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2016年10月6日木曜日

悪く考えれば考えるほど現実に接近する

 
 ∧∧
( ‥)例えばの話
 
  (‥ )100人に1人の収入が
      100で残りの99人が
      10であるとする
 
 全員から1割りずつ、税金を徴収すれば、10+99だ。
 
 ∧∧
(‥ )金持ちから金をとれよー
\−  奴らは財産を隠し持ってるから
    富裕層の税金を上げれば
    俺たち貧乏人から税金を取る
    必要はなくなるはず!
    という意見
 
  (‥ )金持ちだけ2割りにする
     すると20+99=119
     これに対し
     全員を1.2割りにすると
     12+119=131だな
 
 ∧∧
( ‥)一律に上げた方がいいな
 
  (‥ )まあ金持ちだけ税金を
      上げた方が良い場合もある
      例えば100人に1人が
      1000もっていて
      残りの99人が10なら
      金持ちだけが2割りの場合
      200+99=299
      これに対して
      全員1.2割りなら
      120+119=239
      この場合は金持ちだけに
      増税した方がいいけど
 
 例えば今の日本が、100人に1人が1000で他の99人が10なんていう状態か? という話であって
 
 ∧∧
(‥ )金持ちだけ税金を上げれば
\−  良い論が
    なんか怪しいってことは
    分かりますかね
 
  (‥ )金持ちだけ税金を上げれば
      良い論は
      金持ちには僕らが知らない
      途方も無い財産があるに
      違いないから論だし
      違いないから
      そこに課税すれば
      僕らは払わなくても
      良いんじゃね論でもある
      要するに楽観論なんだよね
 
 似たような楽観論に日本は衰退しました論がある。つまり日本は衰退したからこれからは外国へ出稼ぎへいくことになるぞ、ということなのだが。
 
 ∧∧
(‥ )現実にはあれだよね
\−  外国へ出稼ぎへいっても
    日本で稼ぐのと
    あまり変わらないか
    日本で稼ぐ方がずっとましだ
    というのが現実だよね
 
  (‥ )日本は衰退しました論は
      甘ったるい
      楽観論なんだよな
      実際には、
      先進国の低賃金労働者が
      成り上がれるのは
      先進国の
      低賃金労働者ですよ
      出稼ぎしてもどうにも
      なりませんよ
      といううんざりするような
      現実があるだけだよ
 
 つまりこうではないか? 世の中の意見、そのほとんどは現実離れした楽観論であって聞くに値しないのであると。
 
 反対に言えばこうではないか? 悪い方へ悪い方へと考えると、それは現実に近くなるのではないのか?
 
 ∧∧
( ‥)まあ生きることは
    苦しいことですし
    当然ですかね
 
  (‥ )地球は生物が生じた
      奇跡の星なんていう
      たわ言があるけど
      実際のところこの現実は
      命が不自然な存在である
      という論証でしかないのだ
 
 不自然な存在ゆえに、その維持に膨大な維持費をかけねばならぬ。それが命というものである。この不自然さゆえに、生物にとって生きることは苦痛の連続となり、現実は苦痛をもたらす悪の存在となった。
 
 だからこそ、生物たる人間が産み出す展望のほとんどは現実を無視した楽観論になったのかもしれぬ。

 生きること、それ自体が不自然であり、広い意味では現実否定である。
 
 そのことを考えれば、生物たる人間が産み出す発想が非現実になることは当然。
 
 なれば、悪い方へ悪い方へ考えると、それは現実にむしろ接近するであろう。
 
 
 ∧∧
(‥ )厳密に言うと
\−  現実に接近すればするほど
    それは人間や生物にとって
    悪く苦痛なものとなってくる
    そういうことでしょうね
 
  (‥ )考えてみれば
      ごく単純な原理だな
      なんでこんな簡単なことに
      気づかなかったのだろうな
 
 
 もちろん、不自然に悪いことを考える必要はもちろんない。それは設定がこりすぎというのだ。だが悪い方へ悪い方へと考えないと現実を見据えることはできぬであろう。
 
 
 
       

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