自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2013年8月30日金曜日
自分たちが超能力者である自覚が足りない、たぶん
∧∧
( ‥)なに?
( ‥)昔さ、こんなエッセイを
‐□ 見た事があってね
駅の階段を降りていく先にいる女性の頭からアンテナが生えている。ぎょっとしたが、それは携帯のアンテナで、彼女の長い髪の毛からアンテナだけが出ているのだった。話している内容はこちらにも聞こえているがたわいもないものだ。携帯電話はいわばテレパシーである。超能力が実現したら世界はすごいことになるはずだった、SFの世界になるはずだった。だが、僕らはバカバカしいことにしかそれを使わない。
*注:今から数年以上前に目にしたものなので、まだ携帯電話にアンテナがあるのが普通だった時代の話です。
ともあれ、そんな感じのエッセイ
∧∧
( ‥)....なにその、
技術革新が起きたら
それは高尚なことにしか
使っちゃいけません!
みたいな上から目線は?
( ‥)まあ、それは置いておこう
‐□ じゃないか。
少なくともネットや携帯が
テレパシーと
同じものであることは
確かだよね。
つまり、思考がだだ漏れ、とまでは言わないが、携帯とネットが普及した昨今、少なくとも、強く思考してそれを言語化、あるいはテキスト化すると、膨大な数の母集団に伝わってしまう時代。
当然、母集団が大きければ大きいほど、普通では考えられないことが起こる。
∧∧
(‥ )今まで遭遇もしたことがない
\‐ 愚かさや、これはもはや
精神疾患ではないか?
と思えるようなトンデモ理論や
病的な勘違い、固執、陰謀論、
放射脳、思い込み
そして冷蔵庫に入って大炎上
(‥ )みんなテレパシーが
普及した世界で生きる事に
まだ慣れていないのだよね
平均人間からすれば、こんな愚かさや異常やぶれや欠陥や思い込みや誤謬が世界にあるとは想像もしていなかっただろう。だから世代論とか格差論とか無駄にありもしない原因を探す。
立場を変えて向こうからすれば、まさか自分が母集団の反応を引き起こしてしまうとは思っていなかっただろう。今まで誰も反応しなかったのに、ある時、連鎖的に反応が反応を呼び起こして臨界に達し、集合の振る舞いが変わって人生が終わる。
どっちも巨大な集合で何が起こるのか、確率的にどう振る舞うのか、それを良く理解していなかったという点では同じだ。
そして、これぞ世界の新しき姿。
∧∧
( ‥)そういえばあなたは
人類が嗅覚に依存した
動物だったら、と
考えたりしますよね
(‥ )視覚に依存した生物から
すると、
嗅覚が鋭いってのは
どえらいことでね。
クラスメートの
誰が生理か、
誰がエロ話を聞いて
一番興奮しているか、
誰がトイレで大か小か
どちらを排泄したか
これが全部丸分かりに
なっちゃうんだよな
モラルハザードですよ
匂いは自然と拡散するし、過去の情報を含んでいる。鋭い嗅覚は視覚生物からすればテレパシーみたいなもんだ。
そういうわけで、物事がばれる世界では何事もうまく隠さないといけない。こんなことは本来、ゆっくり起こるはずだけども、機械技術の進展がそれを一気に実現させた。
∧∧
( ‥)まだ皆さん、この状況に
慣れてませんよね
( ‥)これから1世代、2世代
‐□ 経過したら、ずいぶんと
違う世界になるのかな
新しい道徳というか、世界観や制御力とでも言うべき物が必要になるんだろう。自分を抑制するだけでは駄目で、巨大な集合ではあらゆることが起こる、確率的に非常に低い事でも当然のように起こる、巨大な集合はある時、臨界に達して反応を引き起こし、牙を向いてくる。こういう視点も当然、必要。
∧∧
( ‥)でも何より必要なのは
(‥ )自分たちは超能力者である
この自覚が必要だよね。
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