戦火というものは攻撃であって、攻撃するということは、そこが相手の領域だということ。
∧∧
(‥ )だからマリウポリでの
\− 戦火の分布を見ると
ウクライナ軍の
陣地がわかる
(‥ )でっ11日の戦火から
ウ軍の領域を見ると
硫黄島と同じぐらいの
広さなのよね
ネットのみんなは縮尺を考えず、包囲されて小さくなったウ軍領域を見て、これはもう陥落寸前、寸土にウクライナが追い詰められている。そう考える。しかし、実際のウ軍陣地はまだキロメートル単位で測れる大きさを持っていた。
そしてその広さは硫黄島ぐらい。
太平洋戦争末期における激戦地、硫黄島。守備する日本軍2万に対して、11万の大軍で挑んだアメリカ軍。1ヶ月後、アメリカ軍は攻略に成功するが、戦死7000。負傷者2万を出した。そして日本軍2万は事実上の玉砕、文字通りの全滅。しかし、これによって1ヶ月を稼いだ。
∧∧
(‥ )それを考えれば
\− マリウポリのウ軍は
まだまだ戦えるよね
(‥ )ウ軍の場合
すでに1ヶ月戦闘して
弾薬が残り少なく
なっているだろうから
一概に比較は
できないけどな
まだ戦えるということは
言えそうだよね
もちろん一概には言えない。
ウ軍はすでに弾薬が尽きかかっているかもしれない。確かに銃撃戦こそしているが、少なくとも戦闘車両のほとんどは喪失したようだ。ジャベリンも尽きたらしい。それに高さ170メートルある硫黄島に対してマリウポリは高さ70メートル。しかもすでにロシア軍は同じ高さに陣取っている。
その一方でマリウポリには障壁となる集合住宅があり、戦車の移動をさまたげる林があり、谷があった。
∧∧
(‥ )とはいえ
\− まだ十分以上に
戦えそうじゃね?
(‥ )クレムリンは5月9日の
対独戦勝記念に合わせて
マリウポリ市内で
パレードする気だという
報道があるけど
無茶だよなあ
さて、どんな情報源からなのか、マリウポリを包囲するロシア軍は大隊戦術群(BTG)が6個。これに加えること他のロシア軍部隊(やはりBTG?)。そしてカディロフ隊やドネツク部隊が加わっているとも言う。
その数は、戦術群が10両ぐらいの戦車を持つことを踏まえると、戦車が60両とかそれ以上であろうか(部隊編成はどうも理解しかねるけども)。当然、歩兵戦闘車など他の戦闘車両はもっと多いのだろう。人員は1万ぐらい+逐次投入...つまりは1〜2万ぐらい? という具合であろうか。
いかにも大軍に思われるが...
∧∧
( ‥)でもよ
敵軍が立てこもる
40万都市に
その程度の数って
少なくね?
(‥ )とはいえさ
ウクナイナを
三方向から包囲する
総延長1800kmの
戦線に用意した全軍が
20万だでよ
そのうちの1万以上を
ひとつの都市に
投入するのは
むしろ贅沢
しかし、絶対的にはまるで足りない戦力に違いない。硫黄島に立てこもる日本軍に5倍の戦力で挑んだ米軍でも多数の死傷者を出した。
それを踏まえれば、マリウポリ包囲に投入されたロシア軍。戦車が60とか80両、それに加えて多数の戦闘車両。さらに1万とか2万の兵隊。一見、十分すぎるほどに見えて、以上を踏まえればこのロシア軍の数、実はまるで足りなかったように思える。
マリウポリを包囲、陥落せよ。この計画、そもそもが無謀だったのでは?
∧∧
(‥ )でもあれだな
\− 人数に限りがあるなら
これ以上のことは
ロシア軍には
無理だったろうしね
現実には理想論を
言ってられんのです
今だって各方面で
ウ軍の反攻を
許しているわけだし
現状の配置でもぎりぎりだ
(‥ )そこで強制徴兵ですよ
3月の終わりまで、マリウポリの動画に登場するロシア兵は40ぐらいの兵隊だった。つまり勤続20年とか、そういう経験を積んだ兵士たちである。そんな彼らが負傷して運び出される姿や、遺体になって横たわり、周囲で仲間が厳しい顔をして体を休める。そういう動画や画像が出てくるようになった。
兵員輸送車BTRが機関砲を撃ちまくる援護の下、わずか一件の家から負傷兵が3名、救出される。あるいは20名あまりの仲間たちの間で、回収された3名の遺体が横たわる。
こういう動画や画像は多くないので、あまり注目されていない。しかし、40歳になったプロの兵士達の損害が大きいこと、これは疑いない。
∧∧
(‥ )そして4月の今になって
\− 出てきたのが
20歳と思える
若い兵士たちの姿ですよ
撤収した北から
配置換えされた兵隊なのか
ドネツクとかで
強制徴収された若者なのか
(‥ )死んだ穴埋めに
召集されて
そしてみんな
死んでいくんだよ
これが市街戦。5月9日の対独戦勝記念日にパレードなど、夢のまた夢だろう。
*最近のウ軍の攻撃には、7日に装甲車BTR-4で露軍のT72に損傷を与えた事例がある。少なくとも7日までは戦闘車両が1台はあった。しかし他にそういう画像はない。
9日に屋根の上からロシア軍のBTR-2を破壊した時に使われたのは、70年台のロシア製ロケットランチャー(PRO-A)であったし、他の攻撃も迫撃砲やドローンを使った攻撃であった。
ウクライナ軍は銃撃戦こそ行なっているものの、物資の欠乏は明らかであった。