自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2016年3月7日月曜日
タイタンの海から先へ
宇宙生物が存在するには液体の水が必要であり、それにはその惑星や衛星の温度が適切でなければならない。
∧∧
(‥ )と言うと
\‐ 意外に多くの人が
それは地球生物から見た
常識であって
それに縛られる必要は
必ずしもないのでは?
と感じるみたいですね
(‥ )案外と発想が柔軟なのな
いや、発想が柔軟なのではなく、宇宙人がいたらいいなあーと思っているから
∧∧
( ‥)だから
”この星は液体の水が
存在できない温度です
だから宇宙生物はいません
はいお仕舞い”
と否定されるのが
嫌なだけかもしれない
(‥ )いて欲しい
そういう結論ありきで
”液体の水に依存しない
生物”を
考えているだけかも
知れないなあ
だって、人間そんなに難しいことは考えてないだろう。
∧∧
(‥ )確かに
\‐ ”液体の水でないと
生物は存在しない”
とは限らないんだよね
液体に溶けた分子が
熱とブラウン運動で動き
化学反応する
それが生物の条件を
満たせば良い
(‥ )俺たち地球の生物は
水に溶けた炭素化合物が
織りなしている現象だ
この現象を模倣できれば
なんだっていい
問題はそんなもの見つかっていないということであった。
例えばメタンはマイナス180度以下で液体になる。
液体メタンを溶媒として、そこに溶け込んだ化合物が地球の生物とその生化学反応を模倣できれば、液体メタンを基礎とした生物が存在しよう。
∧∧
( ‥)ここで液体メタンの海がある
土星の衛星タイタンを
見てみましょう
(‥ )探査機カッシーニから
タイタンに降ろされた
ホイヘンス
これが送ってきた画像に
生物は写っていないのよね
=>https://www.google.co.jp/search?q=titan+surface+huygens+nasa&biw=1093&bih=746&site=webhp&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0ahUKEwjc2dWl66zLAhWGsp…
リンクすると空想の画像もひっかかってしまうが、まあこういう世界である。
あるいはNASAの解説コンテンツ=>Titan Images
薄靄の空、地球の河原を思わせる丸い石と砂の世界(*石は水の氷)
∧∧
(‥ )タイタンは星に対して
\‐ 海が小さいから
乾いた星なわけだけど
(‥ )でも
砂漠の星だから
森が無いだけで
生物はどっかに
いるんですー
とは言えない状況だよな
写っとらんからな
それにリンク先にあるような丸っこい石は、運搬されて摩耗したことを示す。風景自体が地球の河原を思わせるように、今は干上がっているが、実際にここは河原なんだろう。
∧∧
(‥ )地球の定期的に干上がる
\‐ 河床にもたいがい
植物ぐらいは
生えていますからね
何も無いってのは
ちょっとねえ
=>https://www.google.co.jp/search?q=wadi+desert+river&biw=1093&bih=746&site=webhp&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0ahUKEwjsmpb586zLAhVD2KYKHfSTDL…
(‥ )本当に何も無い場所に
運悪く着陸したとか
主張することもできるが
それは分が悪いよね
そして、液体メタンの海があるタイタンに生物が見当たらないということは、液体メタンを基礎とする生物は存在できないんじゃないか? という結論になろう。
∧∧
(‥ )少なくともタイタンの条件では
\‐ 成立しないことは
確かだよね
(‥ )液体メタンを基礎にした
微生物を想定する人も
いるけども
見つかっていない状況では
後退的な議論だと
言わざるをえないだろうな
液体メタンを基礎にした生物、それを論じたのは例えばアシモフであった。あるいは炭素の代わりにケイ素を基礎にした生物を論じたのも彼である。そして水星などの探査で何かそういうものが実際に見つかるかもしれない。彼はそれを期待していたふしもある。
∧∧
( ‥)確かに地球とはまったく
温度条件が違っていて
何十億年も隔離された世界は
巨大な化学実験室だとも
みなせますし
(‥ )そういう可能性を
考えるのは
当然だよね
∧∧
(‥ )でも残念ながらそれは
\‐ かなわなかった
(‥ )俺たちはもっと先へ
いかないと駄目だね
液体の水にこだわることはない。そうは言うが、状況はすでにずいぶん先へ進んでしまった。もっと先へいかないともはや意味などないだろう。
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