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(‥ )平方根の根って
\− あれはなんで
根っていうの?
(‥ )英語のrootを
翻訳したんだろうけど
そもそもなんで英語だと
rootって言うんだろうな?
平方とは英語でsquare つまり正方形。
古代メソポタミアで発達した数学が古代ギリシャに伝えられて、そこで幾何学偏重になって以後、数学の思考は幾何学的になった。だから二乗という本来は単なる計算過程でしかない動作が、正方形という図形になってしまうのは理解しやすい。
しかし、それゆえにこそ、平方根という呼び方が異様なのである。
∧∧
( ‥)正方形の面積は辺の二乗
だとすれば
正方形の辺こそが
平方根なのに
なぜ辺って言わんのよ?
( ‥)調べたんだが...
−/ んー
どうも最初は
実際に”辺”を
使ってたみたいだ
ラテン語のlatus 脇腹、側面という単語をもともとは平方根として使っていたようである。
9のlatusは3である。
こんな感じで。
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(‥ )ところがあれだ
\− より進んだアラブ世界から
数学を輸入した時に
アラビア語で根を意味する
ジャズル(Jadhr)が
入ってきて
それがlatusに
取って代わって
以来、”根”になったのだと
(‥ )9世紀のアラブ人数学者
フワーリズミーは
二次関数を解く時に
ジャズルを未知数の意味で
使ったみたいなんだが...
話を聞くに、フワーリズミーは、今の我々がXの二乗というところをそれ専用の単語で呼び、Xである未知数はジャズル(根)と書いたので
∧∧
( ‥)ああその書き方だと
58=100+2xx-20x
という公式は
”58に等しいのは
100に平方の二倍を加え
そこから根の20倍を
引いた数である”
”なお付記すると
根の二乗が平方である”
という表現になるか
(‥ )こういう書き方だと
未知数のxである
ジャズル(根)が
まさに平方根に
なるよね
平方根が”根”という一見するに奇異な表現になったのは、こういう歴史的経緯があるらしい。