自己紹介

イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック

2015年12月10日木曜日

列強時代の時代遅れ

 
 最近、目にした言葉。
 
 安倍政権になってから自由に発言する機会が奪われつつあると思います。
 
 ∧∧
( ‥)要するに?
 
  (‥ )冷戦がついに終わり
      冷戦時代の思考は
      お払い箱になって
      僕は悲しいですってさ
 
 
 もちろん、冷戦はとっくの昔に終わっている。1991年にソ連邦が崩壊してから、今年は2015年。もう24年経つのだ。
 
 そしてやってきたのは、諸列強がしのぎを削る19世紀の再来だ。
 
 ∧∧
(‥ )冷戦が集結したその時
\‐  すでに19世紀への回帰を
    言った人たちは
    いたんだよね
 
  (‥ )とはいえ
      大部分の人間は
      それを信じなかった
 
 スパイ小説家は冷戦が終わったらスパイ小説はもう終わりだ、と訳が分からないことを言っていたし、アメリカ国民は有頂天になってバブルが発生、ついに資本主義は不況のない未知のフェーズに突入したとか言い出し、左翼のインテリはアメリカの一極支配! と唾棄とあきらめと不快の呪詛をつぶやいた。
 
 ∧∧
(‥ )こういう思考はいずれも
\‐  諸列強の均衡という
    世界観ではなかった
 
  (‥ )むしろ冷戦そのままだね
 
 そしてアメリカは有頂天になってイラクに攻め込み
 
 ∧∧
( ‥)一極支配はさっさと崩れて
    ついに諸列強均衡の時代
    なつかしき19世紀が
    地球に戻って参りました
    ここまで来るのに
    25年近く
    ほぼ一世代かかりましたね
    
 
  ( ‥)安倍っちが
    ‐/安保法案を打ち出すのも
      国民がそれを支持するのも
      すべては
      世界観が変わったことが
      原因だよな
 
 隣国同士は仲が悪い。日本と中国の仲が悪くなるのは当然。なれば軍事的な均衡で平和を保証しよう。
 
 平和とは最も成功した戦争なり。
 
 提案はなされ、それは選挙で支持された。
 
 良く言われる言葉があろう。

 民衆は愚かで衆愚ではあるが、実は意外と賢明に判断していると。
 
 ∧∧
(‥ )反対に冷戦時代の人からすれば
\‐  この世界は堪え難い世界である
 
  (‥ )冷戦の世界観
      冷戦の発想
      冷戦の理解見解意見
      これを口にすると
      皆に批判される世界に
      なってしまったのだ
      面食らうだろうね
 
 
 確かに、彼らの立場に立てば、これは堪え難い話ではなかろうか? 

 これまで普通に述べて普通に評価されてきた言葉や意見が、いまや皆から集中砲火を浴びるようになったのだから。
 
 ∧∧
(‥ )...でも意見を口にする自由は
\‐  あるわけだよね?
    実際、本人の主観であるにせよ
    言論が弾圧されてる!
    とか自分の感想を
    言えるわけだし
 
  (‥ )まあだから
      時代遅れさんたちの本音は
      僕の意見を
      受け入れる義務を
      皆が果たしてくれない!
      という
      我がままなんだがな
 
 意見を述べる自由があるのに、自由が無いという。それはなんのこっちゃない、自分の意見に”賛成させる”自由が無いと言っているにすぎない。
 
 これは裏を返せば


 私の意見が最高だ。これを受け入れるべきだ。なぜ受け入れないのだ愚民共!
 
 ということだ。
 
 僕の本が売れないのは読者が馬鹿だからです、と言うぐらいにこれは恥ずかしいことなんだが、これを言ってしまうところが人間らしい。

 あるいは、おっさんくさいと言うべきか?
 
 ともあれ、今の日本に言論の自由が無い、制限されている、という不満の声は、以上の文脈においておおむね理解できよう。

 ようするに彼らは時代遅れになってしまって、彼らの言葉に価値はなくなった。だから誰も評価しない。しかし彼らはこの状態を受け入れることができず、言論の自由が無いと、自分の我がままを民主主義の理念に昇華して、けばけばしく飾り立てて主張する。それだけの話。
 
 ∧∧
(‥ )この先どうしましょうかね?
\‐
 
  (‥ )さてね?
      俺も学生時代に冷戦が
      終わった世代でな
      列強時代は初めてなのよ
  
 ∧∧
( ‥)あなたも時代遅れの
    モデルだというわけですか
 
  (‥ )最新型だと言った覚えは
      ないなあ 
 
 とはいえしかし、どうしようか?
       
 
 
      

ブログ アーカイブ