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2015年12月4日金曜日

お前の脳は食い過ぎのデブになる

 
 本を作る時、そこには方針というものがある。
 
 例えばこんな感じに
 
 自分では想像もできないような限りなく最底辺の馬鹿向けに作れ
 
 ∧∧
(‥ )...という方針には
\‐  多くの作り手が難色を示す
 
  (‥ )今から最底辺の人間向けに
      下品な下ねたを
      一発かましてください
      そう注文されるような
      ものだからな
      取りあえず言った奴を
      殺したくなるよね
 
 ∧∧
(‥ )でも正論でもある
\‐  少なくとも一面ではそうだ
 
  (‥ )読解力はピラミッド構造を
      しているからなあ
      そして何かを作る以上
      作る人間は消費者よりも
      ものを知っている
      つまり上位存在だ
 
 例えば、近所のコンビニの新配備のシャープコピー機がまったく使えないものであった。

 作った奴は馬鹿じゃないのか? と思うような代物なんだが、この場合とて、作ったシャープの人々や部品を製造、構築した下請けなどは、こちらよりもコピー機のことを分かっているには違いない。

 そもそも馬鹿だったら機械を作ることすらできないはずだ。本物の馬鹿は、部品とあまったネジを見て、あ〜? なんじゃ〜こりゃ〜、というだろう。そして事実、自分はコピー機の内部構造を把握してはいない。
 
 ∧∧
(‥ )機械としてはちゃんと動く
\‐  だから作った人間が
    消費者である僕らよりも
    物事や機械を
    把握していることは確かだ
    単に出来上がった機械の
    使い勝手が
    めちゃくちゃ悪い
    というだけでね
 
  (‥ )馬鹿だからというより
      お前らコピー機を
      使ったことないだろうって
      感じだったからな
      さもなきゃ
      ゼネコン業に
      慣れてないって感じだね
      古いシャープ製のは
      使い勝手が良かったからな
 

 かように作り手側が消費者よりも物を把握していることは事実である。

 本も同じこと。消費者の使い勝手を見誤ることはあるが、本を作る者はいかなる消費者よりもこの意味で賢い。
 
 それゆえ、冒頭の見解は正しいものとなる。
 
 本を作る時には、作り手である自分には想像もできないような馬鹿向けに作れ
 
 ∧∧
(‥ )世の中には漫画や絵本の
\‐  遠近感表現も理解できないのに
    子供向けに読み聞かせする!
    とかはりきる人もいるからね
 
  (‥ )ページごとに登場する
     生き物の大きさが変わるのは
     なぜだ? とか
     言っているのに
     絵本の読み聞かせをする
     こういう人間の
     存在を知った時
     俺は疑問が氷解したよ
 
 子供の時、読み聞かせにきた大人の読み方が、まったく我慢ならなかったことがある。本の読み方がめちゃくちゃなのだ。大人ってのは馬鹿ぞろいなのか? といぶかしく思ったものだが、それは正しかった。
 
 ∧∧
( ‥)世の中には漫画さえも
    読めない低能力者が
    ごろごろいるのである
    しかも心は前向き
 
  (‥ )想像しがたい馬鹿が
      実はうじゃうじゃいる
      そしてピラミッドの底辺に
      降りれば降りるほど
      消費者は増える
      ゆえにそこを狙え
      作り手である自分には
      想像もできないような
      途方も無い馬鹿が
      喜ぶようなものを作れ
      それが本を売る秘訣である
      そういうことでもあるな
 
 かくて、本の大部分はゴミかすのような代物にならねばならなくなった。そうでないといけないのだ。だもんだから、本を作る人間は読者を心底憎んでいることがある。

 それは当然だろう。お前たち馬鹿のせいで俺はこんなものを作らねばならなくなった! そう怒り憎み、軽蔑するのは当然だ。
 
 ∧∧
(‥ )でもそういう話をすると
\‐  怒り狂う人は多いよね
 
  (‥ )そういう奴に限って
      本を読める自分は
      頭が良いと
      思っているからな
 
 というか、そここそが狙い目なのだと言える。

 本を読んでいるのだから俺は頭良いだろう? そう考える人間向けに調整されたものを売りつける。

 それが何を意味するか明白だ。
 
 そして、この明白な事実を予見して結論できないとすれば
 
 ∧∧
( ‥)それはまさに愚かである
 
  (‥ )出版界は作るだろう
     なにをか?
     それは
     予見も結論もできない
     阿呆向けな商品だ
     それが量産される以上
     自分が手にした本の
     ほぼすべてがそれになる
     自分は読書家である
     つまりそれを
     大量摂取している
     では考えてみよう
     そんなものを
     大量摂取すればどうなるか?
 
 何が結論されるか? それは明白であろう? この明白さに気づかない時点で、お前の運命は決まったのだ。
 
 お前の脳は食い過ぎのデブになる。お前の理解も把握も見解も、そのすべてが無意味。
 

 
 そして以下へ続く=>hilihiliのhilihili: ゆえに、図書館で売り上げが落ちたとは嘘
 
 
 
 

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