自己紹介

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2016年9月30日金曜日

我こそ独創的な創造性を

 
 それこそがクリエイティビティなのです!!
 
 ∧∧
( ‥)最後の一言で台無しに?
 
  (‥ )言い換えるとあれな
      創造性を
      クリエイティビティ! と
      言い換えると
      独創性が出る
      そう思っているわけだ
 
 なんでそう思うのかは知らないが、そう思っているということは、以上の観測より明らかである。
 
  
 
 

カロリー渇望

 
 もはや調理装備がない状態で、しかし異様に腹が減った。
 
 ∧∧
(‥ )ヨーグルトは健康に良いし
 □−  量も多いけど
    カロリーは少ないな
 
  (‥ )コンビニいって
      何か買ってくるか…
 
 というわけでペヤングやきそば。以前、誰かが言っていたではないか。ペヤングはカロリーが非常に高いと。
 
 ∧∧
( ‥)120グラムで
    544キロカロリーと
    表示されているが
 
  (‥ )手元のヨーグルトは
   □−  450グラムで
      62キロカロリーと
      表示されている...
      これは何かの間違いの
      ように思えるけど
      どういうことよ
      なんだよこのカロリー差
      やきそば万歳
      デンプン万歳
      脂肪万歳か??

 
 ともあれ、一体全体、ペヤングやきそばなんて何年ぶりであろうか? もしかしたら21世紀になって初めて食べたかもしれぬ。
 
 そしてそれは記憶にあるよりもずっとうまかった。
 
 ∧∧
( ‥)疲れてるか
    体が求めてるか
 
  ( ‥)まあそうだろうね
    −□ ヨーグルトも
      食っておくか
 


    

2016年9月29日木曜日

油の廃棄

 
 食用油を廃棄したい。紙に吸収させて燃えるゴミにする手もあるが、できればもっとしゃれた方法を試したいものだ。
 
   油を固める薬剤が
 ∧∧ 売ってたよね
( ‥)
 −( ‥)ああでも困ったな
   −□  今、油を熱する
      器具が無いよ
 
 スーパーの棚を見て歩くと、低温の油でも吸収して捨てられるよ! というものが販売されていた。
 
 ほほーこれは良い。さっそく持ってレジに並ぶ
 
   ねーこれ原材料名に
   吸油材トイレットペーパー
 ∧∧ って書いてあるよ...
( ‥)
 −( ‥)はて?
   −□ どういうものなんだ?
     トイレットペーパーと
     同じ素材のものを
     粉砕して吸収しやすくした
     とかかな?
 
 帰って中を見たら、本当にトイレットペーパーを半分に切って、油を通さない紙パックに入れただけ。ただそれだけのものだった。
 
 ∧∧
(‥ )なんだかなー
 □−
 
  (‥ )あははははっ
      こりゃあ一本取られたな
 
 とはいえ、油は吸収され、状況は問題ない。トイレットペーパーを少しつついただけなら、油がしみ出すということもない。
 
 ∧∧
(‥ )トイレットペーパーだけど
 □− 普通のものより小さくて
    しかも輪切りにされている
    1本丸ごと使うよりも
    まとまっていて吸油性が良い
    ということでしょうか?
 
  (‥ )かもしれないし
      そうじゃないかもしれない
      どっちにしろ
      200円で500ml×4回分の
      吸油を実現するわけで
      まあ目くじら立てるほどの
      ものではないよね
 
 また買うか? と言われたら、いやあ…という感じだ。ではしかし、これは詐欺か? と言われれば、いやあ使えたからこれでいいよ、という感じである。
 
 



誘惑を感じているから我慢自慢できるのですよ

 
 ∧∧
(‥ )なんで三次元のエロの規制には
\−  消極的なのに
    二次元のエロの規制には
    積極的なのか?
    という疑問
 
  (‥ )三次元は我慢できないけど
      二次元は我慢できるって
      ことじゃね?
 
 ∧∧
( ‥)我慢できることを規制し
    我慢できないことを
    規制しないのか?
 
  (‥ )我慢できないことは
      規制できないべ?
      規制できないことは
      規制しようと言えないべ?
 
 
 特に、人間は我慢自慢をする動物である。
 
 例えば
 
 皆が義憤にかられて激高してリンチしている時、

 お前ら人間じゃねー!! 

 と一人叫ぶ者がいる。
 
 彼の言っていることはもっともであるのだが、同時に、彼がしていることは、義憤に流されない俺すげー自慢にすぎぬ。
 
 ∧∧
(‥ )当人は理性的な自分を
\−  自慢しているのですけどね?
    駄目ですかね?
 
  (‥ )別に構わんさ
     人の自慢の有り様は
     人それぞれよ
     問題があるとしたら
     理性的ってこと自体が
     禁欲できる俺様すげー
     という話でしかなくて
     実際のところ彼は
     誰も救わないことよ
     むしろ彼は
     リンチされる人が
     いることをこそ望んでいる
    (そうでないと自慢できない)
     その点こそが問題だろうな
 
 ヒーローは不幸が存在しないと存在できないだろう? それと同じこと。
 
 そして人が自慢するには、自分が我慢できる範疇内のことに限られる。
 
 ∧∧
( ‥)そりゃ我慢できないことは
    必然的に自慢できないからな
 
  (‥ )セックスレス自慢する
      わけにはいかんのですよ
 
 だがしかし、一部の人間は二次元では勃起もしないし濡れもしない。

 いや、勃起もするし濡れもするのだが、三次元よりは我慢できるのだ。
 
 実際、誘惑を感じるから我慢自慢になるし、しかしその誘惑に負けない程度の鈍感さを持っているから我慢自慢が成立するのである。
 
 ∧∧
( ‥)まず第一に誘惑を感じている
    だから我慢自慢が
    成立するのである
    そして我慢できるから
    攻撃もできるのだと
 
  (‥ )だってその手の連中は
      絵でチンコおっ立つのは
      頭おかしいとか
      言うわけだろ?
      要するに
      私は絵ではおっ立たないし
      濡れもしないのですよ
      すごいでしょ?
      と自慢しているわけで
      この結論は明白ですよ
 
 さあ、反論するならなんと?
 
  

2016年9月28日水曜日

どうせ何もないし、そんなこと、全員、実は分かっている

 
 ∧∧
( ‥)例えばの話
 
  (‥ )知り合いの
      フリーの雑誌編集者に
      尋ねたのだよ
 
 書籍の中でも雑誌はネットと競合しやすいし、無料であるネットの方が原則的に強い。
 
 市場をネットに食われつつある雑誌の仕事において、その支払いは悪くなっているか?
 
 答えは 否 であった
 
 一見すると、ネットに雑誌が食われている現実など関係ないかのような状況
 
 ∧∧
(‥ )でも話を聞くと
\−  支払いをしぶる雑誌は
    すでに弱ってる雑誌で
    必然つぶれてしまうのだと
 
  (‥ )全体のパイは小さくなって
      いるんだけども
      支払いの悪い場所は
      原因として弱っているので
      結果的に消えてしまい
      残っているのは
      ネットにも対抗できて
      必然、金払いが以前と
      変わらないものだという
      だから変わらない
 
 もちろん、人によって、この話に様々な意見を持つであろう。
 
 だが少なくとも言えることがある
 
 ∧∧
( ‥)パイの大きさと賃金の高さは
    比例しない場合がある
 
  (‥ )反映はされるだろうけど
      小さな世界で比較的高い
      支払いが行われる場合も
      あれば
      大きな世界で支払いが
      しぶられている場合もある
      ...まあ当たり前の話
      現実をまんま言っただけの
      たわいもない指摘なんだが
 
 だがしかしこれ、言い換えれば、

 海外では俺と同じ職種でも、ずっと高い賃金をもらっていると言う!

 だったら俺たちは海外へいこうー!
 
 と言ってみたところで
 
 ∧∧
(‥ )
\−  向こうの市場は
    少人数高賃金で飽和した
    小さくて活気のない市場かも
    しれないのである
    というかそうじゃね?
 
  (‥ )縮小するがゆえに
      生き残りの殺し合いに
      なっている分野と違い
      安定して固定されて
      飽和した分野は
      活気ないからねえ
      実際、海外に限らず
      端から見てると
      静かで固定されていて
      つまらない
      分野ってあるからな
 
 例えば盗作で有名になってしまった東京オリンピックのエンブレムな人。
 
 彼らデザイナー達を揶揄した言葉で曰く、
 
 この業界のこの人たち、コンテスト(というかコンペ)があるたびに、お互いに審査員と優勝者を持ち回りで演じているだけじゃないか! 

 
 ∧∧
(‥ )Aさん審査員でBさん優勝
\−  Bさん審査員でAさん優勝
    みたいにね
 
  (‥ )でも金儲けは
      できていたんだよな
      出来レースいいですよねえ
 
 問題があるとしたら内輪で出来レースしているというのもさることながら、これがまるで楽しそうに見えない点にあるだろうか。というかデザイン自体がくだらん。
 
 ∧∧
( ‥)みんなあこがれる
    夢の国もどうせそんなもん
    だろうと?
 
  (‥ )というか皆さん
      実は気がついてるよね?
 
 皆、言うのである。

 いいなー、あっちはちゃんと生活できるだけの賃金を払ってくれるんだ。

 そーだ! みんな海外へいけばいいんじゃないかな?
 
 いかにも夢と希望とあこがれをみなぎらせた言い方だ。
 
 だがしかしこれ、金の話しかしていない。
 
 あっちは面白そうだ! 俺もやりたい! とはまったく一言も言っていない。
 
 そして、いけばいいじゃん! と他人に丸投げ。
 
 自分ではする気がない。
 
 内気だから?
 
 いやあ違うよね? 皆さん、分かっているんでしょう?
 
 ∧∧
( ‥)ようするに
    金はいいけど
    こんなのつまらないし
    俺はしたくないし
    できないよ
    全員それが
    分かっているのである
 
  (‥ )分かってるでしょうよ
      分かってるでしょうよ
 
 みんな分かっているのだ。

 エンブレムさんを見た時に、うらやましい! 俺もああなりたい! そう思ったか?
 
 皆分かっているのだ。金が欲しいのは山々だが。あっちはつまらないし、退屈だ。見かけはいかにも素晴らしいけど金かかってる部分しか見るべきものがないよねえ...と


 というか、

 あれ、本当に幸せか? 

 と。
 
 
 

2016年9月27日火曜日

疲れた夕焼け

 
 気温はさほど高くなく、秋分を過ぎて太陽の高度も下がりつつある。
 
 しかしひどく蒸し暑い。南から駆け足にやってくる雲が見えるから、海からの風が入っているんだろう。景色はずいぶんとかすんでいた。
 
 そして夕暮れ 色踊る空
 
 











 かすむ日没の空はさしずめワインレッド











 
 ∧∧ ひさしぶりの夕焼けー
( ‥)
 −( ‥)ああそうだねー
 
 先日以来のヌスビトハギに続いてマメ科の植物が色々と花を咲かせているが、さて、スケッチする時間があるかどうか。問題は解決したものの、疲れた夕暮れだ。
 
  
 ∧∧  不景気なこと言ってるなー
( ‥)
 −( ‥)ああ疲れた…
     と言える自由は
     重要なのであるよ?


  
 



分身を狙うことは罪である

 
 ∧∧
(‥ )世間的に曰く
\−  ロリコンは殺人よりも
    罪が重いそうです
 
  (‥ )殺人って人間関係の
      トラブルがもとなんだよな
 
 言い換えると、そのトラブルに関係ない人間にとって、殺人は脅威とならない、ということでもある。
 
 ∧∧
( ‥)そうとは限らない
    通り魔殺人だってある!
    と主張する人もいるだろうけど
 
  (‥ )それって殺人の中には
      人間関係に起因しない
      ものもありますよ
      という主張だよね
      それでは
      殺人は関係ない人間には
      脅威とはならない
      という主張は覆せない
 
 ∧∧
(‥ )これに対して
\−  ロリコンというのは
    判断能力が未熟な女児に
    手を出し
    あわよくば受精させ
    その過程で傷つけるという
    結果を従いうるものである
 
  (‥ )子供は親の遺伝的な
      分身だよな
      そう考えるとだ
      一般人から見れば
      ”小児性愛者とは
      自分の未熟な分身に
      一方的に手を出す奴”
      という立ち位置になる
 
 例えばもし我々が肉体を眠らせてベッドに置き、分身が外へ出て活動しているとする。

 さてこの状況下。自分が知らない間に、ベッドのある部屋へ侵入し、眠っている自分の本体をまさぐり、あまつさえレイプしようとする人間がいたらどう反応するか?
 
 ∧∧
( ‥)普通に殺すだろ?
 
   (‥ )では次の問いだ
      実際には手を出さないよ
      妄想するだけだよーと
      主張したら
      許してもらえるだろうか?
 
 ∧∧
( ‥)実行犯でないから
    殺さないけど
    脳内殺すリストには
    入れられちゃうんじゃね?
 
  (‥ )以上の例え話は
      本体と分身の立場が
      逆だけども
      ロリコンって要するに
      こういう理由で
      糾弾されんじゃね?
 
 判断能力がまだ幼い自分の遺伝的な分身に、興味を寄せるものがいる。これは多分、殺人というよりは、無差別殺人とか通り魔殺人にむしろ近いだろう。
 
 ∧∧
(‥ )つまりロリコンは
\−  殺人というカテゴリーの
    非常に悪質な形態として
    一般的には考えられていると?
 
  (‥ )そう考えると
      殺人よりもロリコンの方が
      重罪であることを
      うまく説明できると思うが
      どうよ?
 
 ∧∧
( ‥)逆に尋ねるが
    あなたがもしもロリコン漫画を
    描けと依頼されたら
    どうするよ?
 
  (‥ )んんんーーーー???
     そんな可能性はないけど
     以上の前提を踏まえた上で
     反感を買われないように
     ロリコン漫画を展開せよ
     というお題かね?
 
 
 んー? いわゆるロリババアってやつ?
 
 ∧∧
(‥ )ロリババア
\−  見た目は少女だが
    実際には数百歳という
    怪物のことですな
    知能も高い
    人外だけに戦闘力も
    図抜けている
    大人の男性も真っ二つに
    できるレベル
 
  (‥ )親という本体を持たない
      判断能力は成熟している
      防御力も圧倒的に高い
      条件を満足できるのは
      このぐらいしか
      思いつかんけどね
      というか
      この条件を満たさんという
      模索の結果が
      ロリババアだったという
      ことなんだろうな

 
   

2016年9月26日月曜日

変なことを吹き込んだのはどこの誰だ?

 
 ドイツ人は論理的だ。
 
 ∧∧
(‥ )よく言われるけど
\−  どういうことなんだろうね?
 
  (‥ )論理的であること自体は
      まったく意味ないから
      ドイツ人が論理的で
      あろうがなかろうが
      それ自体はどうでもいい
 
 論理は定義された分類の包含関係を示しているにすぎない。別に論理自体に問題解決の力が秘められているわけではない。だから、論理を重視している時点で、そういう人はかなり胡散臭いのだ。それは論理に問題解決能力があると考える、極めて人間的な、つまりは非論理な思い込みではなかったか? 論理的な思考など、単なる黒魔術にすぎぬ。
 
 ∧∧
( ‥)むしろ論理的な人は
    論理ごっこに興じて
    どんどんエスカレート
    していってしまうのである
 
  (‥ )礼儀ごっこが
     エスカレートして
     了解しましたは失礼ダー
     とか言い出す
     阿呆な連中みたいにな
 
 端的に言えば、論理的な人間も礼儀正しい人間も、そんなものは江戸しぐさと同じ。単なる妄想、蒙昧。論ずる価値無し。 

 とはいえしかし、それ自体は先に述べたようにどうでもいい話。
 
 ∧∧
( ‥)問題はですよ
 
  (‥ )ゲルマン人は一体全体
      いつから論理ごっこを
      するようになったんだい?
 
 ゲルマン人と言えば、ビールと賭け事が大好きで、際限なく賭けて、ついには自分自身を借金のかたにして、それでも負けて、奴隷として我が身を売り飛ばす人々ではなかったか?
 
 ∧∧
(‥ )それがいつの間に
\−  論理ごっこをするように
    なったのか?
 
  (‥ )いつかどこかで誰かが
      おかしなことを
      吹き込んだんだよな
      一体誰だよ?
 
  
 
      

愚痴大喜利大会

 
 ∧∧
( ‥)例えばの話
 
  (‥ )そうねえ
      この世のすべては
      言い訳だから
      誰かと話をしても
      何の意味もない
 
 厳密にはすべてではない。しかし、我々の言葉の多くは、

 自分としては今、この場所に不満があるが、他へ移るのはもっと大変なので、ここで我慢するしかない

 
 を希有壮大かつ複雑怪奇、緻密に大げさに理論武装したものに他ならない。
 
 ∧∧
(‥ )だから誰かと話をしても
\−   何の意味もないのである
 
  (‥ )だって知ってること
      ばかりだからな
      愚痴は全員一緒です
 
 いや、もちろんこれも厳密には違うだろう。
 
 人の立場は様々で、だから言い訳の理論武装、それ自体には個性がある。
 
 基本は同じなんだが、細かい特徴は千差万別。
 
 愚痴やら言い訳にも多様性はそれなりにあって、神経の行き届いた人なら、まあ飽きることはあるまい。愚痴ソムリエになれば生涯、楽しむことができよう。
 

 親が悪い、子供が悪い、家庭が悪い、学校が悪い、会社が悪い、地域が悪い、町が悪い、社会が悪い、日本が悪い、アジアが悪い、有色人種が悪い、白人種が悪い、アメリカが悪い、世界が悪い、人類が悪い、宇宙が悪い...
 
 ∧∧
( ‥)宇宙はさすがに…
 
   (‥ )俺いつも言ってるべ
 
 ∧∧
( ‥)あんた最低だな
 
   (‥ )いやいや
       宇宙が悪い説だって
       長い長い
       伝統があるんですよ?
       グノーシス主義ですよ
       デミウルゴスですよ
       これだって所詮は
       ありがちなんですよ
 
 とまあ、宇宙が悪いとまで言い訳を希有壮大に拡張したところで、ああ、その言い訳と愚痴は前にも大勢の人が言ったよね、で終わりなのだ。
 
 ∧∧
(‥ )だから人と話をしても
\−  何の意味もないのである
 
   (‥ )どれもこれも
       そのネタは
       前にもやりました
       もうやりました
       だからな
       すべてはお互いに
       全部手の内よ
       人と話しをして
       一体何になる?
 
 ああ、しかし、これも厳密には違うな。同じ場所で生まれる必然同じ内容の愚痴や言い訳であっても、言い方さえ変えればそこに独創性が産まれる。
 
 言って見れば、材料は同じで作る料理も同じだが、個性的な味付け、装いをしこめば見た目は新しく、そして人の心を打つのだ。
 
 ∧∧
( ‥)人の心を打つ
    愚痴大会?
 
  (‥ )というかこの世は
      愚痴の大喜利大会で
      言ってる愚痴は
      何千年も同じまま
      だからこその大喜利よ
      同じ内容の愚痴を
      どれだけ違った切り口で
      飾り立てるかが
      人の技量
 
 そしてその技量こそが評価されるのだ。人の評価とその神髄とはここにあり
 
 
  

2016年9月25日日曜日

青空とキノコとヤブハギと

 
 秋雨前線は列島から離れたようで、本日は曇りがちではあるが、時に青空も見れる空模様。
 










 
    
 ∧∧ ずいぶんひさしぶり
( ‥)
 −( ‥)台風16号マラカスが
     20日に通過して
     一瞬、前線が列島から
     離れたけど
     すぐに居座って
     前後ずーっと雨だった
     からなあ
 
 雨にはもううんざりだ。
 
 公園へいくと、湿気が多いせいか、伐採されてずいぶんたった切り株にキノコがわんさか生えていた。
















 
 ∧∧ なんだかな
(‥ )
 −( ‥)なんだろねえ
 
 もう花の季節はほとんど終わってしまったが、ケヤブハギとヤブハギの写真もとっておいた。公園の奥で、ちょうど二種類が並んで生えているのを、以前、見かけていたからである。











 
 ∧∧
(‥ )画像が暗くて荒いことも
\−  さることながら
    写真ではほとんど同じだね
 
  (‥ )左がケヤブハギ
      右がヤブハギだ
      これで分かる相違点は
      葉っぱの形くらいかな
      左のケヤブハギの方が
      葉っぱはやや広い
 
 じめっとした秋である。秋晴れの爽快感まではまだしばらくかかりそうだ。
 
 

 





合理主義という非合理な通貨 あるいは合理主義バブル

 
 ∧∧
(‥ )外国はこんなに合理的!
\−
 
  (‥ )人間って全部が全部
      合理、経済的に
      できてるわけじゃないし
      むしろ非合理非経済な
      部分こそが人間の真骨頂
      なんだけどな
 
 ∧∧
( ‥)それを考えると
 
  (‥ )○○は合理的! とは
      実際には合理的ごっこ
      でしかない場合がある
      むしろそっちの方が多い
      そう見るべきだね
 
 例えば、なぜ仕事はスーツでなければならないのか? 

 歴史的な由来だの、皆の意見だの、慣習だの、色々あるが、結局のところそれは単なる非合理。
 
 同様に、合理主義もただの非合理で、合理主義をまとうと自分がかっこ良く見えるから、相手に評価されるから、ただそうしているだけってこともある。
 
 というかむしろそうだろう。
 
 実際、合理主義であれば成功する、という因果関係は不明瞭で論証不可で、とてもじゃないが合理的とはいえない。
 
 つまるところ合理主義とは単なる面子の問題なのだ。
 
 あの人のところは合理的だ。俺も負けてはいられない。あいつはこういう合理主義を発明した。俺もあれをまねすれば箔がつく。皆がしている合理主義をまねしないと、ここではビジネスできないよ? 馬鹿にされるよ? そんなことも知らないの? と言える俺様すげー合理主義。
 
 まあ、こんな。

 ∧∧
(‥ )反対に礼儀ごっこに走る人も
\−  いるよねえ
 
  (‥ )了解しました、は失礼だ
      とか新しい定義を発明して
      売り出すとかな
      人間ってそんなもんよ
 
 すべてはただのごっこ遊びで、礼儀も合理主義も、それは発行された通貨に過ぎぬ。確かに、何かしら通貨の価値を支える裏打ちもあるにはある。しかし、実態の多くは単なる虚構だ。
 
 ∧∧
( ‥)むしろ株?
 
  (‥ )どっちかというと
      バブルじゃね?
 
 
 
  

弾とは突進するものだ

 
 弾切れが先か死ぬのか先か?
 
 =>hilihiliのhilihili: プライベートビーチの話かい? 美少女海岸の話かい?
 
 ∧∧
(‥ )考えてみれば
\−  この言い様だと
    どっちにしても
    死ぬんじゃないの?
 
  (‥ )ああ言われればそうだな
      でもそれで良いんじゃね?
 
 弾撃ちゃ当たる。
 
 成功は撃った弾の数に比例する。
 
 しかし弾はいつか尽きる。
 
 弾が尽き、当てように撃つことすらできぬまま、立ちすくみ、そうして成功することなく、失敗した人生の中で死んでしまうか
 
 あるいは
 
 弾切れは起きなかったが、撃ち続けても当たらずに死ぬか
 
 ∧∧
( ‥)あるいは幸いにも
    たまたま当たって死ぬか
    それだけですか
 
  (‥ )まあそんな感じ
 
 
 ∧∧
(‥ )今、あなたがやっている
\−  仕事は比較的当たりやすい
    弾だよね
 
  (‥ )まあそうだね
      俺の絵柄だとちときついが
      比較的当たりやすい弾だな
 
 ∧∧
(‥ )...計算するとあなた
\−  今のこの仕事では
   1枚1500円で仕事を
    請け負ってることになるよ?
 
  (‥ )1日に2枚描いて
      日給3000円だ
      ちょっときついよねー
 
 世の中にはイラストを描いたら価格交渉するべきだ、と言う人もいるけど。
 
 ∧∧
( ‥)これ例えば
    1枚1万円で交渉したら
    あなたへの支払いは
    イラスト代だけで
    150万ってことになりますな
 
  (‥ )それだけで
      通常の原稿料の2倍以上だ
      無理な相談だよ
 
 まあ、あれだ、色々物事にはそれぞれ事情や状況があるのだ。自分の状況で成り立っていることを全世界に普遍して、価格交渉すればいーよー、と提案したところで、それだけじゃ誰も相手にはしてくれぬ。だって不可能なんだから。
 
 ∧∧
(‥ )とはいえ日給3000円では
\−  困ってしまいますなー
 
  (‥ )これを日給1万円にまで
      上げるには
      重版が5回はかからないと
      駄目だろうな
 
 ∧∧
(‥ )...かかると思う?
\−
 
  (‥ )かかるようにはしているけど
      5回はまずないだろうなあ
  
 
 ∧∧
( ‥)可能性を上げる試みは
    してはいるけど
    実際に上がるかどうかは
    未知数ですからな
 
  ( ‥)とはいうもののやってはみる
    −/ ものさ
 
 世間の連中は自分を信じろとかほざきよるが、そんな生気論はこの際どうでもいい。
 
 ともかく試みることが重要。それにこの道は実のところ多くの人が通った道でもある。成功する公算は客観的には大きい。
 
 ただし、どういうわけかこれを専門に食っていこうとした人は事実上、いなかったようである。
 
 ∧∧
(‥ )なんでだろうね?
\−  たくさんの人が通ったけども
    何度も通る人がほとんどいない
 
  (‥ )多分だけど
     採算が合わないんだろう
     監修者や執筆者
     イラストレーターや漫画家
     さらにはアシスタントなどが
     関わらないとできない仕事だ
     売り上げにもよるが
     一人当たりの取り分が
     30万以下になる公算が
     非常に大きい
 
 たくさんの人間が仕事に関わると、取り分はどうしても減ってしまう。そうなるとこの道専門という人間は現れにくい。受注を請け負った下請け業者がその都度、個別に制作するという状態になるはずだし、実際、そうなっている。
 
 多分、これに近い状態は、原作付き漫画とか、ラノベのコミカライズなどだろう。
 
 ∧∧
( ‥)ああいうのは原作者の取り分が
    存在するから
    漫画家さんの取り分が減るし
    アシスタントさんへの支払いを
    考慮すれば
    漫画家さんは厳しいでしょうな
 
  (‥ )だから専門にする人は
      どうも出てこない
      必然的に仕事が欲しい
      駆け出しの人とかが
      担当したりする
      だもんだから
      なんでコミカライズは
      絵がへたなのー? とか
      容赦ないことを
      言われるわけよ
 
 ∧∧
(‥ )あんたも言われるぞ?
\−
 
  (‥ )ラノベの
      コミカライズみたいに
      萌え絵にする必要は
      ない仕事だから
      そこまで言われる道理は
      ないはずだけど...
      まあ言われうるな
 
 ∧∧
( ‥)それでも突き進めと
 
  (‥ )弾ってのは
     撃つものだからね
     必然、突き進むさ
 
      
 


2016年9月24日土曜日

プライベートビーチの話かい? 美少女海岸の話かい?

 
 ∧∧
( ‥)あなたにとって
    プロのイラストレーターの
    定義ってなんです?
 
  (‥ )どんな理由であれ
      誰が相手であれ
      どんな経歴であれ
      たとえ100円でも1円でも
      誰かから金をもらったら
      その瞬間からプロだ
 
 ∧∧
(‥ )そんな定義では
\−  遊び半分に絵を描いて
    報酬をもらった人間まで
    統計に入れてしまうから
    イラストレーターの収入の
    平均値は実態以上に下がる!
    そう苦言を呈する人も
    いるでしょう
 
  (‥ )どうでもいい指摘だな
     俺たちが知りたいのは何だ?
     どの程度の枚数を
     どのぐらいの頻度で描いたら
     収入が幾らになるかだろ?
 
 例えばの話、イラストレーターになったら年収600万とか余裕だし、1000万越えだって普通だよ、そう言われて仕事を始めたとする。
 
 最初は描いた枚数が足らず収入はスズメの涙。だが描けば600万越えも夢でないはず。そう信じてひた走る。だがしかし、描けども描けども収入が増えない。むしろ100万あたりで頭打ちだ。
 
 これはどういうことか?
 
 プロのイラストレーターとやらに尋ねたら彼はこういった。
 
 ははっ、100万だって? 君い、そんな年収ではプロとはいえないよ。600万越えた時点でプロなのだよ。出直してきたまえよ。
 
  
  (‥ )そう言われたら
     どうするね?
 
 ∧∧
( ‥)取りあえず殺すー
 
 
 なにをもってプロとするか? 解析においてそんなもの、どうでもいい話なのだ。単位時間あたりに描いた枚数と売り上げを示したグラフ上に誰がどのぐらいの数、どのように分布するのか? それこそが問題となる。
 
 例えばの話
 
  (‥ )海ってどこから始まるよ
 
 ∧∧
( ‥)波打ち際だろ?
 
 波打ち際、水深0メートルから海はすでに始まっている。
 
 しかしだ、海で十分に楽しく泳ぐには、あるいはサーフボードやカヌーやヨットで漕ぎ出すには、条件にあった深い水深の場所にまでいかねばならぬ。
 
 この時、必要な情報は、深さ何メートル以上が真の海である、という定義であろうか?
 
 ∧∧
( ‥)違うね
    必要なのは海の地形だね
    今この場所では
    どのぐらいの距離を
    進んだら
    条件が整うか
    それが肝心な情報
 
  (‥ )この海岸はいいよー
      と言われたから歩き出して
      ところが実は
      5キロ先まで遠浅の海岸で
      ははっここから先が
      本当の海なのだよー
      とか言って
      そこで涼しい顔をしている
      奴がいたら
      取りあえず殴って縛って
      す巻きにして
      沈めたくなるだろ?
      プロの定義がどうのとか
      そんなのどうでも
      いいんだよ
 
 かようなわけで、イラストレーターの定義が広すぎるから、イラストレーターの年収が過剰に低く見積もられているなど、どうでもいい指摘なのだ。そんなもの役に立たない。
 
 ∧∧
(‥ )イラストレーターの年収に
\−  関する話題は
    皆さん、言ってることが
    ばらんばらんだよね
 
  (‥ )ジャンルなり分野ごとに
      状況が違うからな
      というか分野ごとに
      海岸の地形がまるで
      違うんだ
 
 例えば沖に歩みだせばすぐに深くなる分野もある。ただしそういう分野、これはプライベートビーチでしょ? というぐらいに狭かったりする。
 
 ∧∧
( ‥)みんなが泳げるような場所では
    ないわけですな
 
  (‥ )そういうところの連中が
      自分の体験を全分野に
      拡大解釈して
      なにー? 
      年収が低いって何の話ー?
      とか見当外れなことを
      言い出しているのを見ると
      取りあえず岸から
      面白半分に
      ライフルで撃ちたくなるね
 
 反対に、昔はそれなりに広くてすぐ深くなったのに、土砂で埋まってしまって遠浅の泥の海になってしまった分野もあるようだ。
 
 ∧∧
(‥ )Photoshopの出現で
\−  スーパーリアルイラストは
    大打撃をこうむったという
    話ですからなあ
 
  (‥ )今でも需要が
      ないわけじゃないと
      思うけどね
      先日見た航空会社の広告
      あれはエアブラシで
      描いたように見えたからな
      きれいな広告だったよ
 
 とはいえ、又聞きではあるが、かつて広告などでもてはやされたスーパーリアルイラストは壊滅的な状態に陥り、描いていた人もエロイラストを描かざるをえなくなるなど、色々と余儀なくされたとも聞く。
 
 ∧∧
(‥ )美少女イラストは
\−  湘南海岸みたいに広大な
    ビーチなんだけども
    人は多すぎるし
    地形が複雑怪奇で
    これまた言ってることが
    ばらんばらん
 
  (‥ )ふっと大成功を納めたり
     過当競争で
     値崩れが起きたり
     ソシャゲで買いたたかれて
     悔しい思いをした人もいれば
     まんまとソシャゲの正社員に
     なって現状はウハウハな人が
     いたりとか
     千差万別だよな
 
 ただ、どうも状況からすると美少女海岸の地形は均一な遠浅へと平衡する方向へ移行しているようである。多分、未来は厳しい。
 
 とはいえ、あそこはいつだってそうだろう。
 
 ∧∧
( ‥)あなたのジャンルは
    ほぼ均一にどこまでも
    遠浅ですよね
 
  (‥ )とっくの昔に平衡してな
      美少女海岸よりも
      もっと悪いよねえ
      延々と腰ぐらいですよ
      中途半端なんですよ
      みんな諦めて引き返したり
      途中で死んだり色々ですな
 
 ∧∧
(‥ )少しでもましな場所を
\−  探索しないといけませんな
    しかし水で見えない
    水底の地形を探るには
    とにかく棒を突き入れ
    足で探り続けないといけない
 
  (‥ )というわけで
     目下探索中だ
     しかしあれだな
     数撃ちゃ当たる戦略は
     必然
    数撃っても当たりませんでした
     てへー
     になる可能性が高いでな
     弾切れが先か
     死ぬのが先か
     どっちだろうねえ?
 
       
      

どっちの立場ですか?

 
 ∧∧
(‥ )日本はアニメ大国と
\−  言うけれど
    アニメーターの待遇は
    悪いじゃんよ
    という苦言
 
  (‥ )大きい企業か
      小さい企業の違いじゃね?
 
 ∧∧
( ‥)大きくなれるほど
    成長できるとは有望であり
    有望であるからには
    人は安全パイを取りたがる
 
 
  (‥ )大きい企業は冒険しない
      大きい企業は給料が高い
      それだけの話
  
 ∧∧
(‥ )反対に市場が飽和するなり
\−  市場が小さいなりなんなり
    そういう理由で人々が
    ひしめきあって
    小さな企業だらけだと
    人はとにかく
    活路を見いだそうと
    めちゃくちゃなことを
    やり始める
 
  (‥ )まあだからこそ
      大量の試行錯誤から
      思いもつかない解答を
      発見してくるのだけどな
      代わりに
      たくさん死ぬけどね
      文字通り死ぬけどね
 
 どっちをアニメ大国と呼ぶか? それは誰が何に注目するかで正反対になるだろう。
 
 それだけの話。
 
 ∧∧
(‥ )アニメに限った話では
\−  ありませんけどね
    ベンチャー企業なんか
    すぐ死ぬじゃんよwwwと
    大手企業の社員は笑い
    しかしその一方で
    大企業は安全パイを
    選び続けるがゆえに
    正社員という人件費で
    自己崩壊し
    シャープは買収される
 
  (‥ )悲しいかな企業から
     言わせると
     正社員ってのは必要な
     部品である一方で
     寄生虫でもあるのだ
     だからこそ
     ブラック企業の社長のような
     無償奉仕せよ! という
     かけ声が出てくるのよね
     しかも組織が大きくなると
     正社員の寄生虫度は
     本人にその気があろうが
     なかろうが
     自然と上昇しちゃうんでね
     ろくでなしのかけ声にも
     理由はあるのよ
 
 
 組織は大きくなると必然より多くの人間を必要とする。人間の調整のための人間を調整するための人間だ。機械も同様に多くなる。
 
 しかし必要な人間が多くなればなるほど、企業の収益は人体の呼吸や機械の廃熱として消費され、雲散霧消して回収不能となる。

 つまり成長すれば成長するほど、必要であるはずの人間が損失をもたらすものになっていく。これは本人にその気があるかないかの問題ではない。
 
 ∧∧
(‥ )そういえば
\−  大企業に入社早々
    社史編纂室へ希望を出して
    非難ごうごうになった人の話
    あったよね
 
  (‥ )社史編纂室って先の無い
     社員の墓場みたいな
     扱いだけど
     なにもせずにただで給料を
     もらえる立場でもあるのよな
 
 そんなところに願い出たのだ。そりゃ、

 お前、何考えてるんだ? こんなずるが許されるのか?? 

 と怒る人も出るだろう。誰だって、安泰を望みつつも何かしら希望を持って入社したのだ。それを鼻っから馬鹿にするようなことをされたら面白くない。そもそもそいつの給料を出すのは我々の働きではないのか? という問題もある。
 
 ∧∧
( ‥)でもそういう批判をする
    大企業の人たちも
    新興企業の人から見れば
    ぼんやり仕事して
    2倍ぐらい高い給料を
    もらって
    ぽーっとしている人たちにしか
    見えないのである
 
  (‥ )世の中そんなもんなのよ
     僕ら自身に
     自分が寄生虫である
     という自覚はなくても
     実際には寄生虫状態ってこと
     あるのよねえ
     そんなもんそんなもん
  

 そして、こうした巨大化の行き着く先は必然の自己崩壊。
 
 ∧∧
( ‥)一か八かの試行錯誤に
    すべてをかけて
    どんどん死ぬか
    寄生虫になって宿主たる
    企業の存続をなんとなく
    信じるか
 
  (‥ )どっちの視点で考えるかで
      物事の評価は正反対

 
 ああ、それを考えれば、クールジャパンとやらのために漫画やアニメを健全なものへと規制しようと考える人々。彼らの発想も視点の問題なのだ。
 
 ∧∧
(‥ )すでに確立された
\−  素晴らしいものを
    大量生産しよう! という
    発想のもとでは
    規制とは不良品をはじくことで
    なんの問題もない
    彼らは問題があるとすら
    考えない
 
  (‥ )でも新商品開発という
      視点から見れば
      それじゃ破滅なんだよな
 
 端的に言うと、クールジャパンとやらは、発想が大企業であって、それはすでに死んだ人間の考え方なのだ。なんというか、レールの上をただ漫然と走って自分は成功したという全能感にとらわれた人間が陥りがちな考え。それはもう、人としては死んでいる。
 
 ∧∧
( ‥)まあ心臓は動いてるけどね
 
  (‥ )とはいえ他の余計なものは
      全部退化しちゃうのが
      寄生虫なんよ
      心臓が動いてるから
      だからなんだよという
      話なのであるよ
 
 どんどん死んで生きることを選ぶか? 

 あるいは生きることを選んで生きたまま死ぬか? 


 どっちを取るかで見方はこれまた正反対だ。
 
 
 イラストレーターの年収が安すぎないか? というにもこれと同じだろう。
 
 ∧∧
(‥ )どんどん死んで製品開発を
\−  続けるか
    安泰を選んで
    死ぬその日まで
    死体のように過ごすのか
    一発逆転を夢見て死ぬか
    正社員になって
    無為で穏やかな時間を過ごし
    絵描きとしては死ぬか
    絵を描くお前は
    どっちを選ぶのか?
    ですか
 
  (‥ )まあどっちを取るかで
      イラストレーターの
      年収問題に対する
      意見や立ち位置は
      それぞれ
      正反対になるだろうな
 
 ∧∧
( ‥)どっちをとるにせよ
    死にたくないですなー
 
  (‥ )いやはやまったく
      その通りですな
 
 
 
 
 
   

2016年9月23日金曜日

ヌスビトハギの国

 
 ∧∧
( ‥)退屈?
 
  ( ‥)退屈じゃないけど
    −/ 仕事以外がつまらん
 
 もちろんこれは仕事が愉快で楽しい、とかいう意味ではない。仕事以外があまりにもくだらないというだけの話。 
  
 世界はくだらないの累積だった。
 
 ネットを覗いても、何も起こらない。知っている単語で検索しても知っていることだけが引っかかってくる。

 既知の中に未知はない。
 
 いや、既知の中にだって未知はあるのだ。
 
 だがあっても既知の思考では既知の中の未知は見つからず、何も起こらない世界だけが延々と続く。
 
 世界はあまりにもくだらなく、あきらめとめんどくさいがひたすら堆積した退屈な姿を見せておる。
 
 ∧∧
( ‥)とはいえしかし
    ネットとかテレビとか
    自分以外の存在に
    他人に
    未知の提出を求める
    というのは
    感心できませんなあ
 
  (‥ )まあそうだね
      世界がつまらないと
      ぼやくのであれば
      自分で探すべきなのだ
 
 
 ああしかし、気晴らしのネタを自分だけで製造するのには限界がある。
 
 ∧∧
( ‥)最近あんた
    ヌスビトハギに夢中だった
    だろう
 
  (‥ )夢中ってほどでもないけど
      まああれは
      比較的楽しかったな
 
 ヌスビトハギ、それはつまらない植物だ。マメの仲間だが、花は小さく目立たない。人の気になる時があるとすれば、その特徴的な種子が人の衣服につく時だけだ。
 
 ∧∧
(‥ )でもあなたが
\−  初めてスケッチした
    ヌスビトハギは
    ヌスビトハギではなかった
 
  (‥ )写真だけアップするけど
      同属別種のケヤブハギ
      だったのだな
 


 









 
 スケッチはまだ色付けをしていない、もう少し時間ができたら色付けしてHPにアップすることになろう。
 
 ∧∧
(‥ )それにしても花ちっちゃいな
\−
 
  (‥ )花が小さくて目立たない
      だから映えない植物だな
      その辺に生えていても
      なんか気づかない
      そういう植物だね
 
 ともあれ、ヌスビトハギをスケッチしてみよう、そう思ってスケッチしたものを調べたら、実はヌスビトハギではなかった。そして改めて探した本物のヌスビトハギはこちら
 
 












 
 ∧∧
(‥ )やっぱ花ちっちゃいな
\−
 
  (‥ )さっきのケヤブハギの
      すぐ近くに生えていた
      本によればだ
      ヌスビトハギは
      ケヤブハギより多く
      ケヤブハギは
      ヌスビトハギより少ない
      ...だそうだ
 
 なんだよなんだよ、ヌスビトハギをスケッチしようと思ったら、ずっと数が少ないケヤブハギを描いてしまったってか?

 ははーーん? じゃあ数えてみよう。そう思ってケヤブハギが1本、2本、ヌスビトハギが5本、10本、16本...そう数えたところで気がついた。
 
 ∧∧
( ‥)ヌスビトハギだと思って
    数えていたものの多くが
    これまた同属別種の
    ヤブハギであったと
 
  (‥ )何にも知らないので
      ケヤブハギじゃないなら
      ヌスビトハギだ
      ぐらいの勢いで
      数えていたのよね
      失敗失敗よ
 
 そしてこれがヤブハギ











 それぞれちょっとずつ違う。同属別種どころか、同種の変種にされることもあるそうだが、さもありなん。
 
 違うと言えば違うし、違う点も指摘であるが、見た目や特徴は良く似ている。
 
 ∧∧
( ‥)でっ? 一番多いのは
    どれだったのだ?
 
  (‥ )ケヤブハギが一番少なくて
      それよりヤブハギが多くて
      でもどっちも10本以下で
      さらにそれより
      ヌスビトハギが多くて…
      12、13、14…
      そう数えていたらだな
      森から出たらヌスビトハギ
      だらけだったよ
      数えるだけ無駄ってくらい
      ヌスビトハギだらけ
 
 森の中を歩き、図書館の本を参照にして、スケッチして本を読み、そうして再確認して同属別種の植物を数える。それは数日間の出来事だった。
 
 ∧∧
(‥ )あなたが最近面白かったのは
\−  それぐらいか
 
  (‥ )あれからもう二週間近く
      時間が過ぎてしまった
      次のネタを探さないと
      駄目だ
 
 さて? 次の気晴らしのネタを製造するには、どうすればいい?
 
 
  
   

2016年9月22日木曜日

質が良ければ売れるというのは逃げ

 
 ∧∧
(‥ )例えばの話
\−  質の良い科学記事を書けば
    売れるはずだっていう
    主張もあるよね
 
  (‥ )科学雑誌ってな
     目につかないだけで
     世の中にいっぱいあるんだよ
 
 ∧∧
( ‥)でも目につかない
 
  (‥ )全部駄目になっていくのだ
      目に付かないまま消えて
      そして創刊されて
      目に付かないままに
      消えていく
 
 それにそもそも質の良い記事っていうのなら、そんなのお前、論文読めばいいだけの話だろ?
 
 論文じゃ難しいというのなら、それを解説した雑誌はことごとくつぶれただろ?
 
 ∧∧
(‥ )そうして残ったのは
\−  ごくわずかな目に付く科学雑誌
    そしてセンセーショナルな
    科学解説本
    あるいはトンデモ本か
    さもなきゃ
    オカルトかムーであった
 
  (‥ )世界はすでにあらゆる
      選択肢を試したのだ
      その淘汰が累積して
      現代ができている
      この世界のすべては
      すでに結果なんだよ
 
 質の良い科学記事を書けば売れるはずだ、そう思って試みた人間は幾らでもいた。
 
 難しいから売れないのだ、だから軽いものを! と試みたもの
 
 本格的なものなら売れるはずだ! そう試みたもの
 
 皆がみな、それぞれ試みた
 
 ∧∧
( ‥)試みて
   そうして全員が失敗した
 
  (‥ )残ったものの多くは
     嘘、大げさ、まぎらわしいだ
     世界はとっくの昔に
     均衡状態に移行して
     淘汰は完了している
 
 実のところ、これはネットメディアでも起こったことであった。既存のメディアと違って本格的な記事を自己発信できるネットメディアの発達によって、質の高い記事があふれるようになる! このような発想は現実の前にもろくも崩れ去った。
 
 ネットメディアは単に既存のメディアをなぞったものとなった。
 
 というか、どちらも調べず、経費をかけず、それでいて煽って最大限に売って利益を上げる、という形式へと収束したのである。
 
 読者は質の高いものを求めている。そう前提したのが間違いだった。
 
 結論を言えば、読者が求めている質とは、自分に都合の良い話、であった。
 
 自分の脳に負担をかけず、自分に現実という恐ろしい決断を迫らない。負荷の少ない当たり障りのないどうでもいい話。
 
 読者が求めたのはそれであり、そしてその話とは…
 
 ∧∧
( ‥)そしてその話とは
    基本的にオカルトであった
 
  (‥ )人類の歴史では長く
      オカルトが続いた
      それはなぜか?
      オカルトが人間にとって
      一番理解しやすい
      体系だったからだよ
      そして状況は絶えずそこに
      収束してしまう
      事実、収束している
      それだけの話だな
 
 今日も今日とて、現実を結果だと思わない人々が、とっくの昔に失敗した提案を再び実行しようとする。
 
 あるいは、

 こうしたら良いではないか、こんなことに気づかない皆は本当に馬鹿だなww 

 となにもしないままに笑う。
 
 なんのこっちゃない。お前さん、逃げるために言い訳しただろ? 
 
  
 

リテラシーというごまかし勝手の良い言葉で有頂天ランド

 
 リテラシーの高い読者を育ててこそ、彼らが本を買ってくれるのです。しかるに出版界はそれを怠ってきた!! 今の出版不況はそのせいだ!!
 
 ∧∧
(‥ )という意見
\−
 
  (‥ )大人なんて
      小学生高学年で
      頭の出来が
      止まっているのにかい?
      言ってることが
      むちゃくちゃというか
      夢を見過ぎだよ
 
 確かに本を読むための訓練は必要だ。
 
 文字を覚えるとか、本を読むことそれ自体を練習するとか、確かにそういうものは読書に必要だろう。
 
 ∧∧
( ‥)でもそれは義務教育の
    仕事だろ?
 
  (‥ )もっと露骨に言えば
      それは自主的にではなく
      強制された結果なんだよね

 
 
 民主主義は巨大な殺戮兵器だ。国民という兵器を総動員するためには、高度な教育が必要とされる。複雑な組織を維持するには数十万文字の文章を正確に読める官僚を育てねばならない。
 
 ∧∧
(‥ )それゆえの義務教育なのである
\−
 
  (‥ )欧米という敵の出現で
      慌てて整備した
      結果であって
      自主的じゃないんだな
      だから
      強制しないといけない
      言い換えれば
      ちゃんとした本を読む
      なんてこと
      人間はしないし
      出来ないんだよ
 
 こう言うと世の中には激怒する連中がいる。
 
 何をいってるんだ? 俺は読めるぞ! と
 
 ∧∧
(‥ )でもお前が読めても
\−  皆が読めなきゃ
    意味ないだろうと
 
  (‥ )自分が読めるなら
      購買層があるはずだー
      とか考える
      そういう考え方をする奴は
      市場を見誤って
      死ぬぞ死ぬ
      ...というか死んでく奴らを
      見てきたよなあ
 
 俺が買うから皆も買うはずだ。

 こう言えば以上の発想が致命傷であること、明らかだろう。
 
 消費者がいる=十分な利益を出せる購買層が存在する、ではないのだ。
 
 かように、高度な本を読む読者を育てれば本が売れるという主張が迷信であること明白である。
 
 ∧∧
( ‥)そもそも読書できる能力は
    強制された結果でしかない
    しかるに出版界は読者に
    強制することはできない
    そして
    人間の自主性にまかせて
    人が自らを高めていく
    ということは
    ありえないのである
 
  (‥ )少なくとも
     高いリテラシーとやらが
     必要とされる本が売れる
     なんていう事態は
     起き得ないのだ
 
 というか、そんなことが起きなかった結果できたのがこの世界なのである。
 
 だって、読み手側のリテラシーもへったくれも何も、本には普通に読めるものもあれば、読むには高度な訓練を要するものまで、あらゆる難易度のものがすでにそろっているであろう? なれば、読者が望みさえすれば、リテラシーは高度な方向へ動くはずであろう?
 
 ∧∧
(‥ )だけど本の難易度の平均値が
\−  高い方へ動くということは
    なかったのである
 
  (‥ )出版界はすでに
      高低あらゆる選択肢を
      用意しているのだ
      だのに状況が動かないとは
      皆がそんなこと
      望んでいなかったという
      結果なんだよな
 
 人間は今の世界がすでに起きた結果の累積であるということを認めたがらない。そうして、リテラシーとか何やら色々、得体の知れない概念に飛びついて革命を夢想する。
 
 ∧∧
( ‥)でもそれは現在が結果の累積で
    出来ているという結果を
    無視した計画なのである
 
  (‥ )だからさ全員失敗するんだ
      というかさ
      読者を育てて賢くすれば
      本が売れるはずだー
      と挑戦した奴なんて
      いっぱいいるんだよ
 
 でもいない。なぜか?
 
 そりゃ全員が失敗したからだよ。
 
 現在が結果の累積であるとは、失敗の累積でもあるのだ。お前達が考えた革命的なアイデアとは、すでに起きた失敗なのである。
 
 リテラシーうんぬんとかいうのも、それは結局のところ逃げでしかないのだ。

 現在というこの世界が、すでに起きた結果の累積であるという現実からの逃避。

 リテラシーとはその時に使われる逃げ口上にすぎない、だってリテラシーとはまるで具体性にかける言葉であろう?
 
 ∧∧
( ‥)本来なら
    材料と解析手段を示し
    解析手段の妥当性をも
    提示した上で
    展望を示すべきだのに
 
  (‥ )そういう基本的な開示を
     しないままに
     いや、むしろしないために
     リテラシーっていう
     魔法の言葉でごまかしたのさ

 
 
 解析において一番肝心なエンジン部分をリテラシーという魔法の言葉でごまかしてしまったのだ。そんなずさんな言葉を使う連中の計画の先に成功というものはない。
 
 
 
  

2016年9月21日水曜日

言い訳のほとんどは必然、屑物なので

 
 ∧∧
( ‥)つまり?
 
  (‥ )この世の言動のほとんどは
      言い訳だから
      真面目に聞く価値はない
 
 
 
 まあ、言い訳も根掘り葉掘り尋ねてその根っこを掘り出せば、状況把握の役に立つかもしれない。
 
 ∧∧
(‥ )それで分かることって
\−  なんですかね?
 
  (‥ )僕は今の居場所がいい
      めんどくさい
      大概はそれぐらいかな
 
  

物理学は最もオカルトであり、進化学はその正反対

 
 一休みのつもりが寝てしまって、そして朝の2時。
 
 ∧∧
(‥ )曇ってるけど
    雨は上がったぞ
 
  (‥ )散歩へいくか
      体が固くなっちまったぜ
 
 気象庁のデータを見る限り、日本全国、事実上、雨の降っている箇所はなし。台風も温帯低気圧になって消失していた。
 
 さて

 自然科学に関するトンデモはすべての分野に存在する。だがどうも、物理学よりも生物学、特に進化論に関するトンデモは根深い。
 
 ∧∧
(‥ )物理でもアインシュタインは
\−  間違っていたとか
   そういうトンデモがあるけどね
 
  (‥ )科学雑誌の編集部には
      数学や物理学の
      トンデモ論文が
      時々郵送されて
      くるそうだしな
 
 不可能と証明ずみの定理を解決したとか、相対論の間違いを見つけた、あるいは永久機関。そういうたわいもない論文である。

 もちろん、こういうものはくだらない勘違いが元になっている。
 
 ∧∧
( ‥)進化論に対する誤解も
    くだらない勘違いが元でしょ
 
  (‥ )違いがあるとしたら
     理論の前提が
     人間の認識に対して
     強烈に抵触しているかどうか
     かなあ
 
 例えば、相対性理論は人間の認識に抵触しているとは言いがたい。相対性理論が導く、時間が均等に流れないこと、観測者によって時刻が違うこと、加速していかに速度を加算しても光速度を越えることができないこと、これらは人間の認識に抵触していないだろう。
 
 ∧∧
(‥ )浦島太郎や西欧にある
\−  妖精の国へいった王様の物語
    のように
    異界と現世の時間の流れが
    異なるというのは
    広く見られる発想
 
  (‥ )速度を加算しても
      光速度を越えられない
      ってことも
      別におかしな話じゃない
      そもそも
      人類の歴史において
      加算すれば速度が
      増していくという発想は
      ごく新しいのだ
      加速というのは
      ガリレオあたりの
      発見であるわけだし
 
 量子論でさえも人間の認識には抵触しまい。実際、量子論は平行宇宙という異界を正当化する道具として物語で重宝されておる。
 
 ∧∧
( ‥)でも進化はそうではない
 
  (‥ )進化は種という概念を
      破壊することで
      成立する世界観だが
      人間は種という概念で
      物事を認識している
      ダーウィニズムは
      人間の認識に極めて強く
      抵触してしまうのだ
 
 物理学に関するトンデモが、一部の勘違いさんから広く浸透しないのは、相対論や量子論が一般人の世界観に抵触しないのでトンデモが支持されないのかもしれない。

 *物理系のトンデモさんたちは、どうもまずニュートン力学までは理解できた(と本人は思っている)が、そこから先でつまづいて、ニュートン力学ですべてを説明できるはずだと頑張ってる人たちのように見える。意地悪な言い方をすれば、自分がついてこれた知識の体系内に未知を取り込めるのではないか? と思い上がっているのだとも言える(実際にはたわいもない勘違いをすることから分かるように、ニュートン力学さえもちゃんと理解していない)。
 
 これに対して、ダーウィニズム、あるいは進化論は人間の認識に抵触するため、一部の積極的な勘違いさんの意見が、広く一般にまで浸透してしまうようである。
 
 ∧∧
( ‥)トンデモさんという
    震源の人数は確率的に
    同じだけど
    周囲の人という媒体に
    対して
    広がりにくい
    広がりやすいの違いがあると
 
  (‥ )もうひとつの説明は
      あれだな
      物理学はオカルトの
      要素があるけど
      進化学はオカルトの要素が
      まるで皆無だって点かな
 
 物理学というとオカルトと正反対に思えるが、実のところ歴史的に言えば自然科学で一番オカルトから恩恵を受けた学問領域だ。
 
 ∧∧
(‥ )クオーク理論は曼荼羅で
\−  アインシュタインは神を想定し
    ニュートンはばりばりの
    錬金術師で万有引力を考え
    ケプラーは太陽が持つ
    摩訶不思議な力で
    法則を発見してしまう
 
  (‥ )さらにさかのぼれば
      世界の背景には
      数の比が存在する
      そういうプラトン的な
      というかピタゴラス的な
      世界観が物理学を
      強烈に支配してるよね
      現在ですらそうだし
      何千年もそうなのだ
 
 確かにこれに逆らった人もいた。ガリレオなんかはその典型なんだろう。だが、ガリレオはオカルトを否定したがゆえに理論に墓穴を掘ってしまい、その理論的な弱点を教会に突かれて失脚したようである。
 
 ∧∧
( ‥)物理学は自然科学の中で
    最もオカルト的であり
    人の世界観がオカルトなら
    物理学が人間の世界観に
    抵触しないのは当然であった
 
  (‥ )生物学はその正反対
     なんだよな
     生物学の分野で
     物事の背景に数の比がある
     そういう信念で大発見を
     なしとげた人って誰がいる?
     メンデルぐらいじゃねえか?
 
 ∧∧
(‥ )進化学が理解されにくいのは
\−  生物学、ひいては進化学が
    実はあまりにもオカルトから
    かけ離れているせいでは
    ないだろうか?
 
  (‥ )人間の理解と娯楽の
      ことごとくが
      オカルト的であることを
      考えれば
      これは自明の結論だと
      思えるけどな
      
 
  
 

2016年9月20日火曜日

マラカスと豪雨

 
 ∧∧
(‥ )なにやらわんさか
    雨が降り始めましたぞ
 
  (‥ )台風16号マラカス
      今朝までは四国にいたけど
      もうやってきたのか
 
 
 なんかのろーっと動きの遅い台風のイメージだったけど、今朝以降、速度をちょいとあげた感じらしい。
 
 24時間前は九州の南、12時間前は四国よりやや九州側、そこから速度を上げて現在18:30、愛知のやや東にまで進行。雨の領域は進行方向前方に展開している感じで、関東は南から巻き込まれるようにじゃんじゃか豪雨の領域はやってくる。
 
 ∧∧
(‥ )散歩はしばらくできないね
 
  (‥ )まああれだ本日のノルマを
      こなした頃には
      上がりそうな感じだけどな
 
 

本を読むと理解の歪みが相乗的に加速する理論

 
 ∧∧
( ‥)結局のところ
 
  (‥ )結局のところ読書家ってさ
      あいつら全員
      手抜きしてたんだよ
 
 読むに限って言えば、本当に知りたいのなら教科書を読んだり、論文を読んだり、物事を知るための基礎であるつまらない退屈な本を買うであろう?
 
 ∧∧
(‥ )でも買わない
\−
 
  (‥ )高いからだけじゃないのだ
      図書館にあっても
      そもそも読んで無いんだ
 
 だいたい、読書家の言動を見れば何のどの本を読んでないか、それは丸わかりであった。
 
 ∧∧
( ‥)全員手抜きをしたのだと
 
  (‥ )考えてみれば一目瞭然
      ではあるんだがな
 
 教科書に該当する本は高い。ようするに買う人間があまりにも少ないので、高く設定しないと割に合わないのである。
 
 ∧∧
(‥ )手抜きの結果はすでに
\−  価格に反映されていたのだ
 
  (‥ )本を売るには
     読書人という
     手抜き連中に売らねば
     ならんわけでな
     ここが難題よ
 
 いや、売ること自体はまだしも簡単なんだろう。煽ればいいし、望みの嘘を見せれば良い。
 
 大人ってのは底抜けの馬鹿なのだ。小学生の時に頭の出来が止まっているくせに、大人になった自分はまともな事柄をちゃんと選び取れるし、取捨選択できると傲岸不遜にも思い込んでおる。
 
 ∧∧
( ‥)大人は手抜きの選択を
    前向きな熟慮の結果であると
    本気で思い込んでいるのである
 
  (‥ )救いがたい馬鹿だろ?
      好きなものを
      ついつい食べて
      デブになるくせに
      本は熟慮の結果で
      選んでます♡とか
      抜かしよる
      読書人なんか度し難い
      間抜けよ
 
 ラーメンの食い過ぎでデブになったり、ビールの飲み過ぎでぶよぶよになったりするだろ? あれと同じでお前の読書や取捨選択なんかその場その場の好き嫌いでしかないんだよ。そんなものは熟慮ではないし、検討でもない。当然、正しい答えを発見するなど不可能だ。
 

 ∧∧
(‥ )まあ好きなものを食べて
\−  デブになるには
    その人の自由ですけどね 
 
  (‥ )だが”読書人のデブ化”は
     肉体のデブ化よりも深刻でな
     デブになったのに
     自分は理想体型を手に入れた
     と勘違いしよる
 
 考えてみれば当たり前だ。偏った読書に寄る偏った理解。かように読書は認識に影響を与える。
 
 ∧∧
( ‥)他人から見れば
    偏った理解なのだけど
    ご本人にとっては
    正しい理解に見えてしまう
 
  (‥ )歪んだレンズで
      歪んだ風景を見たら
      見事に補正されて
      見えました
      みたいな状態だ
 
 本を読むと馬鹿になる。
 
 この言い様の多くは、本の知識で自分をやり込める生意気な相手を揶揄しただけのことなんだろう。
 
 だが、実は幾ばくかの事実がそこにあったのではないか?
 
 歪んだ理解は歪んだ本を選ぶ。歪んだ本は理解をさらに歪める。そうした相乗効果は確かに読書人を馬鹿へと変換してしまうのだ。
      
 今日もきょうとて読書人は偏った読書という食事でおかしな結論にたどり着き、その結論に基づいてもっとおかしな本へと手を伸ばしておる。
 
 ∧∧
( ‥)そしてこれら諸々の
    根本的な原因は
 
  (‥ )高い本は買いたくない
      難しい本は嫌だ
      理解できない本は無理
      金は出したくない
      頭のカロリーは
      使いたくない
      それだけだったのだ
 
 本を読むと理解の歪みが相乗的に加速する。こう言うといかにも大変なことのようだが、実際には単なる手抜きと怠惰の累積なのであった。
 
 
 
  

次のリベラルが品種改良で作出されるだろう

 
 ∧∧
(‥ )そういえばヒラリーさん
\−  この前、貧血だかで
    倒れた後
    向こうのテレビで
    死んじゃった速報が
    流れたのだってね
 
  (‥ )healthをdeathと
     読み間違えたとか
     言ってるけど
     そういう間違いって
     起こるもんなのかね
 
 実は内心、ヒラリー死んじゃいそー、とか、そういうことを考えていたから、そう読み間違えたのではなかろうか。そんな勘ぐりをしてしまうような出来事。
 
 ∧∧
( ‥)どういう意味での
    死んじゃいそー
    ですかな?
 
  (‥ )健康面でこの人は
      不安があるよなという
      前知識かもしれないし
      死んじゃえばいいのに
      という希望的観測かも
      しれないし
 
 ∧∧
(‥ )不安を知られているか
\−  存在を望まれていないか
    ですか
    どっちにしろ大統領選では
    不利ですかね
 
  (‥ )どっちなんだろうな?
      考えてみればどこの国も
      リベラルや革新系は
      保守を批判しているのに
      誰よりも
      現状を追認していて
      今、困っている人たちを
      無視しているだけのように
      見えるが
      これは一体なんだろうね?
 
 イギリスがEUを離脱した時、政治家たちもリベラルも知識人も、国民は馬鹿だ阿呆だと言った。

 だがしかし、あの決断は困っている国民が大勢います、ということではなかったか?
 
 ∧∧
(‥ )EU残留を支持する
\−  労働党の人が殺されたり
    してたよね
 
  (‥ )なんで労働党が
      移民と低賃金労働者の
      際限のない流入を
      支持して
      労働者を苦しめるような
      政策を取るのか
      今ひとつわからんけど
      なんか
      困っている人と
      救済を掲げる人とが
      乖離しているらしいことは
      分かるよな
 
 アメリカはもうちょいましなんだろう。オバマ大統領は批判は多いが、軍隊を撤収させたし、あるいは極力前に出さないようにした。それでウクライナだのシリア、イラクがめちゃくちゃになったけども、それでもこうして中産階級を救おうと試みた。イギリスよりはましである。あるいはイギリスよりも状況が深刻だったということかもしれぬ。
 
 ∧∧
( ‥)でも本当に支持を得たのは
    オバマ大統領ではなく
    トランプ議員であったと
 
  (‥ )結局、アメリカの政治家も
     リベラルも知識人も文化人も
     あるいは
     お金儲けしたら
     社会に還元しなくちゃね♡ 
     と実践してる意識高い系の
     勝ち組も
     本当のところ
     困っている人には
     何の関心もなかったって
     ことなんだよ
 
 日本もどうやらそうで、リベラルや知識人、文化人は革命ごっこをするだけで、困った人に対しては底辺のネトウヨwwwと口汚く罵る有様。
 
 というか、日本がそうであるように欧米もどこも、政治家やリベラルたちはそう言う存在に収斂してしまった、ということであろうか。
 
 ∧∧
(‥ )とっ言うことは
\−  困っている人に
    初めて向き合った
    トランプ議員の勝利ですかね
 
  (‥ )ヒラリー議員は
      健康面以前に
      旦那の時代にも
      オバマ政権第一期にも
      統治者であったからな
      そういう過去の統治に
      否定が突きつけられている
      この時に
      ヒラリー議員を選ぶ道理は
      どこにもないよね
 
 ∧∧
(‥ )でもわずかだけど
\−  ヒラリー候補が有利だと
    言われているよね
 
  (‥ )実はみんな嘘をついて
      いたりしてな
 
 暴言吐きまくりで、しかも無知蒙昧。こんな状態で外交なんか始めたら、いくら補佐が良くても官僚がいても彼の暴挙を緩衝しきれずにアメリカはえらいことになるぞ! ということ確実なトランプ候補。
 
 オバマ大統領のような中途半端で慎重な政策でさえも人死にが出て紛争が拡大しているのだ。トランプ大統領が誕生したら膨大な死者と戦争が起こること明白。

 そんな彼を、私は支持します! そうはっきり言える人なんて、そうそういないだろう。
 
 そうであるにも関わらず、僅差で追うとなれば...
 
 ∧∧
( ‥)事前アンケートと裏腹に
    結果は逆転でトランプ大統領?
 
  (‥ )金を賭けるというのなら
      そっちに賭けてみようか
 
 まあ、つけが出ているのだ。困った人の救済を掲げながら、困った人を踏みにじってきた。かつて学生運動で暴れたくせに、ちゃっかりと体制側に収まって高給取りになっており、しかし上辺の態度と言葉だけは見目麗しいごまかしを延々と紡ぎだす。

 それがリベラルとか知識人とか文化人とか意識高い系起業マンの正体であった。

 すべては茶番だったのである。
 
 そのつけが今出ている。そんなこと、日本の政治家やジャーナリストを見れば明らかであった。そして世界のすべてがそうなのだろう。
 
 ∧∧
(‥ )あるいは状況が変わって
\−  これまで高値だった
    リベラルという株が
    暴落しつつあるって
    ことですかね?
 
  (‥ )それもあるだろうね
      地球規模の略奪で
      西欧に集中した富が
      再び全地球に還元される
      必然すべての先進国が
      苦しくなれば
      その物理的条件は先進国を
      ファシズム化させる
      この新しい環境において
      リベラルは
      まったく不適応で
      次の新しいリベラルが
      必要とされる
      必然、古いリベラルは
      暴落してしまう
      そういうことかもな
 
 リベラルはすべての思想や変異は等価であり、平等であるとうそぶいてきた。

 なれば状況の変化による自らの没落は受け入れるべきであろう。

 すべてが相対的で価値も変わるのだ、というのなら、汝等が忌み嫌っていた思想が次の主流になることも受け入れよ。それが言動を発した者の義務なるぞ。
 
 かくて古いリベラルは死に、新しいリベラルが産まれる。

 間もなく産まれるであろうトランプ大統領はその先駆けかもしれぬ。
 
 ∧∧
( ‥)どっちかというとあの人は
    阿呆ですけどね
 
  (‥ )でもさ皮肉なもんでよ
     トランプ議員の目指すことは
     オバマ大統領と基本は同じ
     だよね
 
 どっちもアメリカ帝国を放棄し、島国の民主国家、アメリカ合衆国へ帰還しようとしておる。
 
 どちらも困った人々を救おうとしておる。
 
 確かに今、アメリカの民主主義は機能しているのだ。対策を求め、模索し、最初はオバマ大統領、次はトランプ議員と着実に状況を選び取っている。
 
 なれば、オバマ大統領がリベラルだというのなら、後継者であるトランプ大統領はより改良されたリベラルだということになろう。これが必然。
 
 ∧∧
(‥ )そうやって次のリベラルが
\−  品種改良によって
    作出されるのである
 
  (‥ )今の文化人や進歩的知識人
      彼らが標榜する道徳や
      理性や社会規範
      これらのすべて
      なすすべもなくすげ変わる
 
 もう、あなたたち、時代遅れのモデルでしかないんだよ。実際、お前達は時代を否定することしか出来ていないだろう? 
 
 
 
   
      
    

2016年9月19日月曜日

見よ! 10の23乗の奇跡!!

 
 先日見た話に曰く
 
 人間が誕生する確率は箱の中に時計の部品を入れて、その箱を蹴飛ばしたら時計が組み上がるぐらいの奇跡。
 
 ∧∧
(‥ )これ元ネタなんでしたっけ?
\−
 
  (‥ )天文学者フレッドホイルが
     生物が発生する確率は
     飛行機の部品が竜巻で
     巻き上げられて
     組み立てられるぐらい
     可能性が低い
     みたいなことを
     いったあたりじゃねえか?
 
 
 似たようなもので、時計があれば時計を作った制作者がいるはず。しかるに生物は時計のごとき精巧な仕組みなのだから、生物を作った制作者、すなわち神がいるはずだ、という主張もある。

 多分、その辺りの例え話がごちゃまぜになって、冒頭のような主張が産まれたのだろう。
 
 だが実際にはこれ、例え話が不適切なのだ。機械論で考えてはいけない部分で機械論を使っている。
 
 ∧∧
( ‥)もっと正確にいうと
 
  (‥ )機械と生物はどちらも
      機械論で記述できるけど
      両者はサイズが
      全然違うから
      同じサイズで考えると
      理解が破綻するよ
      ということだな
 
 生物は分子から出来ていて、化学反応で生きている。ではより簡単な化学反応で以上の例え話にひそむ問題点を考えてみよう。

 例えば水素を試験管に満たし、それに火をつける。すると水素は空気中の酸素と結合して爆発し、水になる。
 
 ∧∧
( ‥)水素と酸素を機械の部品
    例えばボルトとナットで
    考える
 
  (‥ )水素というボルトが
      酸素というナットに
      ぴたっ! と
      はまって水になる
      まさに奇跡!!
 
 ましてやその数ときたらどうだ。2グラムの水素は1モルであり、22.4リットルの体積を持ち、その分子の個数は6.02×10の23乗個。
 
 ∧∧
(‥ )10の10乗が100億だから
\−  10の23乗個と言えば
    100億を100億倍して
    さらにそれを1000倍した
    個数ですなあ
 
  (‥ )まあ試験管の中の水素は
     もっと少ないけどね
     試験管の容積が
     10ミリリットルなら
     それは100分の1リットル
     つまり22.4リットルの
     1000分の1に近似
 
 とはいえ、10の23乗を1000分の1にしても、それは10の20乗個。

 つまり、試験管の中の水素分子の数が100億個の100億倍ばかりあることは明白。
 
 ∧∧
( ‥)100億の100億倍の
    水素分子のすべてが
    酸素分子にぴったりはまる
    この奇跡!!
 
  (‥ )問題はさ
      この奇跡が必ず起こる
      ことなんだよな
      どこの実験室でも
      再現できてしまうし
      義務教育を受けている
      奴ならほぼ全員体験してる
      奇跡にしちゃあずいぶん
      安っぽいよねえ


 
 なぜ100億の100億倍個ものボルトがほとんど同数と言って良い、これまた100億の100億倍個もあるナットにぴったりはまるような奇跡が何度も、しかも必ず起こるのか?
 
 ∧∧
( ‥)そりゃ水素と酸素の
    化学反応を
    ボルトとナットという
    大きな部品に例えたから
    現実の理解に
    破綻が起きただけである
 
  (‥ )同じ理由で
      生物の誕生は
      ジェット機の部品が
      竜巻で組み立てられる
      ぐらいありえない
      とか
      人間の誕生は部品の入った
      箱を蹴飛ばしたら
      時計が組み上がる確率と
      同じぐらいの奇跡だ!
      とか
      そういう例え話も
      単なる誤謬なんよね
 
 間違った例え話で物事を解説すれば当然のことは当然には起こらないことになってしまう。

 だが実際には当然のように起こっておる。
 
 間違った例え話で物事を理解した時、当然のように起こっている出来事は奇跡になってしまうだろう。
 
 ではなぜ例え話は誤っていたのか?

 熱を与えればブラウン運動を起こして勝手にあちこち動きまわり、出会えば電子のやり取りで組み上がる極微の分子
 
 そして
 
 分子よりはるかに巨大で自分では動かず、所定の向きと回転や配置でないと組み立てられない機械の部品
 
 この両者はサイズが違うから振る舞いも全然違う。こうしたサイズによる振る舞いの違いを考慮しないで一緒くたにしたのが間違いなのだ。
 
 ∧∧
(‥ )要するに生物や人間の誕生を
\−  機械の部品に例えて
    奇跡だと主張する人は
    サイズの違いを無視した
    間違った例え話をすることで
    現実を否定しているだけ
    なのであると
    否定された現実は
    それゆえに
    奇跡になってしまう
 
  (‥ )それと同時にな
     これが分かりやすい!
     ということなのだ
 
 ∧∧
(‥ )ああ以上のような間違った
\−  例え話で
    人間は奇跡だとか
    生物は奇跡だとか言うと
    みんな”分かって”くれる
    わけだね
 
  (‥ )物書き連中とか
      賢しい連中とかは
      よくこういうことして
      自分も他人も
      騙しやがるのさ
      あいつらたちが悪いぜ
  
 

2016年9月18日日曜日

経済の淘汰圧はすべての挑戦者をはじき返してきた

 
 物書きも読み手もなるべく支出を減らしたい。

 支出を減らしたいとは金銭面でのこともあるし、脳を動かすカロリーを節約したいという意味もある。
 
 ∧∧
( ‥)結果的にいうと
   教科書のように
   5000円以上するような本を
   買わないし
   教科書は脳の負担になるから
   誰も読まない
 
  (‥ )その結果の累積が
     この世界を作っているのだ
 
 そしてできたのは、間違いだらけの安っぽい本を買う読者と、それを引用して同じ間違いを延々とコピペするライターという現状であった。
 
 ∧∧
(‥ )この壁を突破できた者はいない
\−
 
  (‥ )厳密に言うといるけど
      壁が崩れることはない
 
 壁を自力で突破できた読者は、そのまま安っぽい世界に帰ってくることはなかった。
 
 ライターの方は、状況がもっと深刻である。個人的に突破すれば良い読み手と違って、ライターが正しいことを書き続けて生活するには、読者層に十分な厚みがなければいけない。
 
 だがそれが無い。
 
 ∧∧
( ‥)それゆえライターは
    安っぽいセンセーショナルな
    勘違いを延々とコピペする
    ようになってしまった
 
  (‥ )これを突破できた人は
      いることはいるけど
      皆例外だなあ
 
 例えば、かこさとしさんという人がいるけども、この人は元々社員であるし、描いているのは絵本であった。
 
 ∧∧
(‥ )かこさとしさんの絵本は
\−  今でも売れてるからね
 
  (‥ )ご本人の才能、情熱も
      さることながら
      社員でなおかつ
      絵本という条件だから
      経済的な淘汰から
      自由であった
      だから正しいことを
      書き続けられた
      と言えるだろうな
 
 そしてこれは、かなり例外的な事例だと言うべきだろう。それに絵本だからいくら正しいことを書いても、馬鹿な大人には届かない。
 
 大人ってのは小賢しい存在なのだ。脳の出来は小学生程度のくせして無駄に背伸びをしたがる。監修者までつくことがある絵本や子供向きの本は馬鹿にして読まないくせに、間違った大人向きの本に群がるという間抜けむき出しな性質を持っている。

 それが大人であるし、それが読書人というものの正体であった。
 
 ふむ、とはいえだ
 
 ∧∧
( ‥)ここで重要なのは
    ここまで現実の動態を
    踏まえたら
    次になにをするかですね
 
  (‥ )現実の動態を把握した時
      そこで終わったら
      ただの愚痴で終わりなのだ
 
 例えば、
 
 日本は嘘に寛容なのにミスには不寛容だ。こんなことでは新しいことはできない!
 
 と言っただけで終わったら、それはただの愚痴なのである。
 
 いや、なお悪いかもしれない。それは実のところ言い訳ではなかったか?
 
 日本はこんなに悪い社会だ。俺はその社会に産まれた。だから俺が失敗したのは俺のせいではないのだ。皆が悪いのだ。そういう言い訳ではなかったか?
 
 ∧∧
(‥ )実際、嘘には寛容なのに
\−  ミスには不寛容だと言うのなら
    ミスしていないと嘘ついて
    売りまくれば良いだけのこと
 
  (‥ )そこまで状況を
      把握したのなら
      理論に基づいて
      状況を動かすことを
      試みれば良いだけの
      話だからな
 
 ネットは本音が漏れやすい媒体で、事実上、テレパシーに近いことを実現した。
 
 しかしその結果見えてきたのは、社会批判という言い訳ではなかったか?
 
 ∧∧
( ‥)まあ普通はそれで
    良いのですけどね
 
  (‥ )みんながみんな
     挑戦なんてし始めたら
     人類は絶滅してしまうからな
 
 ただどうも、ネットは言い訳の大喜利大会と化してきたようにも見える。

 読者が、これこそが俺の言いたいことだ! 我が意を得たり! と感じるような、愚痴の大義名分を創作すると人気が出る、それを競い合っている状態だと言うべきか。
 
 ∧∧
(‥ )悪いことではないけど
\−  それだけでは
    何も出来ないでしょうね
 
  (‥ )まあもともと何もしない
      ための言い訳だからね
      それに言い訳だけで
      すませるってことは
      誰も困ってないんだよ
 
 確かに世の中には困ったあげくに爆発して人を刺すやつもいるんだが、それも結局は逃げなのである。所詮はそれも言い訳だ。
 
 だが、本当に困った状況に追い込まれているのなら、そんなわけにはいかん。
 
 少なくとも、状況を突破しようと思っているのなら、以上のすべての選択肢、取るわけにはいかぬ。
 
 ∧∧
( ‥)そして現実を理解し
    理論化できたと思ったら
    その理論にそって
    出来ること出来ぬことを
    見極めて
    状況を操作せねばならぬ
 
  (‥ )さて?
      ではどうしようか?
 
 ライターが正しいことを書けないのは、正しい知識は求められてもいないし、望まれても無いこと、それゆえに正しいことを書いても売れずに、経済的に追いつめられてしまうことが原因であった。
 
 さらに言えば、間違いを書いた方が金儲けできるのである。これは強烈な淘汰圧だ。
 
 ∧∧
(‥ )でも言い換えれば
\−  経済の淘汰圧さえなければ
   状況は打開されるわけである
 
  (‥ )実際、まともなことを
      書き続けた人は
      経済の淘汰圧から
      自由だった人だからな
      そういうことだよね
 
 ∧∧
(‥ )...でもこれ難問じゃね?
\−
 
  (‥ )難問だろうね
     事実上、全員が失敗してきた
     その事実が難関の度合いを
     示しているね
     金儲けってのは楽じゃない
     経済の淘汰圧は強大だ
     すべての挑戦者を
     跳ね返しただけのことは
     あるよねえ
 
 ∧∧
( ‥)どうするんだ?
 
  (‥ )さあ、どうしようかね?
 
 
 ∧∧
(‥ )今あなたが作っている本は
\−  糸口を掴めるか?
 
  (‥ )さてどうだかね
      試みのひとつではあるが
      試みとは大概は
      失敗するものだからな
 
 
 まあ、やってみれば分かることだ。
 
     
 
  

物書き術とは自然淘汰による絶望的な結果なのである

 
 
 進化論などは典型的な例なのだが、一般人と研究者の間では、学問に対する認識がしばしば正反対である。
 
 一般人やサイエンスライターの世界では、ダーウィニズムは否定され、今西進化論や断続平衡説、中立説が相並び、今や百家争鳴状態にある。だいたいこんな認識だ。実際、これを真面目に書き立てたサイエンスライターがいたのだった。
 
 だが研究者の世界では、ああ、正しいのはダーウィニズムですよね、で話は終わりだ。*中立説は、ダーウィンが注目し解決を試みた問題解決に成功した、というのが正しい。中立説は一部知識人が勘違いしているようなダーウィニズムの否定ではないのである。
 
 ∧∧
(‥ )だがこうした正しい知見は
\−  一般というクラスターには
    まったく
    浸透しないのである
 
  (‥ )これは
      サイエンスライターの
      問題なのだが
      読み手の問題でもあるのだ
 
 
 実のところ正しい見解、少なくとも現段階で一番手堅いと思われる仮説や理論、理解や知見を知る方法は実に単純である。大学向けの教科書、あるいはそれに準じる専門書を読めば良い。
 
 ただし、こういう本は読み手。つまり買い手が少ないので高いことが多い。だいたい3000円以上、5000円とか7000円だ。
 
 ∧∧
( ‥)要するに読み手は
    高い本を買わないから
    正しい知見に行き着くことが
    できないのであると
 
  (‥ )理由は単純なんだよ
      これはライターも同じでな
      安い本しか買わないんだ
      めんどうくさいし
      支出を抑えたいからな
  
 つまり、

 間違いを書いた安っぽい本がある。

 ライターはそれを買って参考にして間違った安っぽい本を書く。

 そして別のライターが同じことを繰り返す。

 これが何世代も続いてきたのである。


 ∧∧
(‥ )このぐるぐる渦巻く世界から
\−  離脱できた人は事実上
    いなかったと
 
  (‥ )いることはいるけど
      そういう人は教科書の世界
      という別世界に入って
      安っぽい間違いの世界とは
      まったく隔絶してしまう
      そしてお互いに
      影響を及ぼさない
 
 単純にいうと、

 一般の人が心に思い浮かべる理解の世界(実際には間違っている)
 
 と
 
 科学が検討し提案した理解の世界(現時点では一番妥当とされる)


 の間には5000円の壁があるってことだ。
 
 5000円。たったこれだけのことを、誰も突破できない。
 
 
 二つの世界の間にそびえるこの5000円の壁を破壊し、知識の正しい普及につとめるべきと期待されているサイエンスライターも、この役割を果たすことは一切なかった。
 
 ∧∧
(‥ )なんででしょうね?
\−

  (‥ )やっぱ
      めんどくさいからだろうな
 
 
 この前、ふとしたはずみで知っているサイエンスライターが書いた古い本を読んだ。時代は1990年。当時その人が34歳で書いたものだ。
 
 正直驚いた。34歳でここまでたくさんの文献を読んで縦横無尽に知識をきらめかせ、記事を書く。普通の人間にはまったくできないことだ。彼は自信過剰な人間だったが、これを見るとそういう自信を手に入れたのも分かろうというものだ。
 
 しかし、この記事を読んで自分が愕然としたのはこのことだけではない。
 
 ∧∧
(‥ )この記事の何がすごいって
\−
 
  (‥ )ここまで調べたのに
      正しいことが
      何一つとして
      書かれていない
      そこなんだよな
 
 正統な意見を聞きかじりで紹介し、正統論に問題点があると勘違いして指摘し、科学者が相手にしないマイナーな仮説を持ち出して、これこそが真の解答だ! これが次にくる理論だ真実だ! と締めくくる。
 
 ∧∧
( ‥)まあ物書き術の真骨頂では
    ありますよね
    これが模範解答であると
    まずは紹介する
    そして紹介した後で
    実はこの模範解答は
    間違っている!!
    なっなんだってー??
    と読者にゆさぶりをかける
    そうして読者を不安にしてから
    トンデモを売りつける
    ライターの典型的な手だ
 
  ( ‥)意図的な詐欺ではないのだ
    −/ 俺は彼のことを
       知ってたから言うけど
       彼は実のところ
       自分の見解を
       本気で信じていたからね
 

 彼は悪い意味で最悪のオタクだった。とにかく皆が知らない知識を誰よりも早く知って、それをひけらかしたくてたまらない。

 彼は単純に、誰も知らない自分だけが知っている知識をあなたに教えます、というやり方で、自分自慢をしていただけではなかろうか?
 
 そして結果的に、その行動が詐欺師のような効果を生み出した
 
 ∧∧
(‥ )でももっと即物的に言うと
\−
 
  (‥ )やっぱな高い本を
      買ってないんだよ
      彼の蔵書に教科書を見た
      覚えは無いし
      読んでいたらあんな記事は
      書けないよ
 
 ∧∧
( ‥)論文収集には何十万も
    使ったけども
    5000円以上の本を
    買うことはありませんでしたと
 
  (‥ )教科書ってさ
      買うのも大変だけど
      読むのも大変なのだ
      教科書に書かれた
      たった1行のくだらない
      知見には
      その知見に至った
      無数の論文と議論があり
      そこには
      研究者の了解がある
      それを把握するのは
      論文を単純に集めるより
      大変だし重労なんだよ
 
 そして当然なんだが、教科書はつまらないのである。教科書には劇的ということがない。教科書にあるのはつまらない知見の累積だ。

 少なくとも一般人にとってはそうであろう。

 そして教科書を買いて売れるか?
 
 もちろん売れない
 
 では記事を売りたいライターはどうする?
 
 ∧∧
(‥ )教科書を読まずに
\−  自分の思い込みと勘違いを
    書けば良い
 
  (‥ )サイエンスライターだの
      科学ジャーナリズムだの
      ライターってのはな
      この自然淘汰に
      全員負けたのさ
 
 誰もこれに逆らえなかった。さもなくばすでに述べたように、この自然淘汰で有利になるような個体、つまり

 教科書の”間違い”を思い込みで発見してそれを書き立て、読者を不安にしてからトンデモを売りつけるという個体

 が選別されてきた。
 
 つまり状況はどうにもならないのである。
 
 ∧∧
( ‥)つまり物書きの極意とは
 
  (‥ )調べずに書け
      勘違いして批判しろ
      読者を不安にして
      トンデモを売りつけろ
      だな
 
 そしてこれこそが分かりやすい文章を書く極意なのだ。

 というわけでライター諸君。諸君らはただ自然淘汰に身を任せれば良い。

 そのうち自然と自分もそうなる。この自然淘汰に逆らえた者はいない。
 
 
 

2016年9月17日土曜日

ライターはダーウィニズムの原則によって煽りへと進化する

 
 分かりやすい文章を書くこつとは、調べないで書くことである。
 
 ∧∧
(‥ )調べないで書くと
\−  素人が犯しやすい間違いを
    犯して書くから
    素人の読者が鵜呑みにしやすい
    文章ができあがる
 
  (‥ )実のところ名の売れた
      ライターってしばしば
      こういうものなのよね
 
 
 例えば、進化論を批判しよう、というのも、そうした事例の典型だ。
 
 一般的に人間は、進化とは10=>15=>20と考える。
 
 ∧∧
( ‥)実際には系統は分岐するから
    むしろ
 
    00_01_11
     |  |_02
     |
    10_12_22
     
     のように進行する
 
  (‥ )素人は11と22を見た時
      11と22の中間の17が
      どっかにいるはずだ
      とか思い込むのだが
      実際にはそんなもの
      最初からいないのだ
      11と22の中間種は
      実は00なのだよね
 
 これは小難しい言い方をすれば、半順序を順序で理解するから起こる誤謬なんだろう。そしてこのような誤謬を犯してはならない、そう書いたのがダーウィンであり、種の起源の説明であった。
 
 だが、調べもしないライターはこう書き立てる
 
 進化論が正しければ11と22の中間種17が存在するはずである。これをミッシングリンク、失われた環と言う。ところがこれが見つからない。進化論はミッシングリンク17を発見できないので間違っているのである!!
 
 ∧∧
(‥ )でっ同様に調べもしない
\−  一般人にとって
    これが非常に腑に落ちてしまう
 
  (‥ )調べない素人が
      思いつきで疑問を述べて
      それをさも大発見のように
      書き立てる
      すると素人にとって
      分かりやすい文章が
      出来上がる
      これはありがちな
      ライター術なのよね
 
 もちろん分かったは、事実とは異なる。

 分かったを事実と思い込むからこういう誤謬がうまれるのだ。
 
 だがしかし、残念ながらライターはこれを理解できない。彼らはすでに”分かってしまっている”ので、分かった以上は自分が間違っているとは思わない。
 
 だって、自分が認識できていない自分の間違いを認識せよ、というのは無理難題であろう?
 
 さらにこのライター術にはもうひとつ大きな利点がある。
 
 ∧∧
(‥ )調べないから作業が非常に
\−  楽なのである
 
  (‥ )前も話したように
      ライターはどれだけ
      頑張っても
      年間4冊の本を書くのが
      限界であって
      一冊の原稿料が
      60万程度であるから
      4×60万で
      年収240万を原理上
      越えることができない
 
 ではどうするか? 

 収入が低いのなら支出を抑えれば良い。
 
 ∧∧
( ‥)つまり調べない
 
  (‥ )さらに調べずに書けば
      分かりやすい文章になる
      うまくいけば増刷だ
 
 原稿料が一冊あたり60万とは、増刷しなければの話である。
 
 もちろん増刷はそうあることではない。
 
 だが、調べずに素人な誤解をセンセーショナルに煽った本が売れたらどうなる? 実際その公算は高い。事実、世の中の売れてる本の多くはそういうものであろう?
 
 ∧∧
(‥ )すると年収240万の壁を
\−  突破することができる
 
  (‥ )必ずではないけどな
      少なくとも確率は
      高まるわけだよ
 
 調べないことで支出を抑え、無自覚に嘘を書いて収入を増やす。
 
 ライターにかかる淘汰圧とはこのようなものであった。
 
 つまるところこうである。
 
 ∧∧
( ‥)ライターという職業は
    調べずに思いつきで煽るという
    方向へ進化する
 
  (‥ )まあそういうことだ
      ネットのメディアも
      その方向へ進化して
      そこで落ち着いて
      しまっただろう?
      彼らは最適解に到達して
      もはやそこから
      出られないのだ
      どうにもならないんだよ
 
 
 もちろんこれは生物の進化とは違う。人間の個体が試行錯誤しながら最適な戦略を発見するという過程だ。
 
 だが、ダーウィンが打ち立てた自然淘汰という進化の原理原則からライターは逃れることができなかった。

 そして全員がこの方向へとなすすべもなく進化してしまったのである。
 
 そうしてできた最適解に飽和した世界、それがこの世界なのだ。
 
 記事を書いているそこのあなた。あなたは今、どんな戦略へと進化していますか?
 
 そして、どんな自然淘汰に負けてしまったのでしょう?

  
 これはhilihiliのhilihili: そうか君もカロリーには勝てなかったのかの続き
 
 
  

2016年9月16日金曜日

そうか君もカロリーには勝てなかったのか

 
 ∧∧
( ‥)なに?
 
  ( ‥)ポップなイラストで
    −/ ダーウィン進化論の
       欠点を指摘する
       とかいうイラストを
       ネットでみかけてな
 
 ∧∧
(‥ )...ああ猿から人がこう進化した
\−  に違いないという古典的な
    思い込みをイラストにして
    みたのね
    四足の猿から腰をかがめた
    猿人が現れて
    そして中腰の原人が
    さらに直立した新人が現れる
    だがしかし
    こういう化石は
    見つかっていないから
    進化論には証拠がないと
 
  (‥ )これそもそもイラストが
      間違ってるのよね
 
 例えばここで、全体復元が可能なほど骨がそろった一番古い人類の骨ルーシーを見てみよう=>https://www.google.co.jp/search?q=lucy+australopithecus&biw=1061&bih=734&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0ahUKEwj875bOz5LPAhXBjJQKHX9VDn0Q_AUIBigB
 
 ルーシーはニックネームで、分類上の学名はアウストラロピテクス・アファレンシス。これがいわゆる猿人だ。画像検索すると骨よりも復元模型の方が目立つが、見れば分かるように直立して復元されている。
 
 ∧∧
(‥ )この復元には理由があって
\−  ルーシーの骨格を見ると
    直立二足歩行を
    していたことが
    分かるんだよね
 
  (‥ )大腿骨の形が
      現代人と基本的に同じ
      直立二足歩行に適した
      筋肉の配置に応じた
      ものになっているのだ
 
 つまり、ルーシーを見れば一目瞭然。四足の猿からじょじょに立ち上がり…という古典的な思い込みが間違っていた、ということである。
 
 ∧∧
(‥ )でもこのポップなイラストで
\−  進化論批判をしたこの人は
    まず間違った思い込みを
    イラストにして
    それから
    この間違った思い込みを
    批判して
    そして
    間違った思い込みを批判する
    ことで進化論を
    批判したつもりになっていると
 
  (‥ )まあありがちな
     トンデモだな
     アムロが父親に改造された
     強化人間なんて設定は
     御都合主義すぎる! とか
     ガンダム批判をし始めたら
     お前何言ってるの? と
     皆から白い目で見られる案件
 
 とはいえこれ、ありがちということは、ありがちに起こるだけの原因が存在する、ということである。
 
 ∧∧
( ‥)それはなにかというと
 
  (‥ )単純な話で
     カロリーに負けたんだよね
 
 例えば、最初期の猿人ルーシーが直立二足歩行をしていたってことは、以上のように検索すれば出てくるし、ルーシーは人類学をちょっと知っていれば必ず出てくる有名なものだ。人類進化を論ずる人間なら知らん方がおかしい。
 
 ∧∧
(‥ )でも知らない
\−
 
  (‥ )調べていないことが
      分かるだろ?
      調べているにしても
      そもそもルーシーを
      知らないのだから
      基礎になる背景知識を
      調べていないってことも
      分かるだろ?
      人類進化の絵を描くのに
      人類進化を把握していない
      それが分かるだろ?
 
 では人類進化の絵を描くのに、なぜ人類進化を調べなかったのか?
 
 あるいは、イラストを描く者が自分の描くものを把握せずに妄想で描くとはこれいかに?
 
 一番単純な解釈はめんどくさい、ということである。
 
 ∧∧
( ‥)もっと即物的にいうと
 
  (‥ )カロリーに負けたんですよ
     ライターとしては
     ありがちですね
     イラストレーターとしてもね

 
 記事を一度でも書いたらライターだ。そして記事を書く以上、ライターは収入と支出に支配される。支出が超過すれば彼は死ぬのだ。これはイラストレーターでも同じである。
 
 ∧∧
(‥ )だから調べずに書くことが
\−  ライターの最適解なのである
    イラストレーターの最適解
    でもある
 
  (‥ )支出と収入とは究極的には
      カロリーのことだ
 
 ∧∧
( ‥)つまり調べずに記事を書くとは
 
  (‥ )カロリーに負けたんですよ
      ライターはね
      負けちゃうんですよ
      イラストレーターもね
      負けるんですよ
      しょうがないですよね
 
 
 調べて書いていないのなら、君は他の記事も調べて書いていないだろう? 一度カロリーに負けたのだ。何度でも負けるさ。そうだろう? それも必然なのだ。
 
 みんな負けた。誰もたどり着けなかった。それだけだ。
 
 
 

つまり政権与党になる気はもうありませんと

 
 ∧∧
(‥ )蓮舫議員の二重国籍問題
\−  どんどん話がでかくなって
    いるねえ
 
  (‥ )台湾は国じゃないみたいな
      発言をしたとか言われて
      台湾からは文句が出る
      日本は慌てるで
      もはや国際問題だ
      めちゃくちゃだな
 
 台湾にある中華民国からすれば、中国共産党は正統性を持たない反乱軍。あくまでも中華帝国の正統後継者は我々だという立場。
 
 もちろん、その中華帝国を実行支配する中国共産党からすれば自分たち自身が中華帝国の正統後継者。彼らから見れば、台湾に逃れた中華民国とは命数が尽きた前王朝ということになる。

 ∧∧
(‥ )中国共産党を日本もアメリカも
\−  無視できない
    さりとて現に台湾を統治する
    中華民国をおろそかにする
    わけにもいかないのである
 
  (‥ )だから日本もアメリカも
      中国共産党を交渉相手に
      選び配慮しつつも
      台湾を忘れることはない
      そうやって
      ごまかしごまかし
      やってきた外交的配慮を
      自分の一身上の都合で
      波風たてるわけだからな
 
 しかも蓮舫議員、この状況で民主党の党首に就任である。
 
 ∧∧
( ‥)要するにですよ
 
  (‥ )民主党は
      もう政権与党になる気は
      ないってさ
 
 これはその意思表明に他ならぬ。
 
 ∧∧
(‥ )ご本人たちはそんなつもりは
\−  ありません
    政権を再び取りますと
    言うだろうけどね
 
  (‥ )皆が何十年間も
      注意深く扱ってきた外交に
      一身上の都合で
      問題を引き起こした
      人物を代表に選んでおいて
      他にどう解釈しろと?
 
 
 
 
  

2016年9月15日木曜日

論理的が成功原因とは因果の誤謬

 
 ずっと雨が降る。2016年9月15日、朝の6:10の時点で気温は22度だが湿度は90%。
 
 ∧∧
(‥ )秋雨前線なのかな?
\−  前線がずーっとかかってて
    関東はここ数日雨曇り雨
 
  (‥ )室内でもさっき見たら
   □−  湿度が80%になってた
      イラストの紙がしなしなに
      なっとる
      やだねーやだねー
 
 日本人は無駄に天気の話題が好きだねえ、と海外の人が言う。しかしこれは当然かもしれぬ。日本は天気が悪い日が多い。農作物の作柄もさることながら、気にもなるだろう。
 
 何事にも原因があるということだ。原因を把握せぬままに表面を連想的に理解してはいけない。
 
 さて
 
 ∧∧
(‥ )欧米のクリエーターは
\−  論理的にお話を作るんです
    日本じゃ考えられない
    すごい! と絶賛する人
    時々いますよね
 
  (‥ )だから欧米は
      つまらないものしか
      作れないんじゃねーの?
 
 論理的に話を作る。これは創作の上ではむしろ致命的な弱点だ。
 
 ∧∧
( ‥)というかそもそも
 
  (‥ )世界の民話、伝説、神話
      あれらのどこが
      論理的なんだい?
 
 まあそりゃ筋道はそれなりに通っているだろう。とはいえしかし
 
 ∧∧
(‥ )たいがいの民話、神話は
\−  めちゃくちゃだよね
  
  (‥ )根本は単純なんだ
      例えば異能な主人公が
      悪を退治して姫と財宝を
      手に入れる
      英雄譚とは古今東西
      アジアも欧米も同じよ
 
 とはいえしかし、主人公の出自からして桃から産まれた(あるいは桃を食って回春した夫婦から誕生した)、とか、クマやヤマイヌなど異種との交配から誕生したとか、発想が古今東西めちゃくちゃである。

 異能を説明するための異様な出自創作でしょ? と言い訳しても駄目だ。出自から離れても民話や昔話は異様である。
 
 例えば白雪姫は話自体は英雄譚と基本同じだ。虐げられた主人公が王国を手に入れるという物語。だが同時に白雪姫は、少女の死体をガラスの容器に詰めるという西欧に分布する類型から成り立っている話のひとつらしい。
 
 少女の死体をガラス容器に詰める。この発想、一体どこから来た?
 
 ∧∧
( ‥)どこが論理的なんじゃいと
 
   ( ‥)しかも神話や伝説は
     −/ 皆が受け入れたから
        伝承として今まで
       生き延びてきたのだ
 
 ここから分かることは、人間は論理的な物語など望んでいない、ということである。
 
 つまるところこうであろう。創作者が論理を振りかざして物語を作ろうとしている時点で、それはあからさまに敗北への道なのだと。

 実際、人類が論理的な話を好むというのなら、SFはそれがハードになればなるほど喜ばれるはずだ。だが現実には絶滅危惧種のか弱い分野になっているであろう? 

 論理で物語を作るなど素人の馬鹿発想でしかないこと明白。
 
 ∧∧
(‥ )でもハリウッドはすごい!
\−  日本よりも大成功
    そして彼らは論理的!
    だから成功の秘密は
    論理に違いない! と
 
  (‥ )それさ
     人口が多いだけじゃね?
 
 例えばの話、日本人口が今の2倍あったら、イラストレーターやライターの年収問題は解決だ。
 
 ∧∧
( ‥)そりゃ人口が2倍になれば
    売れ行きも2倍
    収入も2倍になりますからな
 
  (‥ )そいでよ
      英語圏は日本語圏よりも
      人口多いべ
 
 だったらそれだけで成功するだろ?
 
 ∧∧
(‥ )じゃあハリウッドが
\−  論理的になったのは
    なぜでしょうね?
 
  (‥ )ごっこ遊びの
      エスカレートじゃねえか?
 
 人間は文化圏ごとにその場の形式に束縛されていて、その形式の枠組みの中で勝負を行う。形式とはゲームのルールであり、そのルールの枠内で勝負を行ううちに、いたちごっこに物事がエスカレートしていくようになる。
 
 ∧∧
(‥ )日本だと飲みにケーション
\−  なんですかね?
 
  (‥ )アメリカだとそれが
      論理だった
      それだけの話じゃね?
 
 ∧∧
( ‥)アメリカでは論理ごっこが
    どんどんエスカレート
    してしまったと?
 
  (‥ )相手を説得するのに
      論理を使わねばならない
      というルールでは
      そうならざるを
      えないだろう?
 
 そして論理では面白いものは作れない。人間は論理評論家ではないからだ。
 
 だったらハリウッドに面白いものなど作れるわけがない。面白いと評価があったものをただただつなげる自動機械のようになるだろう。
 
 ∧∧
(‥ )でもそれでもつぶれない
\−
 
  (‥ )日本映画でさえつぶれては
      いないんだよ?
      市場がでかければ
      金も集まるかけられる
      だったら一見すると
      面白いものを作れるべ
      実際、日本の連中だって
      アメリカ映画はすごいな
      とため息しながら
      こうほめるべ
      金かかってるなーって
 
 実は面白いとは言っていないのだ。
 
 ∧∧
( ‥)それは自動作成機械と
    しての仕事であって
    模索ではないのだと
 
  (‥ )日本の映画界だって
      自動作成機械になって
      いるみたいだしな
      大きな組織の宿命よ
      模索なんかしたら
      死ぬからな
 
 模索を放棄するのは悪いことではない。それは必然だ。
 
 しかし模索を放棄しても”面白い”のは、市場が大きいので金が集まるし、かけられるから。ただそれだけの結果ではなかったか?
 
 そしてこれだけの単純なことを、知識人たちはこの成功は論理のせいに違いない、そう勝手に思い込んだ、それだけのことではなかったか?
 
 人間が論理評論家でない以上、論理は面白さの原因足り得ない。なれば、この成功は論理のせいに違いないという推論は、因果関係の見誤りである。
 
 
 

さあ君ならどんな行く末と末路がいい?

 
 ∧∧
(‥ )でもイラストレーターの
\−  大半が年収100万に
    いかないって話には
    反響があるもんですねえ
 
  (‥ )夢を壊すなと言ってる
      人もいるから
      お金持ちになれるはずだ
      そう思ってなんとなく
      絵を描こうと
      している人も
      いるってことかな
 
 
 イラストレーターではないが、以前、ネットで見たのである。

 ラノベを書いていると自称する人が、1冊本を書いても50万か60万しかもらえないから、生活が厳しい、と書き込んだのに対して、
 
 嘘だ! そうやって俺たちをがっかりさせて、ラノベ作家が増えないようにしているんだ!
 
 と噛み付いた人
 
 どうやらラノベ作家もにたような過剰な期待を抱かれているらしい。ラノベを書けば金持ちになってうはうはだと思い込んでいる人がいるらしいこと、そう思ってなんとなく、中途半端に小説を書こうとしている人がいることが分かる。
 
 ∧∧
( ‥)でも実際、原稿料なんて
    50万、60万でしょ?
 
  (‥ )そんなもんだな
 
 だからもし、1冊の本を書くのに3ヶ月かかったら月収は20万以下になる。そもそも、それが人間が書ける最速の速度だと考えて良い。多人数で生産体制を整えている週刊連載漫画でさえ、単行本は年間4冊だし、ラノベの人でもどうも年間4冊が最速であり、個人的にもこれが限界だ。
 
 *年間4冊以上出している場合、それはゴーストライターによるコピー&ペーストを疑った方が良い、ということでもある。
 
 さらに原稿料は基本、定価×印刷部数×0.1で決まる(0.1が0.07になることもある)。そしてそれはだいたい50万、60万。時には30万だ。漫画のように刷る部数が多い場合にはもっと上がるが、普通は以上のような数字である。
 
 そして単行本を作れる人間の限界速度は先に述べたように年間4冊。
 
 ようするにライターの年収は良くて年間240万程度が限界であり、300万は原則越えない。というかそれ以下が普通だ、ということである。
 
 ∧∧
(‥ )しかもそれはあくまでも
\−  仕事を詰め込めるだけ
    詰め込んだ理想論であって
    もしも年間に1冊しか
    本の依頼がなければ
    年収は60万になってしまう
 
  (‥ )だけどなんか
      本を出すと印税でずーっと
      楽に暮らしていけるという
      イメージがあるみたいだな
 
 そして同様のイメージが漫画家にもイラストレーターにもあるらしい。
 
 そのせいなのか、イラストレーターの大部分が年収100万以下、という話に対して、それは確定申告の時の金額ではないのか? と疑う人もいる。
 
 ∧∧
( ‥)イラストレーターは自営業で
    収入の1割を税金で
    持っていかれる
 
  (‥ )だが自営業は
      非常に不安定で
      必要経費もあるからな
      それを税務署に申告すれば
      税金が軽くなったり
      あるいは
      税金を取りすぎたから
      お返ししますねと
      返ってくる場合もある
      税務署って
      結構良心的なのよね
 
 
 では? イラストレーターの必要経費とはなんぞや?
 
 パソコンを使うのならパソコンであろうし、絵の具や鉛筆を使うのなら画材や紙代であろう。
 
 ∧∧
(‥ )家賃はどうします?
\−
 
  (‥ )事務所と住居をかねている
     わけだから
     家賃の半分は必要経費かな?
 
 ガス光熱費は? 電気代はパソコンや照明に使うのだから、全部は無理にしてもある程度は必要経費だって言っても通るだろう。だがガス代は関係なさそうだし、水道代は、そんなに水を使うイラストレーターはいない。これは通るまい。
 
 ∧∧
( ‥)資料代として本代を計上
  
  ( ‥)それはありだね
    −/ 人によっては
       娯楽のために買った
       漫画や雑誌も計上する
       かもしれないけど
       純粋な資料代としての
       書籍を計上しよう
 
 とまあこうやって必要経費を計上し、それを収入から抜く。そして税務署に申告するのである。
 
 ∧∧
(‥ )まあ例えばそれで
\−  収入200万から
    必要経費100万を抜いて
    残りが100万になる
    ということはありうる
 
  (‥ )俺だって本代だけで
      数十万を
      越えたりするからな
      あれ自体は
      イラストレーターとして
      ではなくて
      ライターとしての
      必要経費だけど
 
 だから200万から100万の必要経費を抜いて残りが100万でした、ということ、これ自体は確かにありうるのだ。
 
 ∧∧
( ‥)でもそんな必要経費うんぬんの
    話は所詮のところ枝葉末節
 
  (‥ )年収が100万だろうが
      実際には200万だろうが
      そんなの
      どうでもいいんだよ
 
 100万なら5000円の絵を200枚描くか、あるいは20万の絵を5枚描かねばならない。
 
 200万なら5000円の絵を400枚描くか、あるいは20万の絵を10枚描かねばならない。
 
 ∧∧
(‥ )これを実現できるかどうか
\−  それが問題なのである
  
  (‥ )というかね
     それが出来ている奴が
     一体何人いるって話なのよな
 
 実際、5000円を400枚だろうが、20万を10枚だろうが、そこまで描いているイラストレーターなら、どこかで見たことあるはずだ。イラストレーターは分野が決まっているのだ。そんな彼らがこれほどの数を描いていたら、目に留まらぬはずがない。
 
 ∧∧
( ‥)どこかで見たことがある
    イラストレーターって
    ほんとうに限られた
    数しかいない
 
  (‥ )それに対して
      雑誌をめくってみよう
      その場その時
      一回しか見たことが
      ないような
      イラストレーターは
      何人いる?
      という話なのよね
 
 この比率をざっくり考えるだけで、答えは明白だろう。年収100万を越えるようなイラストレーターは明らかに数える程度のものであると。
 
 ∧∧
(‥ )きっと必要経費を抜いた金額が
\−  年収100万なのであって
    実際の年収は
    もっと多いに違いない
    という憶測は…
 
  (‥ )現実を前に
      これは夢だ夢に違いない
      と言っている状態だろうな
 
 実際、年収100万を実現する時に、この絵の単価で自分は何枚描けば良いか? その制作速度を自分は実現可能か? 不可能なら支出を抑えるしかないが、その手段は何か? そういう考察がない。その時点で、以上のようなことを言う人は仕事をしたことがないまま現実から目をそらしている、そう考えて多分、間違いないだろう。
 
 ∧∧
(‥ )海外だともっと支払いが
\−  高いらしいよという噂
 
  (‥ )それ具体的な事例が
      まったく出てこないだろ?
      それじゃあ
      死んだら
      天国にいけるらしいよ
      と言っているのと
      変わらんぞ
 
 ∧∧
( ‥)皆さん現実を前に
    絶望した?
 
  (‥ )絶望したっていうか
      見て見ぬ振りしている
      そういうことじゃね?
 
 なれば皆の行く末は明白であろう。この話題に絶望し、目をそらしたもの、それは現実から目をそらした者。すなわち、イラストレーターとしての未来はもはやない。
 
 
 ∧∧
(‥ )この現実を見据えて
\−  この状況を切り抜けた者のみが
    名が通った
    イラストレーターになれるので
    ある
 
  (‥ )そして成功するものもいる
      運良く正社員になれたとか
      地道に実績を重ねて
      売れたとか
      たまたまブームに
      乗っかったとか
      人生色々なのよねえ
 
 もちろん、その末路も様々であろう。

 正社員になれて、あとは静かに何不自由なく、特にぱっとせずに長い時間を無為に過ごすのかもしれない。

 あるいは重ねた実績がゆっくりと色あせていくのをただ見守るのかもしれない

 あるいは、ブームが終わってあっという間に消え去っていくのかもしれない。
 
 ∧∧
( ‥)あなたの末路はどんなだ?
 
  (‥ )なるべく楽しいのが
      いいけどな
      末路ってだいたい
      楽しくないのよねー
 
 
      
  

2016年9月14日水曜日

あなた結論から遡及したでしょ?

 
 鳥越候補と宇都宮元日弁連会長の激突。
 
 つまりこの話の続きである=>hilihiliのhilihili: 没落と大炎上のイッツ・ショータイム!
 
 ∧∧
(‥ )激突というか
\−  会長さんの疑義申し立てに対し
    候補が言葉を重ねて
    まくしたてたという感じ
    ですかね
 
  (‥ )すらすらと詭弁が
      出てきたもんだが
      はて、これはどういう
      回路で手早く作られる
      ものなのかな?
 
 ∧∧
( ‥)どうみます?
 
  (‥ )んー 思いつく一番単純な
      解釈は
      ”結論から遡及している”
      かな
 
 人間は文章を読む時、実はわずかに先の文字も読んでいるという。つまり先にある程度結論を把握して、今を解釈することが人には可能だ。
 
 結論から遡及して主張の骨子を素早く作る。例えばこんなのはどうか?
 
 
 弁護士は私を批判するべきではない
 
 私は弁護士に弁護されるべきである

 弁護士は被害者を弁護するのだから、私は被害者であるはずだ
 
 私は女性スキャンダルの被害者であるはずだ
 
 女性スキャンダルは嘘であり、だから私は被害者である
 
 女性スキャンダルが嘘なのは、報道が嘘だからである
 
 報道が嘘であることは、これまで捏造報道があったことから明らかである
 
 ∧∧
( ‥)このように
    思いついた結論から遡及して
    こんどは逆に話を始めると?
 
  (‥ )逆回しすれば
     報道は捏造する
     だからこのスキャンダルも
     捏造だ
     私は捏造の被害者なのだから
     あなたは弁護士として
     私を弁護すべきで
     私を批判してはいけない
     そうなるな
     これが一番単純に
     詭弁を作る技だと思うが
     どうだね?
 
 ∧∧
(‥ )あなたが正しいかは
\−  ともかくとして
    こうして詭弁を作ってみると
    詭弁なのに話の筋道は
    通っているように聞こえるね
 
  (‥ )その代わり
      定義に歪みが生じて
      しまったけどな
 
 つまり、報道には捏造があるから私の女性スキャンダルも捏造だ、という部分。
 
 これはもちろん真ではない。報道には捏造も含まれている=この報道も捏造である、にはならない。
 
 正確にはこうだ。
 
 報道には捏造も含まれているから私のスキャンダルも捏造かもしれませーん。

 だからそれを聞いてるんだよ、事実無根ならなんで民事訴訟しないんだよ、普通するだろ? 
 
 だが正確であるならこうなるはずのこの部分、ここが歪められたのである。
 
 ∧∧
( ‥)結論から遡及して
    話の筋道を通した結果
    主張の歪みが定義に
    押し込まれたと
 
  (‥ )より正確には言葉の
      包含関係に歪みを
      押し込めたと言うべき
      なんだろうけどな
      定義といっても良いだろう
 
 報道はすべて捏造であると定義する。なれば私の女性スキャンダルは報道なのだから、これも捏造である。
 
 詭弁というのはしばしばこういうもので、論の筋道を通す代償として、言葉や言葉の定義に歪みを押し込めてしまうものだ。
 
 ∧∧
(‥ )それで一見すると
\−  理路整然と聞こえるように
    なってしまうのだと
 
  (‥ )散らかしたものを
      隣の部屋に全部放り込めば
      一見すると綺麗に見える
      そんな感じよな
 
 ∧∧
( ‥)...でっ?
   この思いつきからどうします?
 
  ( ‥)世の知識人達の言動を
    −/ これで解釈すると
      どう見えるか
      検討してみよう
 
 少なくとも結論から遡及して訳分からん主張をするのは知識人や文化人、インテリやリベラルの顕著な特徴でもあった。
 
 例えばの話、かつてマルクス主義者はマルクス主義に基づけば農業は無限に生産を増大させるはずなのだから、農産物を支配している遺伝子は自在に変化して生産を増大させねばならず、それゆえに環境に応じて遺伝子が変化する獲得形質こそが正しく、獲得形質を否定するメンデル遺伝は資本主義思想にまみれたインチキであると熱烈に攻撃したことがある。
 
 ∧∧
(‥ )まあこれなんかは
\−  あからさまに結論から
    遡及した論ですね
 
  (‥ )賢い人間達の言動を
      あんた
      結論から遡及してるだろ?
      という解釈で
      見直してみるべきだな
 
 
 多分、世の中にある正しき人の正しい意見。そのほとんどが聞くに値しないものとなるだろう。
 
 

 
  

少女帝国の興亡

 
 1枚5000円の絵を年に200枚描けば年収は100万
 
 1枚20万のイラストを年に5枚描けば年収100万
 
 ∧∧
(‥ )どっちでもいいけど
\−  どっちでも困難だよね
 
  (‥ )5000円のイラストは
      白黒で紙面の半分程度
      あるいは見開き片面を
      占めるようなものだ
      問題は年に200枚も
      そんな仕事を
      確保できるかだね
 
 1枚20万のイラストは、ラノベなどの表紙がそれに該当するようである。
 
 ∧∧
(‥ )こっちの問題はラノベ作家は
\−  どれだけ速くても年に4冊
    出すのが限界ってことで
 
  (‥ )表紙を描いたのだから
     中の挿絵も描くだろうけど
     それを踏まえても
     ひとつのラノベのイラストを
     年に4タイトルまかされて
     100万越えがやっと
     という感じかなあ
 
 作家の執筆速度が年4冊が限界であることを考えると、これは異例の状況だ。
 
 どっちを選ぶにせよ、これだけで食っていけないことは確かである。
 
 あるいは年収100万でも対応できる生活にしておく必要がある。
 
 ∧∧
( ‥)家賃を抑えるために
    安い小さなアパートで
    暮らしたり
    実家暮らししたりね
 
  (‥ )あるいはバイトだが
      バイトはバイトで危険だな
      バイトを入れると
      その分、イラスト作成に
      回せる時間が減るからな
 
 さて、近年伸びてきたソーシャルゲーム。ネット上で行えるゲームではしばしば美少女イラストが必要とされる。だから美少女イラストの需要が高まった。この傾向が強まり、市場に我れ先にと企業が参入したのは多分、ここ10年未満5年以上、という感じらしい。
 
 ∧∧
(‥ )ちょうどpixivが運営を
\−  始めたぐらいで
    pixivで声をかけて
    イラストレーターをかき集める
    ということも行われるように
    なった時代である
 
  (‥ )そういう時
     ソシャゲの運営会社が
     イラストレーターを
     買いたたいて
     それで悪いイメージが
     ついたみたいね
 
 このような場合、出版社なら予算も無いし高い金も出せないから白黒でお願いします、ですむだろう。

 もちろん、これでもイラストレーターからすれば買いたたかれているという印象は強い。女の子の立ち絵白黒イラスト1枚に5000円とか7000円では悔しかろう。もっとも出版社は出版社で、本当に金がないんだけど
 
 1枚5000円でも100枚そろえたら50万円だ。これは本を書く作家に支払われる原稿料とほぼ等しい。予算はこの時点で破綻する。本は多くの場合200ページ、100見開きであり、すべてのページに1枚美少女イラストが載った場合、作家への支払いを30万、イラストレーターへの支払いが30万と、原稿料を折半する必要が出てくる。この時、イラストの単価は30万÷100=3000円となる。
 
 だがこれですら、白黒だからこそ出来る話。
 
 ∧∧
( ‥)でもソシャゲで白黒という
    選択肢はなかった
    かくしてソシャゲの
    イラストレーターに対する
    買いたたきぶりは
    出版社の比では
    なかったらしい
 
  (‥ )カラー立ち絵背景付き
      それで数千円ではな
      赤字どころの騒ぎじゃない
      ほぼただ働きだね
 
 先日、イラストレーターの大部分が年収100万以下という話が出回った時、これはソシャゲのせいじゃないのか? という意見が幾つも出たのはこれが原因なんだろう。
 
 つまり、ソシャゲの運営会社がpixivなどで技能はあるが無名の人をいいように買いたたいて、それがイラストレーターの年収崩壊を招いた、という解釈。
 
 ∧∧
(‥ )でもあなたからすれば
\−  イラストの単価って
    20年以上前から
    なにも変わっていませんよと
 
  (‥ )俺が先日した仕事
     イラストレーターとしての
     取り分が10万なんだが
     俺は100見開き全部に
     イラスト描いているのよね
 
 ∧∧
( ‥)1枚1000円じゃねえか
 
  (‥ )その前の仕事では
      ...あれは何枚描いたかなあ
      俺はライターもかねて
      原稿料を取ってるから
      イラストレーターとしての
      取り分を半額だと計算して
      描いた枚数で割ると
      あの仕事だと1枚
      7000円かな?
 
 これ、駆け出しの頃と変わらない。
 
 ∧∧
(‥ )あなたは仕事の受注自体は
\−  増やすことができたけども
    イラストの単価を
    上げることには
    失敗したということだね
 
  (‥ )言い換えればずーっと
      単価自体は横ばいなのよ
 
 多分、イラストレーターの年収崩壊はソシャゲの買いたたきが原因である、はおそらく正しくないだろう。
 
 ∧∧
(‥ )まああなたの仕事は
\−  美少女イラストではないから
    あなたの世界の価格横ばいを
    そのまま美少女イラストに
    適用することには問題が
    あるんだけども
 
  (‥ )でも出版界の支払い体系は
      どうも基本同じなんだよな
      出版界という市場が
      仮にソシャゲにその半分を
      奪われたとしても
      あるいは
      イラストレーターの半分が
      ソシャゲの仕事を
      請け負うことになったと
      しても
      年収崩壊なんていう事態が
      起こるかね?
 
 既存の市場Aが100の支払いをしていた。
 
 既存の市場Aはその半分を新興市場Bに奪われ、そのBが半分の支払いしかしない。
 
 こうしたとしても全体の支払いは100から75になるだけだ。年収の4分の1を失うことは確かに深刻な問題ではあるが、これだけでは大崩壊とまではいえないだろう。
 
 ∧∧
(‥ )ソシャゲが支払いを
\−  軒並み0にした場合だと
    年収は半減するけど
    これだってソシャゲが
    出版界の半分を奪った
    という前提があってこそ
    成り立つ話
 
  (‥ )この仮定はあまりに
      非現実的であるね

  
 実際、

 俺はソシャゲで仕事してるけど、むしろ潤ったぜ。年収100万以下が大半なんて出版の話なんじゃないの?? 

 という意見もあった。
 
 ∧∧
(‥ )これはこれで
\−  間違いなのでしょうな
    出版界における単価が
    横ばいなら
    食えない人がいるのは
    元からであって
    今になっておかしなことが
    おきたわけではない
 
  (‥ )それと同時に
      金払いの良いソシャゲの
      運営会社があることも
      ここから見て取れるよね
 
 ∧∧
( ‥)金払いが極端に悪い会社も
    あれば
    良い会社もあるのだと
 
  (‥ )いいことだ
      新興市場なんで
      会社ごとに
      試行錯誤しているって
      ことだ
      つまりは成長途中
 
 相場が無いってことは飽和していないし、均衡していないことを示す。それは成長途中で未来があるってことだ。
 
 ただし、少なくともこれまでは
 
 実際、ちょっと検索するだけで予兆が幾つも見つかった
 
 ∧∧
(‥ )ソシャゲの仕事やってるから
\−  私は収入が低いのかな…と
    思っている人
    斡旋業者の指示通りに
    ソシャゲのイラストを延々と
    描き続けることに疲れた人
    イラストレーターを
    正社員として雇う会社...
 
  (‥ )5万のイラストを100枚
     発注すると500万だが
     イラストレーターを
     300万で正社員として雇い
     年間に100枚描かせれば
     300万ですみます
 
 ∧∧
( ‥)正社員とは予算カットにおける
    有効な方法のひとつなのである
 
  (‥ )ソシャゲの状況は
     もう飽和しつつある
     そして均衡に向かっている
     そういうことが見て取れる
 
 ソシャゲの買いたたきが批判される一方、ソシャゲによるイラストバブルは終わった、という人もすでにいる。

 つまり状況は飽和した。なれば価格は企業の支払い限界と、制作者の生活限界とが折り合う均衡点へと移行するが必然。
 
 だとすると未来予測は単純である。今いるイラストレーターで潤っているものも、その多くは収入を半減させ、20年後、生き残っているものはほんのわずかだろう。多分、正社員となったものだけが、長い残りの人生を安泰に、そして無為に過ごすことになる。

 他に生き残ったものがいるにしても、そんなものは例外だ。事例にも参考にもならない。
 
 ∧∧
(‥ )あなたも他人ことは
\−  言っていられませんぞ
 
  (‥ )俺は単価を上げる方法を
      模索せねばならないな
 
 とはいえだ 美少女イラストでさえもバブルは終わり均衡していく昨今。
 
 ∧∧
( ‥)美少女を描いてもいない
    あなたが単価を上げるとは
    これいかに?
 
  (‥ )さてね どうしようか?

      
 
  

2016年9月13日火曜日

単価は横ばいだー

 
 ∧∧
(‥ )イラストの単価って
\−  ここ20年で変わりました?
 
  (‥ )なんにも変わってないかな
 
 大概の仕事は1枚5000円とか3000円。あるいはそれ以下。
 
 1枚6000円、8000円とかはかなり良い方で
 
 ∧∧
(‥ )...たまに1万、まれに3万
\−
 
  (‥ )博物館に納めた品は
      幾らだったかなあ?
      あれだと10万以上
      20万未満かな?
      良く覚えてねえや
 
 といってもこれはカラーで幅が60センチとかあるようなものだ。手間を考えると、やはりあまり実入りの良い仕事とは言えない。
 
 ∧∧
( ‥)ずっと横ばい?
 
  (‥ )価格は横ばいだね
 
 まあしかし、自分のイラストは古生物とか過去の植生復元とか、あるいは深海魚とか深海生物、あるいは野生生物のイラストである。
 
 ∧∧
(‥ )イラストレーターとしても
\−  非常に特殊な部類だよね
 
  (‥ )野生動物の方が
      まだしもメジャーだな
      野生動物だと
      昆虫専門とか
      鳥類専門の
      イラストレーターが
      いるよね
      古生物よりも需要が
      あるから
      数こそ少ないけど
      専門職がいるっぽい

 
 実際、古生物のイラストは野生動物を本業にしているイラストレーターが描くことも多い。
 
 ∧∧
( ‥)専門に描く人はまあいないと
 
  (‥ )いてもパクる奴が多いかな
 
 古生物は現在の生物のことを知らないと描けないが、それだけでは描けない。これがかなり難しい、というか手間がかかる。

 存在はしないが今もいる生物に類縁の存在。
 
 架空ではなく事実ではあるが現実でもない。
 
 これは描く対象としては非常に中途半端だ。野生動物のように具体的な資料があるわけでもなく、ドラゴンのように空想だけでてきとーに描いてもオッケーです、というものでもない。悪く言うとどっちの世界も把握しないと描けない、ということである。
 
 骨格を知らないといけないし、化石を理解したり、理想的には系統学も知っていることが望ましい。資料を集めるとなると、論文まで読まねばならん。
 
 ∧∧
(‥ )でもそんなのめんどくさいから
\−  パクるのだと?
 
  (‥ )ああよくいるぜ
      これはあの絵だね
      とか
      ああこれはあの写真だね
      とか
      これはあの人のイラストを
      ちょっと変えただけだね
      とか
      海外の投稿イラスト
      (pixivっぽい)を
      まんまパクってやがるとか
 
 めんどくさいこともさることながら、普通の人間では古生物の復元など無理なのだ。だからパクる。
 
 ∧∧
( ‥)でも出来る人もいるでしょ?
 
  (‥ )いるよ
      いるけど
      みんな消えちまったよ
      採算が合わねえのさ
 
 骨格を把握し、筋肉を考え、系統に基づいて推論し、環境と現代の生物から色を想定する。そのために資料を集め論文も読む。こんなことをして対価が1枚数千円。
 
 ∧∧
(‥ )割に合いませんな
\−
 
  (‥ )ああだから全員消えた
 
 もちろん消えたといっても死んだわけじゃない。絵も描いているようだ。連絡はもうつかないが、検索するだけでもそれはなんとなく分かる。仕事だって辞めたわけじゃないらしい。イラストレーターからもっと実入りの良い仕事に変えただけで、古生物や恐竜から離れたわけでもないようだ。

 表現や仕事には色々ある。
 
 あの消えたアイドルはどこ? そう皆が思っていても、実はいつの間にやら売れっ子のギタリストになっていて、若い連中の後ろでじゃんじゃか弾きまくっていることだってあろう。
 
 とはいえ
 
 ∧∧
(‥ )とはいえ結果的に言うと
\−  凄腕で真面目にやろうとして
    割りが合わずに消えたか
    別ジャンルである
    野生動物のイラストレーターが
    古生物を描くか
    さもなきゃお手軽にパクるか
    そのどれかしか
    ありませんでしたと
 
  (‥ )まあそんな感じだ
 
 さてここまでくると、じゃあ古生物なんていう需要がないイラストじゃなくてだ、もっと大きな市場のイラストレーターならどうなの? 例えば美少女イラストを描く人間に未来はあるの? 夢はあるの? という話になってこよう。
 
 ∧∧
( ‥)美少女イラストにも
    パクリがあるんだろ?
 
  ( ‥)古生物と違って
    −/ ファンの厚みがある
       せいなのかな?
       パクリをすると
       すぐばれるみたいね
 
 とはいえ、美少女イラストのパクリには、面倒くさいからパクってお手軽に、だけでなく、もうひとつ理由があろう。
 
 ∧∧
(‥ )美少女イラストは
\−  流行り廃りが
    激しいですからなあ
 
  (‥ )色々検索してみたが
     人材派遣業のようなものも
     あるらしいな
 
 昔あったグッドウィルのようなものだ。グッドウィル自体は単に募集して集めたアルバイトを契約先の企業に適時斡旋する会社だが、そのイラストレーター版があるらしい。
 
 ∧∧
(‥ )どうも検索からほの見える
\−  状況からすると…
    今はこれが売れているから
    これをパクれと指示が
    くるような感じ
 
  (‥ )まあ当たり前だね
      流行り廃りが激しくて
      市場が大きかったら
      流行りにのっかって
      一気に稼がなければ
      死んじまうからな
 
 良く言うではないか、二次元の女の子を俺の嫁と溺愛するのはいいけれど、お前ら三ヶ月ごと、アニメの放送が一回りするたびに嫁を変えるよね、と。
 
 ∧∧
( ‥)なんでもエロ同人誌も
    同人作家さんは
    そのたびに流行りの
    女の子に乗り換えるそうじゃ
    ないですか
 
  (‥ )売ることに特化するとは
      そういうことだからな
      まあそうするだろうね
 
 しかしこれは同人誌だから出来る話。会社にこれは不可能だ。
 
 ∧∧
(‥ )だから流行りの女の子に
\−  似せた女の子を描けという
    指令が下るわけだな?
 
  (‥ )会社に二次創作はできない
      だからパクる
      言い換えればだ
      美少女イラストの
      市場は大きいから
      楽に稼げるに違いない
      と部外者は
      思うかもしれないが
      実際はそうでないって
      ことだよ
 
 それにグッドウィル形式の人材および仕事の斡旋業が存在するとは、美少女イラストでも、結局のところ仕事の供給が非常に不安定であることも意味している。
 
 ∧∧
( ‥)斡旋業者が仕事を必死で
    かき集め
    その命令通りに次々に
    流行りの女の子を描き続けて
    ようやく収入と依頼を
    確保できるという状態
 
  (‥ )まっそういうことだ
      そもそも1枚5万円の仕事が
      20件来た! と
      大喜びしても
      その年の依頼がそれだけ
      だったら年収は100万だ
      確かに名が売れれば依頼は
      確保されよう
      だけど無名の人間では
      確保できないし
      確保しないと無名のままだ
      ここジレンマだよねえ
 
 イラストレーターがフル稼働して100万以上稼ぐというのは、相当な無茶をしなければいけない。古生物だろうが美少女だろうが、経済的な原理は同じで変わりない。ちょっと検索するだけで垣間見えることである。
 
 
  

2016年9月12日月曜日

これが文化人の罪と罰

 
 
 ∧∧
(‥ )蓮舫議員が二重国籍を
\−  持っていたことが
    発覚して問題になってる
 
  (‥ )まあ問題だろうなあ
 
 ∧∧
(‥ )二重国籍を持っていた人間が
\−  日本の科学技術や防災の予算を
    仕分けていたのか?
    こんなの疑われるに
    決まっていると
 
  (‥ )まああなたスパイでしょ?
      と言われても
      反論しにくいだろうね
 
 実際のところ、事業仕分けというのは根本から茶番であった。あれは本来、予算の折衝を官僚たちが文面で行う場面でしかなかったのだから。

 しかしそこに素人な議員たちが乗り込んで、舌鋒鋭く(実際には文面という公式な手続きを省いた素人むき出し安易で無責任な口頭の)追求をしてみせて、それをテレビで公開した。

 そして悪いことは全部お上と社会のせいだと考える、いわば水戸黄門見過ぎな国民の喝采をおおいに浴びた。
 
 それだけの茶番であった。
 
 ∧∧
(‥ )その後、あらゆる問題が
\−  吹き出して
    叩かれまくったけどね
 
  (‥ )文面のやり取りを
      口頭で行うなんて言う
      官僚主義からかけ離れた
      野蛮未開中世なことを
      するから
      こういうことになる
      当然でしょ
 
 お前のところは文章を残さぬ何もかも口頭の組織なのか? いったいいつの時代から来たんだよ? という世界観。なぜか文化人とか賢い人はこういうことをやりたがる。
 
 当時は事業仕分けなら俺も出たい、私も出たいと騒ぎ立てた議員達がごろごろいたらしいが、今じゃそうはおるまい。
 
 ∧∧
(‥ )この災害が起きたのは
\−  あの時、お前が事業仕分けした
    せいだろ? この人殺し! 
    と言われることが
    分かった後では
    みなさんお逃げになられる
 
  (‥ )よいよい
      政治家とはこのぐらい
      日和見でなくては
      そうでないと
      フィードバックが
      効かないからな
      信念のある政治家など
      必要ないってことよ
 
 
 信念のある政治家など、壊れた部品だ。民主主義という演算機械においてそんなもの不要である。
 
 ∧∧
(‥ )二重国籍の人を
\−  排除しようとは
   日本は非寛容で野蛮だなww
    という意見
 
  (‥ )どんな政体も忠誠を
      求めるし
      ましてや民主制なら
      非寛容が当たり前だろ
 
 王制を否定し民主制を始めたフランスは、王を頂く諸外国から攻められた。これに対しフランス政府は、自由市民よ国家のために立て! と大動員を行った。市民という数の力は圧倒的だ。怒濤のごとく攻め寄せるフランス軍の前に危機感を持ったプロイセンの軍人は国王に対し、農奴の解放を訴えた。フランス市民軍に対抗するには農奴を市民にしなければいけない。それにはまず彼らに愛する国を与えよと。 
 
 ∧∧
( ‥)それから100年後
    西欧諸国は民主化し
    愛国心と国民総動員による
    大戦争を行うように
    なりましたとさ
 
  (‥ )それまでは敵国の市民が
      戦争中に
      自国を旅行していても
      とくにおとがめなし
      だったのに
      民主制になってからは
      相手を憎むことが当然よ
 
 愛国心と熱狂と狂信、そして敵に対する不寛容。これこそが民主制だ。古代ギリシャから始まり、民主制とは絶えずそうであった。二重国籍を裏切り者と詰問するなど、民主制ならば当然。
 
 ∧∧
(‥ )それに蓮舫議員さん
\−   二転三転と嘘ついちゃった
     からね
     過去の発言も掘り返されて
     嘘つきと言われてる
 
  (‥ )まあ王制でも貴族制でも
      問題になるだろうけど
      民主制だと不信感と疑惑は
      もっと強かろう
 
 なんといっても、王は1人、貴族は数十人だが、民主制は全員だ。民主制の猜疑心はたちが悪いのだよ。そんなの全員すでに知っていることだろう? 何を今更。
 
 ∧∧
(‥ )この疑惑をマスコミは
\−  追求していないと不信の声
 
  (‥ )まあそのなんだ
      自民党と野党とでは
      同じことをしても
      マスコミや
      知識人の態度が正反対
      こういう二枚舌をすると
      マスコミや知識人への
      信頼は失われるよね
 
 というか、すでに信頼は失われていて、今や、ネットではびこる陰謀論が本当に正しかったのだ、という理解が広がっている段階。そう見るべきなんだろう。
 
 ∧∧
( ‥)マスコミや民主党やリベラル
    知識人や文化人は
    日本を破壊するために
    送り込まれた工作員たちだ
    という陰謀論だよね
 
  (‥ )現実はもっとてきとー
      なんだろうけどな
 
 例えばの話、日本でも中国でもアメリカでもロシアでも、敵国にいる自分たちのシンパには何かしら親近感を覚えるだろう。親近感を覚えるからたまに出会うと歓迎したり、話を聞いたり、相づちをうったり、あるいは呼んだり呼ばれたり。そうすれば互いに賛同して互いに影響を与えることもあろう。そりゃ人間なのだから当たり前だ。
 
 ∧∧
(‥ )もちろん中には
\−  国家の組織が資金援助を
    したりする例もある
    日本でも
    ベトナムに平和を市民連合
    いわゆる、ベ平連がKGBから
    資金援助されていた事例が
    あったよね
 
  (‥ )とはいえ全体として言えば
      統一された意思とか
      目的ではなく
      もっとぼーっとした感じ
      だよね
 
 だが、ぼーっとした総体を、陰謀論で記述した時、陰謀論は現実を理解する近似式となる。
 
 ∧∧
(‥ )そうなったら陰謀論は
\−  たとえそれが間違っていても
    物事をある程度
    正しく理解する方程式と
    なるのである
 
  (‥ )これを愚かとは呼べないな
      そもそもこんな状態を
      作り出したのは
      彼らなのだからね
 
 二重国籍はまずい、私は辞任して国籍をただし、その上でもう一度出直して一から選挙を行います。
 
 そうすれば筋が通せるが、そうはしない。
 
 ∧∧
(‥ )だからこれからずっと
\−  疑惑がついてまわるでしょうな
 
  (‥ )良くも悪くも自民党は
      不承不承でも
      辞任や自殺で筋を通して
      きたんだけどもね
      民主党はもう絶対に
      自民党には勝てないな
      おわただよ
 
 この、信念を通して筋を通さない、というのは弱ったことに文化人や知識人の性質でもあった。多分、彼らは正しさに固執する性質があるので、正しさの背後にある原理を無視したり軽んじたりするからだろう。
 
 ∧∧
(‥ )先日話題になった鳥越候補もね
\−
 
  (‥ )スキャンダルを
     追求してきたのに
     自分のスキャンダルからは
     逃げる
     説明責任を
     追求してきたのに
     説明責任なんて意味がないと
     爆弾発言してしまう
     己の正しさを押し通すのに
     筋は通さない
     知識人やインテリって
     おわただよなあ
 
 これゆえに陰謀論は現実の近似解として皆に受け入れられることになるだろう。そしてこれが、文化人の罪と罰。
 
 
 
   
 

そりゃイラストレーターは100万以下になるでしょ

 
 例えばここに1000円の同人誌がある。
 
 ∧∧
( ‥)印刷代などを無視して
    取り合えず1冊売れたら
    まるまる1000円の利益が
    出ると仮定する
 
  ( ‥)同人誌はだいたい
    −/ 30ページぐらい
       みたいだな
 
 30ページで1000円なのか、700円なのか、良くわからんが、取りあえず、30ページ1000円で考える。*700円でも1000円でも、それは以下の議論に誤差程度の影響しか与えない。
 
 ∧∧
(‥ )1冊売れて1000円の利益が
\−  まるまる手に入る
    そういう非現実に
    理想的な仮定を置いても
    1冊売れただけでは
    イラスト1枚に支払われた
    金額は33円だって
    ことになりますね
 
  (‥ )ここでは表紙を計算に
      入れていないんだけど...
      まあなんだ
      1000を30で割っても
      1000を31で割っても
      状況は変わらんからな
      今は脇に置こう
 
 かように1冊の売り上げではイラストに支払われる金額が33円。
 
 では、仮に同人誌が100冊売れたとする。すると漫画という1ページあたりのイラストに支払われる代金は33×100で3300円になる。
 
 ∧∧
(‥ )状況は大幅に改善されたけど
\−  漫画にせよイラストにせよ
    1枚3300円で描けとは
    きついですなあ
 
  (‥ )200冊売れたら
      6600円だ
 
 もしイラストを1日で描けて、なおかつそのイラストが掲載された1000円30ページの同人誌が200部売れたら、イラストに支払われた金額は総計で6600円だということになる。
 
 ∧∧
( ‥)これコンビニバイトの
    日給とほぼ同じじゃね?
    単純に稼ぐだけなら
    コンビニでバイトした
    方が良くね?
 
  (‥ )実際にはもっときついね
      1枚6600円の絵で
      日給6600円相当の
      稼ぎにするには
      そのイラストを1日で
      描くことが必要になる
 
 イラストは売れればいい、というものではない。単位時間あたり幾らで売れたのかも重要なのだ。駆け出しのイラストレーターはこれを見誤って餓死するのである。
 
 ともあれ、絵を1日で描く。
 
 それ自体は簡単だ。たとえば1ページまるまる、へのへのもへじを描けば良い。
 
 ∧∧
( ‥)全ページへのへのもへじを
    描いた同人誌なんて
    200部どころか1部も
    売れねえだろ
 
  (‥ )200部売れる絵を
      描くにはそれなりに
      時間がかかるってことだ
 
 確かにそれでも、下描きを描いて、ペン入れやベタ塗り、トーン貼りまでなら、1日ですませられる可能性はある。 
 
 ∧∧
( ‥)なおかつそれで200部
    売れた場合にようやく
    日給6600円になる
    しかもこれは印刷代など
    必要経費を無視した
    状態の話
 
  (‥ )ついでにいうと
      下描き以前に
      構想を練る時間を
      無視した計算だよね
 
 実際、以上のことが容易に実現できるというのなら、同人作家の皆さんは、準備期間無しに、30ページの同人誌を30日一ヶ月で描ける、ということになるはずだ。
 
 ∧∧
(‥ )だが現実はそうではない
\−
 
  (‥ )1ページあたりの
     構想に1日
     下描きとペン入れ
     仕上げに1日
     これですら
     突貫仕事もいいとこだが
     それで200部売れたら
     イラストへの支払いは
     1枚あたり6600円
     しかし
     1枚を描くのに
     構想を含めて
     2日かかっているから
     日給3300円ってことに
     なるね
 
 これはきつかろう。それに、この話は印刷代など必要経費を抜かない状態の話。それを考えたら。
 
 ∧∧
( ‥)2日で1枚描いて60日で
    30ページを作成
    その同人誌が400部売れたら
    イラスト1枚が
    1万3000円となり
    日給は6600円となる
    しかし印刷代などを考えれば
    現実的な利益を出すには
    さらにこの2倍ぐらいは
    必要ですかね
    800部とか
    1000部売れないと
    この条件を多分満たせない
 
  (‥ )逆に言うとさ
     1000部ぐらい売れないと
     イラスト1枚に5000円も
     費やせませんよ
     ということなんだよな
 
 でっ問題だ、1000部売れる同人誌ってどういうの?
 
 ∧∧
(‥ )話を聞く限り
\−  そうはないみたいですよねえ
    エロでなおかつ
    名の売れたごく一部の人だけ
    みたいだね
 
  (‥ )というか
      普通の商業書籍でも
      そうはないんだよな
      1000部を売るって
      大変なことなんだよ
 
 いやいやそれ嘘でしょ? 書店の書籍はもっと売れるでしょ? と言う人もいるだろう。もちろん売れるとも。

 しかし1000部が10年かけて売れたら、それは餓死というのだ。
 
 ∧∧
(‥ )1000部が10年かけて
\−  売れても
    それは年間100部の
    売り上げにしかならない
    支出という出血に
    収入の回収が追いつかない
  
  (‥ )つまり餓死
 
 
 もちろん、商業書籍は同人誌と色々と違う。印刷部数は多いし、その分、印刷代は相対的に小さいし、販路も広い。
 
 ∧∧
( ‥)とはいえ経済活動である以上
    出版界も
    この同人誌の例え話と
    同じ原理に従っている
  
  (‥ )それを考えると
      イラスト1枚あたり
      どうして
      3000円とか
      5000円という相場に
      なってしまうのか
      それが分かるよね
      これ以上払えないんだよ
 
 もしあなたがイラストレーターを雇って同人誌を作った時、30ページ1000円の同人誌が1冊売れただけなら、雇ったイラストレーターに支払える金額は1枚33円だ。

 *実際には印刷代など必要経費に回す分と、自分の取り分を入れなければいけないから、本当は1枚10円がいいとこだろう。
 
 ∧∧
(‥ )でも雇ったからには
\−  そんな失礼なこと
    できないよね
    せめて1枚5000円は
    支払わなくては
 
  (‥ )雇った側からすれば
      大赤字だな
      でも雇われた側からしても
      大赤字なんだよね
      イラスト1枚に
      5000円では
      まったく割に合わん
 
 イラストレーターを雇って1枚5000円を支払った場合、30ページの同人誌で15万円。表紙がカラーだからそれに3万を払って18万。
 
 18万と言えば結構な金額である。
 
 ∧∧
( ‥)それでも
   イラストレーターから見れば
   18万で白黒30枚の上に
   カラーの表紙1枚を描けなんて
   買いたたかれ過ぎにもほどがある
 
  (‥ )同人誌1冊を
      まるまる作ったのに
      支払われるのが
      一ヶ月の生活費だからな
      作るのに2ヶ月かかったら
      月収は9万
      3ヶ月かかったら
      これまた餓死ですね
 
 ところが雇った側からすればそれでも高い。だってそうであろう? 18万なんて金額、おいそれと出せるもんじゃない。
 
 イラストレーターに支払った18万の上に印刷代など諸経費を考慮して、それでもなお十分な黒字を出すには何部売れたらいいか?
 
 やはり500部以上、多分、1000部売れてようやくではないのか?
 
 ∧∧
( ‥)これはあくまでも
    同人誌を例にした
    架空の概算だけど
    原理は出版界も同じ
    これを踏まえると
    出版界における相場が
    把握できてくる
 
  (‥ )そして実は誰も
      幸せになってないという
      状況も見えてくるわけよ
      雇う側も雇われた側も
      不十分で
      文句ばっかり言ってる
      確かに雇う側は
      正社員ではあるけどな
      会社の収入自体は
      絶えず火の車よ
 
 そしてイラストレーターの立場に立っても状況は困難であること明白。

 1枚5000円のイラストで100万を稼ぐには200枚のイラストを描くことが必要で、イラストレーターとして100万の年収を確保するには365日の間に200枚のイラストの受注を確保しなければならず、それには3日に2枚のペースで描かなければいけない。
 
 年収100万を実現するにもこの状況。

 イラストレーターが年収を確保する際の課題とはこれなのだ。
 
 ∧∧
(‥ )それを考えると
\−  ほとんどのイラストレーターの
    年収が100万以下というのは
 
  (‥ )当然の帰結だよね
 
 
 

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