自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2017年3月26日日曜日
最善の選択を選び続けないと感情移入してもらえない
アニメ、けものフレンズの主人公、かばんちゃんで検索をかけるとガンダムヤクザの登場人物オルガ親分の名前がサジェストされる。
∧∧
(‥ )同時期のアニメ放送で
\− 同時期に死んでしまった…
あるいは食われてしまった
人気キャラなのです
(‥ )かばんちゃんに対する
視聴者の反応は
うぎゃー!!
で
オルガ親分に対する
反応はおおむね
ワロスwwであった
これはすでに
書いたことだが
調べてみれば現在放送中のガンダムは主人公たちの全滅エンドほぼ不可避という流れであるらしく…
∧∧
(‥ )その流れに視聴者が
\− ご不満というか….
これは雑な展開だ
という評価が
あることからすると
全滅エンドそれ自体が
不満というよりは
全滅に向かってちょっと
御都合主義に
人が死んでませんか?
なにこの展開??
という不満ですかね?
(‥ )そうよなあ
全滅自体が不満なら
イデオンとか
バルディオスとか
テクノライズは
どうなっちゃうんだよ
という話だからな
例えばの話、
登場人物が普通人なりに、あるいは普通人以上の立場と行動力と知謀の限りを尽くして状況打開を試みるが趨勢の悪化を防げない。時として好転するが、じょじょに倒れていく仲間達により戦線の穴は次第に拡大し、負荷は増大し、それが次の穴の拡大をまねき、指数関数的に事態が流動化していく。そしてついに決壊した防衛ラインから敵がなだれ込み、ああ、これが最後かと…
∧∧
(‥ )こういう場合の視聴者は
\− 失望というよりも絶望を
感じるんだよね
涙を流し
あるいは放心するが
登場人物を嘲笑することは
まずないよねえ
(‥ )オルガ親分の暗殺死を
視聴者が
嘲笑するってのは
おそらく
全滅エンドに向けて
恣意的に設定された
キャラの愚かさに
私は納得できない
これには
違和感を感じるという
心情の現れだよな
∧∧
(‥ )まあでも、これでさえまだ
\− 物語の破綻にまでは
至っていないのですな
(‥ )本当に破綻すると
このキャラを
無理のある馬鹿にした
脚本を弾劾する!!
という事態になる
そうなっていない
からには
ガンダムは現状
ちゃんと物語が
成立しているみたいね
キャラが馬鹿だ無能だと罵倒されている時点ではまだ救いがある。キャラをこのようにした脚本は一体何を考えているんだ?? となったら、それは物語が人を魅了する力を失ったということだ。
それは役者が演じる舞台の背景が倒れて、隣の居酒屋で酒飲んでるおっさんたちのきょとんとした顔が見えてしまったようなもの。
ガンダムがまだそうなっていないということは、物語がまだ成立しているということなんだろう。納得していない人はずいぶんいるみたいだが。
∧∧
(‥ )一方、けものフレンズの
\− かばんちゃんが賢いのは
物語での立ち位置が
もともとそういうものだから
だよね
(‥ )動物の中にいる
たった一人の人間
ホモ・サピエンスという
種族の特性を
強調する以上
知恵で物事を
解決する立ち位置なので
どうしても
賢い立ち位置に
立つからね
∧∧
(‥ )つまり
\− 全滅エンドに向けて恣意的に
不注意設定されたであろう
オルガ親分と
人類種の特性強調のために
知恵の立ち位置に配置された
かばんちゃんとの比較が
今、行われているわけですか
これはちょっと
オルガ親分には理不尽かもね
(‥ )そうよなあ
もしも知謀と才能の限りを
つくしながら
全滅へ向かう姿を
物語が見せていたら
あるいは
全滅へと向かいながらも
知謀と策略の限りつくす
その姿勢を
物語が見せていたら
たとえオルガ親分が
町中で暗殺されたとしても
視聴者は涙を流すだけで
嘲笑はしなかったろうな
∧∧
( ‥)やはりそういうものだと
(‥ )そりゃそうよ
三国志演義が
名作になったのって
諸葛孔明が知謀の限りを
尽くしても
大国魏(晋)の物量に
圧倒されて
全滅エンドを迎える
からだろ?
銀河英雄伝説もそうだし
そもそも
かばんちゃんがそうだべ
∧∧
(‥ )かばんちゃんは
\− 最善策を尽くして
最後、力つきて食われて
それでネットが阿鼻叫喚で
あろうことか
”かばんちゃん”のワードが
21万6000ツイートで
twitterのワールドトレンド入り
だったそうですからなあ
(‥ )やっぱあれな
この世は修羅場だから
可能な限り最善の選択肢を
選び続けて
あがいてみせないと
みんな評価してくれんのな
つまるところ、最善の選択肢を選び続けないと感情移入してもらえないので、まあ取りあえず、キャラを動かす時でもベストというかベターぐらいは尽くしましょうか、という話。
以下、追記
∧∧
( ‥)最善と言わないまでも
出来る限り良い策を
選ぶのは実生活でも
大事だよね
そもそも実生活でも
大事だから
皆は架空のキャラにも
その行動を望むのである
( ‥)まあベストばかり選んで
−/ 実行しようとしてると
現実世界では
過労死するから
ほど良い程度で
十分なんだけど
∧∧
(‥ )物語として見た時
\− かばんちゃんの
最後の判断って
あれどうなんですかね?
(‥ )友達が呑み込まれた時点で
このままでは
友達が記憶と知性と存在を
喪失してしまうわけだよな
だとしたらどうするか?
取りあえず、作戦自体はヒグマちゃんとロボットがいれば実行可能だし、事実として現在遂行中。
∧∧
( ‥)だとしたら自分が友達の
救出へ向かうのも
ありと言えばあり
(‥ )そして救出には成功するが
さすがに樹に登るだの
高所から落ちるだので
疲労困憊満身創痍
二人で逃げることは
もはや不可能
ここで物語における根本的な問題が選択肢に顔を出す。
主人公は一体全体何者なのか?
もし記憶を失っているただの人間なら、食われても多分死ぬわけではない。記憶は失いそうだが。
仮に人間に基づいて作られた存在なら、食われたら原型である人間に戻るだけ、多分。記憶は失いそうだが。
∧∧
(‥ )危機的なのは
\− 自分が人間の遺物から
再現された存在であった
場合だね
この場合は記憶どころか
存在が消滅する可能性がある
(‥ )でも起きうる可能性を
列挙して比較すると
自分がこのまま食われる
って選択肢は
かなり分のいい賭なのよね
存在消滅の可能性は
安易に計算すれば3分の1
少なくとも賭けるに値する
友達が食われたら確実に彼女の自我が消滅する。
だったら自分が食われた方がまだしも道が開けよう。
∧∧
( ‥)でもこれ物語としてみると
メタ的には深刻な賭けだよね
どっちかというと主人公は
遺物から再現されたという
可能性が
これまで暗示されて
きましたからなあ
( ‥)なんかすでに発売された
−/ ガイドブックだか
なんだかでは
主人公の正体が書かれて
いるそうだが
そこんところ
どう整合するのかな?
さてどうなりますことやら。
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