自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2013年8月26日月曜日
主人公は誰の使徒?
hilihiliのhilihili: 攻撃の右手を左手がつかんだ時、事態は膠着状態に陥るの続き
∧∧
( ‥)仕事を終えたのに
なにしてるのよ?
休めよ
( ‥)人生から暇つぶしを
‐□ 無くすと正気を失うよ
ふと検索をかけてみる。
∧∧
(‥ )...ああ、例のラノベと
\‐ それを原作にしたアニメ、
その結末に関する色々な
意見ですか
(‥ )妹が幼なじみや友人、
同級生に勝利した世界
まあ、なんというか、考えてみれば当たり前なのだけども、小説や創作における恋愛劇において、主人公はしばしば読者の分身となる。いや、分身ではないな。むしろ、自分の愛するキャラを幸せにするため、読者によって使わされた使徒として主人公は活躍を期待される、少なくともそういう役割が読者によってあてがわれることがある、そう言うべきか。
だが、悲しいかな、当然だけども、作っているのは作者だ。使徒ではあるが、けっして自分の代理人そのものにはなってくれない。
∧∧
(‥ )読者の需要に応じて
\‐ 女の子の数は増える、
しかし、選択がなされた場合
誰かが敗北することになる
(‥ )妹が勝利した世界は
他のみんなが敗北した
世界でもある。
必然、読者でも
無念の涙を呑んだ人が
たくさんいたみたいね
使徒は、あなたの望まない行動を選択した。
だから、ゲームや二次創作で我慢しろ、という意見が
∧∧
(‥ )ああ、そういう意見ありますね
\‐ 無数に分岐するゲームが
普及したこの時代、
必然の意見ですね
(‥ )別の時空、別の世界線
解を探す果て無きループ
昔だったらSFとかの
ジャンルに限られた
発想も、今ではむしろ
必然のアイデアなのな。
妹が勝利しなかった世界。
それもどこかにあるってことなのだ(というか事実としてある)
∧∧
( ‥)この作品自体、無数の
分岐から選択され、
作られたものですよね
(‥ )例えば、
妹 VS 幼なじみ
よく考えたら
何事?? っていう
最終決戦だけども、
そこで幼なじみがだよ
「あなたたち、兄妹なのに、セックスはどうするの??!!」
という台詞を一言はいたら、その瞬間
∧∧
( ‥)とたんに別の選択肢に
迷い込んでしまいますと
( ‥)この一言に、はい、いいえ
‐□ どちらで答えても
物語というか
テキストとしては
かなりやばい方向へ
舵を切ることになる。
それは回避しなくちゃ
いかんよなあ。
作品を作り上げるのに、何度、あらゆる選択肢が試行され、そして棄却されたことか。
∧∧
(‥ )作品自体、ループと
\‐ 時間線の探索を行った結果
だとも言えますね。
(‥ )おおげさな言い方に
聞こえるけども
まじでそうだからな
∧∧
( ‥)それを考えると、
あなたの仕事は
楽ですよねえ
(‥ )科学を紹介する。
文字数に応じて
仮説を単純化すれば良い
論文と状況さえ把握すれば
楽なもんよ。
とはいえ、この手の仕事でさえも、あっ、この単語を入れたら一気に話が膨らむから却下しよう、とか選択肢の回避を行うのだ。創作、しかも複数の恋愛となったらこんなものじゃすまないだろう。
∧∧
(‥ )いわゆるハーレムものは
\‐ 読者の多様な好みに
応じる一方で、
最終選択をすれば
読者の要望に応じきれない
これはジレンマですね
(‥ )本来、創作ってそういう
ものなんだが、
そういうことなんだよね
ふと、思った。それを考えれば絶望先生のラストは、あれは、理想的かつ、画期的だったのか。
(‥ )あれって、どこで
読み終えるか次第だけど
最後はすべてのヒロインが
ひとつに融合する話だろ?
∧∧
( ‥)そうかもしれないけど
ものすごく誤解を招く
言い方だよね。
すべてのヒロインを選んだが、それでもなお、選ばれたヒロインはすでに実在しないただ一人だけ。クラスメートたちであるにも関わらず、集合名詞であることをやめ、皆が単一の固有名詞となった世界
∧∧
( ‥)あなたならどうします?
(‥ )残った部分を
なんとかかき集めて
可能な限りなことを
したのだが、結果的に
俺の知らない娘が出来た
とか?
∧∧
( ‥)...どうすんだよ
(‥ )強く生きろ、愛をはぐくめ
としか言えんなあ。
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