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2013年6月6日木曜日

カブトムシ生痕

 
 
 公園へ散歩にいく。すると小道の電信柱の脇にうねうねした妙な模様があった。例えば誰かが傘の先で、乾いてホコリのようになった赤土に刻んだ。そんな痕。何気なく通り過ぎてから振り返る。
 
 ∧∧ なによ? 気になるの?
( ‥)
 –(‥ )あんなにきれいに、
      どうやって刻むんだい?
 
 考えてみれば傘の先端ではないだろう。地面をひっかいた時に出来る、跳ね、のようなものがない。きれいで幅も深さも一定な溝だ。
 
 見れば先頭に何か白い、平たいものがある。なるほどね、小石を指先で地面に押し付けるようにして描いたのか。
 
 だが、それにしちゃあ、器用だな。それにそもそも意味不明だ。遊びにしては短すぎる。偶然にしてはきれいすぎる。
 
 かがんでその白い小石を手にしてみると、それは
 
 ∧∧
(‥ )カブトムシというか、
 ゜–  その系統の甲虫さんの
     幼虫ですね。逆さです。
     見えてたのはお尻の
     腹面ですね。
     上半身は土ぼこりの
     下でした。
 
 (‥ )ああ、そういえばこいつら
     地上では逆さになって
     背中の剛毛をとっかかりに
     する感じで這い回るよな
 
 どうやら段差のある場所で土から出てしまい。固い道の土に潜れずに立ち往生していたらしい。一応、まだ生きている。そやつを近くの朽ち木の下に埋めてやってから、カメラを持ってくればよかったと気がついた。
 
 ∧∧ でっ? 家まで帰りますか
( ‥)
 –( ‥)めんどくさいが
      やむを得まい。
 
 ああ、先頭に幼虫がいる状態で撮影できたらよかったけども、ともあれ、こんな。












 
 
一部をちょっと立体写真ぽく撮影すると、こんな
 







 
 

 
 ∧∧
(‥ )改めて見直すと、
\–   知性を感じさせない、
    そのくせ試行錯誤した
    ような痕に見えますね
 
  (‥ )生物の痕跡、それを
      生痕と呼ぶけども、
      色々な要因で色々な形の
      ものが出来る。
      それは学問になっているが
      こういう生痕もあるのだな
 
 
 
 

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