公園へ散歩にいく。すると小道の電信柱の脇にうねうねした妙な模様があった。例えば誰かが傘の先で、乾いてホコリのようになった赤土に刻んだ。そんな痕。何気なく通り過ぎてから振り返る。
∧∧ なによ? 気になるの?
( ‥)
–(‥ )あんなにきれいに、
どうやって刻むんだい?
考えてみれば傘の先端ではないだろう。地面をひっかいた時に出来る、跳ね、のようなものがない。きれいで幅も深さも一定な溝だ。
見れば先頭に何か白い、平たいものがある。なるほどね、小石を指先で地面に押し付けるようにして描いたのか。
だが、それにしちゃあ、器用だな。それにそもそも意味不明だ。遊びにしては短すぎる。偶然にしてはきれいすぎる。
かがんでその白い小石を手にしてみると、それは
∧∧
(‥ )カブトムシというか、
゜– その系統の甲虫さんの
幼虫ですね。逆さです。
見えてたのはお尻の
腹面ですね。
上半身は土ぼこりの
下でした。
(‥ )ああ、そういえばこいつら
地上では逆さになって
背中の剛毛をとっかかりに
する感じで這い回るよな
どうやら段差のある場所で土から出てしまい。固い道の土に潜れずに立ち往生していたらしい。一応、まだ生きている。そやつを近くの朽ち木の下に埋めてやってから、カメラを持ってくればよかったと気がついた。
∧∧ でっ? 家まで帰りますか
( ‥)
–( ‥)めんどくさいが
やむを得まい。
ああ、先頭に幼虫がいる状態で撮影できたらよかったけども、ともあれ、こんな。

一部をちょっと立体写真ぽく撮影すると、こんな
∧∧
(‥ )改めて見直すと、
\– 知性を感じさせない、
そのくせ試行錯誤した
ような痕に見えますね
(‥ )生物の痕跡、それを
生痕と呼ぶけども、
色々な要因で色々な形の
ものが出来る。
それは学問になっているが
こういう生痕もあるのだな