*の続き
(‥ )分かった!! アダルティーな本が
- 大人向けの本だよ!!
∧∧
( ‥)まあそうですけどさ...
しかし、人間の本質は(本質って言葉は嫌いだけども)、それはエロにあり。
∧∧
( ‥)でも、エロを露骨に出すと
敬遠されるのですよね。
( ‥)隠れてエロを楽しむくせに
-□ 社会的ステータスを気にするのな。
まあ、しょうがないことだが。
社会的ステータスどころか、親父がエロ本を堂々と読んでいたら家族内における立ち位置とその地位を揺るがしかねないことであるので、当然と言えば当然。
してみると、実際、エロエロな科学本(物理でエロエロとか)を出しても、売れるとはあまり思えない。
∧∧
( ‥)萌え萌えが限界では?
( ‥)萌えかあ、やっぱり萌えなのかあ。
-□
大人には、確かに自分の欲望を発散するためにこそ、社会的な理由や言い訳を用意してやらないといけない。
(‥ )以前、ベストセラーになった小説が
映画化されてなんとなく見たら
仰天したよ。ようするに不倫相手と
妻と主人公を追求する美人検事と
不倫相手の不遇の子供(小学生)に
主人公が受け入れられて
もてもてになるという話だった。
∧∧
( ‥)なんのこっちゃない、主人公が
色々なタイプの女性からもてまくり、
ハーレム萌え物ですよね。
一応、純愛を貫くのだ、という体裁になってはいたが、その時、確かに思ったのである。文学とライトノベルの違いは体裁をつくろっているか、”あまり”つくろっていないか、それだけだ、と。
∧∧
( ‥)ようするに文学ってのは
大人に優しいライトノベルだって
ことですかね。
( ‥)小難しい文章でしかめっ面で
-□ 読める、つまり大人の社会的な
ステータスを満足させるように
取り繕ったライトノベルだと
思えば、多分、近似だ。
考えてみれば当たり前なのだ。子供から大人になる。特に思春期以後では欲望の強さは変わっても、欲望の方向性は基本、変わらない(変わるわけがない)。変わるのは社会的地位、それだけだ。
∧∧
( ‥)そこを考慮して工夫してあげるのが
大人向けの本ということですかね。
( ‥)大人向けの科学かあ、
-□ なんかさ、萌えをいれないと
本当にただの小賢しい本に
なっちまいそうだよな。
科学は人間の欲望とはいささか違う場所にある。それはむしろ判断とサバイバル術に関連している。性淘汰などは欲望に直結するが、実はむしろ欲望を説明するものだ、とも言える。
本の世界では、どっちかというと科学は知識欲の範疇として扱われるように見えるが、実のところ知識を集めるというよりは、理論のテストが科学であることからすると、科学は知識欲とはいささか異なる。
∧∧
( ‥)すると科学を大人向けに
真面目に書くというのは
(‥ )本来は理論の成立と検証を
説明するべきなのに、それを
知識の収集に特化した、
小賢しく難解で混乱的な
単語で羅列することなのかもね
ああ、そういえば大人は「...であるらしい」「...と考えられている」、と書かれていると、彼らは時々言うのであった。つまりまだ分かっていないんだね、と。
∧∧
( ‥)確定された知識を覚えたいという
欲望の素直な発露ですか。
( ‥)そういうのって困るよな
-□
知識欲ってのはむしろ科学の敵じゃないのか? 体面を取り繕う人々に受け入れやすいように科学を紹介するのはまずいことではないのか?
実際、知識人がしかめっ面で読んで絶賛した今西錦司に科学的、生物学的な業績は事実上、皆無であるし、進化論を分かった気になったじーさんたちが重宝するグールドは間違いと敗北した理論だらけで、しかし、彼らはむしろドーキンスを嫌う。知識欲と文学者、読書家のために取り澄ました大人向けの本を出すのはかように危険だ、情報の汚染が拡大することは明白である。
∧∧
( ‥)それよりは萌え萌えで釣って
説明した方がいいかもと?
(‥ )そっちの方が健全で
効果的ではないかな。
大人はいかに取り繕っても、しょせんはエロなのである。