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2015年5月18日月曜日

宇宙人よりも宇宙アリクイの方が存在確率は高い

 
 ドレークの方程式というと銀河系に存在する恒星の数に様々な要因の割合を掛けて、人類以外の知的生物の数を導きだすものだった。

 ∧∧
(‥ )惑星を持つ恒星の割合
\‐  それが地球型惑星である割合
 
  (‥ )でもそんな要因は
      誤差なんだよな
      惑星はぞくぞくと
      見つかっているし
      二重星でも惑星があるし
      液体の水が存在する
      惑星の確率が
      10分の1なのか
      1000分の1なのか
      そんなのどうでも良いよね
 
 銀河における恒星の推定数2000億。地球のような惑星が200億個あろうが20億個あろうが、どうでも良い話である、無数という点では同じだ。
      
 生物が進化する確率も同様だろう。自己保存で得点の高い奴が数を増やす、この自然選択の原則に照らせば、無機物から有機生物の誕生は必然、かつ、一旦始まれば加速される。

 つまり生物の誕生の確率もどうでもいい話だ。1に近似だろう。
 
 ∧∧
( ‥)問題は知的生物が誕生するか
    そこにかかっていると
 
  (‥ )実はさ地球の歴史を見れば
      分かることだけれども
      知的生物が出現する確率
      よりも
      アリ食に特化した生物が
      出現する確率の方が
      圧倒的に高いのだよな
 
 現在の地球だけでもツチブタ、アードウルフ、センザンコウ、アリクイ、フクロアリクイ、フクロモグラなどがいるのである。いずれも全然別系統から出現している。この時点でアリ食動物の出現確率は、知的生物の出現確率の6倍である。
 
 ∧∧
(‥ )これをものすごく
\‐  単純化すると
    別の惑星にいった時
    知的生物を発見するよりも
    はるかに高頻度で
    アリクイを見つけるってこと
    だよね
 
  (‥ )アリクイはアリがいないと
      出現しないけども
      アリに該当する動物は
      最低でも2系統いるよね
 
 つまりシロアリとアリだ。シロアリはゴキブリだし、アリはハチである。昆虫には他にも社会生活を送るものがいるから、アリを真社会性を持つ小型動物という意味でとらえるのなら、確率はもっと高いだろう。
 
 ∧∧
( ‥)つまり他の惑星にいった時
    知的生物を見つけるよりも
    アリを見つける確率の方が
    やはりずっと高い
 
  (‥ )進化は獲得点数の高い奴を
      保存する過程だ
      だから獲得点において
      すぐれている存在は
      進化で何度も再現される
 
 小さいが一カ所にたくさんいる群生生物、つまり”アリ”を食べることに特化する。これは獲得点数の高い立ち位置だ。そうであるから地球生物の進化において、アリクイとそれに類似のものは何度も再現された、そういうことだろう。
 
 ところが、人間はたった1回しか出現していない。
 
 これはつまり
 
 人間はアリクイと比べて存在が非合理なので進化では再現できない、そういうことに思われる。
 
 ∧∧
(‥ )ゆえに他の惑星にいった時
\‐  宇宙人を見つけるよりも
    宇宙アリクイを
    見つける確率の方が
    圧倒的に高くなる
 
  (‥ )こんなことはみんな
      無自覚には
      知っているんだ
      他の惑星を描いた絵では
      宇宙人は出てこないけど
      色々な動物が出てくる
      からね
 
 だがおそらくそれは誤解でもあったのだろう。

 そういう絵の背景にある理解とは、万物の霊長である人間は容易には再現できないに違いない。だから宇宙人とはまれな存在なのだ、そういう思い込みがなかったか?

 だがそれはあからさまに間違いである。

 人間は進化では再現できない不要、非合理な存在である

 そう考えるべきだったのだ

 ∧∧
( ‥)つまりドレークの方程式は
    最後の方で確率が
    急減してしまうだろうと
 
  (‥ )生物が存在するまでは
      銀河の星の10分の1とか
      100分の1とかだけど
      知的生物が出現する確率を
      入れた瞬間に
      そこから一気に
      1万分の1とか
      10万分の1
      あるいはそれ以下になって
      しまうんじゃないかな
 
 まあ、それでも銀河の恒星の10万個にひとつ、あるいは1000万個にひとつとか、そのぐらいの割合で宇宙人のいる星がある、そういうことにはなろう。
 
 しかし、人類の歴史は系統としては400万年あまり続いているが、文明を作ったのはここ1万年。ホモ・サピエンスに限っても、短く見て20万年の歴史の中で長く見て1万年間だけだ。
 
 ∧∧
(‥ )だから文明をもった
\‐  知的生物の割合を掛けたら
    文明を持つ星は
    200万個に一個とか
    40億個に一個とかに
    なっちゃうね
 
  (‥ )文明の存続も厳しいよなあ
      そもそも地球の現代文明も
      石炭紀の陸上植物に
      由来する石炭と
      白亜紀の
      海洋プランクトンに
      由来する石油に
      依存しているわけだからね
 
 言い換えれば、石炭紀と白亜紀がなかったら、現代文明は存在しないか、あるいはもっと規模が小さくてもっと寿命が短かったはずだ。
 
 同様に、別の惑星で知的生物が出現しても、彼らは人類の歴史の大半がそうであったように狩猟動物で終わるかもしれないし、文明は築いたが白亜紀が無いために産業革命に至らないかもしれない。
 
 ∧∧
( ‥)そうして数十万年後に
    進化的な合理性を
    持たないがゆえに
    知能を失って
    しまうかもしれない
 
  ( ‥)電波を放つ異星人は
    ‐□ 地球外生物発見の
      確実なひとつの手段
      なのだがな
      存在が0に近似である以上
      見込みの無い手であろうな
 
 
 一方、宇宙アリクイは、こちらは実在してはいるのだろうが、探しにいくのが無理である以上、観測することができないのであった。
 
 
 
 

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