自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2017年2月17日金曜日
1千万年後の物語
資源は有限だ。だとすると富とは資源の偏りでしかない。
1000年、戦争を続けて戦争だけは得意になった野蛮人、西欧人、あるいはゲルマン人は世界を征服して略奪し、富を集中せしめたが、それは今、分散して再び地球全体に還りつつある。
そして資源が分散し、富が薄く引き延ばされれば、科学技術に投資できる金は減り、科学技術の進歩と速度は鈍るであろう。まあそもそも、石油、石炭を使い、化学反応による蓄電以上のことができなかった我々だ。技術革新なんて産業革命の後少し起こっただけで、基本的には何も進歩していないとも言える。原子炉だけがこの限界を突破できるはずだが、それももう無理ではないか?
∧∧
(‥ )そう考えると人類が
\− 石油を枯渇させてしまう日は
意外と近いかもですね
(‥ )石油枯渇の日が
先延ばしになるのは
新しい油田を見つける
手が届かなかった
深い油田を見つける
新しい手段で
古い油田からさらに
油を絞り出す
だからな
だとすると、富が分散して高度な技術を維持することが出来なくなった場合、浅くて取り出しやすい石油をすべて取り尽くした後、深くてなおかつ取り出しにくい油を取り出す技術の維持が困難に、さらには不可能になっているということになる。
∧∧
(‥ )石油が取りづらくなると
\− 石油に依存していた
高度技術も失われやすくなる
というか現在の技術や産業の
ほとんどすべてが
維持不可能でしょうね
古典的で頑強で
単純な仕組みへ
回帰せざるをえないでしょう
(‥ )技術革新は不可能になる
高度技術は維持できない
維持できるのはごく
限られた必須なものだけ
そういうことになるね
例えば溶鉱炉はいつまで維持できるであろうか? 自動機械もロボットも無くなり、足踏みミシンで裁縫する時代になり、わずかな溶鉱炉で作られた金属から職人がミシンを作るような世界。
一方、人口は増加し、地上のすべては農耕地になるだろうが、それが維持できる限界まで当然、人口は増大するだろう。すべては飽和状態に至るだろう。
∧∧
( ‥)森林の消失ってことも
ありうるでしょうね
(‥ )でも森林が無くなると
やばいんだよな
人類は建材と燃料を
失うことになる
それでも草から建材を作る技術とか、燃料、あるいは鉄鉱精製のコークスや木炭に該当するものを作る技術とか開発されるかもしれぬ。
こうして文明を維持できる最低限度な鉄鋼技術と内燃機関作製法が残され、他はすべて維持不可能になって失われる。残ったのは膨大な人口をかかえ、森林を失い、果てしなく農耕地が続く麦畑と水田の地球。
∧∧
(‥ )こうなると知識の多くも
\− 失われていくのでしょうなあ
(‥ )さてここで考えてみよう
このような地球で他の人間よりも夜目が聞くとか、頭の回転は少し鈍いが、セルロースを体内で発酵させてある程度栄養にできるものが現れたとする。
∧∧
( ‥)このような地球では
そういう人間の方が
有利になるのではないか?
(‥ )消化器官に栄養を回すから
頭のめぐりがわるくて
ちょっと物覚えが悪く
なるんだけども
他の人間が栄養にできない
セルロースをある程度
栄養にできるのなら
その不利は補われる
数だって増やせるぞ
そもそも人間の知能は生存にさほど役立ってこなかった。人類が他の動物に対して圧倒的に有利になったのは投槍器や弓を発明した4万年ばかり前のことで、それまでずっと人類は目立たない動物として存在していたのである。単にそこへ戻るだけの話ではないか。
∧∧
(‥ )人類と共進化した動物は
\− 人類ほど高い知能がなくても
人間は危ない動物だ
という本能的な理解と
その身体能力の高さで
十分に対抗できていたしね
(‥ )対抗できなかったのは
飛び道具を持った人類に
いきなり遭遇した
アフリカ以外の動物たち
だからな
本来なら逃げる必要がないアウトレンジから致命的な武器で攻撃してくる見たこともない肉食動物。アフリカ以外の動物はホモ・サピエンスという新生物の出現になすすべがなかった。対抗進化が間に合わぬ速度で瞬く間に滅ぼされてしまい、2万年前の生態系の様子をまがいなりにもとどめているのは、人類発祥の地であるアフリカだけという有様である。
∧∧
( ‥)でも人類から進化した
身体能力の高い人類なら
知能の高い旧人類相手でも
十分に対抗圧倒できるだろう
(‥ )ましてや巨大技術を
維持できず失った時代の
状況下ならそうなるよな?
そもそも人間の知能は性淘汰の産物ではないかとも言われる。こういう特徴は進化的に不安定で、いずれ消えてしまう運命だ。だとすると人類は知能というきまぐれを失い、再び動物へと戻るだろう。これはその第一歩となるだろう。
∧∧
(‥ )つまり人類の知能喪失への道
\− それが今、かなり明瞭に
見えてきたのである
(‥ )多分あれだな
今から1千万年後の地球は
知能を失って適応放散した
人類と
生き延びた家畜の
子孫たちからなる
豊かな自然の惑星に
回帰しているんだろうな
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