自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2012年12月27日木曜日
大人はね、認識を嘘で塗り固めていいんだよ
*の続き
絵本を書いている。
∧∧
(‥ )大陸はおおむね花崗岩、
\– 海洋地殻は玄武岩、
その下のマントルも岩石
だけど、海洋地殻はその
中へ沈んでいきます、と
(‥ )マントルは岩石だけど
流れます、だから地殻は
マントルをかき分けて
沈んでいくよ
そう書くべきだろうね。
∧∧
( ‥)流れるのに固い岩、
–□ どういうこと? と
子供が不思議がりそうです
けどね
(‥ )固体でも変形する、つまり
流れる。マントルは高温で
”柔らかい”けども、
人間から見ればかちかちだ
そう書けばいい。
∧∧
(‥ )マントルの粘性率は資料に
\– よれば水より23桁大きい
ですけども
(‥ )100億の100億倍の
さらに1000倍と書く
しかないだろうな。
固体でも流れる。これは自分の場合、中学時代、図書館でたまたま目にした本、「流れる固体」を読んで知った事実であるけども。
∧∧
( ‥)子供時代に読む本は
重要であるということ。
以前にも話題にしましたが
( ‥)大人は騙される方が
–□ 悪いから、大人向きの本は
意図的にせよ、無自覚に
せよ、みんな容赦なく
嘘ついたり、騙したり
手抜きをしたりするがね
子供向きの本はまじめに
書くものだよ。
世の中の人の多くが、マントルは溶けたマグマである、と思い込んでいる。それを聞いて、はあ? と面食らった研究者がいるように、学問の基礎知識と我々の常識はまったくずれている。
つまり、広めるべき知識というものがこの世にある、ということだ。
*だいたいそもそも、マントルが溶けているのなら、火山は地球上にほぼむらなく分布するか、地殻が薄い海洋の方が多いだろう。だが実際は違う。大陸の、それも縁辺部、海洋プレートが沈む込む場所に異様に偏って分布する。これはマントルが溶けている、ではまったく説明がつかない分布だ。
∧∧
( ‥)子供は新しい知識を手にし
(‥ )古い知識を持つ、僕ら
大人達はやがて死ぬ。
こうして知識は更新
され、進歩は世代を
通して前進する。
進歩というものがあるとすれば、それは死ぬこととワンセットだ、ということでもある。
死ななければ我々は死んだも同然だ。
∧∧
( ‥)でも? 全員がそれを
いさぎよし、とする
訳ではないのだと
( ‥)遺伝的な決定論、
–□ 収束する未来、
生存競争、
ダーウィニズムが
見せる現実の振る舞いに
一部の連中は恐怖した
人によっては、それは自分の人生がすでに詰んでいることを示しているように見えた。
まあ、しかりだ、才能が遺伝的なものなら、たとえ遺伝的なものであってもそれはずいぶんデリケートなものに見えるし、かなりな自由度を保証しているように見えるが、だがしかし、駄目な奴は確かに駄目だ。へたくそはへたくそ、いくら持ち込みしてもへたはへた、駄目は駄目だ。
人によっては、それは競争社会を強制するように見えた。
まあ、しかりだ。競争の無い社会を作っても、競争を強いる裏切り者が出現すれば、それは瓦解し、あるいは征服され、奴隷化される。競争の無い社会それ自体も、実は少数の圧政に他ならない。必ず反抗するものが出る。一方、人の働ける時間には限界がある。人間の限界と征服される恐怖、この均衡がとれるまで競合はエスカレートするだろう。
∧∧
( ‥)恐怖した人のうち、
文才のある人は
こうした恐ろしい現実を
無視した嘘を書き連ねた
(‥ )恐怖した人のうち、
読者に回った連中は
それを買い、幸せな嘘で
認識を塗り固めるのだ
今西進化論しかり、グールドの様々な試みしかり。
まあ、それ自体は悪いことではない。科学として評価されなかったが。
大人は、挫折するしかない大人は、活字というバーチャル空間で、うはうはしていればいい。
それは悪いことではない。無様以外のなにものでもないが。
挫折した奴は挫折空間に引きこもっていれば良いのだ。そこから出ない限り、最低限度の義務を果たす限り、誰も文句はいわん。
黙って死ねばいい。人はどうせ死ぬのだ。金は墓まで持っていけないが、挫折なら墓まで持っていけるじゃないか。
黙って死なないから挫折をさらしてみっともないことになる。
∧∧
( ‥)だけども
( ‥)子供にそんなこと
–□ させるわけには
いかんからな。
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