自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2015年3月24日火曜日
星空がお前の存在意義を否定する
鉱物の結晶はある一定の形で成長する。
∧∧
(‥ )その意味では自己複製を
\‐ しているとも言えるよね
(‥ )ただ生物のような柔軟性は
ないのだよな
物理的に固いとか、そういうことではない。典型的にはどれも同じ形で代わり映えがしない、ということである。鉱物の結晶は生物のように多様多彩ではない。鉱物の結晶はあるパターンに固定化されている。
∧∧
(‥ )反対に気体や流体は
\‐ 形がまるで定まらない
(‥ )今度は
柔らかすぎるのだなあ
とはいえ、流体でもこういう例はある
=>https://www.google.co.jp/search?q=カルマン渦&biw=1037&bih=744&site=webhp&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=gFUQVazXM8LNmwW5toLICQ&sqi=2&ved=0CAYQ…
=>https://www.google.co.jp/search?q=bernard+cells&biw=1037&bih=744&site=webhp&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=N2AQVa2fEoHZmgWa2YCYBQ&ved=0CAYQ_AU…
このように流体でも規則正しいパターンが出来る。しかしこれが自己複製か? と言われると怪しい。確かに以上のような構造物がもっと複雑になれば生物になりうるのかもしれない。どこかの星にはガスの渦だけで構成された生物がいるのかもしれない。だが、人類が目にするこれらの現象は少なくとも生物ではないだろう。
∧∧
( ‥)生物は結晶のように変化がない
わけでもないし
流体のように一定の形が
ほとんど皆無なわけでもない
(‥ )結晶ほど均一な複製を
作るわけでもないし
流体ほど不安定な
わけでもない
実際、何もかも凍てついた火星に生物はいないし、高温ですべてがガスになってしまった金星にも生物はいない。
液体の水とそれに溶け込んだ炭水化物、それが地球の生物。
∧∧
(‥ )生物は鉱物から進化した
\‐ そういう説もあるよね
(‥ )鉱物は固すぎるけど
複製を作れるし
鉱物の表面で起きる
化学反応は
新陳代謝へ続く
可能性を秘めている
まあどっちも同じ
化学反応だからな
生物の基本要素は、鉱物にすでにあるわけだ。私たちの酵素自体、鉄、亜鉛、モリブデンなど、色々な金属を使っている。
後は、鉱物のような複製でありながら、鉱物よりも柔軟でエラーが起これば良い。ある人は、鉱物と有機物のハイブリッドが我々の祖先だと考えたが、案外、それは正しいのかもしれない。
そして、自己複製と変異があれば、それだけでダーウィンが示したように進化が起こる。化学反応は新陳代謝へと変貌する。
さらに進化の原則上、効率的に複製できるものが数を増やす。
ごく単純な原則だが、原理上、残るのものはより効率的に複製して子孫を残せるものだ。たとえ最初が鉱物と有機物のハイブリッドだったとしても、最終的にはほぼ有機物で構成された存在になるだろう。この場合、生物が持つ鉄や亜鉛や銅やマグネシウムはかつて生物が、もっと鉱物的な存在であった原始時代の名残りなのだ、ということになろう。
∧∧
( ‥)つまり進化的に言えば
生物の誕生は必然
(‥ )火星のように凍りついて
動けないわけでもなく
金星のようにすべてが
ガス化して無秩序
そのいずれでもない
環境ならば
必然的に生物は誕生する
進化論は生物の誕生を説明できない! と力説する人はいるが、それは間違いだ。実際には進化が動作する環境なら、必然的に生物は誕生してくる。
∧∧
(‥ )問題は人類ですか
\‐
(‥ )こちらは必然じゃないのだ
考えてみれば当たり前だ。知能を持つことがそんなに良いことなら、人間だけが極端に脳が大きくなる訳がない。
人間だけが極端に脳が大きい時点で気づくべきだったのだ。知能は必然ではないと。
∧∧
( ‥)つまり宇宙人は存在しない
(‥ )いてもごくまれで
発見できないだろうな
実際、未だに見つかっていない。
銀河系に知的生物がいるとしたら、電波を発信する文明さえもまるで見当たらないというのはあまりにおかしなことである。これは銀河系内に宇宙人がいても、それは本当にわずかな数で分散しており、地球から遠い場所にいるために電波でも探知出来ず、お互いに孤立しているってことだろう。
∧∧
(‥ )生物の存在は必然だけど
\‐ 知能の存在は必然ではない
(‥ )人間というのは
不思議なものでな
自分の存在に価値があると
思いたがるのだ
もしかしたら、社会性の動物だからかもしれない。社会性の動物であれば自分の順位と、自分の立ち位置、自分の評価を気にするだろう。
そうでなければならないし、順位や立ち位置や評価が気にならない遺伝子はよほどの事が無い限り脱落してしまうだろう。残るのは、順位、立ち位置、評価を気にする個体だけであろう。
∧∧
( ‥)だからあなたたちは
存在意義というものを
考えるのだと?
(‥ )ありもしない存在意義を
世界に付加して
認識していまう
そういうことじゃね?
生物はなぜいるのだろうか?
答えは単純だ。それは化学反応で、進化に従って形作られる。
それは持続的に起きている自然現象で意味なんかない。
生物はなぜ子孫を残そうとするのだろうか?
そりゃ、残そうとしないものが全部消えたからだ。残るのは残す機能を持ったものだけである。
死をなぜ恐れるか? 恐れる機能を持たないものは皆、死んだからだろう。危険から逃げない個体は消去される。
つまり生の意義なんてないし、命の意味もないのだ。この意味において人間は路傍の石や、河原に堆積した土砂となんら変らない。青空を流れる雲とも変わらない。
∧∧
(‥ )それでもあなたたちは
\‐ 生に意義を求め
命に価値を見いだし
自分の人生に意味があったと
主張する
(‥ )僕らにはそれで十分なのだ
意味はなくとも
自分の生を防衛するものが
残るのだ
命に価値を見いだせば
自分の存在を長らえる
ことができる
そして社会性動物なら
自分がどう評価されるのか
狂おしいほどに
考えなければならぬ
実際、自分の評価を気にしない奴は即死とまではいかないが、他人よりも早く、干涸びて死ぬ運命にある。自分の人生と存在に意義があると思い込む。そういう奴が残った。なれば、人が生と命と存在に価値があると認識するのは必然。
つまり人生の価値とは進化の結果誕生した認識論でしかない、そういうことなんだろう。
あるいは人は怖いのだろうか?
星空を見上げた時、この銀河の中に人類以外の知的生物が存在しないかもしれない可能性を見つめるのが怖いのだろうか?
まるで星々に己の存在意義を否定されたと思って、人は恐怖するのであろうか?
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