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2015年9月3日木曜日

コロシアムの観客が怒っている

 
 試合の展開は6回までは均衡していたが、そこから突如崩れた。それからはあまりにも一方的で、ついに23対1。

 しかも失点のうち、10は押し出し、デッドボール、失投、落球であった。
 
 観客の罵声とブーイングは頂点に達し、敵味方入り乱れてコートに乱入。俺たちにやらせろと素人がマウンドに立ち、バットを持つ始末。
 
 みっともない話だ。素人は素人だ。素人がそんなことをしてはいけないのだ
 
 ∧∧
(‥ )...というのはまったくの正論で
\‐  まごうことなき事実なのだけど
    それを23失点したチームの
    選手が言ったら
    袋だたきにされるだろう
 
  (‥ )まあ容赦ないよね
 
 
 
 同様に、
 
 エンブレムがパクリだなんて何を言うか。単純なデザインは似るものだ。にわかが口出しするな。例えエンブレムが取り下げられても、素人が面白半分にエンブレムを作るな。そもそも素人ときたらフォントはめちゃくちゃ、図形の組み立てもなっていない!
 
 と”正論”を言ったところで
 
 ∧∧
( ‥)誰も聞く耳もたないと
 
  ( ‥)少なくともあれだね
    ‐/ デザイナーが
       この正論を言ったら
       ぼこられるだろうな
       皆が聞きたいのは
       正論ではないし
       技法論でもないのだ
 
 というか、関係ない立場の人間がこれを言っても同じだ。正論を述べたところで暴動が収まるわけがない。
 
 暴動には理由がある。理由が解決されない限り、暴動は収まらない。そして正論は解決ではない。
 
 ∧∧
(‥ )どうしたもんですかね?
\‐
 
  (‥ )えー?
      面白半分に皆でやれば
      良いんじゃね?
      そのうち
      しらけるべさ
 
 いくら23失点したとは言っても、プロはプロだ。素人がバッターボックスに立ってもどうにもならぬ。
 
 ∧∧
(‥ )まあ腕に覚えのある人も
\‐  いるだろうから
    しらけたところで
    その人が出てくれば
    おおーっと思われるかもね
 
  (‥ )引退した選手とか監督が
      おうなんか面白いこと
      やっちょるなあ
      わしも混ぜろと
      バッターボックスに立てば
      流れが変わる
      あるいはそれこそ
      敵チームの4番打者が
      エースが投げるなら
      俺でなければ不足じゃろ
      そう言って
      代理で戦う夢の対決とかな
 
 
 ∧∧
( ‥)観客がおおーっと
    感嘆するような場面を作れば
    その場が収まるかもしれない
    あくまで
    かもしれない、だけどね
 
  ( ‥)それは賭けだし
    ‐/ それが出来るのは
      プロ中のプロだよね
 
 そして多分、そういう人は正論は持っていても、正論を述べたりはしないだろう。
 
 ∧∧
( ‥)技を見せろと
 
  (‥ )観客が見たいのは
      技なんだよ
      プロの技も
      見せられない奴がだな
      ただ正論を言ったら
      どんな眼に遭うか
      予想できるべ
 
 デザインのコンペだと思うから訳が分からなくなる。あれをコロシアムの闘技場だと考えると、人々の怒りと反応がより分かりやすくなる。

 今、観客は最悪の試合を見せられてぶち切れて暴動寸前。というかもはや暴動。
 
 ∧∧
(‥ )殺せ!殺せ!の
\‐  観客の怒りを抑えられるのは
    勇者たる戦士だけでしょうね
 
  (‥ )それも正論では駄目だ
      命がけの何かを
      示さないといけない
      デザインごときに
      命をかけるなんて
      そんな馬鹿な?? と
      思うかもしれないが
      でも
      命かかってるんだよね
 
 実際、エンブレムの人は食われた。
 
 再起できるとはちょっと思えない。積み上げた名声も、実績も、地位も事務所も人生もなにもかもだ。彼の人はにゃんまげ様をデザインしたという。それからエンブレムまで長かったはずだ。そのすべてが今やこれ。
 
 ∧∧
( ‥)まさに命がけだな
 
  (‥ )さあ闘技場の真ん中に
      歩み出て
      正論ではなく技で
      観客を魅了する勇者は
      誰かな?
  
 観客は勇者の登場とその技を望んでおります。正論など望んではおりません。
 
 
    
  

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