去る4月22日、マリウポリで撮影、投稿された動画は、ロシア軍のBTRが被弾損傷、動けなくなり、それを露軍は戦車T-72で回収。その後、T-72がBTRに代わって前進を再開するが、これもまた被弾。乗員が脱出するという内容。
これ自体は先に取り上げたのだけども
∧∧
(‥ )多分だけど
\− その前の動画があったよ
場所は同じで
影の様子からすると
時刻は朝
おそらく
T-72が被弾損傷するより
前の時間だね
(‥ )では時系列がつながって
いると仮定して
見て行こうか
この動画はマリウポリ市の東岸にある通りを北から南へ走り抜けていくもの。googleを見るに通りの名前はMoskovska通り。
通りの北にある学校が、この動画では左(東)に見える。
通りの右にある建物はFeniks Tov。多分、画材関係の店。
この二つの間を抜けて、撮影者が走っていく。影は右(西)へ比較的長く伸びており、撮影時間が朝であることを示していた。
撮影者が向かうそこでは、露軍のBTRが集合住宅の角を遮蔽物として、左前方に向けて機関砲を連射している。つまりそこにウ軍がいるのだろう。
そしてBTRから降車した露兵が集合住宅へ走り、梯子をかけて破壊された建物に入る。その場に後から走ってきた撮影者が合流する。動画の内容はそういうもの。
∧∧
(‥ )手前にある画材屋さん
\− Feniksの壁に
弾痕があること
道に機関砲の薬莢が
落ちていることからすると
すでにこの手前で
戦闘や掃討作戦が
行われていたわけだね
(‥ )BTRは装甲されて
戦闘可能な兵員輸送車
乗ってきた露兵が
次々に降車して
集合住宅に入って
仮拠点を作るわけだ
しかしおそらくはこの後、BTRは集合住宅の角を抜け、次の建物に取り付こうと数十メートル前進した地点で被弾損傷。タイヤを失い、行動不能に。
このため、T72がやってきてロープでBTRをつないで牽引、回収。
その後、T72がBTRに代わって前進するも、これもまた被弾、損傷、行動不能となる。
その様子がこれ(これ自体はすでに上げた)。
この動画では、撮影者は前進するT-72を側面、東側から撮影しており、戦車に搭載されたカメラによる画像も動画には利用されている。戦車のカメラは当然、北から南を見ている。
撮影時刻はよくわからない。空が曇って明白な影がないので。ただ、建物の西側の壁が顕著に明るいので、時刻は正午をすぎているだろう。
でっ、この後の動画もある。
それは被弾、損傷した戦車を放棄して乗員が脱出。走って、建物に逃げ込むというもの。
撮影している方向は南から北。脱出した乗員はMoskovska通りを北へ走り抜けて、右(東)に折れてそこにある学校に駆け込む。
そして以上の全ての場所を地図にまとめて置くとこうなる。
この地図は北から見ており、白いスケールバーは100メートル。最初のBTRと後のT-72は、火線の方向が違う。BTRは最初、西南を撃っており、T-72は南南東であった。
∧∧
(‥ )つまりウ軍を南へ
\− 数十mほど押し込むことに
成功したわけだ
(‥ )だけどT-72を損傷したので
100メートル後退した
わけだよ
∧∧
(‥ )...これってウ軍を
\− 数十メートル後退させるのに
何時間も...多分、半日ぐらい
使ってるだろ
だけどBTRも戦車も撃破されて
一気に100メートルを
失ったわけだ
(‥ )ロシア軍の前進速度が
2週間で600mぐらいに
見えることと整合的だよね
今回は戦車が撃破されて100メートル後退したが、しかし露軍はなお優勢であった。
1日50メートル前進して次の1日に100メートルを失う。その逆で1日に100メートル前進して次の1日に50メートル後退するような状況。そう考えると1日の移動速度は50メートルとなり、2週間で700メートルの移動となり、つまりは実際のロシア軍の移動速度に近くなる。
∧∧
(‥ )これを何十日も
\− 繰り返してるのか...
助かった露戦車乗員は
興奮で目がいってるようにも
見えるし
嬉しいようにも
がっかりしているようにも
見えるよね
(‥ )助かったのは嬉しいけど
1日分の仕事と
自分の戦車がぱー
だからな
命をかけた仕事の結果が
これかと思うと
複雑だよね
命をかけて何時間もかけて、100メートル前進して。しかし一瞬にそれを失うことがある。これを何度も繰り返してじょじょに前進するが、仲間も装備も次々に失われていく。これが市街戦。