砂の惑星って何? どんな映画?
人に聞かれたので次のように答えた。
元は小説で話は単純。男爵家と公爵家が争い、負けた公爵家の王子が砂漠を流浪し、仲間を見つけ、虐げられていた人々を救い、糾合し、彼らの助けを得てついに男爵家を打倒し、背後にいた悪の皇帝を打ち倒し、全宇宙の帝王になる。それだけの話。
∧∧
(‥ )砂の惑星って
\− おとぎ話や神話の
典型的な類型を
なぞってるからね
わかりやすい話では
あるよね
(‥ )こうも聞かれたな
砂の惑星って前も映画になったみたいだけど、それはどうだったの?
リンチ監督はおかしな人のおかしな行動を撮影するのは大得意で、異形なギルドナビゲーターや掃除機みたいな翻訳機で皇帝さえも軽蔑しきってしゃべる協会員や、小動物をつぶして体液を笑いながらすするラッバンの表現は秀逸だったけど、他が全部ダメだったので興業としては大失敗でした。
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( ‥)スターウォーズと
何が違うの? とも
聞かれたが
(‥ )SWは砂の惑星の
ぱくりとも言われるな
ぱくりとは言い過ぎに思えるが、類似点があるのは否めない。宇宙の話なのにすべてが古めかしく、砂漠から話が始まり、宇宙時代なのに剣で戦い、悪い皇帝をやっつける。
∧∧
(‥ )でもさSWの方が
\− わかりやすいよな
剣技で勝負する砂の惑星
対してライトセイバーで
戦うSW
公開当時のあれは
実に印象的だったからな
(‥ )宇宙戦艦や
宇宙戦闘機が飛び交い
小汚い貨物船に宇宙人
レーザーも撃ちまくって
そのくせ勝負は
チャンバラで
決まるわけで
派手で印象的で
とてもわかりやすい
良いつくりだよね
スターウォーズは低予算で工夫して作られた。そもそも映画監督が作ったから映画化しやすいものであるのは当然。
反対に砂の惑星は小説として大河小説の体裁を取っており、映画化に向いているとはとても言い難い。
∧∧
(‥ )だからSWに負けたし
\− リンチ監督も失敗したのよね
(‥ )小説としては大河小説な
風を出して
箔つけて売るのが
ひとつの正解なんだけど
成功した小説が
その先にある映画化に
向いているとは
限らないよね
むしろ反対だ
もちろん小説はまずは小説として売れなければ意味がない。だから小説としての最適解を満足させることが先だ。しかし、その先にある映画化に最適化しているとは言い難いので、そこが課題となる。