自己紹介
- 北村雄一(北村@)
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2015年3月9日月曜日
馬鹿だ理論はいかにも馬鹿っぽい
日本は鎖国をしなかった。徳川政権は諸侯の中で最強ではあったが、連邦国家である日本の有力諸侯はそれぞれ海外へ進出した。徳川家も同様であった。中国は管理貿易であるし、主な重点は東南アジアでの貿易だった。海外に出先機関を設ける諸侯もいたし、近隣を征服したり、あるいは当地の王国と同盟したり、あるいは諸侯同士で、あるいはヨーロッパと戦争を行なった。
そうして300年後、諸侯はあくまでも諸侯である。日本は天皇家をいただき、政府がそれを統括する連邦国家となって、海外植民地を持つ東南アジアの大国になっていた。
∧∧
( ‥)でっそういう状況で
果たして戦争に負けるか、と
(‥ )鎖国をしていないし
戦争も継続したから
技術レベルや工業化も
西欧と同じだろうな
そして海外に拠点を持ち
それを防衛できる
軍事力と
それを維持できる
経済力と工業力を持つ
果たしてこれで負けるか?
そういう問題だね
まあ、以上の話はあくまでも仮定の話である。実際の歴史はそうではなかったし、実際の歴史がそうではなかったとは、以上のような方向へ進む必然的な理由がなかった、ということなんだろう。
だが、仮定は仮定として考えてみる。
∧∧
(‥ )例えばの話
\‐ 2億の人口を抱える
工業化された海洋連邦が
成立していたら
負けるか? という話
(‥ )まあ負けないな
日本軍は馬鹿だ阿呆だ
とか
賢しい人は言うけども
経済力や工業力が
大きければ
馬鹿でも阿呆でも
勝つよ
日本人は馬鹿で阿呆だから補給を軽視して根性論で戦争をしたのだ、という人もいるが、それはただの結果論だよね。
∧∧
( ‥)余裕があれば
馬鹿でも阿呆でも
補給しますよ、と
(‥ )食い物がなければ
皆が文句を言うし
補給出来るなら
文句に答えて
補給するからね
単純な話だよ
でも補給が出来ないのなら根性論になるだろう。
そしてこれを踏まえれば、日本の組織は馬鹿だ阿呆だ、というのは結果から遡及しただけの後付け理論でしかない。それが明らかとなろう。つまるところ、そんな説明に意味はない。
以前、「三菱航空エンジン史」を読んだ時、WW2の時、日本の工場は流れ作業になっていなかったとあった
∧∧
(‥ )そういう話を聞くと
\‐ やはり日本人は馬鹿だ
と言う人もいるけども
(‥ )とはいえだな
産業が
ようやく発展した時期に
流れ作業工場なんか
作っても
しょうがなかろうよ
つまり、これも馬鹿うんぬん以前の問題だろう。単に工業化が遅れていた。それだけだ。これを馬鹿うんぬんで説明するというのがそもそも馬鹿っぽい。
だいたい、物事を馬鹿で説明するというのは説明じゃないのだ。こんな説明では、鉄道を輸入したがそれを下ろす港湾施設がそもそもない、という話を笑えないだろう。
∧∧
( ‥)何事も順番だと
基礎が大事で
基礎を確立するのに
何十年も
何世代もかかるのだと
(‥ )日本人は
補給を軽視して根性論だ
流れ作業もしないのは
馬鹿だったからだ
そういう見方はだな
鉄道を輸入すれば
近代化できるよ
そういう安易な考えと
同じよな
どちらも
基礎をおざなりにして
上っ面だけを見ておる
馬鹿だ理論は、生気論の一種で論ずるに足らない。もっと分かりやすく言えばヒステリーを悪魔付きで説明するようなものである。意地悪な言い様をすれば、馬鹿だ理論はいかにも馬鹿っぽい。
∧∧
(‥ )でもそれを踏まえれば
\‐ あれだよね
それを下ろす設備もないのに
かっこいいものを
無駄に輸入する
それも普通の
発想なんだろうね
(‥ )工場が流れ作業でないから
負けたのだ
そう考える人間は
何も無い場所に
工場をどんと据えて
これで戦争に勝てるはず
そう考えるだろうからね
それを踏まえれば
ありがちな発想なのな
流れ作業に関して言えば、大戦末期にそれを試みる動きがあったそうだ。しかし、もはや戦争の帰趨は明らか。試みを進めた技師も工場への爆撃によって亡くなったという。無念であったろう。
あるいは、賢しい人は、これこそが愚かしさの証明であると言うかもしれぬ。
だがしかし、経済がもっと大きくなって、もっと大量のものが必要とされて、それで初めて工場が回ることを考えれば、やはり時間が足りなかったと考えるべきだろう。
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