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2016年5月5日木曜日

あるいは大英帝国がそうであったように

 
 ∧∧
(‥ )アメリカの大統領選
\−  共和党の指名候補は
    トランプさんが確実
    だそうだね
 
  (‥ )遅かれ早かれ
      国民窮乏の声を受けて
      ああいう撤退的な
      選択肢が出るのは
      確実だから
      今のうちに
      トランプ議員が
      大統領やるべきだよねえ
 
 ∧∧
( ‥)大失敗してもまだ立ち直れる?
 
  (‥ )今のうちならな
      確かにアメリカは偉大だ
      大失敗しても
      失地を回復できる体力が
      今はまだ
      残ってるだろ?
      馬鹿をやるなら
      今のうちってことよ

 
 それに、日本もそうだったではないか。自民党はあきたから、取りあえず民主党にやらせてみようと考えて、そうして大失敗して、ようやく、ああ駄目だと今の道を歩み始めたわけで。
 
 ∧∧
(‥ )試行錯誤ってこういうこと
\−  だからね
 
  (‥ )日本はアメリカよりも先へ
      いっていて
      アメリカも日本の道を
      歩むんですよ
 
 ああ、だめだ、この道はだめなんだ。僕らにはあきらめの道しかない、そう覚悟を決めるには、まず、美辞麗句と理想を試し、それが挫折するのを目の当たりにしなければならぬ。
 
 あきらめの先に現実主義が待っているのである。
 
 
 ∧∧
( ‥)そうやってアメリカは
    直接民主制を形骸化させて
    立憲議会制とも言える
    存在になる
    真なる帝国の道
    軍人と官僚と世襲議員による
    大帝国への道を
    歩み始めるだろうと
 
  (‥ )とっ思っていたんだけど
      大英帝国みたいに
      覇権を自ら
      放棄してしまう
      可能性もあるんだよな
 
 
 おかしなもので、人類の歴史上、民主国家は大帝国を築いたことがどうもないらしい。

 ギリシャのポリスは結局、都市国家だったし、近代の民主国家は他国民をことごとく奴隷化させ、文化を破壊するだけだった。破壊と衰退をもたらすだけで、統治できないのだ。

 奴隷化と衰亡しか能のない主義。それが民主主義であった。

 そうしてついに大英帝国は真なる帝国になることはなかったし、所詮はユーラシアの島国の暴虐な略奪者だけでその歴史を閉じた。
 
 ∧∧
(‥ )真なる大帝国を築いた
\−  唯一の民主国家はローマだけど
    あれは共和制と言いつつも
    貴族による世襲議員制
    だからね
 
  (‥ )おまけに
      それじゃ駄目だから
      結局、独裁制に
      移行しちゃうしな
 
 あるいは見方を変えればこうである。オーストリア帝国もオスマントルコ帝国も民主主義の台頭と共にその統治を失い、あるいは西欧民主主義をまねて民族主義を標榜することで支配の正当性を失ったと。

 そして出て来たのは民族同士の果てしない殺し合い。
 
 ここから出てくる結論はたぶん、ただひとつ。
 
 ∧∧
( ‥)民主主義は統治能力が
    まったくないのであると
 
  (‥ )そもそも帝国統治に
      必要な一部の能力を
      ”同じ民族と文化”という
      大前提に
      丸投げしてるからな
      要するに
      言うことを聞く社員に
      負担を丸投げした
      ブラック企業と同様
      民主主義は
      無能だったんだよ
      事実
      イラク統治に失敗した
 
 民族のるつぼと自称するアメリカでさえ、所詮はホワイト・アングロサクソン・プロテスタント、略称WASPによる支配。つい最近まで事実上の人種隔離政策を敷いていた植民国家でしかない。一見すると多民族国家に見えるのは、先住民を抹殺して奴隷をつれて来た結果にすぎぬ。
 
 あるいはこうも言える。1000年殺し合いを続けた西欧で発展した火器はついに総動員という形で民主主義を復活せしめた。すなわち民主主義とは戦争の息子であり、大量破壊兵器なのであると。
 
 実際、だからではないのか? 民主化した国家はことごとく内乱状態に陥るであろう?
 
 ∧∧
(‥ )これは民主主義が持つ
\−  大量破壊兵器としての側面が
    強調されて発揮された
    結果であると見るべき
 
  (‥ )民主主義は統治能力が
      無い無能で
      危険極まりない
      大量破壊兵器である
      これを念頭に
      入れねばならぬ
 
 もちろん、人間の多くはこうは考えない。人間は古来より、歴史を発展するものと考えてきた。マルクス主義しかり、現代人の多くも、歴史は王国、帝国、そして民主制へと至り、そこで発展が完結すると考えているであろう。
 
 そして発展する以上、民主主義が善であると誤解しているであろう。
 
 あるいはこうである。

 ローマのようになぜ民主主義が帝政に取って代わられたのか?
 
 それは民衆が堕落したからである、そう考えてはいまいか?
 
 これは要するに、精神が物体を支配するというオカルト思考で、堕落さえしなければ会社の没落は無い、敗北は無い、と言っている間抜けな経営者と同じだ。
 
 ∧∧
(‥ )つまるところ
\−  歴史は発展しないし
    民主主義で世界が完成する
    わけでもないのである
 
  (‥ )今多分、世界が次の
      フェーズへ移行しつつ
      あるんだ
      民主主義も終焉を迎えうる
      そして次の世界が現れる
      それは
      我々の歴史の延長だから
      我々と似ているけども
      違う世界でもある
 
 
 言い換えれば、歴史は発展し、民主主義が最終到着点である、という世界観では未来もこれからも、何もかも見誤るだろう。
 
 あるいはこうである。
 
 ∧∧
( ‥)あなたはアメリカが
    立憲議会制へ移行して
    民主主義を事実上放棄し
    帝国になると
    思っていたけども
 
  (‥ )人間って保守的で頑迷な
     猿だからさ
     アメリカは民主主義に
     こだわってすべての覇権を
     自ら放棄してしまう可能性も
     十分にあるんだろうな
 
 
 大英帝国がそうであったように。
 
 

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