電子化すれば出版界は苦境を脱出できる! 何も知らぬ素人はそう自慢げに言うが、これは経済を知らぬたわ言であった。
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(‥ )インフレで暴落した紙幣を
\− 電子化しても価値が上がる
わけがない
(‥ )言い換えればだ
本の出版数が減れば
本の価値が維持される
わけなのよ
紙でも電子でもね
しかし、これは要するに市場の縮小なので、人員整理が必要だ、ということでもあった。
人員整理とは、単純には首である。ただし、制度上、法的にそれができないので、現象としては首切りではない形でそれが現れる
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( ‥)会社にできるのは
あなたのような作家
つまり下請けを切るか
社員に無理をさせるか
そのどっちかだよねー
( ‥)下請け切りは
−/ もう限界でな
今は無理させてる
編集者が次々に
壊れ始めた
段階みたいだねー
もちろん、一気に壊れるわけではない。弱い場所、結合点、負荷のかかる場所、そういう部分ぶぶんから壊れ始めるので最初は危機感は薄い。そして危機感を皆が共有した時には、すでに手遅れ...
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(‥ )というか手遅れも何も
\− そうなって人員整理が
完了するわけで
手遅れうんぬんの話では
ないんだよね
(‥ )まあそうだね
というわけで、出版社に企画を持ち込むということに今や意味はなかった。どれだけ予め金を引っ張ってこれるか? これが肝心なのである。
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( ‥)とっ簡単に言うけど
具体的にどうすんだよ?
(‥ )ツイッターで宣伝でも
するか?
そんなものでどうこうなるものとはとても思えないが。