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2018年5月30日水曜日

大手出版もプロダクションも研究者も使えないってことは自覚しろ

 
 ∧∧
( ‥)まあなんといいますかね
 
  ( ‥)コンビニで売られていた
    ‐/ 地球の歴史の本に
       ダーウィンの進化論は
       間違っている
       と書いてあった件
 
 まずこの大手出版社、以前、編集と話をした時、以下のようなやりとりをした会社だ。
 
 今時の子供は科学に興味ないんですよ。ロケットの本を作っても誰も買わない。
 
 ぱらぱらとロケットと宇宙の図鑑を眺めて、違和感を感じて尋ねる
 
 ロケットが飛ぶ原理って知ってます?
 
 ∧∧
(‥ )尋ねると相手の目が泳いだので
\‐  あなたは話題を変えた
 
  (‥ )大手出版はバブル期に
      吊り上げてしまった
      正社員の給料を守るため
      外注ばっかりしてるから
      もう自分で
      仕事していないからな
 
 ぱらぱらめっくったロケットと宇宙の図鑑の何がおかしいって、上っ面のことだけ書いてあって、原理が書いていないのだ。
 
 そしてロケットが飛ぶ原理を編集が説明できない。これは彼ら自身が本を作っていないことを示している。大手出版社は下請けの編集プロダクションに依頼するだけで何もしていない。
 
 ∧∧
( ‥)でも、もしも外注を受けた
    編集プロダクションが
    しっかり仕事をしていれば
    ちゃんとした本が
    できていたはず
    
 
  ( ‥)だがそれは無理なんだ
    ‐/ 外注の利益のある部分は
       発注元の
       正社員たちを養うために
       使用されてしまう
       だから
       編集プロダクションは
       安い利益で次々に
       自転車操業を
       余儀なくされる
 
 さらに編集プロダクションはサイエンスライターに仕事を発注する。
 
 つまり関わる人間が増える。そして関わる人間が増えていくたびに利益は減っていく。サイエンスライターにまで仕事がきた時には、もう生活できない原稿料になっている。
 
 この条件下において、サイエンスライターは論文や教科書や専門書を読むことができない。そんな時間も予算もないだからだ。できないというよりも原理的にも理論的にも現実的にも不可能なのである。
 
 必然、読みやすいほかのサイエンスライターが書いた一般書を慌てて読んで、よく分からないままに分かった気になってひたすらコピーする作業が繰り返される。
 
 ∧∧
(‥ )こうして間違った内容の
\‐  伝言ゲームが延々と
    続くことになる
 
  (‥ )日本には昔
     ダーウィニズムを
     全然理解できていない
     大御所サイエンスライターが
     いてだな
     彼の影響を受けた
     編集プロダクションが
     延々と間違った内容を
     生産しているんだよね
 
 そしてこの編集プロダクション。上記の出版社からよく仕事をもらっている会社だ。
 
 こうして延々と進化論は間違っているという間違いが生産され、それを他のライターが延々とコピーする事態となったのだ。
 
 ∧∧
(‥ )そして昨今の出版事情で
\‐  編集プロダクションが
    置かれた状況は
    さらに厳しさを増している
  
 
  (‥ )冒頭の大手出版から
      外注を受けた
      プロダクションから
      仕事の依頼が以前あってさ
      当時、別案件と
      ぶつかってて
      断らざるをえなかった
      仕事だったんだけど...

 
 だがそこで聞いたのは、編集プロダクションの自転車操業も、もはや限界だという現実であった。次々に仕事を引き受けて、そればかりか自分たちで企画を立てて大手出版に提案して本を出している。そうして利益を作るのだが、利益の多くを大手出版の正社員に取られて、作業部隊である自分たち自身は自転車操業で粗製乱造状態。
 
 悪く言うと、大手出版社は下請けから提案された企画にハンコを押すだけのピンハネ屋に成り下がっているのだ。
 
 ∧∧
(‥ )もう大手は仕事してないし
\‐  大手の正社員を飼育するために
   下請けが自転車操業になって
   自分たちが作っているものが
   なんなのかすら理解できずに
   作っている状態
 
  (‥ )これ本に限らず
      あらゆる分野で
      多かれ少なかれ
      起こっている事態なのよね
 
 あらゆる分野で起こっている。
 
 つまり、今や研究者に監修を頼んでも本の内容は担保できなくなっている。まず金がないから雇えない。それに研究者ももはや論文を読んでいない。というか最新の論文と教科書を読んで知った気になっているだけで、実は過去の論文を知りもせずに堂々と

 ”そんな話は初めて聞きました、独創的すぎます、それは間違いです!!”

 とか言い出す有様である。
 
 ∧∧
( ‥)そりゃ過去の論文なんか
    読まんだろうよ
 
  ( ‥)90年代の論文も
    ‐/ 読んでないんだよな
       もう研究者すら
       本を書く時には
       信用できねえ
 
 もちろん、90年代、80年代に若くて今は60代、70代でばりばり現役という人ならばよく知っている。50代でもそういう人はいるだろう。実際、この手の人には最近お世話になった。そして確かに、この手のちゃんとした人ならば半世紀前の基本的な業績も基本的な理解も哲学もきちんとよく理解しているが

 
 ∧∧
(‥ )この手の大御所に
\‐  監修を頼む金がもはやない
    というかその立場の人は
    企業で言うと部長クラスで
    最前線に出れる状態では
    ないよね
 
  (‥ )若い研究者は
      過去を知らんし
      金が足りない
      大学が無能だ
      日本社会はダメだと
      ぴーぴー喚くだけだしな
      もうどうにもならん
      研究者ですら役立たずに
      成り果てているのが
      今の出版事情なのさ
 
 とっ...なると手はもはやひとつだ。自分一人で全部やれ。
 
 ∧∧
( ‥)そしてそのためには
    金儲けが必要だ
 
  ( ‥)ほっほっほー
    ‐/ これが一番難儀だぜー
 
 
  

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