自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2013年8月5日月曜日
隊伍を組むゾンビは脅威ではない
漫画を規制しよう。
徴兵制で若者を鍛えよう
道徳で命の尊さを教えよう
公共精神を学ばせよう
食育、あるいは親学を普及しよう
∧∧
( ‥)全部、社会の老いだと
(‥ )こういうのは
社会の小じわと
見るべきだね
人間、老いると神経やホルモンの有様が変わるのか、あるいはそもそも体力が無くなったせいなのか、逃げに走る。
理想というのは”これが良い”という主張であって、可能性を閉じている。それはおいぼれて歩けなくなった人間が考える逃げだ。
∧∧
( ‥)自分が考えた理想に
世界をあわせようとする
( ‥)それではね、
‐□ もう駄目なんだよ
お前らもう死んだんだよ。
あるべき姿、あるべき形、あるべき答え、自分の考えたあるべき道にみんなが従うべきだ。
こういう痛い事を平気で大声で、恥ずかし気もなく叫んでしまう時点で死んだのだ。
お前たちはもう、ただの歩く死体だ。
∧∧
( ‥)でも、ゾンビではない
(‥ )動く死体=ゾンビなら
連中もゾンビではあるな
問題は、あるべき姿、と言っている時点で、それはすなわち、”皆で隊伍を組み、ある方向へ歩こう”という提案に等しい。ここに問題が隠れている。
∧∧
( ‥)ゾンビが恐ろしいのは
無限の体力を持ち、
補給の必要なく数を増大させ、
数と体力であらゆる可能性を
しらみつぶしに確かめる点に
ある。
(‥ )だから知性がなくとも、
迷路を通り抜け、
障害物を乗り越え、
経路を発見し、
防衛ラインを突破するのだ
だが、もしここで、ゾンビが隊伍を組み、整然と歩き出したらどうなるか?
∧∧
( ‥)脅威は半減、あるいは
それ以下ですか
(‥ )そんなもの、
行進しているその方向に
障害物を置けばいいからな
地雷、鉄条網、バリケード、機関銃、なんでもいいけど、進路の先を袋小路にし、備えて構えて使って、殺して殺して殺しまくればいい。隊伍を組んで馬鹿正直に一本線で行進してくるのだ、正面突破と言えば聞こえは良いが、そんなものを防ぐなど、どうということはない。少なくともあっちこっち、勝手気ままに動き回られるよりはやりやすいだろう。
整然たるゾンビは確かに危険ではあるが脅威足り得ない。
∧∧
(‥ )若者や社会をひとつの
\‐ 理想に押し込めようとするのは
例えるなら最良のクローンだけ
にして集団を均一化させて
しまおうってことですからね
(‥ )あの連中、老いて理想に
逃げた連中はな、
ランダムに無秩序に動く
ゾンビを見て、
絶望した連中なのだ。
ああ、ほら、そこの角を曲がればいいのに。ああそこのマンホールから人間が脱出しようとしている!! ほら、後ろ、後ろ。
そういうもろもろの事態を見て、ええいっ、まどろっこしい、みんな俺様に従え!! そうすれば問題解決だ。そう思い込んだ哀れな連中だ。
∧∧
( ‥)でっ、俺様の後につづけ!
隊伍を組んで行軍するべし、
さすればすべては解決だ
そうもくろんでいると
(‥ )だがしかし、
現状最適なクローンは
それゆえにこそ
新しい状況や新しい敵の
出現に対抗できないのだ
仮にそれが今では最適解でも、状況自体が組み変われば最適でもなんでもなくなる。
仮にその方向へいくことが現状、最適でも、隊伍を組んで歩き出したと見れば、相手は対応するんである。むしろ楽に対応できる。
∧∧
( ‥)そして全員が最適解であったが
ゆえに、次の瞬間、全員が
最悪解になってしまうと
(‥ )要するに全滅だ。
だが、ゾンビが本来あるようにランダムだったら?
もうこうなるとどうにもならない。
知性のある人間があらゆる可能性をあらかじめ阻止しても、訳分からんところから侵入してくる。なんといっても本来的な意味においてゾンビには知性がない。知性的な予測なんかでは予測不可能なところから侵入してくるは必然。
∧∧
(‥ )数と体力、そして馬鹿でアホで
\‐ でたらめでランダム、これが
勝利の鍵であると。
(‥ )そういう意味ではね、
あるべき社会にしよう
そう言っている連中は
歩く死体ではあるが
ゾンビではないなあ。
あるいはこう。同じ歩く死体ではあるが、集団で解を探索する演算装置、という存在ではない。
∧∧
( ‥)知性を持つ、ゾンビですか
(‥ )ゾンビに知性があったら
そんなもの脅威でも
なんでもないからな。
ただのゴミかすだよ
老いというのは悲しい。知性だけが残って何も出来ない。
∧∧
( ‥)つまり知性とは
(‥ )知性ってのは能無しだ
そういうことだね。
知性だけ残っても、それでは何にもならん。
知性に逃げて己がゾンビであることを否定した時、破滅が待っている。
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