自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2016年3月18日金曜日
冒険のロココ調服飾、その名は宇宙毒ヤスデ
映画エイリアン。あれだけ速く成長し、強酸の体液で防御する生物。
多分、彼らの母星では食物連鎖の底辺近くにいるんじゃないのか? と思わせる生態だ。
ではあのような壮絶な戦闘生物が底辺に据え置かれた惑星の生態系とは、一体いかなる世界であろうか。
∧∧
(‥ )残念ながら
\‐ 映画プロメテウスでは
エイリアンは人為的に
作られた存在だ
という設定になってしまった
ようですけども
(‥ )まあ、それは無視して
恐るべき強靭な生物たちが
食物連鎖している
そういう惑星を
考えてみようか
これは2年以上前のネタでもあるけども
=>hilihiliのhilihili: 黄昏の惑星
しかしながらこの世界、気楽に考えてみればである
∧∧
(‥ )これほとんど
\‐ ファンタジーゲームの
世界だよね
街から一歩出たら
人間を襲う怪物がうようよいる
(‥ )普通に考えれば
人類なんてあっという間に
全滅だよね
とはいえ、実際にはもう少しうまくいくかもしれない。
完全な異世界ということは、同じ炭素系の生物であっても、肉体を構成するアミノ酸は少なくとも一部は組成が違っているだろう。
∧∧
( ‥)原住生物にとって
異星の来訪者である人類は
食べてもあまり身にならないし
おかしな味のする動物かも
しれない
(‥ )運が良ければ原住生物の
多くから見ると
人間が有毒であるという
可能性もあるな
最低限、学習能力のある
原住生物は人間を見ても
襲わない
とはいえ、全部が全部そうではないだろうし、そもそも学習前の原住生物は人間を襲うのだ。そして食ってから、うえーーーっ、ぺっぺっ、と吐き出して二度と襲わない。
言い換えれば一回は襲うということである。
∧∧
(‥ )それに阿呆な動物は
\‐ 何度も襲ってくるかも
しれないし
(‥ )途中で気づいて捕食を
中止する連中でも危険だ
例えば沼のように
巨大なコウガビルが
人間を襲って包み込んで
しばらくしてから
なんだこれ?? と感じて
ぺっと吐き出すが
人間は粘液で
口をふさがれて
もう死んでるかもしれん
いずれにせよ、人間は赤や黄色に黒縞といった、派手な服装で身を固めるかもしれない。それこそ、その惑星の有毒原住生物にまねた服飾をするやもしれぬ。
∧∧
( ‥)警告色とミュラー型擬態だね
(‥ )さらに色々な防御手段を
講じてだな
ようやく街の外で比較的
穏便に活動できるように
なるわけだ
*警告色:有毒動物は目立った色彩を持っていると捕食者に、あれは痛い、あれはまずいと覚えられやすくなる。こうして進化した派手な模様が警告色。
**ミュラー型擬態:警告色は捕食者に覚えられて効果を発揮するので、誰かが犠牲になる。一方、同じ警告色でも独自の色をしているより、数の多い有害動物と似た警告色を持っているものは覚えられやすい。つまり有利になるだろう。これはハチのような有毒動物がどれも似たような警告色を持つ事例。
入植した人類が、土着の有毒動物、宇宙毒ヤスデの警告色をまねた黒と赤。あるいは黄色と黒の服をまとい、捕食者がうようよいる森の中を歩く惑星。
そしてここまでくると
∧∧
(‥ )ゲームの世界にかなり近く
\‐ なってきますなあ
(‥ )面白くなるのかは
ストーリー次第だけど
嫌な世界であることは
間違いないよね
そもそも人間もこの惑星の生物をそのままでは十分には食べられないだろう。原住生物の組織には植物から動物に至るまで、どれも人体に必要の無いアミノ酸が含まれているし、原住生物にはなんてことはないが、人間には有毒な化学物質も何かしら混入している。
しかも入植したコロニーが小さければ、これらを無害化するような高度な科学技術の伝承、維持などほぼ不可能だ。
∧∧
(‥ )この世界の人たちは
\‐ どんな食生活をして
いるんですかねえ?
(‥ )普通に考えれば
地球の作物や
栽培品種をなんとか
育てているんだろうな
もっとも地球の作物も
異星生物由来の
物質が含まれた土壌では
おかしな影響が
出てきそうだけどね
あるいはもっといやな生活になっている可能性もあろう。
例えばこの惑星にいる宇宙ナメクジ。大きさはヒツジやウシぐらいあるのだが、こいつらが植物を食ってから出す糞は、有機物が残っている一方で、有害物質がかなり少なくなっている。
∧∧
( ‥)...ああそれを食うのか
確かにナメクジやカタツムリの
糞は食った野菜の色がそのまま
残るようなものだけど
嫌な食生活だな
(‥ )でもそれを受け入れられる
受け入れられないで
コロニーの壊滅だって
起こるわけだよ
中世期にやってきた一時の温暖時代。当時、グリーンランドはいささか誇張とはいえ確かにグリーンランド、つまり草地が広がる緑の土地となった。少なくとも短い夏の間はそうである。
そこに入植した西欧の人々は、しかし、温暖期の終わりと共に全滅した。気候がわずかに寒くなった結果、作物を育てることができず、家畜も少なくなってそれを食べ尽くし、猟犬まで食べてしまってから、一人残らず消えた。
∧∧
(‥ )でも近隣に住んでいた
\‐ イヌイットの人々は
アザラシを捕まえ
それを生肉のまま食べて
寒冷化以後も
生活を続けていった
わけだよね
(‥ )生肉を食う日本人からすれば
入植者も同じことをすれば
良かったじゃないか
わさび醤油があれば最高
そう思うのだけど
それが出来なかったわけだ
そして全滅した
その理由には色々なものがあったのであろう。アザラシを捕まえる技術と道具をイヌイットの人々から学び、それを取得するのはそれなりに難しいだろう。可能であっても、困難に陥った時に、そんな余裕などないだろう。
だが、それだけであったろうか?
∧∧
( ‥)生肉を食べるという
食生活がどうにも
受け入れられなかったのでは
ないだろうか?
(‥ )今となっては
真相は分からん
でも暗示的であるよな
必要な食生活を
受け入れられるか
受け入れられないか
それでコロニーの絶滅が
決まることはありうる
∧∧
(‥ )地球の作物が
\‐ うまく育たないから
放牧している宇宙ナメクジの
糞を食べる生活...
(‥ )糞を乾かして保存したり
それでも残っている
有害物質を
水にさらしたり
灰汁抜きしたりして
除去するんだ
慣れればあれだな
出がらしの茶葉を食べる
ような生活でどうってこと
ないわけだけど
∧∧
(‥ )でも、受け入れがたいよね
\‐
(‥ )反対に受け入れて
成立している
社会は異様な世界だろうな
∧∧
( ‥)これぞファンタジー?
(‥ )もちろん世界設定なんか
あくまでも背景で
重要なのは
物語なんだけどね
とはいえ、ここまで来れば、冒険できること間違いない。
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