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2022年4月1日金曜日

20220年3月31日のマリウポリ これが市街戦

 
 激戦続く南部の港町マリウポリ
 
 そこで活躍(?)しているのが、チェチェンのカディロフ部隊。
 
 ∧∧
(‥ )拷問、虐殺、誘拐
\−  児童などの人身売買...
    そういう
    悪逆な部隊という
    評価の一方で
    なんかいい加減で
    お茶目さんなところが
    あるんだよね 
 
  (‥ )頑張ってるところを
      みせたくて
      なんにもない場所に
      銃を撃って
      いさましく
      TikTokに投稿したり
      なんか妙に張り切って
      地図を広げて
      作戦会議したりな
 
 一部からはTikTok軍隊とか、対戦車ミサイルを撃ってみました迷惑系youtuberなんて揶揄されるカディロフ部隊。しかし彼らの投稿画像に登場する地図を見ると、現状におけるロシア軍の縄張りが分かるというもの。

 29日のこういうものや....


  
 あるいは31日のこういうもの


 
 *ちなみに1枚目に写っているロシア軍の将校は19日に戦死したと伝えられたモルドヴィチェフ中将。チェチェンのカディロフ部隊は動画をアップする際、時や場所や時系列をかなりいい加減に扱っているように見える。要するに仕事がかなりてきとー。もしかしたら中将が戦死する前の画像をアップしているのかもしれないが、地図に描かれたロシア軍の縄張りは、29日当時までに伝えられた露軍の縄張りと確かに一致する。だからモルドヴィチェフ中将の戦死は誤りだったのだろう。
 
 **なお、戦死したと伝えられる他の将校で、モルドヴィチェフ中将のように生存を裏付ける画像が出た人はいない。要するに他の将軍、将官たちはやはり戦死したらしい。
 
 
 ともあれ、以上を踏まえて30日前後におけるロシア軍の縄張りを推論すると、こうなりそうであった。



  
 ∧∧
(‥ )町の西から市中央に突入
\−  同時に町の東部から西へ進み
    中央の橋を取って
    東西をつなげようと
    しているのだろうね
 
  (‥ )ただどうも
      ここから進めなくなって
      いるように見えるな
      図における黒枠に囲まれた
      黄色い点は衛星写真から見た
      戦火の場所なんだが...
  
 戦火があることは制圧を意味しなかった。戦火とは攻撃しているわけで、つまり、そこにはウクライナ軍がいる。
 
 西から突入したロシア軍は市の大通りに沿って、中央まで突き進んで市庁舎を取った。しかし、そのまま橋へはいかず、大通りの南側にこもるウクライナ軍に攻撃しているらしい。これも戦火からうかがえる。
 
 反対に町の東側では奇妙に真ん中が開くように露軍の縄張りが広がっていて、陣取るウクライナ軍を包囲しているように見える。
 

 ∧∧
(‥ )橋を取ろうと前進して
\−  残っている敵に
    後ろを塞がれたら
    いやだもんね
  
  (‥ )がむしゃらに突き進んで
      市庁舎を確保
      次は後ろの憂いを
      なくすために
      周囲の掃討戦を
      しているのかな?
 
 しかし一方、それは本格的な市街戦の始まりを意味していた。実際、ここ数日になって激しい銃撃や砲撃の画像が出回り始めている。幾つかは場所の特定が難しいが、次のように特定できるものもある。
 
 これは31日、戦闘車両(T-72 ?)で住宅を砲撃する動画。ここは町の東側の住宅街であった。


 
 これは31日に通りを移動する戦闘車両。周囲の状況からすると、これも町の東で、Pashkovskoho通りを通っている。


 
 いずれも29日に衛星から戦火が確認できた場所で、マリウポリ(Mariupol)の地図に重ねるとこうなる。



 
 2022月3月31日時点におけるロシア軍の縄張りは、以上のようなものであると思われた。そして29日に戦火が見えた場所で、31日になった今でも戦闘が継続されている画像が投稿されているのだから...
 
 ∧∧
(‥ )要するに目立つような
\−  進展はないってことだろ
 
  (‥ )進展自体は
     あるはずだけどな
     あそこの家を取った
     この部屋を取った
     この通りは制圧した
     そんな感じでな
 
 実際、Pashkovskoho通りを抜けていく戦闘車両のロシア兵たちは頭を出している。つまりこの通りの安全は31日には確保されているわけで、通り一つ分ぐらいは前進できたことを意味しているだろう。
 
 かように進展自体は確かにある。しかし、それはわずかの累積で、目に見えるような進展になるまでにたくさんの時間と犠牲を必要とした。そして、あまりに時間がかかると攻める側が逆包囲されて全滅することすらある。それが分かっているから断固として攻め落とそうとするロシア軍。それが分かっているから奮戦するウクライナ軍。これが市街戦。
 
 
 

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