから、、、なんだその話ですか。

 ∧∧
( ‥)がっかり?

    ( ‥)まあねえ、がっかりだよねえ。
      -/

 大人の階段を1つ登ってくれたかと思ったんですけどね。なんだ、もう前世紀におしゃかになった遺物の話じゃないですか。ラリー・マーティン、懐かしいよね。

 ∧∧
( ‥)まだご存命ですよ

    ( ‥)いや、だからこそ萌えなのだ。

 パラダイムシフトが起きた時、選択肢を間違えると人間がどうなってしまうのか? その見本というかサンプルそのものでしょ。教授と一緒というか同士なわけだし。

 人間はすばらしい。人間の阿鼻叫喚な有り様は、これがもうたまらない。もはや防衛戦一方で周囲のすべてが敵になっても、なお自分のコアに閉じこもって廃滅していく有り様は、たまらなくすばらしい。もはや帝国の領土はトーチカだけか?

 ∧∧
( ‥)スタンダードな研究者はもうウンザリしている
    わけでしょ?

    (‥ )だが、おいらは研究者じゃないからな。

 学会で不規則発言とかするような奴なら、うるさい、黙れっ、て言うけどもさ。後退的であったがために滅び行く人々を見る分には、まあ興味深いよね。あくまで科学史的な視点にたった場合だけど。

 ∧∧
( ‥)でっ、あなたはどうするんですか?

    (‥ )しゅくしゅくと資料集めとインタビューでしょ?
 
 恐竜は大股開きをすることはできない。これは正しい。鳥を含めてそう。というか少なくとも例外を見たことはない。

 ∧∧
( ‥)問題があるとすればどこ?

    (‥ )演繹における続くステップでみんなつまづく。
        これが問題だ。

 ∧∧
( ‥)でもつまずかなかったとしても
    問題解決ができることは保証されませんよね?

    (‥ )そりゃあ無理さ。

 恐竜は大股開きができない。この前提は正しい。最低限、例外は見たことがない。これは数学のような公理にはもちろんならないけども、正しい大前提として扱って問題ない(ほとんどおそらく)。

 ただし、ほとんど全員の人間が次ぎの段階で間違える。

 おかしなもんで、”主語に関してそうではない”ということは既に一般的には知られているのだが、この問題に興味がある一般人は”その主語に関してそうでない”ということをまったく知らない。

 だから正しい結論には至れない。

 しかし、仮に正しく答えを導き出しても、それが現実にありうるのかは、当然のことながらまったく保証されていない。

 ∧∧
( ‥)データは?

     (‥ )全然足りないねえ。

 ところでペンギンって喰ったらうまいのかね?

 

 


 
 

ラドン温泉で

 
 まあ、なんだ、さることからラドン、ラジウムで検索をかけたところ


    ( ‥)おおおーーー!!
      -/
 ∧∧
( ‥)ラドンやラジウムってこんなに
    人気があったんですね。

 まあ、ラドン温泉ってうたわれるぐらいだからなあ。ネットはすごい有り様さ。

 ∧∧
( ‥)ラジウム鉱石
  -○
    (‥ )ラジウム鉱石ですか。
        ウランのピッチブレンドではないんだよね

 ラジウム鉱石。言わんとすることは分かるけども、考えてみればシュールなネーミングかもしれませんね。

 ∧∧
( ‥)ラジウム鉱石 ずず、ずいっと
  -○ 
    ( ‥)ウランじゃない場合、親は何?
 
 トリウム、ですかね?

 ∧∧
( ‥)トール石?

    (‥ )花崗岩?の中に? あることはあるみたいだけど
     □-  そうなのかねえ
 
 よくわからん。この世界には知らないことがいっぱいだ。

 

 

2010年2月6日土曜日

オレ様方程式に従えという主張は以下略

 
 現代の動物の最大速度と大きさをプロットして、それらのデータを説明するグラフを得る。

 ∧∧
( ‥)それは何かを抽出したと言えるんですかね?

    (‥ )さあ? でも何かを反映していると思うからこそ
        そのグラフを絶滅した恐竜とか古生物に当てはめて
        推論するわけだろ?

 それは、動物の運動を制限している何かを表している。そう思わなければ当てはめる意味がない。

 さてしかし、思うにオレ様鳥進化論者もこれと同じようなことを、一応はしているのではあるまいか? 思えば、オレ様の計算によると超大型の翼竜は飛べないずら、と言った人たちもまた同様であるとは思う。

 ∧∧
( ‥)私は生物の運動を説明する方程式を考案しました
    これを当てはめると、その動物はこれこれな挙動を
    示します。

    (‥ )これは実際に動物の運動を表現できる方程式だ。
        そう信じるからこそ当てはめて推論するわけだね。

 では何がいけない?

 あー、こんな感じ?

1:論理が破綻している

 ∧∧
( ‥)走る運動を記述できる方程式でダチョウとかの最大速度を
    実際に導き出せることを示した人がいましたよね。

    (‥ )走れる動物の最高速度に近似だと称する
        値を示していたのがあったよなあ。

 ただ問題があるとしたら、巨大肉食恐竜が”走れるかどうか”が問題になっている時に、私の方程式は、”走れる動物”の最高速度に近似な値を出せる、という主張をすることにどんな意味があるのかさっぱり分からん、というだけの話。


2:そもそも、それは何を表現できているのか分からない、という例

 ∧∧
( ‥)?

    (‥ )例えば飛べる動物が飛べることを示す方程式って
        無限にあるんじゃねーの?

 それができることをできると記述できる、とだけ言われても困るよな。5と入力するとちゃんと100と出力する方程式を発明しました、と言われても困るというがごとし。

 ∧∧
( ‥)どうすれば説得力がでるんでしょうねえ?

    (‥ )そうねえ、妥当だとすでに確認ずみの方程式から
        導けるとか、あるいは逆に既存の方程式と同等の
         結果を当然の帰結として出力できるとか?
 
 あるいは既存の式では解けない問題も解くことができるとか?

 ∧∧
( ‥)でも、解けるだけじゃだめでしょ?

    (‥ )解くだけでは駄目だよねえ。

 現実と照らし合わせた時にちゃんと問題を次々に解けるのか? それが肝心。

 ∧∧
( ‥)でも絶滅生物の場合は直接検証できませんよね?

    (‥ )だからこそ、現生鳥類は肯定的に説明できるから
        翼竜も説明できるはずだ、と言っちゃだめだって
        ことだろ?

 それはようするに、

これまで解けたのだから、解いたことが無い問題まで解けるはずなのだから、ゆえにオレ様方程式に従え

という主張なわけで、論理に飛躍があることもさることながら、飛躍うんぬん以前に間違ってるがな、ってことですかね。

 ∧∧
( ‥)まあ、飛躍がある時点で論理だ演繹だとか
    優位性を誇示することができないわけで。

    ( ‥)結局、他の証拠との整合性で考えると
        あんたの負けってこったな。

 では逆に問題。

 現在の動物の最高速度と大きさから描いたグラフを絶滅生物に適用します。これにはどんな正当性が?

 ∧∧
( ‥)いかに?

    (‥ )そうさのー

 それが既知の動物界、あるいは脊椎動物に見られる何らかの制約的な要素であるとした場合、動物、あるいは脊椎動物の一員である恐竜などもその制約に従うだろう。

 ∧∧
( ‥)すごく楽観的に考えれば
    共有派生形質を見ているって
    ことになるんですかね?

    (‥ )共通祖先から受け継いだ、なんらかの
        制限を抽出したのだってことになるのかねえ。

 そう考えて良いのかどうなのか。

しかし考えても見れば原子だ分子だの理解する前から人間は実験結果と観測から色々な法則を導いていたのもまた事実。

 メカニズムも理解できないのに、法則があるのだ、あるいは、ここには何らかの秩序がある、ということは観察から発見していた、という話。

 それを思うに、観察もまともにしないで、メカニズムもろくすっぽ分からない事柄をオレ様の詳細な理論と方程式で解けるのであるから、とにもかくにもこれを適用すれば確実にすべてがスラスラ解けるずら、というのはさて、それはなんだあ?







2010年2月4日木曜日

そのグラフが反映する根拠は誤差をどう以下略

 
 現在の生物の大きさと走る速度(移動する最高速度?)をX軸、Y軸にとってデータをプロットする。その結果、あるグラフが描けた。さて、これはなんだろう?

 ∧∧
( ‥)生物が走る/移動する最高速度は
   ある法則に従うってことなんじゃないの?

    (‥ )そうだとは思うけども、
        ではなぜそう思えるのだろう?

 まあ、これは別に生き物に限った話ではない。1キロの物体を1メートル降下させた時に、それにつなげたヒモを介して回転する水車がよく密閉された水を満たした容器の中で回転するようにしたところ、これだけの水温の上昇が見られた、このような手段でもって次々にデータを取ったところ、位置エネルギーは以下のようにカロリーに換算されることがうんぬん。

 ∧∧
( ‥)グラフを描けたのなら、そういう本質が
    背後にあるのでは? と推論できるんじゃないん
    ですかね?

    (‥ )そりゃあ推論はできるよ。

 データを説明するグラフなり方程式なりを発見しました。これが法則(本質?)に違いないずら。そう主張することは、それが論理的にはぶっとびな飛躍(アブダクションってやつに該当)であろうがなんだろうが、”発見すること”/”言い立てること”はできるわさ。

 ∧∧
( ‥)何が問題?

    (‥ )問題というかいつも疑問に思うことがね、
        つまり例の最小二乗法と同じなんだよなあ。

 トータルとして誤差最小なグラフが一番いいグラフ。でも、そもそもなんで誤差がトータルとして最小だと良いの? という疑問。

 ∧∧
( ‥)? 経験的にはオッケーですよね?
   誤差がでかい理論やグラフや仮説を選ぶ人は
   いませんよね。

    (‥ )まあ、そうだね。実際にはそうとは
        言い切れないけども、おおむねそうだよな。
        誤差最小で(おおむね)問題ないと思うよ。
         というかそれ以外にやりようはないよなあ。

 問題は、以上のような考えの背景には、実は、もろもろの条件で個々に生じた誤差はトータルにするとならされる。つまり、結果的にノイズがならされて”本質”が見えてくるという考え/前提/仮定があるんじゃないのか? ってことで。

 ∧∧
( ‥)それの何が問題?

    (‥ )宇宙がそういう性質を示すものだという
        暗黙の前提があるのかどうかってことさね。
        これ、ものすごく強烈な仮定よね。

 昔の人は、それこそまだ神の理論が正当だった時代には(ようすにダーウィン以前)、そういうことが平気で、いや、なんというか普通に、あるいは今以上に”露骨”に言われていたことは、まあ確からしい。ニュートンだってそうだよなあ。

 ∧∧
( ‥)まあ、それはあれですよね、宇宙は最節約に
   出来ているのかどうかとか、そういう疑問にも
   通じることなんでしょうけども、でっ、
   それと冒頭の生物の大きさと走る速さに何の関係が?

    (‥ )個々の状況と歴史的な過程を経て
        個々の進化を遂げた生物と、
        その結果である運動能力をトータルで見た時に、
        それらを説明するグラフが現れる。

 個々の歴史的な結果というそれぞれのいわば”誤差”をトータルした時、それらがならされて”背景にある本質”が現れる。そういうことを想定しているのか?

 ∧∧
( ‥)想定しているんじゃないんですか?

    ( ‥)そう言っていいのかどうか??

 あるいはこう? 個々の事例を見た時、それぞれこんな方程式があらわれた

1000X+5000Y+25+0.0003Z
1050X+4890Y-10+2α
 980X+5020Y+65

 ∧∧
( ‥)まあ、1000X+5000Yとかで
   ざっくり説明してもよさげですけどね。

    (‥ )つまりグラフを引く/見つけるという行為は
        ”その物事”に影響を与えるでっかい
        要素を発見する、そういう過程なのかね?

 ”その物事に影響を与えるでっかい要素”、そういうものを発見できるという信念や確信の背景には、経験的にはこういう処理をすればいいでしょう、というざっくりした感覚があるんだろうけども(これ自体は経験的に健全な考え方であると思う)、でもそういう考えの大前提には

トータルで考えた場合、誤差や枝葉末節的な要素は相殺されてならされ、歴史的な個別の事柄も消えて、本質的に影響を及ぼす要素があぶり出される

そういう発想なり、前提なりがあるんだろうか?

 ∧∧
( ‥)あるんですかね?

    (‥ )どうだろうね?
        あるように思えるけどもね。

 ∧∧
( ‥)でっ、結局のところ、この処理や大前提に
    疑義を唱えるわけですか?

    ( ‥)いや、経験的にはいいんだと思うよ。
        というかそれしか方法はないわけだろうし。

 ただ、時々、気になるって話であって。

    (‥ )ちなみにだ、こういう疑義は少なくとも
        直接的にはあまり役に立つものでもないんでね。
        聞いても見ても、忘れて欲しいけどもね。
 ∧∧
( ‥)ただ、あなたは気になるのだと。

 まあ、ねえ、それが仕事ですから。

 仕事となるとあれなのですよ、自分の気に入らない系統樹が編まれたから、そういう時だけ

最節約って何それ?? 世界が最節約に動くわけないじゃん

とかその場しのぎのお馬鹿ないちゃもんつけてる連中のようなわけにはいかんのよね。






2010年2月3日水曜日

順調だったのに途端に土石流


 生物、特に絶滅した古生物を運動や機能を数式や公式やらなにやらで再現しようとする。

 ∧∧
( ‥)いわゆる機能形態ってやつですか?

    (‥ )そういう単語でくくるにしては機能形態って分野は
         あまりにも幅が広いように思えるけどねえ。

 ああ、この論文すげーーーってものもあれば、全然だめじゃないですかこれってのもある。

 ∧∧
( ‥)純粋に古生物の運動とかに限るとどうなでしょうね?

    (‥ )さあねえ。でもあれじゃない? ざっくりしたもの
        と細々としたものとがあるけども。

 例えば恐竜の運動能力はどのくらいだろう? 色々な公式を持ち出したり、あるいは自分で発明したりして論ずる論文もあるけども、ざーーっくりと動物の大きさと歩く/走るスピードをプロットしてそこからざっくりグラフを出して、それから論ずる人もいる。

 ∧∧
( ‥)どっちを採用?

    (‥ )グラフでざっくりかなあ。

 動物を色々見てみたところこうでした。恐竜も動物なんだからこのグラフに従うんじゃね? というのは面白みのかけらもないかもしれないけども、当たり前と言えばしごく当たり前な意見なので、これは採用していいんじゃねーの、という感じ。

 ∧∧
( ‥)細かい論文は?

    ( ‥)その論文の妥当性をどう判断したらいいのか?
       が問題になるかねえ。

 例えばの話、こんな例。ある大型肉食恐竜の走る最高速度を導き出す公式を発明しました。それはこれこれです。この公式に従うと大型肉食恐竜はマックス40キロ毎時だかなんだかで走れます。

 ∧∧
( ‥)でもあの論文は、、、

    (‥ )それに必要な筋力の問題を結局のところ
        解決していないんだよな。

 そこまでは(一応、たぶん)理路整然と展開していた論文が、最後の最後に土石流。

 あるいは例えばこんな話。というかこの例は結構多い。計算したら超大型の翼竜は飛べません。論理的に考えて昔の地球は重力が低いか、あるいは大気圧がめちゃくちゃ高いかのいずれかです。

 ∧∧
( ‥)はあ、まあ、時々出てくる意見ですよねえ

    ( ‥)でっ、無視されるわけなんだが。

 世の中には自分の公式よりも自然界の重力定数とか環境を疑う人がいる。おかしなもんでこの手の人たちは環境を変えた時に必然的に起きる化学的変化とか、物理的な変化とかもろもろの結果をまったく考慮にいれていない。とはいえ、まあ考えてみれば必然だとも言える。

 ∧∧
( ‥)なんで?

    (‥ )自分の方程式は正しい。だとしたら
        間違っているのは自分とその方程式以外の何か
        だってことに論理的にはなるからじゃない?

 論理的にはそうだろうねえ。ただ、最初の、”自分の方程式は正しい”が根拠不明だってだけで。

 そういえばいたよなあ、自分の方程式では現在の大型の鳥が飛行生物の最大サイズであることが示された。ゆえに、大型翼竜は飛べないって言った人。

 ∧∧
( ‥)ちょっと飛躍してますよね。

    (‥ )ここまで説明できるから、そこから先のものも
        説明できるだろう、飛躍だね。

 帰納としてはありだと思いますよ、そりゃあ。A〜Zまでそうだった。だったらイ〜ンも説明できるだろう、というのは。

 ∧∧
( ‥)でもあれですよね、彼が言っていることは
    A〜Zまで説明できた、イ〜ンまでは(否定的に)説明できた
    だからイ〜ンを肯定的に説明するには重力定数とか
    気圧という要素をいじるべきである、という
    主張なわけですよね。

    (‥ )最初の部分は、より正確にはこうだよね。

 A〜Zまで説明できた、ゆえにイ〜ンまでも(否定的に)説明できる”はずだろう”

 ∧∧
( ‥)飛躍してますね。観測した事実から観測していない
    事実を推論しているわけですから。

    (‥ )してるね、まあ飛躍自体はいいんだよな。
        問題はその次ぎに”だから他の要素をいじるべきである”と
        自分の方程式の優位性をうたっていることなんだろうね。

 A〜Zまでそうだった、だったらイ〜ンまで説明できるだろう、という(論理では正当化できない)飛躍した推論と発想の世界に足を踏み入れた時点で、演繹だ、論理だ、だからオレ様は無敵だ、ではなく、ちゃんとデータの数や質、整合性で考えるべきでないんかね?

 ∧∧
( ‥)データの数でいったら重力定数をいじるとか
    気圧を変えるとか、そういう調整案は破綻しちゃうでしょ?

    (‥ )破綻するねえ。

 山のように押し寄せるデータがみんなでこう言うのです。

:俺たち変えるよりもさ、お前のそのご大層な方程式とやらを作り替えた方がよくね?

 ∧∧
( ‥)なんでこんなことになるんでしょうね?

    (‥ )論理や演繹が中途半端なんじゃないの?

 論理的なのだから正しい。そう言っている分には勝手に何を言っていてもかまわない世界なんだけども、”現在の鳥は説明できる、ゆえに翼竜も説明できるはずだ”と言った時点でその世界からもう飛び出している。そのくせ、結論を下す段階では”自分は論理的なのだから他が論理的に間違っているに違いない”と再び論理の世界に戻っている(少なくともこういう論法でないと、この場合、自分の優位性は主張できないでしょ)。

 ∧∧
( ‥)立ち位置をころころ変えている?

    (‥ )そういう風に見えるけどねえ。


 順調に見えていたのに、最後に土石流。

 

2010年2月2日火曜日

昨晩の話

 
 昨晩は雪の降る中、散歩をしたけども、なるほど神奈川県の中央、周囲に幾つもの大都市を抱えるこの小さな町において雪明かりに照らされた夜は

 ∧∧
( ‥)さすがに明るいですねえ

   ( ‥)いやはや何もかもがばっちり見える。

 ススキの仲間のオギの原っぱもすっかり雪に倒されてほとんど真っ平ら。一気に視界が広がる広がる。暖かいから雪はどんどん融けるが、どんどん積もる。誰も通っていない道に長靴ふみふみ、足跡をつけていくのはなかなか心地よい。

 ∧∧ 他に誰もいませんね
(‥ )
 -( ‥)さすがに(関東にしては)大雪の夜に
     好き好んで公園に出歩く奴はいないなあ。

 とはいえ、ひさかたぶりの大雪にテンションが上がったのか、公園を出て暖かい飲み物を買おうと大通りの自販機に向かったところ、ヤンキーたちが自家用車2台と軽トラ1台で公園の向こうにある市役所の構内に乗り付け、ぶおーんぶおーん、うきゃああーーーっと走行走行している場面に遭遇。

 ∧∧
(‥ )軽トラで、荷台に1人乗っているところが
    子供っぽいというか、無邪気というか
    テンション高いなあー、というか田舎というか

     (;— —)田舎だな、ここは。恥ずかしいくらいに田舎だ。
 
 町の眺めはなかなかだった。しかしいかんせん、さすがに寒い、体力をそがれてしまう。雪が積もっているから当然座って休めるベンチなんてありやしない。雪は深夜の2時ぐらいにはやんで、お昼にはほとんど融けていた。


2010年2月1日月曜日

肩の魚

 
 Omosudis この属名はどうも一般的には”肩の魚”という意味であるとされているらしい。

 ∧∧
(‥ )omoがギリシャ語の肩で、sudisがラテン語、、ですか
\- 
     (‥ )という理屈らしいのだよね。
         手元のラテン語の辞書ではsudisは
          尖ったという意味になるんだが。

 ギリシャ語とラテン語の複合された属名ですか。それにしても肩の魚ねえ、、、意味が分からないのだけど、肩帯が特殊なのかどうなのか。確かに比較的近縁なボウエンギョは肩帯が珍妙だけども外見上はそうは見えないし、肩に棘があるわけでももちろんない。

 ∧∧
( ‥)ギリシャ語のomoはようするにωμοςのことですけど
  -□ 同じつづりの単語で残忍な、の意味を持つものが
     ありますね。

      (‥ )意味としては残忍な魚の方が通じると
         思えるけど、どうなんだろうねえ。

 残忍な針でも通じるかもしれないけども、どうだろう。文法的にはどうなのだろう。

 記載が19世紀なので記載論文にたどり着けるとは思えないし、そもそも名前の由来は、まあこれまでの経験からすると書いてなさそう。さてねえ。困ったもんだ。

 ∧∧
( ‥)でも一番の問題はあれでしょ?
    学名の由来探しになんの意味があるんだ?
    ってことですよね

      ( ‥)トリビアのネタにはいいけど、
          分からないとネタにもならんからなあ。

 分かりやすい学名ならいいけども、さっぱり分からんものもある。使っている辞書が悪いのかもしれないし、まあそもそもこちらが文法とかギリシャ語がラテン語化する時に何が起きるのかよく分かっていないとか、そんなことがあるんだろう。例えば

 ∧∧
( ‥)ギリシャ語の手を意味するχειρはラテン語化すると
    chir ですね。複合語を作るさいに
    接続母音がつけばchiro-ですか。

     ( ‥)χがchになるのはいいとして
        なんでχειρ(cheir)がchirなのか?

 ああ、ギリシャ語のeiが二重母音だから、ラテン語化する時にiへ変わるのか。とかそういうのは分かりやすいにしても、Myxineがどうもやっぱりわからない。ギリシャ語の粘液を意味する単語 μυξα、つまりmu(y)ksaに由来するのだろうとは分かるけども。

 ∧∧
( ‥)なぜ語尾がine?

     (‥ )さあ?

 そういえば学名とその由来と文法を述べた本の中でその著者が、学名や命名、造語法はとっつきにくいと言われているけども、これは科学にとって必要なんですから、皆さんもっとちゃんと学ぶべきです!! と力説していたよなあ。

 ∧∧
( ‥)まあ必要であるのは確かなんですけどもね。

     (‥ )どんな意味で必要とされているのかが問題だね。

 データを処理するためによく調整されたプログラム。色々な経験から導き出した公式や方程式。その公式や方程式の意味をちゃんと理解する数学的な素養や哲学的な背景を理解する知識。その目的のために制作された観測器や分析装置。その扱いやマニュアル。適切なデータをとるための機器の扱い方とそのテクニック。これまで受け継がれてきたもろもろの伝統的な方法論。研究に必要な事務処理や手続き。今日の作業に必要な食事。

 困ったことに学名とか命名とか造語法は以上のどれでもない。いや、強いて言うと事務処理のひとつというべきか。

 ∧∧
( ‥)でも学名がついていない生き物でも研究はできる
    わけでしょ?

     (‥ )あれをこうしました。ああ、あれね。
        発言者と聞き手の共通理解がぶれていなければ
        ニックネームでも俗名でも問題ないんだよな。

 というか先日までしていたのはまさにそういう事例の論文を読むことで。誰が見ても新種でしょ? という動物がいまだに記載されず、学名もつかず、しかし研究だけはちゃくちゃくと進んでいるという即物的な事実。

 ∧∧
( ‥)先の本の作者はとっつくにくいと言わずに
    生物学の基礎だから学ぶべき、と
    主張していたんだけども、、、、。

      ( ‥)たぶん、みんなそうは思っていない
          のだと思うよ。

 いつかは必要だが、誰かやれ、学名がなくても取りあえず仕事はできる。どうも研究者の皆さんはそういう風に考えているように見えるかなあ。

 我々自身、例えば契約書では最初こそ個人名が出てくるが、そうして個体を指定してしまえば、後は甲乙で代名してしまう。個人名という形以外のやり方で個体を指定できるのなら、その個人名さえいらないだろう。指定が正しければそれでいいわけで、固有名詞をつけることは便利ではあるが、その必要はかならずしもない。



 ∧∧
( ‥)学名もその造語法も、一部の人が積極的にその必要性を
    主張するほどには

      (‥ )みんな緊急性は感じていないってことだろうな。
 
 






 

その通れる道は誰が実際に通った?

 
 まあ、なんだ、あれだ。世の中には論理と公式と法則から答えを導けば過去の歴史。例えば進化の歴史だって確実に再現できると考える人がいる。

 ∧∧
( ‥)確実に再現できるんだ、答えは正しいんだっていう
    その信念は正しいんじゃないんですか?

    (‥ )そうねえ、そうかもしれないねえ。

:公理から道筋正しく証明した答えならば、それは観測せずとも正しいはずだ

という考え方それ自体はまあ演繹的な信念としては正しいのだろうな、とは思う。

 問題は。

 ∧∧
( ‥)正しい信念を持って演繹することは・・・

    (‥ )その演繹や証明自体の正しさとは
        関係ないってことであってね。

 ようするに、

 オレ様演繹しているからオレ様の証明は正しい

 なんて主張が通るわけがない。というかそんな数学者はいない。少なくともまともな数学者はそんなことしないよな。

 しかも、いくら公理から演繹しても現実世界がそうであるというわけではない。

 仮にニュートンの万有引力が演繹で導かれた証明ずみの公理だか定理だかなんだかだとしても(実際にはそうではないけども仮にそうだとする)、世界が万有引力の通りにきっちり動いてくれるかどうかは世界を現実に観測しないといけない。

 ∧∧
( ‥)そして事実として

     ( ‥)万有引力はよくできているし役に立つが、
         もっと説明能力の高い理論にその座を
          明け渡したんだよな。

 万有引力。ある意味では太陽系内で反証されてしまいました。


 まあ、だからあれだ。どっかの掲示板で鳥の進化をオレ様式に論じている人たちとか、色々な本を出した人たち、あるはフェデューシア教授もかなりそういうことなんだろうけども、例えばの話

:鳥の飛翔はこのように進化したと論理的に考えることができる

と言って、それがたとえ法則とデータから演繹して出した答えであり、なおかつその証明や計算の道筋が正しかったとしても

 ∧∧
( ‥)答えが正しいかどうかは

    (‥ )現実を見てみなければ分からない。

 平たく言えば系統解析しないと分からない。

 ようするに、

 こういう道があればA地点からB地点まで通れます!!

 といくら主張しても、その主張と、

 彼らがその経路を実際に通ったかどうかは


 ∧∧
( ‥)まったく関係ありませんね

     ( ‥)そうなんだよねえ。
         道が通れるということと、
         そこを通ったのかはまったく別だからな。

 道は無数にあるが、自分が通った道は幾つだろう?
 
 もし、この道しか通らなかった、と主張するには以下のように論証しなければいけないんじゃあないのかね?

:これこれの公理から演繹するとありうるべきすべての経路が1つを抜かして成立しない
:ゆえにこの1つしかありえない

 ∧∧
( ‥)そんな証明ができますかね?

     (‥ )無理だと証明はできないが
         以下のような議論は証明にはならんだろうな、
          とは言えるんじゃねーの?

 鳥の飛翔の起源が樹上シナリオAであることはありえない
 鳥の飛翔の起源が地上シナリオBであることはありえない

 これ、三角形Aはこうです、Bはこうです、というのと同じなんじゃねーの? こういう枚挙に基づいた議論は証明ではないよね。

 そして思う。論理的に議論をするっていう人たちが、次ぎの瞬間には三角形AがBがという枚挙に走るってどういうこったろうか? それが論理だってなんだいそりゃあ??


 ∧∧
(‥ )そういえば教授もそういうことしてましたよね
\-
     (‥ )なんか本を書くんじゃとか言っているらしいけど
         どんな本を書くんだろうねえ。

 その道が通れるかどうか以前に、実際に過去、誰がその道を通ったのか、それを証明せよ。もちろん、事例の枚挙は証明ではないのだから論外。

 という問いをされた場合、さて、なんとする?

 ∧∧
( ‥)どうすればいいんですかね?

     (‥ )聞かなかったことにすればいいんじゃね?
 


 

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