こんな話。彼が言うにはアフガニスタンの友人と町を歩いていたら、行列があったという。好奇心旺盛な友人が聞いてみたところ、返事はToyであった。
∧∧
( ‥)たぶん、どうもフィギアかグッズの
限定販売っぽいと。
( ‥)友人は訳分からなかった
らしい。
∧∧
( ‥)無駄なことにお金を費やすのは
良いことでもありますよ。
(‥ )そうだな、ただ、そこに
チャンスがあるのか?
という問いは残るものだ。
なぜかというに、問いに答えたその人は、理路整然と答える力と頭がある一方で、私はこのような企業に入って、何歳で結婚して、という人生設計というか未来予想図を語った、からだそうな。
∧∧
( ‥)冗談かもしれませんけどね。
( ‥)だが、額面通り受け取ると
非常に興味深い。
そこには安定な企業があって、そこに入り込めさえすれば設計が立てられる、という前提がある。例えばの話、就職できない奴は人生負け組確定って、そういう前提に基づかないと成立しない。
∧∧
(‥ )でも、ネットとかを見ていると
\- 既得権益崩壊しろ、とか
老害は死ね、とかそういう言葉が
踊るのですよね。
(‥ )チャンスは欲しい、だから
混乱が起きてほしい。
でも自分は
安全地帯にいたい。
正直であり、当然でもある。
しかしそれと同時にこうでもある。
∧∧
( ‥)未来が確定的に衰亡しても
企業なら大丈夫だ、あるいは
設計できる程度には安泰だ
そういう前提ですね。
(‥ )滅びを真剣には見据えていない
そういうことかもね。
まあ、あれだ、そう思っているのなら、生きているのか、死んでいるのか、やぶれかぶれに八つ当たりな犯罪を犯すのもしないのも、それで捕まるのもどうでも良い、そう思う人が現れるのも当然か。
∧∧
( ‥)あなたたちは、本来、
そういう設計には
なっていないでしょ?
( ‥)本当に命に危険がある状態ではな
生きていることと死んでいることを
あるいは、失敗した人生と
人生を失敗することを等価だ
なんて思わないもんさ。
本当に危険がせまると、まず体が逃げ出す。頭で押さえつけて表情にすら出ていなくても、筋肉がどうしても緊張する。
言い換えるならば
∧∧
( ‥)つまりみんな危機感を持って
いないのですよね。
(‥ )だから生きていることと死んでいること
失敗した人生と人生を失敗すること
既得権益の崩壊と既得権益の安住が
等価に語られている。たぶん、そう。
まだ安定で安泰だ、と本気で思っていないと確かにこれらは区別できない。
∧∧
(‥ )チャンスはリスクと共にあり
\-
(‥ )しかり、尻込みするチャンスは
恐怖であるよ。足は震え、
飛び出すこともできない。
∧∧
( ‥)しかしリスク近づく。
業界の縮小と崩壊、再編進行。
(‥ )口角が歪んでしまうさね。
さて、人生設計ができるほど、そこは安全か? 人生設計ができたらそれは本当に安全か? 人生設計に成功した、と思うのは良いが、それはただの前提ではないのか?
∧∧
( ‥)そんなことは知っている
滅びが確定的だからこそ
安定を求めるのだ。
(‥ )しかし、その選択肢。
安定が存在することを
前提にしている。
本当にそんなものがあると思うかね?
∧∧
( ‥)その選択肢は消去法であった、
比較的まし。
(‥ )消去法の前提が正しい時、
比較的ましは正しい。
しかし、そうでない時、どうなる?