散歩にいったらば、あいもかわらず湿気った雲が低くたれ込め何も見えない。と、思っていたら。
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(‥ )お月様が見えてきました。
(‥ )あら、ひさびさの満月。
ひさかたぶりに見た晴れ間からのぞく満月は明るかった。高い空には薄い雲があり、なんだろう、氷なのか水なのか知らないが月の周りにドーナッツ状に虹ができていた。よく見る笠とは違っていて、もっと小さく、内側が暗い茶色っぽい紫、そこから青、緑、黄色、赤になっていた。印象としては琴座のドーナッツ星雲になんとなく似た感じ。
そして月の左の斜め下には木星がぎらぎらと輝いていたけども。
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( ‥)えーっと、今、お月様も山羊座ですか?
(‥ )はてねえ、たぶんそうかな。
公園の高台の広場へいくと南の空も北の北極星もよく見える。北極星をめぐる星々を見ると古代、中世の人々が星占いと天文に興味をもった理由がなんとなく分かる。規則正しく時計仕掛けに動く大空と、そこをうろつく惑星。それぞれの星に個性があり、色が違い、惑星によっては金星や火星のようにある時期に光度を増して明るく輝くものもある。
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( ‥)規則正しいことは未来予想につながりますしね。
(‥ )時間や季節、方位を知る上でも重要だしなあ。
実利にプラスして惑星の動きという要素も入れれば
そりゃあそこから何か意味を汲み取ろうとするよね。
人間は自分の社会的地位にひどく敏感だ。自分がどういう能力を持っていて、これからどうなって、皆からどう評価されて、そして異性にどう評価されるのか? 人間の興味というものはすべからくここにあるわけで、星々の有様からこれらの事柄を探ろうとするのもこれ当然。
しかし、こうした古代/中世のテクニック。つまり占星術体系はもう現代人には理解が不可能。というか理論体系が現代の知識とは異質なので理解困難。
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( ‥)今、牡牛座に火星が入っているし、金星もいたし
山羊座には木星ですよね、今日はその上に満月が山羊座ですよね。
これは過去のそういう体系ではどう理解されたんですか?
(‥ )それがさっぱり分からんのよね。
というかさっき占星術の本(恒星社の科学史のひとつとしての本)を見てみたら、ドイツの占星術の一派には中世ヨーロッパの占星術をかなりよく保存しているものがあるそうな。
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( ‥)あらびっくり。
(‥ )時間ができたらもう少し天動説体系と
西洋占星術(錬金術も含めて)のことを
調べてみるか。