自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2016年3月25日金曜日
異世界からはじかれてしまった異世界マニア
35歳過ぎたらもう駄目だって言いますけどね! こういう例もあるし、こういう人もいるんですよ!!
∧∧
(‥ )...と言ってる人は
\‐ 戦線のあちこちで
我が兵が敵を殺してるから
我が方が有利のはず!
と叫んでいる将軍も同じ
(‥ )実際
こういうことを言う奴って
もれなく先細りだよね
せめて、あの人は無理だったが、あちらの人はできた。だから自分はあちらの人の真似をしてみたのだが、さてどうだろうか? ぐらいは言うべき。
さて
先日、インクを買いに出かけた先の店でレジに品を出したら、店員さんが整えているアニメDVDの山が眼に入った。表紙は青い髪の女の子だった。
最近ネットでみかけた
アニメキャラだね
「この素晴らしい世界に
∧∧ 祝福を」でしたか
(‥ )
‐( ‥)元はwebで
それがライトノベルになり
さらにアニメ化が成功して
人気が出て
即座に二期制作が決まった
そうだな
意識して探してもいないのにDVDを、しかもレジで見る。人気が出た事、疑い無い。
確かに、聞くにかなり愉快な話である。死んでゲームのような異世界に転生した主人公が活躍するのだが
∧∧
(‥ )パーティーの面子が
\‐ ものすごく偏っているのだよね
防御力は極端に高いが
攻撃がほとんど当たらない戦士
最大火力を誇るが1日1発
それしか使えない魔法使い
そして
死人の蘇生までこなせるのに
お馬鹿で空気が読めないせいで
すべてが台無しの女神様
(‥ )このパーティーで
冒険しちゃ駄目でしょ
という面子でね
そして話を聞いているとこれ、ちょっと駄目なキャラをあえて演じる人たちが参陣しちゃった、くせの強いテーブルトークRPGをほとんどそのまま小説にしたような内容らしい。
テーブルトークRPG
文字通り、参加者がテーブルに集い(別に床でも良いのだろうが)、それぞれが自前のキャラを演じながら、設定とルールの枠内で、さらに運をサイコロで与えることで行動し、皆で物語を作りながら進めるゲーム。
∧∧
(‥ )もちろんそのままでは
\‐ 世界観も地理も謎も無いから
世界設定と進行役の人も
いるんだよね
世界の謎は彼の中
つまり
ゲーム上では運命を司る
神様のような役割の人
(‥ )でもさあ
キャラを演じる人に
くせがあると
物語がトンチンカンな
方向へ進んで
運営役の人が頭を抱える
事態も起こるのだよな
例えば、進行役がせっかく宝箱や世界の謎に至るヒント、迷宮に潜む新世界への道、隠された強敵を用意しているのに、さらにはそれへと至る運命の導きまでしているのに、プレーヤーの破天荒な行動のせいですべてが台無しになったり、せっかくの冒険まで後一歩なのに思い描いていた展開をへし折られたりする。
∧∧
(‥ )先のこの素晴らしい世界も
\‐ 空気を読まない女神様が
話をへし折る
らしいじゃないですか
(‥ )ネットの反応を
見る限りじゃ
この素晴らしい世界なる小説
いわば現実の話なんだよな
すくなくともゲームの事にある程度詳しい人間なら、ああ、こういうこと実際にあるよね、という物語。
一般的にはテーブルトークRPGは知られていないが、機械ゲームのRPGはこれを焼き直したもの。そう考えれば、若い人ならほとんど誰でも知っているものだということになる。
∧∧
( ‥)つまりゲームの物語って
いまや第二の現実なんですね
そして皆がある程度は
共有できる現実でもある
( ‥)しかも
‐/ 第一の現実から逃れて
息抜きできるように
調整されているわけだ
それを考えれば、なんで今時の小説の舞台は、どれも判を押したように同じようなゲームの世界なの? という苦言が的外れであること明らかであろう。
人は異世界など創造したことがないし、そんなもの必要としていない。
そしてすでに第二の共有される、息抜きの現実がある。
そうである以上、すべての息抜きがそこを舞台とすること必然である。
∧∧
(‥ )逆に言うと
\‐ 今時の異世界は全部ゲームだと
嘆いている人は
第二の現実についていけなく
なってしまった人だと
(‥ )異世界を望みつつ
実際には異世界から
はじかれてるわけだ
もちろん個人の趣向に
合う合わないもあるけども
皮肉なことであるな
これはhilihiliのhilihili: ただの1度も創造されたことのない世界の続き
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