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2013年10月14日月曜日

火星・レグレス、角度1度あまり

 
 明け方、東の空に登った火星を見ると、また少し、しし座のレグルスに近づいていた。
 
 ∧∧
(‥ )あなたの直角定規を使った
\‐  ざっくりした観察だと
    1度25分の距離、ですか
 
  (‥ )まあ、誤差はあるから
      ここまで細かい数値に
      あまり意味はないけど
      あれね、腕を伸ばした時
      指一本分の角度だった。
      まあ、1度の角度まで
      近づいているわけよ。
 
 この話はhilihiliのhilihili: 直角定規と火星の続き。
 
 土曜日にはおよそ3度だった火星とレグルスの距離は、その半分以下にまで近づいた。火星の赤とレグルスの青はなかなかに美しい。公園ではホウホウと鳴くフクロウと、ゲアッと鳴くフクロウの声が聞こえて、それはなかなかに良い気分。
 
 さて、
 
 意地の悪い言い方をすると、分かった、理解できた、こんなものが何の保証もない馬鹿げた妄想でしかなかったこと。誰しもそのことを思い知らされたことがある。
 
 テストの採点の時に。
 
 だがしかし、
 
 ∧∧
( ‥)大人になるとテストがない
   
 
  ( ‥)だから、自分の人生に
    ‐□ 安心して嘘をつくように
      なるのだな。
      自分の航路にべたべたと
      塗ったどぎつい美しい嘘
 
 かくて世界は”分かった”だけになるが、それは結局、馬鹿げた妄想でしかなく、しかもそれに自分では気がつけない。
 
 ∧∧
(‥ )ソクラテスさんは、
\‐   星とか宇宙のことを
     考えても意味ないよ
     そう言ったのですよね
 
  (‥ )ちょっと聞くとぎょっと
      させられるのだけどさ
      冷静になって
      考えれば当然なんだよね
 
 当時のギリシャ人の数学は天文観測すら出来ないレベルだった。例えば三角法がない。直角定規で星を見ましょうなんて、そんな原始的なレベルにさえも到達できていない。つまり当時のギリシャ人では星の運行すらまともに理解できないのだ。そんなレベルで宇宙のことを考えたってそりゃあ意味なんかあるわけがない。答え合わせが出来ないんである。事実、それらは全部、ただの妄想だった。
 
 ∧∧
( ‥)まあ、太陽は赤熱した鉄と
    同じだと喝破した人とか
    いたんですけどね
 
  (‥ )でも、それもあれ
      なんだよね、
      赤熱した鉄と太陽は
      類似しているという、
      いわば答えを
      根拠無くもぎ取る、
      という結果だけなのよな
 
 答えをもぎ取る。それ自体は良いのだが、そこに答え合わせはなかった。これでは答えが妥当かどうか分からない。確かに太陽は神ではなくて赤熱した巨大な物体でしかなかったが、同時に、鉄でもなければ固体でもなかった。
 
 ∧∧
( ‥)それを考えると、
    ソクラテスさんの苦言は
    当然ですか
 
  ( ‥)分かったに意味はない
    ‐□ 答え合わせができなければ
       無意味だ。
       あんまりおかしなことを
       真面目に語りなさんな、
       そういうことだろうな。
 
 では、学校を卒業して社会に出てしまった僕らの、分かった、とは一体全体なんだろうか? 私たちは答えあわせをしたか? 自分の人生の答え合わせをしたか? もし、ある時、突然、答え合わせの日がやってきた時、自分の信じたものが.....
 
 
  
 

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