スペインは16〜17世紀にイタリアを支配下に置いたので、この時代、天動説=>地動説へと移り変わる科学の歴史に少しばかり、背景的な影響を与えた。
∧∧
(‥ )異端審問をせっせとしてた
\− スペインの影響下に
置かれた教皇庁は
スペイン同様
異端取締強化に
流れたからね
ブルーノのおっちゃんも
その流れで粛清されてる
(‥ )でっ
スペインの異端審問って
経済的上位にいた
スペイン国内の
ユダヤ教徒や
イスラム教徒を
排除する運動なんだよな
スペインはローマ帝国の後、ゲルマン人西ゴート族による蛮族支配、侵入してきたイスラム教徒支配。それを再征服したキリスト教王国、そしてキリスト教徒による熱心で徹底した異端排除という複雑な経緯がある。
歴史的にキリスト教徒は根本的に排他的であった。レコンキスタ、国土回復運動が進行し、全土がキリスト教国化していくスペインでは、灌漑技術を持つイスラム教徒農民を排除した。それで農業が打撃を受けたとか、経済を司ったイスラム教徒やユダヤ教徒を大量追放して経済が打撃を受けたとか、そういう自滅的な話がいくつかある。
∧∧
(‥ )でもあれだよね
\− これって単純に
豊かなユダヤ教徒や
イスラム教徒が
気に食わなかった
だけだよね
(‥ )今だって
米国ウォール街の
ユダヤ資本家には
反発があって
2011年に起きた
ウォール街を占拠しろ
デモでは
ユダヤ資本を揶揄する
プラカードがあったと
言うからな
金持ちというだけで嫌われるのに、異民族、異教徒だともっと嫌われる。
とはいえだ、反発は当然であっても、技術や経済を司る人々を追放するのは国にとって致命的だ。
人によっては、レコンキスタ以後におけるイスラム教徒やユダヤ教徒のスペインからの追放は、スペインの地域的な、現代まで続く没落をまねいたとも言う。
∧∧
(‥ )もちろん
\− 実際のことを言うのは
難しいけどね
でも、17世紀までは
大国だったスペインが
今ではぱっとしないことを
説明する理屈であるのは
確かなんだよね
(‥ )でさー
当時のスペインって
新世界植民地の
銀鉱山でうるおって
いたんだよな
要するに、経済を司るユダヤ人やイスラム教徒を追放するという暴挙は、実のところ、銀鉱山があるから我が家の財政は大丈夫、という油断の現れでは?
∧∧
( ‥)現れでは? って
普通にそうだべ
油断だべ
(‥ )まあ人間なら
こういう発想を
するからな
ちなみに、経済人追放後、17世紀の初頭に銀鉱山は掘り尽くされ、財源は消えてしまうのであった。
∧∧
(‥ )スペイン
\− 踏んだり蹴ったりだな
(‥ )収入確保すると
人間って
油断するからなー
油断して
経済人を粛清して
その矢先に
収入源が途切れて
衰退したのなら
笑える冗談だが
悪い現実なのだ
というか収入を確保した以上、油断するのが当然。というか、安心しない方がおかしいのだ。とはいえ、安心したからといって安全になるわけではない。
そして、安心感から安心して異教徒をせっせと粛清する文化に引きずられて、教皇庁までせっせと殺しまくって悪名を残すわけであって、安心感とは罪深いものではないか。
追記:安心感に基づいた油断と誤算というのは現代の国家でも見られる。産油国だったベネズエラが肝心な金策である産油部門を冷遇して売り上げをすべて他に回した豊満財政で破綻したことなど、そういう例。
∧∧
(‥ )産油って
\− 尽きることのない
夢の財源って印象が
あるけれども
実は経過すればするほど
再投資が必要になる
特異な分野だからね
(‥ )再投資を怠ると
あっという間に
ダメになるからな
それをベネズエラ
やっちゃったんだよなー
財源が確保されていると思った瞬間に雑なことをして国家が破綻する。それは絶えずありうるのだ。