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2011年5月11日水曜日

アンニュイな雨の日

 
 神奈川県ではずっと雨が降っている。洗濯物が乾かない。

 ∧∧
(‥ )アンニュイな1日って
    やつです

    (‥ )そうだね


 ふと思い出した

 バイトへいくバスの中で60代ぐらいになるか、あるいは50代か、2人の男性の片方が、相手に話しかけていた。

「自分にとって会社は必要だったけど。会社は自分を必要としていなかったんだよ」

 バスの中には人が4人ぐらいしかいなかったと思う。

 もう20年近く前の話。ようやく終身雇用制に疑問の目が向けられていた頃、、、とでも言うか。

 当時は聞いて思った。会社は自分を必要としていない。ああそうとも、それが分かっただけでも良かったではないか。

 ∧∧
( ‥)今ならなんて思います?

    (‥ )いや、別に何も思わん。
        はー、そうですか
        それはそれは、
        それだけだね。

 まあ、あれだ、愚痴ぐらいは聞いてやるもんだ。

 ただ、悲しげとも、うんざりしたとも、疲れたとも、あるいは諦めたともとれる声だった。バブル崩壊後でリストラが本格的になり始めたぐらいだったこともあってか、だから今でも記憶に残っているのかもしれない。

 ∧∧
( ‥)おじさんは
    ショックだったのでしょう。

    ( ‥)ショックを受けた
        それは分かるな。

 
 しかし、こう翻訳したらどう?

「私の提供に対して、あの人達は充分に支払ってくれませんでした」

 ∧∧
( ‥)実感できる?

    (‥ )皆が不満を抱いているのは
        知っている。

 誰もが自分の提供に対して、より以上の対価を求める。それが正当か、とか、相場か、とか、そういうこととは関係なく、より以上を求める。

 欲と言えばそうだが、当然と言えば当然。

 皆がそうなら、やはりおっさんのあの言葉に共感するかもしれない。
 
 ∧∧
( ‥)皆が求め欲するのなら
    知らずとも共感できるのだと。

    (‥ )とはいえだ、彼の提供が
        換算すると幾らで、
        支払われたのは具体的に
         幾らだったのか? 

 それを私は知らない。その叫び、共感することは可能であるが、実感できない。

 そしてつまるところ、把握できないことはどうでもよいことである。それはコントロールできないということで、手を出すべきではないんだろう。実際、聞いてやる以外に何もすることはない。

 ∧∧
( ‥)それでも助けようとする
    人もいるでしょう。

    (‥ )コントロールできないものを
       助けようなんて、正気とは
        思えないけどね。
 

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