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2016年3月4日金曜日

架空生物は創造論的なので自動的に嘘くさい

  
 間もなく春だ。少し天気が崩れた3月4日の空。奇妙に視界が悪く、遠くがぼんやりとかすみ、山も見えない。














 
 
 17:30現在、気温は13.5度、湿度は62%である。
 
 
 さてもさても
 
 ∧∧
(‥ )SF作家や
\‐  イラストレーターが考える
    宇宙生物や架空生物
    未来生物はどれもおかしいと
 
  (‥ )神様視点で物事を
      考えちゃうからだろうな
 
 例えば、前足がコウモリのような翼になって空を飛ぶネコを描いたとする。
 
 ∧∧
( ‥)理屈の上では可能だよね
    ネコよりも体重が重い
    鳥は存在する
 
  (‥ )だから、空飛ぶネコ
      というのは
      物理的には成立する
 
 ∧∧
(‥ )問題はそんな進化が可能か?
\‐  ということだね
 
  (‥ )自然淘汰では
      得になる道しか
      進めないからな
 
 ネコが空を飛ぶには、例えばコウモリの進化の道筋のような経路が考えられる。

 つまり、まず樹上性になって、それから滑空し、次に羽ばたきを始めて昆虫を捕まえるようになり、ついには大型化して獲物を捕らえる、という進化。
 
 さらに、このすべての段階で、前より何かしら得になることがあった、そういう条件が必要となる。
 
 ∧∧
(‥ )だけど樹上性のネコが
\‐  まずいないよね
    厳密には南米のマーゲイ
    ぐらいですかね
 
  (‥ )樹上性が少ないとは
      ネコにとって
      樹上に進出する
      利益があまりない
      そういうことだろうな
 
 それでも樹上性種が少なくとも1種類はいるのだから、非常に楽天的にこれを受け止めて話を続けよう。
 
 樹上性の次は滑空だ。
 
 ∧∧
( ‥)滑空して小鳥とか
    獲物を捕まえるの?
    無理っぽくね?
 
  (‥ )んー
      滑空できれば
      樹上で思い切り
      ジャンプして
      鳥にとびかかっても
      大丈夫ではある
      つまり大胆に行動できる
      これが狩りの成功度の
      上昇に結びつけば
      問題ないかもですよ
 
 
 ただし、動物が滑空するとなると、体はあまり大きくなれない。
 
 ∧∧
(‥ )マーゲイは体重が
\‐  3〜4キロ弱ですなあ
 
  (‥ )滑空性のヒヨケザルが
      2キロ弱
      最大のムササビが2.5キロ
      滑空する動物の
      最大サイズが
      これだとすると
      マーゲイが滑空するのは
      ちょっと厳しいよねえ
 
 だが言い換えれば、もう少しだけ小さくなれば、ネコでも滑空すること自体は可能だってことでもある。

 
 ∧∧
(‥ )でも小さくなれるなら
\‐  体重1キロ以下の小型ネコが
    すでにいても
    おかしくないはずだよね
 
  (‥ )だけどそんな小さなネコは
      いないのだ
 
 いないってことは何か制限があるのだろう。

 例えばこれ以上小さくなると、もっと小型の肉食哺乳類に競争で勝てなくなってしまうとか、そういう理由があるのかもしれない。

 例えばネコと同じ食肉類だが、オコジョの仲間には体重が200グラムを切るものがいる。これは一番小さいネコの10分の1以下だ。彼らは隙間に入って獲物を捕まえる。そしていかにも潜り込むことに向いた細長い体型。ネコとは全然違う姿だ。

 これは大きさによって獲物の性質が変わる事や、獲物が変わる以上、狩りに適した体型もサイズによって変わることを暗示しているのやもしれぬ。
 
 ∧∧
( ‥)オコジョたちが
    できるのだから
    ネコも小型化自体は
    物理的に可能なんでしょうね
 
  (‥ )だがそういう方向へ
      進化したものがいない
      つまり
      そっちの方向への進化が
      ネコにとっては
      得じゃないってことだよね
 
 
 これを考えると、滑空性のネコが進化することはいかにも難しそうだ。
 
 ましてや動力飛行となるともっと厳しい。

 陸上脊椎動物で空を飛んだ鳥、翼竜、コウモリ、いずれも一度非常に小型化したか、あるいは小さな体からスタートしたかである。そしてその大きさは、どう考えてもネコよりずっと小さい。
 
 以上を考えると、飛行するネコは進化しないだろう。
 
 
 
 ∧∧
(‥ )でも大きさ的には
\‐  ネコが空を飛んでも
    おかしくない
 
  (‥ )SF作家や
      イラストレーターが
      やっちゃうのはここだな
      物理的に可能だから
      いてもおかしくないと
      結論してしまうのだ
 
 要するに彼らは設計者の視点でしか物事を考えてない。つまり神様視点なのである。
 
 神は7日で世界を創造した。すべての生物は突然、この宇宙に完成された姿で現れた。
 
 こういう世界観。つまり歴史の視点がまったく欠けているのだ。
 
 ∧∧
( ‥)だからSF作家や
    イラストレーターの考える
    宇宙生物、未来生物
    架空生物は
    おかしくなるのだと
 
  (‥ )そりゃ進化と歴史を
      考えていないなら
      おかしくなるよね
 
 生物は機械ではない。例えば大腿骨とすねの骨が入れ替わった動物はいない。

 脊椎動物を見れば、大腿とすねの骨の比率や形にはあらゆる組み合わせがあるが、それでもなお、大腿骨は大腿骨であり、すねの骨はすねの骨として配置されている。これが生物進化にかせられた制限だ。
 
 ∧∧
(‥ )でも神様なら
\‐  入れ替えることできる
 
  (‥ )神様がいればそういう
      動物を作ったし
      そういう動物が
      いないからには
      生物は神の被造物ではない
      
 
 だが多分、作家やイラストレーターはこれをやってしまっている。
 
 
 ∧∧
( ‥)だから宇宙生物
    未来生物
    架空生物が嘘くさくなるのだと
 
  (‥ )要するに生物のことも
      進化論の根幹も
      分かってないし
      本人は科学的に考えている
      つもりなんだけど
      実際には
      創造論者ってことよ
 
 
 神様の作った世界は、現実世界と比べてどうしても嘘くさくなる。
 
 
 
 


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