*の続き
∧∧
( ‥)日本だと民主制と軍隊は
相反する、そういうイメージ
ですけども
( ‥)歴史的には近代の民主制は
–□ 戦争から誕生したのだよね
もちろん別にそれだけではないんだろう。イギリスは立憲君主制。一方、革命で国王を処刑し、さらに周囲の国を相手にしなければならなくなったフランスは大衆を大量動員して強大な陸軍を作り出し、西欧世界を一時とは言えども征服し、皇帝ナポレオンという独裁者を生み出し、それに恐怖した各国も似たような状況へ踏み出すことになる。
∧∧
( ‥)立憲君主制、王制、帝政
議会、なんにせよ、
こういう過程で軍隊は民衆に
開かれ、ついに近代民主制が
誕生する
(‥ )日本は自力で民主制を
作ったわけじゃなくて
舶来だからな。成立の
過程もまったく違う
わけで、民主制と軍隊の
関係性は低いどころか
相反するものと思う
ようになった、そんな
感じかもね。
∧∧
(‥ )そして歴史は今、大衆に
\– 開かれた軍隊から、
閉じたプロの集団に
戻りつつあるように
見えると。
(‥ )これからの未来が
どうなるのか?
というのは興味深い
ところでね。
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( ‥)プロ集団の軍隊が国を
支配して、民主制は
終わるかもしれないし
(‥ )終わるにしても、それは
軍人貴族なのか、
あるいは現代社会の
軍隊が発言権を強めた
だけの世界なのか。
あるいは軍隊がプロ化したように、国家官僚もプロ化しているので、お互いにお互いの領分を侵犯することができず、
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( ‥)ローマ帝国の後半、
もうビザンチン帝国ですけど
軍隊、官僚、市民が元首を
承認する、という形式をとる
文民統治になっているのか
( ‥)やっかないな問題だね
–□ ローマの帝政とは、
議会では帝国全体を
一括統治できないので
非正規に考案された
仕組みである。
そう理解した場合。
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( ‥)近代の民主国家は
官僚組織が発達して
いるのだから、軍隊が
プロ化してもそのまま
軍隊、官僚、市民が
元首を承認する体制へ
移行するかもしれない。
(‥ )単独の人間による
軍事独裁という過渡期を
経ないままにね。
だとすると元首はいるが
独裁者はいない、という
ことになるわけだ。
色々考えられるのだよね
例えば近代の軍隊が成立
する以前、そこにあった
軍隊は軍人貴族たち
だけどもさ
その祖先って、要するに騎士、だよね? 大雑把にいって。
∧∧
( ‥)この場合、まず、軍隊を
民主化しないと近代軍に
移行できない。
貴族や王が軍隊を民主化
しようとするのは、
強烈な外敵が民主化された
軍隊を持つことによる、
いわば外圧の存在ですよね
(‥ )つまり軍人貴族がいる
世界だからこそ、戦争から
民主制が誕生したとも
言える。
戦争がプロ化すると
民主制が終焉する
という予測はその
裏返しなのだけども。
ひるがえれば
∧∧
( ‥)ひるがえればですよ
ローマ帝国に軍人貴族は
いたのか? という問題
なのでは?
(‥ )例えばそれぞれの領地に
有力者がいて、皇帝や王に
領有のお墨付きをもらい
代わりに軍役を果たす
という仕組みかというと
たぶん違うよねえ。
例えば12世紀以後はどうなるのだ? という疑問があるのだけども、ローマは封建制ではなかったらしい。
∧∧
( ‥)軍人貴族がいないのなら
志願者をつのって集めた
勤続年数の長い兵隊さんが
いるだけで
(‥ )その場合、軍隊自体は
発言権を持つけども
軍隊が大衆への門戸を
閉ざすか、といったら
閉ざさないよね。
ひょっとしたら
ローマ軍は近代西欧軍
よりも一貫して
現代の軍隊に似ていた
のかもしれない。
∧∧
( ‥)それは調べるとして。
んー? だとしたら
仮に扱いが難しいが無敵の
スーパー兵器が出現した、
という極端な未来でも
軍人貴族は出現しない
ということですかね?
(‥ )んーーーーー
どっちかというと、
それは能力が遺伝するか
どうかの方が重要かもね
∧∧
( ‥)能力が遺伝すれば彼らは
貴族化して、世界は彼らの
ものになるでしょうし
(‥ )しても顕著でない場合は
やっぱ2代目はミスター
にはかなわないか、で
終わって、プロスポーツ
選手のような扱いかも
しれないなあ。
そして思うに
∧∧
(‥ )だとしたら、よく知識人が
\– 叫ぶ、軍部の独走ガー
とか、
軍靴の音ガー
とはどう評価するべき
でしょうね?
(‥ )モデルが単純すぎて
そのままではまじめに
考えるに値しない
というべきだろうな