賃金は儲けから産まれる。
∧∧
( ‥)それはそうでしょう
(‥ )当たり前だね。
仮に原価(あるいは原料の仕入れ値+加工/運搬の手間賃)10円のものを110円で売ったら100円の儲けが生じる。
∧∧
( ‥)えらく利益が上がる品物ですけど、それでも
その儲けで生活するにはたくさん売らなくちゃいけませんね。
(‥ )しかり。1ヶ月に20万円の利益を得るには
原価10円/売値110円の商品を2000個売らねばならん。
∧∧
(‥ )でも実際には2000個それぞれの品物を生産するために
□- 各々、10円がかかるわけですから。
(‥ )必要な経費が2000×10=2万円で、
純粋な利益は1ヶ月につき18万円だな。
でもまあ、原価10円/売値110円なんてことはずいぶん割のいい話で、
∧∧
( ‥)原価20円/売値100円になったら
(‥ )利益は1つあたり80円。20万円の利益を得るのに
2500個を売らねばいかん。そして必要な経費が
一個あたり20円だから1ヶ月で2500×20=5万円。
たとえ2500個を売ることができても、
純粋な利益は一ヶ月につき15万円だな。
∧∧
( ‥)売り上げがのびずに、2000個しか売れなかったらきついですね。
その場合、利益は一ヶ月に16万。そこから
2000個の必要経費4万円を抜いて、実際の利益は12万ですか。
ようするに利益は売り上げ次第であり、かつ原価の上昇で削られる。
(‥ )ではどうしたらいいだろう?
∧∧
( ‥)売り上げを伸ばす画期的(そんなものがあるとしてですが)な
方法を採用するか、あるいは必要経費を押さえて、
なおかつ一ヶ月の生活費を下げるしかありませんねえ。
(‥ )しかり。言い換えればあれだね、必要経費と生活費
そして売り上げ。この3つが破綻せずに均衡する場合に
のみ、われわれは存続できるわけだ。
これは個人の話であるけども、これが会社ならば必要経費には雇っている社員/労働者の人件費も含まれる(個人一人ならば自分の生活費のこと)。なるほど、日本が他の先進諸国よりも低賃金な時代であれば賃上げはできただろう。
∧∧
( ‥)他よりも低賃金だから利益が許せる限りは
人件費をあげることができると。
(‥ )だが必然的にそれは頭打ちになるな。
均衡状態に到達するわけだ。
そういうことを考えると、この前の好景気はいざなぎ景気を越えたといいますが、実質賃金は上がっていないじゃないですか!! というのはたぶん、たわ言。
∧∧
( ‥)みんな右肩上がり成長とか
覚えているからそう思い込んでしまうのでは?
(‥ )賃金はその条件下での均衡点に到達すると
そこで飽和状態になってもう動かなくなるとは
考えていないんだろうなあ。
どうも世の中には無限成長が可能であると信じ込んでいるシュールな人々がいるらしい。
ついでにいうと、以前、ある飲み会で「月々、20万円だっていうのよ? バカにしていると思わない??」と言っていたおばはんはやはり、あの頭をかち割りたい。刺身の大皿で。