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2017年8月2日水曜日

空気をがぶ飲みする頂上な限界

 
 すでに日付は変わったが、8月1日は山へ出かけることとあいなった。
 
 湿った場所にすむ生き物を探しにいかねばならないからである。
 
 
   この辺は開発が進んで
 ∧∧ 町中は乾燥してますからな
(‥ )
 ‐( ‥)楽に歩ける平地はすべて
     使い尽くされて
     森と湿気は山の谷間にしか
     残っていないとは
     難儀なことだ
 
 天候は明るい曇り空で、どこかから飛ばされてきた、かすかな雨が混ざる。気温は30度には達していない。だが湿度が高い。平地を歩いている分にはかまわないが、この温度と湿度の中で山登りは...
 
   
 ∧∧ はいファイトー(棒)
( ‥)
 ‐(; - -)ごめん、まじで
      死にそうなんですけど
 
 正直、100メートルも登ったところで心の底から後悔するはめに。
 
 とはいえ見つけたモエギザトウムシ


 
 そしてイシノミ



 トビムシをどう扱うかにもよるが、イシノミは現存する昆虫では一番原始的なものだ。見た目はエビである。
 
 以下は以上の写真とは別個体で、採取したもの。暗がりせまる谷間で見た時は、なんか生々しい奴だなと思ったが、体を覆う鱗粉が抜けている個体だった。



 
 とはいえ、まだ腹部に足の痕跡が残っていることが分かるだろう。
 
 それにしても体力の衰えを自覚する登山だ。登山といってもせいぜい500メートル程度のはずなんだが、ぜーはーぜーはー、空気をがぶ飲みするように歩く。意識が遠のくとか、そんなことはないが、これはちょっとやばい。

 山頂についた時には体中びっしょりで、きれいな話ではないが、シャツをしぼったら見捨てられたアスファルトに水をぶちまけたようになった。こんなもの着てられるかよ。いやはやまいった。もってきた飲料水はこの時点ですでに4分の3リットルを消費していたが、これって、飲んだ水がほとんど全部、そのまま素通りってことですよね?
 
   まあ体温を下げれたから
 ∧∧ 無駄ではないけどな
(‥ )
 ‐(; - -)塩分補給もしてるが
      ああ苦しい
      駄目だわ
      もう無理できないんだわ
 
 己の限界を知れ、ということらしい。
 
 それにしても、これではあんまりなので、水道の水でシャツを洗う
 
 ∧∧ 公共物だぞ
( ‥)
 ‐( ‥)洗面所じゃあるまいし
   ‐□ 蛇口の水を使わせて
     もらうだけさ
 
 盆地を囲む山のてっぺんは、実はかつての平原で、ここから先は似たり寄ったりの高度が続く。だからというわけではないが、道路が通り、水道もかつて引かれたのであった。もはや業務用に時折使われるだけのアスファルトに、ほとんど放棄されてもなお水を出す蛇口が存在する山のいただき。
 
 誰とも会わず、誰もいない見捨てられた山頂を後にして帰る。

 帰りの谷間は登りよりもずっと有意義であった。湿った谷間は今回の目的に理想的であることを確認する。
 
   山頂よりは低いし
   今度からは
 ∧∧ 直接ここですな
( ‥)
 ‐( ‥)それにしても湿った谷間と
     そこにすむ動植物を見る
     それだけのために
     これだけ難儀するはめに
     なるとはなあ
 
 目的からそれるから綺麗な花とか、そういうものには今回、ほとんど目もくれず登ったが、申し訳程度にアップするとヒヨドリバナの仲間らしいなんかが咲いていた。

 
 

 
  
 

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