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2016年9月8日木曜日

兼業は安定という名の詰み手である

 
 ∧∧
(‥ )イラストレーターは
\−  どうせ兼業なんだから
    年収100万でも
    問題ないでしょ?
    という見解もあるね
 
  (‥ )仮にコンビニでバイトを
      しながら
      イラストレーターを
      していたとする
 
 仮に時給1000円、1日8時間、週に3日働くとする…
 
 ∧∧
( ‥)時給1000円の
    コンビニバイトなんて
    聞いたことないけどね
    シフトもあるから
    1日8時間できるかどうかも
    分からないし...
 
  (‥ )例の理想論だよ
      まずは単純に
      考えましょうってことさ
 
 仮に時給1000円、1日8時間、週に3日働いた場合、1週間で2万4000円、1ヶ月を4週で近似すれば9万6000円となる。まあ面倒なんで10万だと考える。
 
 ∧∧
(‥ )バイトによる年収は
\−  その12倍
    120万ですか
 
  (‥ )実際よりも多い値だと
      思うが
      理想論とは皮算用よ
      さて問題はだ
      イラスト作成にかけられる
      時間の方だよ
 
 すでに週7日のうち、3日はバイトにとられている。無理をすればバイトが終わった後でも作業はできるが、1日8時間労働という基準はだてではない。

 バイトが終わった後の労働は、たとえそれがデスクワークでもちょっと厳しい。
 
 ∧∧
( ‥)単純に考えて週のうち
    イラスト作成にかけられる
    日数はバイトの3日を抜かした
    残りの4日だと考えて良い
 
  (‥ )これは休み無し
      という設定なんだが…
      まあこれも無視して
      皮算用で話を進めよう
 
 7日のうち、イラスト作成作業にあてられる日数が4日とした場合、1年間、イラスト作成にあてられる日数は365×7分の4となる、つまりおよそ209日。
 
 さて、この209日の間に100枚のイラストを描いたとする。
 
 つまりおよそ2日に1枚のペースで描くわけだ。バイトの日数を入れれば2×4分の7日、つまり3.5日に1枚のペース(一週間で2枚)描けば良い。

 この時、1枚あたり1万円でイラストが売れるのであれば、バイトをしながら100万を売り上げ、バイトと合わせて200万の年収を確保できることになる。
 
 ∧∧
( ‥)2日で1枚のペースで
    描ける絵で
    しかも1万円で売れるものね
 
  (‥ )なおかつそれでいながら
      年間に100枚の受注が
      来るようなものだ
 
 それはどんな絵か? ちょっと想像できない。

 もちろん、100万を達成できれば良いのだから、5万円のイラストが20枚でも良い。これだと10日に1枚描けば良い計算だ。実際にはバイトもしながら描いているから10日×4分の7で、およそ18日に1枚描けば良い計算。つまり2ヶ月で3枚のペースである。あくまでも平均すればの話だが。
 
 ∧∧
(‥ )言い換えればあれだよね
\− 5万円のイラストが年に20枚
   舞い込むような人でも
   イラストの売り上げは
   それだけでは
   100万にしからなず
   コンビニでバイトすることで
   ようやく200万に到達できる
   という計算になるわけだね
 
  (‥ )1枚5万円の仕事というと
      かなりでかい仕事だよ
      それを年間に20枚も
      依頼されるとなると
      結構なビッグネームだ
      それでもこの有様だって
      ことになる
 
 もちろん、そこまでのビッグネームになれば、実際の依頼はもっと多くなる可能性がある。

 というかそうなっているだろう。

 だったら仕事をがんがん引き受ければいいだけの話だ。

 引き受けるにはどうするか? それは簡単、時間を作るためにバイトを辞めれば良い。
 
 辞めれば良いのだが...
 
 ∧∧
( ‥)でもこの時が一番危険だと
 
  (‥ )イラスト作成に必要な
      時間を確保するために
      バイト収入を切り捨てる
      それが成功するのは
      時間辺りの
      イラストの売り上げが
      バイトでかせげる
      時間あたり金額を
      上回った時だけだ
 
 つまり、イラストの代金÷イラストの作成時間の値が時給換算で1000円以上になっていないとバイトを切り捨ててまで仕事を引き受ける意味がない。例えば5万円のイラストを描くのに10日かかったら日給は5000円換算であり、こうなるとバイトしていた方が良いのではないか? という事態になっていく。

 しかも、イラスト依頼の数は、切り捨てるバイトの補完をしてくれるだけの継続的な量がなければならない。

 だが実際には、イラストの発注には当然、むらがある。

 例えばある日、ゲームのイラストを描いてくださいと依頼が来たとする。単価は5万円で20枚、合計100万円。1枚を5日程度で描けるから日給換算で1万円。ただし、相手には当然都合があるから〆切は5ヶ月先、つまり作業時間は150日であった。1枚に5日、20枚に100日、バイトをしながら描いたら100×4分の7=175日
 
 ∧∧
( ‥)間に合わせるには
    バイトを取りあえず
    辞めるしかないですね
 
  (‥ )でも辞めて100万を
      手に入れて
      それでどうするよ?

 その仕事が終わればもう何も予定が無かったとする。するとまた一からバイトを探さなければいけない。
 
 ∧∧
(‥ )これは容易なことでは
\−  ないですなあ
 
  (‥ )兼業というのは
      言うは簡単だが
      行うのは難しいのだ
 
 兼業とは1年間の日数を全く異なる作業AとBに振り分けることだ。
 
 この二つの要素は相互に影響を与えるから、かなり面倒くさいことになる。そして悲しいかな、兼業が安定的に持続できているとしたら、それは実のところ成長出来ていないということでもある。

 成長できる場合でも、単位時間あたりのイラストの売り上げが時給あたり1000円を突破し、なおかつ継続的に仕事がこないと事態は以上のように悪化するだけだ。
 
 ∧∧
(‥ )兼業は安定という詰み手か
\−  成長という破滅か
    あるいは
    成功というまれな事例への
    一過程であるか
    そのいずれかであろう
 
  (‥ )兼業してればいいでしょ
      というのは
      現実的な見解では
      ないわけよ
 
  
 
 

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