自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2019年12月10日火曜日
根回しは大事 空気読むのも大事
Vtuberの炎上というと、調べてみると、最近では例えばこんな事例があった。
∧∧
(‥ )ホロライブって会社に
\− 所属している
大空スバルさん
各社肉まんの食べくらべと
味の批評を生配信して
それを見たお母ちゃんに
突撃くらって
ぶん殴られて
回線引っこ抜かれて
強制終了土下座謝罪で
事なきを得る
(‥ )お母ちゃん英雄だな
各社の製品を食べくらべて批評する。これはどう考えてもまずい。
∧∧
( ‥)まずいどころか解雇だろ
(‥ )解雇じゃすまねえ
運営の提携先やコラボ
企業の信頼関係や
金の流れに影響が出る
金の流れに影響が出る。それは究極的には死を意味する。そこまでいかなくとも、従業員や同僚のVtuber全員の収入や人生と未来にも影響を与えうる。本人が責任を取って引退すればすむ話ではない。世の中、取れない責任というものがある。そうである以上、社員も同僚も彼女を許さないだろう。少なくとも事態はそこまで行きかけた。
ところがここで強行突入。パンチ一発、回線引っこ抜きで最悪の未来を拳一つ、力づくで粉砕する。お母ちゃんの行為は英断を通り越して、これはもはや英雄。
強制終了、土下座謝罪、アーカイブ消滅、全ては過去のものになり、笑い話ですんだ。まったくもって奇跡ではないか。この宇宙では、まれではあるがこういうことが起こる。実に素晴らしい。
∧∧
(‥ )それでも影響は出たみたいね
\− コラボしているはずなのに
今回は呼ばれませんでした〜
肉まんのせいだと思いまーす
とかスバルさん配信してるし
(‥ )...まあさすがに出るよな
それを考えるとだ
夜桜たまが10月7日に
やったという
運営批判の配信も
(アーカイブは残ってない)
あれは本当にまずかった
のだろうなあ
ファンからすれば、そうか! 俺たちのたまちゃんが不手際な運営によってひどい目にあわされてるんだ! と解釈すればいい話だが、企業と提携先やコラボ相手、さらには同僚からすればたまったものではない。計画や信頼関係、契約やこれからの収入のすべてが危機にさらされる。これは極めて深刻だ。
∧∧
(‥ )同僚のカルロピノさんは
\− 運営にお馬鹿な側面や
問題や遅れが
あることは事実だけど
それはおおむね
限界や制限のせいだし
状況も改善されていた
そんな中で相談もなく
表立った配信は
やめて欲しかった
そういう主旨のことを
述べてますな
(‥ )それ当然なんだよね
いきなりの公的配信は
あまりに影響が大きい
そもそも
社会生活においては
まずは
根回しすることが
当然だ
彼氏とうまくいかない時、相談する前にいきなり街頭に立って彼氏に対する不平不満を拡声器で叫ぶやつはいないだろ? もしもやったらどうなる? うまくいくと思う? ということであった。
∧∧
(‥ )意外なのは夜桜たまさんが
\− そんなことをしたことだよね
動画を拝見するに
賢い人に見えるんだけど
(‥ )んー 交渉ごとって
頭の良し悪しよりも
本人の性格が出るべ
それだけの話じゃね?
もちろん、一部の人は言うであろう。賢い彼女が配信で訴えるという強硬手段に出たからには、そこには必然の理由があるはずだと。
∧∧
(‥ )でもそれはあくまでも
\− 仮説なんだよね
そして出てくる情報は
この仮説を否定するもの
ばかりであった
カルロピノさんは
たまさんの主張は
ある程度正しいけども
明らかに違う部分があると
言ってますし
同僚の発言もおおむね
これを支持している
(‥ )それでも夜桜たまを
擁護するとなるとな
どうしてもな
現実否定に...
つまりは
陰謀論にならざるをえん
∧∧
(‥ )カルロピノが夜桜たまを
\− 死体蹴りしてるって文言が
ネットで飛び交ってるのも
そういうことですか
(‥ )夜桜たまが正しいという
仮説を守ろうとする
すると
仮説に反する話をした
カルロピノの説明を
否定しなけりゃいかん
そしたらこの手の
トンデモになるだろうね
もちろん、別の理由もある。カルロピノの配信は死体蹴りだ。この解釈を鵜呑みにするのはその方が手間がなくて楽だからだ。
まず誰かが、カルロピノの配信は死体蹴りだ、と言う。そしてそれを聞いた人が、ああそういう配信だったのだと鵜呑みにして、それが広がる。
∧∧
( ‥)それが楽だし
人間は楽するのが
好きだからな
脳は全新陳代謝の
2割を食う燃費の悪い器官
調べたり確認したりすると
人間は餓死するから
考えることをやめる
( ‥)カルロピノの配信って
−/ 時間12分で
4000文字ぐらい
しゃべってんだよね
これってさ
普通の人間では
そもそも意味を
把握できない長さなのよ
人間が一度に把握できる文字数は25文字程度しかない。つまり25文字より長い文章になると、ほとんどの人間は内容が途端に理解できなくなる。
25文字でも無理なのだ。ましてや4000文字である。死体蹴りという主観的かつ単純な解釈でもしないと普通の人間では頭に入れることすらできない。
∧∧
(‥ )そう言ってるあなたも
\− 2回ぐらい聞いて
これは企業的な視点で見ると
かなり深刻な話をしてると
やっと理解できましたからな
他人のことは言えませんぞ
(‥ )あれってさ当事者である
アイドル部の面々だと
予備知識があるから
理解できるし
これ以上は言及できない
きわどい内容だと
わかるのだろうけど
部外者にはほぼ
無理だったよね
まあ、だから、”夜桜たまが正しい!”という仮説を信じる人々が、カルロピノの配信は死体蹴りであるという、あまり意味のない無意味な要約にすがったのは当然であった。人間の脳は4000文字もある説明を処理するようにできていない。そもそも人間の言語能力は自己表現をさえずるためもので、文章を正確に理解するためのものではない。
∧∧
(‥ )運営批判とか
\− カルロピノ批判とか
アンチとか
それらも
自己表現のさえずりであって
それ以上の意味はない
(‥ )実際、夜桜たまを救済して
配信を継続するために
資金を集めようとか
投資ファンドつくろうとか
配信に必要な機材を
貸しますとか
Vtuberのがわを作ったから
使ってくださいとか
そういう具体的な
声はなかった
人はこの問題を
さえずりには使ったが
救いの手は出さなかった
あったのはそれが好意的なものであったとしても、夜桜たま、ごくろうさまでした、という別離の挨拶であった。これは外交儀礼であり、人として必要なものではあるのだが、具体的な救済策ではなかった。
人は推すと言うだけで、それをネタに自己表現のさえずりをするだけだ。人間は推しに対して投資はしないし、助けもしない。
∧∧
( ‥)まあそりゃそうでしょう
( ‥)そりゃそうだ
−/ 当たり前だ
批判することじゃない
ただの現実だ
ただしこの現実を見極めないと、人はさえずるだけの存在に成り果てるだろう。いや、人間とはそもそもさえずる猿だから、さえずること自体は良いのだが。
∧∧
(‥ )でもさえずりとは所詮は
\− 自己の心理の表現だから
いわば心理的引きこもり
このため
さえずってばかりだと
理解が現実から乖離して
どんどんトンデモに
なりますよと
(‥ )でだ 現実を見ると
冒頭の話はちょっと
面白いつながりが
あるんだよな
Vtuber 大空スバル。彼女があわや大炎上の配信を強制終了された後、コラボしているのに呼ばれなかった年末のイベント。
∧∧
(‥ )これって格闘技イベント
\− RIZINとのコラボで
Vtuberのライブイベント
をするそうだけど
今調べてみたら
アイドル部の面々も
これに参加してるんだね
(‥ )大空スバルは
大炎上をぎりぎり回避した
それでもこれに
呼ばれなくなった
だとしたらだ
アイドル部の夜桜たまが
運営と衝突する配信を
した時には
一体何が
起こったんだと思う?
まあなんだ、結論は単純である。
根回しは大事。空気読むのも大事。これができないと社会では生活できません。
ちなみに
∧∧
(‥ )大空スバルさんって
\− なんかあれね
本来はきれいな声
なんだろうけど
奇妙に通るだみ声で演じる
印象的な人だね
(‥ )くせになる...って
言ってる人がいるけど
ははっ まさに
そんな感じだな
ブログ アーカイブ
-
▼
2019
(443)
-
▼
12月
(37)
- 暗くなったベテルギウス
- 三日月と金星と猿
- 物事は結果論から逆算されて評価される
- 2019年師走の原油値上がり
- 論理でマウントする文化
- しし座の三つ子銀河
- コミュ強の話
- 考えるとは愚策
- 棒渦巻銀河M109
- 10人見殺しか80人を救うか
- 宇宙人とシミュレーション宇宙論は面白いから受けているわけではない
- 眠い仕事 そうでない仕事
- 最適解 VS 最適解
- 知的根絶
- AI時代にそなえて記述式テストは痛すぎる
- 有識者というウサギを食べてしまおう
- 通過儀礼ではなく、実は利回りの保証だったのでは?
- セレモニーとは根回しの一種である
- 12月13日 朝の相関
- 湯たんぽペットボトル論
- 折れ線グラフは魅力的だが脆弱で実用的ではない
- 根回しは大事 空気読むのも大事
- 12アイドル3人の推しには110通りが三つある
- さっさと開けろ! という話
- おいしい荒唐無稽が次の国是になる可能性
- あなたの推しに対する期待値は投資幾らであるか?
- 理由なき青空
- 民主制から封建制への転換は起こりうる
- コンテンツ産業を債券で考える話
- 手放す代わりにこれちょーだい
- 捕虜はモビルスーツで踏み潰すぐらいの勢いで
- 作り手にとっては数こそ勝負
- 民主制が堕落して独裁制は茶番
- 12月2日の値下がり
- 12月1日のパンスターズ彗星
- 演繹政治論は無意味で進化的世界では民主制が有利
- 昭和の知識人は愛玩動物でしかなかった
-
▼
12月
(37)