自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2016年8月31日水曜日
見渡す限り世界のすべては当然である
見かけた言葉
経済力のある男性が優しくてかわいくて自分を一番に思ってくれる女の子を選ぶことは不思議に思われないのに、逆になると問題があるかのように思うのは非論理的。
おおむねこんな
∧∧
(‥ )だそうです
\−
(‥ )これは
非論理的なのではなくて
精子と卵子の話だよね
より厳密に言うと、精巣と卵巣の話というべきか。
単純な話で、精子を作るのはかなり高齢でも可能だが、卵子を作ること(あるいは排卵すること)にはかなり早く限界がくる。
要するに男は年取っても子供を作れるが女性はそうではない、ということ。
∧∧
( ‥)この繁殖可能な年齢の
違いが男女の戦略の
違いをうんだ
(‥ )男だと卵子を作れる
若い女性を好むことが
子孫を残す上で
有利になる
女だと年齢が高くて
収入が高い男性を
好むことが有利になる
現在の先進国なら女性でも大きな財産を築ける状況になっている。しかしこの趣向が変わることはない。変わるにしても何十世代もかかる。たかだか1、2世代の状況など人間の平均的な趣向に根本的な影響を及ぼさないのだ。
∧∧
(‥ )実際
\− 高収入の女性でも自分より
高収入の男性を選ぶ傾向が
あるっていう
レポートあったよね
(‥ )遺伝的に淘汰的に
進化的に決まった趣向は
やはりそのままだ
ということだな
これを踏まえて考えてみよう。
高収入の男性が自分より低収入の女性を選ぶ、というのは当然の話であって、
∧∧
( ‥)逆は皆無ではないけども
どっちかというと珍しい
( ‥)そして珍しい趣向は
−/ 一種異様に思われる
異様に思われる。変わっているね、と奇異の目で見られる。それは非論理的と言えばそうだが、自分と違うものを好奇の目で見るのは、これもまた当然であった。
見たことも無いチョウや花を見つけたら誰だって注目するだろう。それと同じだ。見られる側はあまりいい気分ではないだろうが、我々はこれを普通に行う。
ああだから、意地悪な言い方をすれば、自分にとっての不条理を非論理的と片付けてしまった時、それは知識をひとつ見過ごしたことになるってことだ。
謎を見た時、非論理的と片付けるのではなく、背景にある仕組みを探査検証しなければならぬ。
でっこれを言ったのは誰か?
∧∧
(‥ )...宇多田ヒカルさんだね
\− 公式twitterで引っかかってきた
(‥ )まじか?
じゃあごめんなさいだな
∧∧
( ‥)なぜごめんなさいだ?
(‥ )あの人が言ったという
文脈で解釈すると
途端に別の意味を持つ
ようになるだろ?
15歳のデビューで
いきなりミリオンだからな
∧∧
(‥ )絶大な成功と収入を
\− 若くして実現せしめた女性が
男女の恋愛と
男は高収入 女は低収入
という定型に疑義を出す
この文脈だと確かに
意味は一変するかもね
(‥ )状況は変わっていないが
遺伝子への反逆って
意味合いを持つように
なるべ
もちろん、遺伝子も人間も機械ではない。神のプログラムで動く創造物ではないのだ。遺伝子には変異があり、絶えず誤差と模索がある。
あるいは遺伝的に不可能な事柄でも、人は道具を使って可能ならしめる。物理的には飛べなくても、大空を飛ぶように。
つまり反逆は可能。というか、そもそもこの可能性を担保しているのが進化というべきか。
∧∧
(‥ )この反逆はどのような航路を
\− 通るのですかね?
(‥ )さてね?
男女のあり方は平均すれば最も有利な行動の集積になっていて、現状はそれを反映している。それから外れるものが奇異の目で見られるのも当然で、そこには明白な理由がある。
∧∧
( ‥)さりとてすべてが
決定論的に定められている
わけでもない
(‥ )それもまた当然
さて、かようにすべてはそれぞれ当然なのであった。見渡す限りのすべてが当然だけで成り立っている世界で、人はいかなる航路を歩むなりや?
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