激戦続くマリウポリ(Mariupol)から投稿される画像は、東岸のものが多い。
理由のひとつはやってますアピールが激しいカディロフ部隊が東岸にいるからだ。しかし、ロシア正規軍のものと思われる投稿画像も多い。例えばこれ、4月5日付けの動画。
動画をつなげて、写り込んだ建物とgoogleの地図とを対応させたもの。
∧∧
(‥ )まあ場所の同定は
\− MapperKrummという人の
Tweetを参考にしたけどね
(‥ )この人、投稿された動画の
場所を特定するのが
非常に優れているのだよな
ともあれ、MapperKrummの特定を参考に画像を見ると、確かにここであった。マリウポリの東岸の市街地。そこにあるVolodymyrska通りをロシア軍が駆け抜けていく。
実は似た動画がもうひとつあって、これは4月8日付けのもの。
こちらは自力でわかった。路面電車のレールが写っていたし、路面電車の通りは限定的だ。さらにここにあったレストランが画像をアップしていたので。
場所はTravnya Ave という通りで、そこをロシア軍が駆け抜けていく。
さて、実はこの二つ、隣の街区で、しかもロシア軍の動きは同一直線に乗るのであった。
動きが同一直線に乗る。もしかしたらロシア軍は毎日出勤しているのかもしれない(考えにくい話だが)。
あるいは、日付は違うが、ふたつの動画は同じ作戦行動を記録したものなのかもしれない。*ただし、兵士の影の向きからすると、少なくとも時刻が違うように思われたし、同じ兵士はどうも登場していないようだ。
ともあれ
∧∧
(‥ )東岸市街地の北側を
\− 東から西へ
350mぐらい
移動してるね
(‥ )言い換えるとここは
ロシア軍にとって
安全なのだ
仲間が駆け抜ける脇で
警戒に立っている兵士も
ほとんど
突っ立ってるからね
ただし、画像にも添付したように、ウクライナ軍はこうしたロシア軍の領域(Russian Territory)にもかなり深く入り込んで攻撃してくる。4月9日には屋根に登ったウクライナ兵が、ロシアの制圧領域内で、ロシア軍のBMP-2を対戦車兵器で破壊している。
実際、ここしばらく東岸で行われた戦闘と、その場所を地図に示すと以下のようになった。
ロシア兵が駆け抜けていった場所は、4月6日にT-72で砲撃を加えて街区ごと破壊していた場所のすぐ近く。わずか200メートル程度しか離れていないのだった。
∧∧
(‥ )歩兵が駆け抜けられる
\− 比較的安全な場所から
200m離れたら
戦車を使った戦場か
安全と危険
敵と味方がわずか200m
(‥ )これが市街戦なのだな
そして以上のことからわかる。やはり、市街戦というのは明瞭な前線を持たない。塹壕全てに兵士を配置して、はっきりした前線を持ったWW1とはまるで違う。あちこちに拠点のようなものがあって、そこから出張って攻撃したり、牽制したり、後退したりするものらしい。
なお、以上の動きを示したロシア軍がその後、どういう成果を上げたのかはわからない。彼らの行き先には医療センターがあるので、そこへ向かったのかもしれないし、あるいはそこを占拠するのが目的なのかもしれない。いずれにせよ、続報はない。
以下追記:以上の動画では民生品を持ったロシア兵が3名写っている。
∧∧
(‥ )補給がうまくいってないのな
\− どこからかっぱらって
きたのやら...
(‥ )使えるものは
なんでも使う
合理的精神では
あるけどねー