自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2018年1月17日水曜日
水没する世界でどう浮かぶ?
この世界では有象無象、様々な記事が自動的に自発的に大量に生産されている。
ただし、それらは家庭内、友人内、サークルや内輪の会合で語られるのみで、そして消えていた。
これゆえ、皆が手にできる記事は大量生産されて流通する雑誌や本で目にするものであり、当然、有料であった。
∧∧
(‥ )ところがネットの出現で
\‐ そうした記事に皆が自由に
アクセスできるようになった
(‥ )こうして記事が有料である
時代は終了したわけよ
さて、これ自体はくだらない記事が本来の価格である0になった、というだけのことでしかない。
だけのことでしかないが、これを失ったために出版業は大きな利益を失った。
∧∧
( ‥)そして大きな利益を失うと
それまでその利益で
下支えされていた
水面上の部分が
水没し始める
( ‥)今、日本の本のレベルは
‐/ 下がってしまって
いるのよねえ
もちろん、大部分の人間はこんなことには気がつかない。そりゃ当たり前の話で、僕らが普段目にしている本は水面下の下支え部分だ。その容積がちょっと縮まったぐらいでは、何もわからない。以前よりは縮まったが相変わらず大きいですね、と思うだけである。
∧∧
(‥ )でも水面上に出ている部分は
\‐ あっぷあっぷというか
もはやごぼごぼごぼだよね
(‥ )英語圏は日本語圏よりも
消費者の分母が大きいから
まだあっぷあっぷで
すんでるように見えるけど
日本語圏の本の
最上位部分は
ごぼごぼごぼごぼだな
端的に言うと、日本の知的レベルは英語の本を読まないと維持できない状況に陥ったということである。
まあこれ事態はもともとそうであった。英語圏の方が分母が大きい以上、どうしてもそうなるのだ。大学の教科書はしばしば翻訳か、さもなければ原本であることはよく知られていよう。そもそも教科書の元になる論文がほぼ英語だし。
日本語だけで日本の知的レベルを維持できないことは自明である。
∧∧
( ‥)ただし事態は以前よりも
深刻化してしまった
わけだね
( ‥)この先
‐/ 日本でまともな本を
出すとしたら
学会が大号令を発して
教授たちに無償で
本を書かせるしかないな
というか、事実上、すでにそうなっている。以前出た某大事典、これはほぼそれに近いものであった。
∧∧
(‥ )しかし今時の研究者は
\‐ 雑用に追われて忙しいと
言いますぞ
(‥ )暇人もいるけど
暇な研究者は大概
業績も作れぬ
ゴミかすだからな
そんな連中に
本なんか書かせられん
とはいえ、いずれ次のことが要求されるようになるだろう。
学問に殉じよ。研究者であるならば、お前の命を差し出せと。
∧∧
( ‥)さもなければ
(‥ )例えば漫画でも描いて
それで儲けた金で
真面目な本を
書くしかないなあ
漫画で儲けたお金で学術書を出すとか、編集者はいいますけど、そんなに学術書が売れないのなら一冊、1万とか2万で売れば元が取れるじゃないですか。とかのたまう漫画家もいるが、それは出版業界にいるのに本を知らぬというのだ。学術書で1万、2万なんて当たり前だし、1万、2万なら安い方であること、知る人なれば知って当然のことである。
そして事態はそれをもってしても補えないところにきているし、それが分からぬとは底が知れている。
∧∧
(‥ )漫画ばっか描いて
\‐ 本を読んでないってこと
ですかな?
(‥ )プラトンを見れば
わかるが
脳内で考えたことだけで
理解を完結していると
漫画家だろうが
作家だろうが
哲学者だろうが
科学者だろうが
理解が狂うぞな
理解することが課題なのではない。調べて現実に取り組むことが課題だ。
∧∧
( ‥)でっ? この現実に
どう取り組む?
( ‥)そーさのー
‐/
つまり、水没する世界でどう浮かぶのか。なんとするや?
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