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2018年5月4日金曜日

誰も再生産を目論んでいない

 
 ネットは書籍と比べられて叩かれるけど、なんでなの?
 
 こういう意見は時折見る。
 
 ∧∧
(‥ )なぜでしょうね?
\‐ 
 
  (‥ )先に言ったように
      専門知識の継承に
      失敗したからだろ?
 
 出版界は有象無象のゴミカスみたいな本を売りさばいて、その売り上げから価値あるものを作り出した。
 
 ネットはそうではない。
 
 ∧∧
( ‥)要するにお金の使い方が
    違っているのだと
 
  ( ‥)ネットも書籍も機械文明に
    ‐/ 支えられているからな
       機械と産業、工業
       それを支える
       専門知識の
       維持伝達に
       利益を還元せねば
       義務を果たしたことには
       ならない
 
 出版界はこれに関して、まあなけなしというか、最低限度の役割は果たしてきた。
 
 もっともこれは終わりである。ネットの成長で金の流れが変わって、出版界にもうそんなことをする余力はない。
 
 一方、ネットはそもそもこういうことをまったくしていないようである。
 
 ∧∧
(‥ )個人が知ってることを
\‐  書いてる程度ですかね
    そして
    it企業はそういうことに
    なんの成果も上げていない
    ように見える
 
 
  (‥ )it企業はインフラ屋さん
      単純に言うと
      パイプ屋さんなんで
      パイプを使ってもらう
      ことに興味はあるが
      何を伝えるか? には
      なんの興味も持たなかった
      そういうことじゃね?
 
 
 そして多分これには、電子情報には価値がない、という人間の心理も働いているんだろう。
 
 ∧∧
( ‥)ネットの黎明期
    これからは
    専門家や現場の人間が
    質の高い情報を
    自発的に発信するから
    質の良い情報がタダで
    手に入るとか言われてたよね
 
  (‥ )これってさ
      電子情報には価値がないと
      露骨に言ってたんだよな
      人の本音が出たんだ
      今から思えば
      とんだマルクス主義者で
      経済殺しの世界観だった
      よなあ
 
 情報を書く。これだけでも人件費が発生している。それを、タダで手に入る! と喜んだ時、皆は、情報に価値はない、だから支払いはしない、支払いのない経済は死に、必然的に質の高い情報すら手に入れらなくなる、ということを主張していたし、実行したのだ。
 
 *マルクス主義者の言う、働いて好きなものを好きなだけ手にいれられる社会、という主張は、物価がタダに近づけば近づくほど、経済の回転率が限りなくゼロに近づく。経済の回転が無限大に遅くなった時、物価ゼロが実現する、という主張でしかなかった。
 
 ∧∧
(‥ )実はみんな
\‐  質の高い情報を
    望んではいなかった
    わけだ
 
  (‥ )というかみんなは
      知識の再生産にお金を
      払う気がなかった
      ただ食いしようとした
      要するにだ
      後の人に
      知識を伝達するための
      必要経費を払わなかった
      自分のおいぼれた
      年金生活のため
      若者を食べる老人と
      同じ発想しか
      していなかった
      そういうことだろ

 
 漫画を違法でただ読みする漫画村が、作家への搾取になったように

 年金老人がこれから生まれる子供を食べているように

 質の良い情報がタダで手に入る! というネット黎明期の思想は、知識の伝達を否定し、後の人のための生産に使うべきお金を前借りして、ただ食いしようという試みでしかなかった。
      
 誰も再生産を目論んでいなかったのである。
      
 そしてこれゆえ、ネットは価値を生み出せないものとなる。
     

  

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