自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2018年5月9日水曜日
惑いの時間 再び
ネットで作者を募集する。
∧∧
(‥ )単に書きたい人は書いて
\‐ と言うだけの話
(‥ )それでも我こそは
と思うやつは
ごろごろおるよ
まあコンテンツ作成の
外注ですね
ネットで読者に校正をお願いする
∧∧
(‥ )単に誤字脱字を見つけたら
\‐ 指摘できる仕組みに
しただけだがな
(‥ )編集の外注ですね
そして売れたら? そりゃあ読者と仲介した経営者が利益を共有すればいい。
さて、この構図で見えるものは何か?
∧∧
( ‥)編集者切り
著者切り
( ‥)さらに言えば
‐/ デザイナー切りでも
あるな
マッハ書籍をtwitterで検索かけたら、このマッハ書籍なるものはロゴが悪すぎる。デザインとしてダメすぎる、というツイートがあった
∧∧
(‥ )でもこれって逆に言うと
\‐ デザイナーが
必要とされなくなった
わけだよね
(‥ )素人はデザインを
さほど気にしないからな
確かに世の中、ちょっと勘弁してくれよ、と思うものを作る人もいる。
情緒不安定なのか脳に変調があるのか、強調したいから一文字一文字別の色にして、しかも原色を使うとか。目が痛いとかじゃなく脳が痛くなるようなやつ。
そういうのは確かに論外だが、論外は少ないものだ。大概は誰がデザインしても大して変わらんし、誰も気にしない。
∧∧
( ‥)要するに今、出版は
編集者もデザイナーも
著者も切り捨てようと
しているわけだ
(‥ )より単純化していうと
ヒット作が出ても
その成功で支えられる
人間の数が
わずかになってしまった
そういうことだな
本を読む人はいるのに、なぜ出版業は苦しいのか? そう疑問を持つ人もいるが、多分答えは単純。
∧∧
(‥ )単純に業績が良かった時代に
\‐ 入ってきた人たちが
市場の縮小でだぶつき始めた
だけだよね
(‥ )だから人を切って
リストラすれば
出版業は別に普通に
存続できるんだよ
とはいえ、首切りは容易なことではない、某出版社はこの時のためだったのだろう、給料ではない手当を削ることでなんとか状況を切り抜けたことがある。
∧∧
( ‥)給料を削ると契約違反やら
労使交渉やらの問題に
発展するけど
手当だと会社の好意
付け届けみたいなもの
ですから
削減することができる
しかもそれがかなりの金額
給料自体をなるべく上げないで
この日のために
手当で擬似給料を作ってきた
甲斐がありましたな
( ‥)でも首切りはできなかった
‐/
首切りができない。つまり限界なのだ。
さてもさても、それを考えると例のマッハ新書というやつ、狙いは極めて正しいはずだ。つまり、著者も校正も編集も外注。そしてデザイナーは処刑。この狙いは今の状況下ではかなり正しい。
あとは飽きられる前に無数の挑戦者の中から売れる作品が一点出れば良い。
∧∧
( ‥)飽きられる前にね
(‥ )本なんてほとんど全部
ゴミカスなんだ
どれも売れやしない
俺が本を出せる
チャンスだ! と無数が
挑戦してくれる間はいいが
ちっとも売れないと
わかると
どいつもこいつも
逃げ出しよる
だが、逃げられてしまう前に、ブームが冷えてしまう前にヒット作が出れば、後がつながるはず。それさえできれば軌道に乗れるだろう。
∧∧
(‥ )でもそこまでしても
\‐ 編集もデザイナーも
著者も養えない
そんな余裕はないと
踏んだわけだね
(‥ )厳しい見解だが
現実だし賢明だろうな
∧∧
( ‥)賢明ね...
そこまで評価しているのに
それでもあなたはこの手の
商機にはちょっと手が出せない
( ‥)これは小難しい言い方を
‐/ すればだよ
状況が非対称なんだ
例えばマッハ新書などのことを考えて見る。ヒット作を飛ばしても養えるのは主催者たち程度。
だが、主催者からすればこの状況は十分な利益である。問題ない。
参加したいと思っている無象無象の著者たちも利益がある。今が0だから本を出せるとなれば売り上げが100円でも黒字気分になれるはず。
∧∧
(‥ )でも今、仕事を抱えている
\‐ 人間からすれば
なんの利益にもならない
ただの赤字である
状況のこうした非対称性が
各人の反応に違いを
与えるのである
(‥ )当たり前だけど
マッハ新書に対する
twitterの反応は
露骨にそれが出ておる
マッハ新書を次々に買いながらひたすらダメ出しをする作家
フォントから色から何から何までまったくダメだとロゴにダメ出しするデザイナー
面白い! と飛びつく素人
すべての出版社は潰れると煽る主催者
∧∧
( ‥)まあ当たり前の反応だな
それぞれの損得に応じて
脳が反応しているだけだ
赤字なら否定的
黒字なら肯定的
( ‥)でっ、俺の置かれた状況は
‐/ あれだ
駆け出しの頃の
バイトと本業の両立が
難しくなってきた時の
感じに似ているな
バイトから本業への移行。これは、自分が持つ有限時間を分割し、それぞれの時給をそれぞれ掛け算して足すことだ。
これ、計算するとかなり難しい判断を迫られることが明らかとなろう。
∧∧
(‥ )片方が片方にしわ寄せするから
\‐ どっちも中途半端になったり
片方に力を集中すると
生活が危うくなったり
本業を放棄せざるをえない
ことが起こる
(‥ )あの時の感じに
よく似てるよ
今の収入を手放せないが
新天地を確保しないと
先細りだぞという
惑いの時間だな
さてさて、またもやってきた惑いの時間。懐かしい感じは良いにしても、これをどう切り抜けるのか? なかなか先が見えぬ。
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