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2015年12月26日土曜日

何度落選しても、失政しない限り私は帰ってこよう

 
 アメリカで大人気のトランプ議員。
 
 少なくとも報道によれば、
 
 我々の仕事を取り戻すのだ。中国から、メキシコから、日本から、あらゆるところから。我々の仕事を取り戻そう。そして我々の金を取り返すんだ!

"I'll bring back our jobs from China, from Mexico, from Japan, from so many places. I'll bring back our jobs, and I'll bring back our money"

 
=>I'll bring back our jobs from China, from Mexico, from Japan, from so many places. I'll bring back our jobs, and I'll bring back our money - Google 検索
 
 ∧∧
(‥ )...と
\‐  出来るわけないことを
    申し述べていますと

 
  (‥ )出来るわけがない
      だけど有権者に受ける
      つまりこれが
      アメリカ人が抱く不満だ
      だとしたら
      興味深いよね
 
 確かに、仕事を取り返すこと自体は簡単だ。時給は1ドル以下にすればいい。それからサービス残業すればいい。
 
 ∧∧
(‥ )たんに貧しくなるだけでね
\‐  というか過去の貧しかった
    時代よりも貧しくなるんだよね
    豊かになった分
    冷蔵庫やエアコンやゲームや
    携帯が
    いまや家庭にごろごろあるから
    その維持費を
    支払わなければいけない
    収入は下がったのに
    支出が増えたままだから
    ”物があるから貧乏”になる
 
  (‥ )仕事は取り返せるが
     金は取り返せん
     それなら仕事を取り返す
     意味もない
     これを踏まえて
     アメリカ人は
     何も分かってないじゃないか
     と笑うことは簡単だけども
     笑うことはできないよな
 
 例えば日本でもこういう世界観を持つ人がいる。外国に奪われた仕事を取り戻そう。そうして俺たちの金を取り返そう。


 そう思うのは、毎日サービス残業で無償労働させられている疲れた会社員かもしれない。
 
 あるいはそういう会社員を低賃金で搾取しているブラック企業の社長もそう考えているであろう。むしろ、ブラック企業の経営者は偉大な存在なのだ。低賃金で奪われた仕事を低賃金で取り戻した、実行者たちなのだから。

 この点では疲れた社員も社員をこき使う経営者も、トランプ議員と志は同じだし、目的も同じである。
 
 そしてトランプ議員と、議員を支持する有権者を愚かと笑う知識人もまた同じ。
 
 ∧∧
(‥ )トランプ議員を支持する人は
\‐  大卒以下の知性が低い階級だ
    とか言い立てる人も
    いるみたいですけど
 
  (‥ )そういう人たちを
      安くこきつかって
      勝ち組と称して
      ふんぞりかえり
      お前ら負け組は
      馬鹿ばっか
      比べて俺たち教養人は
      やっぱ違うよね
      冷静だよね
      とかあざ笑っている連中が
      言う事じゃないな
      共謀犯も同然だからね
 
 かように、トランプ議員のことを笑うことはできぬ。我々、皆同じ。この切実の声、聞き捨てることなどできぬ。この声を笑うことなど、どうしてできようか?
 
 ∧∧
(‥ )でも残念ながら
\‐  トランプ議員の世界観は
    間違いなのだよね
 
 
  (‥ )世界の富みが均衡状態へ
      移行しつつあること
      世界が平等に
      なりつつあること
      豊かな国は貧しく
      貧しき国が豊かになる
      この流れが
      分かっておらん
 
 世界が平等になるとは、世界中が不幸になる、ということである。
 
 豊かな国が貧しくなれば不幸になるし、貧しい国が豊かになっても、その豊かさはもはや大したものではない。平等という均衡点までしか上昇できないのだから当然だ。
 
 貧しい国が豊かになることは偉大な一歩ではあるが、その幸福度はたいしたものではない。
 
 ∧∧
( ‥)しかもこの状況においてもなお
    列強は戦争を
    継続しなければならぬ
 
  (‥ )経済を人為的に
      強制的に
      回さないといけないのだ
 
 国民を戦列に並べろ
 
 財産を強制的に供出させろ
 
 自発の名の下に、労働を無償提供させろ
 
 そして家庭を築き、子供を育て、人口を維持せよ
 
 まもなく、結婚、出産、育児は自由でも権利でもなくなる。それは義務となり、そして国家に対する納税になるのだ。

 まあ、もともと人類の社会はそういうものであった。つまるところ、歴史は一時の祭りを終えて、再びもとの場所へ復帰しつつある。
 
 
 ∧∧
(‥ )でもその前に
\‐  みんな一度は夢を見たい
 
  (‥ )日本だって
     自民党はどうして
     これが出来ないのか?
     もしかしたら我々を
     たばかっているのか?
     だったら一回
     民主党にやらせてみよう
     そうやって試してみて
     大失敗して
     それであきらめが
     ついたからな
 
 それを考慮すると、やはりトランプ議員は大統領になるべきである。
 
 
 ∧∧
(‥ )まあちょっと無理っぽいけど
\‐
 
  (‥ )次の大統領は
      ヒラリーなんだろうな
 
 ∧∧
(‥ )でもヒラリーさんは...
\‐  真面目そうだから
    つまらないことを
    するでしょうね
 
  (‥ )それが正しいし
      それが
      国家、国民のため
      なんだ
      だけどそれでは
      誰も納得できないよなあ
 
      
 そうである限り、第二、第三のトランプが現れるし、トランプ議員が大統領となり、その政策が失敗するまで、これが続くことになろう。
 
 
 

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