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2019年10月17日木曜日

まあ、ガリレオはサイエンスライターぐらいに考えた方が

 
 ガリレオが教科書から消える(かもしれない)
 
 ∧∧
(‥ )そんな話を聞いた
\‐  東京工大の加藤文元教授が
    twitterで曰く
    バーカ と
 
  (‥ )twitterの出現で
      教授というのも
      実は大したことない
      そんなことがわかる
      世の中になったと
      言われるもんだが
 
 ツイート自体は2017年11月15日のものだったが、いずれにせよ、ガリレオが教科書から消える? と言われるとびっくりする人は多く、なんでそんなことをするんだと非難するものだ。
 
 ∧∧
(‥ )でもガリレオさんって
\‐  あんまり業績ないんだよね
 
  (‥ )クレーターの発見
      太陽黒点の発見
      木星の四大衛星の発見
      振り子の同時性の発見
      ...まあそんなぐらいだな
 
 大きな発見ではあるが、このぐらいの発見をした人物は科学史にごろごろいるので、現状ではガリレオ、ちょっと過大評価しすぎじゃね? 教科書から外してもよくね? と言われても、まあしょうがない感じではある。
 
 ∧∧
(‥ )宗教裁判にかけられた
\‐  原因の著書である天文対話もね
    内容は別に大したもんでは
    ないですからなあ
 
  (‥ )回転する地球が
      なぜバラバラに
      ならないのか?
      それは遠心力が
      ないからです
      だからね
 
 端的に言うと、ガリレオは地動説を力学的に説明することを試み、そして失敗したのであった。
 
 ∧∧
( ‥)まあ当時の知識の
    限界ですな
 
  ( ‥)あれを解決するには
    ‐/ 空気に重さがあることを
       理解しなければいかんが
       当時のガリレオは
       それを知らなかった
       そりゃ失敗するわ
 
 空気に重さがあることを前提しないと、落下速度0の物体が、なぜ地球の遠心力で飛んでいかないのか、それを説明できなくなる。しかしガリレオは説明してしまった。ゆえに彼の理論は間違ったものになったし、彼の天文対話は必然的に失敗作となった。
 
 しかし、こうした失敗にも関わらずガリレオは有名になった。それはあまりにもガリレオの口が悪すぎて、ローマ法王を激怒させ、裁判にかけられたからである。言い換えれば、ガリレオは裁判にかけられたから有名になれたのであって、業績があったから科学史に名前が残ったわけではない。ガリレオは科学者というよりも煽り屋なサイエンスライターぐらいに考えた方が、多分、実態に近い。
 
 ∧∧
(‥ )それを考えると
\‐  ガリレオを教科書から
    省くというのは
    選択肢としてありなのだと
 
  (‥ )俺も今、科学史の本を
      書いてるけどさ
      正直、ガリレオは
      はぶこうかと思ったよ
 
  
 一応は取り上げたが、正直、余計な説明でしかなかったのは事実だった。

 ついでにいうと、ガリレオは先行する中世スコラ哲学者たちの業績を横取りした剽窃者である、そういった科学史家による辛い評価も省いた。そこまで説明する余白は自分の本にはなかったからである。

 説明とはこういうものだ。何かを省略しないとうまく説明できない。そして説明するには何を省略せねばならないか? それを判断する必要がある。その視点で見た時、ガリレオを説明から省略するというのは、ありな選択肢なのである。科学史の単純な説明としては、アリストテレス=>スコラ哲学者=>ケプラー=>ニュートンで十分。
 
 
 

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